API 連携とは?基本の仕組み・メリット・導入手順などを徹底解説!
API連携の基礎知識
APIとは何か、そしてAPI連携が注目される背景について押さえておきましょう。
APIとは、異なるソフトウェア同士をつなぎ、機能やデータを共有するための仕組みを指します。近年ではパブリックAPIやプライベートAPIなど公開の形態も複数存在し、サービスをオープンにすることで新たな価値を生み出す動きが活発化しています。
API連携を活用すると、新規システムをゼロから作り上げる必要がなくなり、開発コストが抑えられたり、躍動的なサービスリリースが可能となるという利点があります。SNSログインやECサイトの決済ゲートウェイなどは、API連携の代表的な活用例です。
一方で、提供元のサービス仕様が変わることでシステムに影響を与える可能性があるため、継続的なモニタリングやバージョン管理にも配慮が必要です。
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▼APIについてもっと詳しく知りたい
⇒ API|用語集
APIとは何か
APIは「Application Programming Interface」の略称で、ソフトウェア同士がデータや機能をやり取りするためのインターフェースです。外部システムと連携する際、このAPIが共通言語のように働き、必要な情報を正確かつ安全に交換できます。
従来は独自仕様が多かったAPIですが、Web APIとして統一したプロトコルを利用することが一般化し、連携がより容易になりました。現在はさまざまな領域でAPIが公開され、他社サービスとの協業が進みやすくなっています。
このようにAPIは、企業がサービスを組み合わせたり拡張したりする際の重要な接点となり、新規ビジネスや顧客価値を創造する原動力となっています。
API連携が注目される背景
近年のDX(デジタルトランスフォーメーション)加速に加え、リアルタイムのデータを共有・活用するニーズも高まり、APIを通じて即座に情報を反映する仕組みが求められています。
さらにオープンAPIを採用する企業も増え、外部開発者とのコラボレーションやエコシステムの拡大によって、新たなサービス連携や価値創出の可能性が広がっています。API連携は、ユーザー体験や業務効率を高めるだけでなく、ビジネスを成長させていく上でも欠かせない要素と言えます。
API ✕ データ連携の仕組み
REST APIやSOAP API、さらにデータ形式を中心に、API連携がどのように成り立つのかを理解しましょう。
APIは基本的に、リクエスト(要求)を送信し、それに対するレスポンス(応答)を受け取ることで成り立ちます。REST APIやSOAP APIなど通信手段は異なりますが、いずれも決められた仕様に沿って処理が行われます。
連携時に交換されるデータ形式はJSONやXMLが一般的で、それぞれ構造や可読性が異なります。どのデータ形式を選ぶかは開発効率や処理速度、互換性といった観点から検討することが重要です。
ファイル連携やDB連携との比較で注目されるのは、API連携によるリアルタイム性やアクセス制限のカスタマイズのしやすさです。モジュールを使って簡単に機能を呼び出せる点もメリットの一つとなります。
REST APIとSOAP APIの違い
REST APIはHTTPなどのWeb標準プロトコルを利用するシンプルな方式で、軽量かつ理解しやすいという特長があります。一方でSOAP APIはXMLを使用し、セキュリティやトランザクション管理のための仕組みを含むため、より厳格な設計が可能です。
開発現場では、実装の容易さやパフォーマンスを重視する場合にREST APIが選ばれることが多いですが、SOAP APIも金融機関など厳密なデータ管理が求められるケースで用いられています。
自社の要件やセキュリティレベルを確認し、RESTかSOAPかを選択することがプロジェクト成功の第一歩となります。
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▼REST APIについてもっと詳しく知りたい
⇒ REST API|用語集
データ交換形式(JSON・XMLなど)
JSON(JavaScript Object Notation)は軽量で可読性が高く、JavaScriptとの親和性が高いため、近年のWeb API連携のデファクトスタンダードとなっています。一方でXML(Extensible Markup Language)も構造化に優れ、昔から広く利用されています。
