データ活用コラム

API連携で業務を加速!電子契約を使いこなす方法とは

電子契約におけるAPI連携は、契約締結や管理業務を自動化・効率化するうえで重要な仕組みです。ペーパーレス化やテレワークの普及に伴い電子契約の利用が広がり、APIを活用することで手続きの迅速化やミス削減が期待されています。
本記事では、API連携による電子契約の概要やメリット、注意点に加え、効率化につながる具体的な活用事例を紹介します。

データ連携

yoko tsushima - 読み終わるまで 6分

電子契約におけるAPI連携とは

まずは、電子契約とAPI連携の基本的な仕組みと背景を理解することが重要です。

電子契約のAPI連携とは、電子契約サービスが備える機能やデータを外部システムから呼び出し、契約締結や管理の一連のプロセスを自動化する仕組みです