大規模システムや業務利用では、交換するデータ量や形式を考慮し、両者を使い分けることもあります。たとえば、従来から基幹システムでXMLを使っている場合は移行コストを見ながら最適化を検討する必要があります。
最終的には、開発チームのスキルセットやAPI提供元の方針に合わせて、最適なデータ形式を選ぶことが成功のカギです。
API連携とファイル連携・DB連携の比較
ファイル連携はCSVやExcelファイルを介してデータを受け渡す方式で、バッチ処理が中心となります。一度に大量のデータを移行しやすい一方で、リアルタイム性には不向きです。
DB連携は直接データベース同士を同期させる方法ですが、セキュリティ設定や接続要件が複雑になる場合があります。一方で高速性や整合性が期待できるので、要件に合わせて選択されます。
API連携は認証やアクセス制御を柔軟に設定しながらリアルタイム性を実現できるため、近年のクラウドサービスやモバイルアプリケーションとの接続で特に重宝されています。
API連携のメリット
APIを活用することで得られるメリットは多岐にわたります。主な項目を整理しましょう。
API連携を導入するメリットとしては、開発コスト削減や機能拡張、業務効率化などビジネス面のインパクトが大きいものが挙げられます。サービス同士を組み合わせることで最小限の投資で最大限の効果を得ることが可能です。
また、リアルタイム性や自動化の高さもAPI連携の魅力で、データを常に最新の状態に保つことで迅速な意思決定をサポートします。セキュリティ面でも、APIキーやトークンを使って細かくアクセス制御を行える点が大きな強みです。
とはいえ、いくつかのデメリットやリスクも存在するため、総合的に評価しつつ導入を検討する必要があります。
1. 開発コストの削減
既に公開されているAPIを利用することで、一から機能を開発する必要がなくなるため、大幅にコストを抑えられます。例えば、SNSの認証機能を独自で作るよりも、FacebookやGoogleのAPIを利用した方が開発の負担は圧倒的に軽くなります。
また、開発期間も短縮されるため、サービスのリリーススピードが向上するメリットもあります。コストと時間を節約した分だけ、他の重要な要素にリソースを投下できるようになるでしょう。
ただし、API仕様が変更された際の対応コストが発生することもあるため、連携後も細やかなメンテナンス計画が求められます。
2. 既存サービスの拡張
APIを利用すれば、外部サービスの機能を自社のシステムに組み込むことが容易になります。たとえば、地図情報を提供するGoogle Maps APIを利用すれば、自社Webサイトに地図機能を簡単に追加できます。
これにより、自前で開発する手間なく、サービスの付加価値を高められる点が魅力です。他社との連携を足掛かりに新規ユーザーを獲得したり、既存ユーザーの利便性をさらに向上させたりすることができます。
APIを通じた機能拡張は、ビジネス規模の拡大にもつながるため、競争力を高める戦略として多くの企業が活用しています。
3. 業務効率化とミスの削減
複数のシステム間をAPIで結びつけることで、従来は人手で行っていたデータ入力や集計作業を自動化できます。手動による転記ミスや整合性の崩れを防ぎ、業務プロセスを大幅に効率化できます。
リアルタイムにデータを連携できるため、顧客情報・在庫情報・売上情報などが一元管理され、組織全体での情報共有がスムーズになります。これにより迅速な意思決定や顧客対応が可能となります。
また、従業員の負担軽減につながり、より創造的な業務へとシフトしやすくなる点も見逃せません。
4. 最新データの取得とリアルタイム反映
API連携を使うと、常に最新データを取得できるようになります。たとえば天気情報APIを活用すれば、利用者にリアルタイムの気象情報を提供可能です。
このリアルタイム性はECサイトの在庫表示や問い合わせ対応など幅広い分野で活用され、ユーザー満足度の向上に寄与します。
データが即時に反映されることで、セールスやマーケティングの戦略立案にも役立ち、事業のスピード感を高める要因につながります。
5. セキュリティ強化
APIでは、リクエストごとに認証情報(キーやトークン)を付与する仕組みが一般的です。これにより、アクセス権のないユーザーからの不正な呼び出しを防ぎやすくなります。
さらに、通信をHTTPSに限定することで、やり取りするデータの機密性を保護できます。接続先のサーバー側でもアクセス管理を厳格に行う必要があるため、セキュリティ水準が高まります。
こうした仕組みにより、サービス間連携の安全性を担保しつつ、利便性を向上させるという相反する課題を両立できるのです。
API連携のデメリット・注意点
便利な一方で、いくつかのリスクや注意点も存在します。あらかじめ把握しておきましょう。
API連携は非常に有効な手段ですが、提供元サービスの安定性、利用規約の変更、利用料金など外部要因への依存がどうしても生じます。特にビジネスに直結するシステムであれば、継続的な稼働が前提となるため、こうしたリスクを正しく織り込むことが重要です。
また、セキュリティ周りの管理もAPIならではの注意点の一つです。APIキーやトークンの漏洩リスクがあれば、外部からシステムが不正利用される可能性もあります。
デメリットを最小化するには、運用管理体制をしっかりと整え、障害時への対応ルールや頻繁な契約更新への備えをしておくことが欠かせません。
1. API提供元のサービス終了リスク
外部サービスを前提にシステムを構築すると、サービス自体が終了した場合に大きな影響を受けます。とくに無料APIの中には突然提供停止となる例もあるため、代替案をあらかじめ用意しておくことが求められます。
企業向けの有料APIでも、事業方針の変更によってはサービス終了が発生する可能性はゼロではありません。そのため重要なシステム連携の場合は、常にリスク回避策を考えておく必要があります。
十分にAPI提供元の信頼性を調査し、いつでも切り替えられるようにモジュールを分割するなど、設計段階から対策を検討することが重要です。
2. 規約変更や障害による影響
APIの利用規約が変更された場合、これまで無料だった機能が有料化されたり、APIコール数の制限が強化されたりすることがあります。契約内容を定期的に確認し、事前に情報収集を行う必要があります。
また、API提供元に障害が起きた場合、自社サービスにも影響が波及する点は大きなリスクです。サービスレベル合意(SLA)の有無やサポート体制を事前にチェックしておくことが望まれます。
迅速な復旧が行われるよう、連携先とのコミュニケーションルートを確保し、モニタリング体制を整えておくと安心です。
3. 利用料金やリソース制限
無料プランではAPIリクエスト数や機能範囲に制限があることが多く、ビジネスが拡大すると上位プランへ移行しなければならないシーンが出てきます。コスト試算を行う際には、この点を考慮しておくと良いでしょう。
リクエストの増大がサービス全体の運用費を圧迫することもあるため、必要なアクセス数やレスポンス速度を事前に見極め、最適なプランを選択することが重要です。
これらの制限を超えると急激にコストが高騰する場合もあるため、負荷試験や将来のスケーラビリティを見込んだ設計が求められます。
4. 認証管理・セキュリティ対策の重要性
APIキーやトークンを適切に管理しなければ、不正アクセスによるデータ漏洩リスクが高まります。アクセス権限を細分化し、機微な情報へ無制限にアクセスされることを防ぐ仕組みが必須です。
また、定期的にキーを更新するローテーションを導入したり、脆弱性検査を行うなど、セキュリティを常に最新かつ安全な状態に保つことが求められます。
万が一のインシデントに備えたログ取得や監視体制の構築も重要で、セキュリティインシデントの早期発見と対処によって被害を最小限に抑えられます。
API連携の主な活用事例
具体的にはどのようなシーンでAPI連携が使われているのか、代表的な例を紹介します。
API連携は、多様な業種・業界のあらゆる場面で活用されており、身近な機能の裏側で多数使われている技術です。SNSアカウントとの連携や決済システムの統合などは、一般ユーザーでも日常的に利用している代表的な事例と言えます。
企業の基幹システム同士を柔軟に接続し、売上・在庫・顧客情報を一元管理する取り組みも一般化してきました。POSレジデータや会計ソフトとの連携を通じ、経理作業の自動化やリアルタイム販促施策の実施なども進んでいます。
このようにAPIを組み込むことで、単なる機能追加だけでなく、ビジネスモデルそのものに変革をもたらすケースも珍しくありません。

SNS認証や外部ログイン機能
FacebookやGoogle、XなどのSNSアカウントを利用してユーザー登録を簡略化する機能は、多くのWebサービスで導入されています。この仕組みもAPI連携によって実現されています。
ユーザーがSNS認証を活用できることで、わざわざ新規IDやパスワードを登録する手間が省け、離脱率を低減できます。サービス提供者にとっても顧客データの整合性が保ちやすく、次のマーケティング施策に活かせるという利点があります。
こうしたロジックが裏でシームレスに動いていることが、ユーザー体験をスムーズにしている大きな要因です。
ECサイトと決済ゲートウェイの連携
オンラインショップを運営するうえで決済処理は欠かせませんが、クレジットカード決済や電子決済機能を一から開発するのは非常にコストが掛かります。そこでAPI経由で外部の決済ゲートウェイと連携し、安全かつ迅速に機能を実装するケースが多いです。
PayPalやStripeといった決済代行サービスのAPIを利用すれば、複数の支払い方法を一括でサポートできるため、ユーザーの利便性が飛躍的に向上します。
昨今ではQRコード決済などの多様な決済手段への対応も重要で、API連携により柔軟に最新の決済方法を取り込むことでビジネスチャンスを逃さない仕組みを構築できます。
基幹システムや社内システムの連携
販売管理システムと在庫管理システム、あるいは顧客管理(CRM)など、企業の基幹となる複数システムをAPIでつなぐことで、情報を一元的に扱えるようになります。これにより、組織内の重複入力やデータ整合性の問題が解消されるでしょう。
たとえば、受注データと在庫データを即時に突き合わせるだけでなく、顧客情報を各部署で共有できるため、顧客満足度の向上や販売戦略の最適化につながります。
結果として業務効率の向上だけでなく、不必要なコストや在庫ロスを削減でき、経営判断のスピードも加速させる効果があります。
POSレジや会計ソフトとのデータ統合
リアル店舗の売上情報をPOSレジから取得し、クラウド会計ソフトと伝票レベルで同期するように設定すれば、経理作業の手間が大幅に省けます。とくに複数店舗の売上を中央で統合管理する場合にAPI連携は役立ちます。
データを自動で取り込むことで、ヒューマンエラーも減らせるため、正確な財務分析が可能となります。販売戦略の意思決定にも役立つでしょう。
このように、オフラインとオンラインの境界を越えた情報の一元化が進むことで、店舗運営から経理業務までシームレスにつながる時代が到来しています。
APIデータ連携の導入ステップ
API連携を導入する際には、目的の定義から始まり、開発や保守運用まで段階的に進める必要があります。
成功するAPI連携の導入には、目的をはっきりさせたうえで、どういった機能やデータ連携が必要かを明確化することがスタート地点となります。
その後、API提供元のアカウント取得やキーの管理、実装とテストに進み、運用フェーズでも連携先との連絡体制やバージョンアップ対応などを継続的に行わなければなりません。
各ステップで丁寧なテストとドキュメント管理を行うことが、トラブル対応をスムーズにし、結果的に連携の成功確率を高める大切なポイントです。
1. 目的の明確化と要件定義
まずはAPI連携を通じて実現したいゴールを明確化します。売上向上なのか、コスト削減なのか、業務効率化なのか、目的によって連携するサービスや必要な機能は異なるでしょう。
次に要件定義として、扱うデータ項目や処理フローを整理し、必要なAPIの一覧を洗い出します。時系列や更新頻度を考慮し、どのタイミングで連携データを取り込むかも計画します。
最初の要件定義がしっかりしていると、後の開発やテストでの手戻りを大幅に減らすことが可能です。
2. API提供元の登録・キー取得
連携先のAPIを使用するには、開発者ポータルや管理画面でアカウント登録を行い、APIキーを取得する必要があります。APIキーはセキュリティ管理の要となるので、社内での取り扱いルールを厳格にしておきましょう。
また、APIキーには利用上限が設定されている場合もあるため、事前にどの程度のトラフィックが予想されるかを見積もることも大切です。
取得したキーや接続情報はプロジェクトのドキュメントに明記し、チーム内で安全に共有できる仕組みを整えるようにします。
3. 実装とテスト
開発環境やテスト環境を整え、実際にAPIコールを行うコードを組み込みます。APIのエンドポイントが想定通りにデータを返すか、エラー処理が適切に行われるかなどをチェックすることが基本です。
機能単位の単体テストだけでなく、システム全体としての連携テストも重要です。特にタイムアウトやネットワーク障害時のリトライ処理など、障害発生時の挙動も考慮しておくと運用時のトラブルを最小限にできます。
なお、他社APIを使う場合はドキュメントに記載されていない制約や微妙な挙動が見つかることもあるため、テスト段階でしっかり把握することが肝要です。
4. 運用と保守
本番稼働した後も、APIのバージョンアップや提供元のサービス変更への追随が必要です。定期的な確認やシステムモニタリングを通じて、連携が正常に行われているかチェックしましょう。
バージョンが変更された際には移行期間が設けられることが多いですが、慌ただしく対応しないように早めの準備を進めるのがおすすめです。
運用保守の体制を整えつつ、これまで得られたデータやユーザー反応を踏まえ、新たなAPI連携の導入や機能拡張を検討していくことで、サービスの成長をさらに加速させられます。
iPaaSやETLツールなどのソリューション活用
ノーコードあるいはローコードでAPI連携を実現するためのソリューションが増えています。
API連携を一から開発するのではなく、iPaaS(Integration Platform as a Service)やETL(Extract, Transform, Load)ツールを使うことで、開発リソースを大幅に削減できます。これらのソリューションは、事前に多くのAPIコネクタが用意されているケースが多いため、ドラッグ&ドロップで連携フローを構築できるのが特徴です。
ノーコードやローコードのアプローチが進むことで、専門家でなくてもある程度の連携を実装でき、企業内のDX推進を後押しする存在になっています。
運用管理の自動化機能も備えているため、エラー監視やリトライ設定をツール側で完結でき、システム管理者の負担軽減に寄与します。
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▼iPaaSについてもっと詳しく知りたい
⇒ iPaaS|用語集
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▼ETLについてもっと詳しく知りたい
⇒ ETL|用語集
iPaaSの特長と導入メリット
iPaaSはクラウド上で提供される統合基盤サービスであり、複数のアプリケーションやサービスをつなぐハブとして機能します。使い勝手の良いGUIを備えているため、コードの記述量を抑えながら高度な連携を実現できます。
導入メリットとしては、初期コストの抑制、運用コストの明確化、自社でのサーバー管理不要などが挙げられます。セキュリティや認証管理もプラットフォーム側でカバーされる場合が多く、安心して活用できる点も魅力です。
従来はエンジニアリソースを確保しにくかった中小企業でも、iPaaSを利用することで効果的なAPI連携を実装しやすくなっています。
セゾンテクノロジーのiPaaS「HULFT Square(ハルフトスクエア)」
iPaaS型データ連携基盤 HULFT Square(ハルフトスクエア)
HULFT Squareは、「データ活用するためのデータ準備」や「業務システムをつなぐデータ連携」を支援する日本発のiPaaS(クラウド型データ連携プラットフォーム)です。各種クラウドサービス、オンプレミスなど、多種多様なシステム間のスムーズなデータ連携を実現します。
ETLツールの基本とノーコード連携
ETLツールはデータの抽出(Extract)、変換(Transform)、書き込み(Load)を自動化し、データレイクやデータウェアハウスなどへ連携する役割を担います。大規模データの分析基盤として利用する企業が増えています。
近年ではノーコードまたはローコードのETLツールが登場し、GUI操作でAPI連携を組み立てられるため、専門的なプログラミング知識がなくてもデータパイプラインを構築可能です。
これにより、現場の業務担当者がデータを効果的に活用できる環境が整備され、企業全体のデータドリブンな意思決定を後押しします。
運用管理の効率化事例
iPaaSやETLツールでは、エラー監視やアラート通知の機能が充実しており、連携失敗時の原因分析や復旧作業をスムーズに行うことができます。これによりシステム管理者の負荷を軽減し、迅速な対応が可能となります。
また、バージョン管理やジョブスケジューラ機能が用意されている場合が多く、日次・週次などの定期連携もシンプルな設定で自動実行できます。
実際に運用が始まると人為的な手間が削減できるだけでなく、データ品質や処理精度も高まり、より正確なビジネスインサイトを得られるようになります。
今後のAPIデータ連携の可能性
AIやIoTの台頭、オープンAPIの普及などを背景にAPI連携はますます進化しています。
近年ではAIによる自動分析やIoTと連携したリアルタイム制御など、より高度な取り組みが盛んに行われるようになっています。こうした新技術もやはりAPIを介してデータ連携するケースが増えるでしょう。
オープンAPI戦略を推進する企業も加速度的に増えており、業界の垣根を越えたサービス連携によって新たなイノベーションが生まれています。
サーバーレスやコンテナ技術が一般化するクラウドネイティブな時代においては、APIによる結合度がさらに高まり、複雑なシステムをアジャイルに構築することが可能になると見込まれます。
AI・IoT連携による次世代サービス
AI分析や機械学習を適用する際、さまざまなデータソースから大量のデータを取得しなければなりません。API連携を通じてリアルタイムにデータを取得できれば、アルゴリズムの精度向上や処理の自動化がさらに進みます。
IoTデバイスもAPIを通じてクラウドにデータを送信したり、外部システムの状態を取得したりすることで、自律動作や遠隔制御を実現します。
こうしたスマート化は今後の社会基盤を大きく変革すると予測されており、API連携の重要性はますます高まるでしょう。
オープンAPI戦略とエコシステム拡大
従来はシステムを閉じた形で運用する企業が多かったですが、最近では自社のAPIを公開し、外部開発者やパートナー企業との協業を活発化させる流れが広がっています。
このオープンAPI戦略により、エコシステムが広がり、思いがけない利用シーンやサービスが誕生しやすくなるのが大きな利点です。FinTechやヘルステックなどの分野でもAPI連携を軸にした革新的なサービスが増加しています。
ただし、オープンAPIを取り入れる際にはセキュリティレベルの確保や運用ルールの策定が必須となるため、段階的に進めることが大切です。
クラウドネイティブ時代の連携強化
クラウドネイティブなアプリケーション構築では、マイクロサービス同士がAPIを介して連携するアーキテクチャーが主流になっています。サービス単位で機能を切り出しやすく、スケールやアップデートもしやすいためです。
サーバーレス環境とAPIゲートウェイの組み合わせは、高い可用性と柔軟なスケーリングを提供し、トラフィックの急増にも対応しやすくなります。
このようにクラウド環境の活用はAPI連携と密接に組み合わされ、システム開発と運用の形態を大きく変革し続けています。
まとめ
API連携は、企業のデジタルトランスフォーメーションにおいて欠かせない要素となっています。メリットやデメリットを理解し、最適なソリューションを選択することが重要です。
APIを用いたデータ連携は、システム開発の効率化や業務自動化、ユーザー体験の向上など、多くのメリットをもたらします。しかしながら、提供元や規約変更への依存、セキュリティ管理などの注意点もあり、導入を成功させるには慎重な計画と運用が欠かせません。
iPaaSやETLツールの普及によってノーコード/ローコードでの連携が容易になり、今後さらに多様な企業や組織がAPI連携に挑戦しやすくなるでしょう。AIやIoTとの連携が普及すると、その可能性はさらに拡大していきます。
自社の求める目標や役割を明確にしながら、最適なAPI連携の手法やツールを選択することで、ビジネス成長やイノベーションにつなげていくことができます。
執筆者プロフィール
小川 優美
- ・所 属:マーケティング部
- 広告代理店での2年間のコピーライター経験を経て、その後はIT業界一筋。B2CからB2B、日系ベンチャーから大手外資系まで、さまざまな企業での経験が強み。広報、ブランディング、プロダクトマーケティング、キャンペーンマネージャーなど、一貫してマーケティングにまつわるさまざまな業務に従事し、2024年5月より現職。プライベートでは、自然と触れ合うこと、温泉&銭湯が大好き。
- (所属は掲載時のものです)
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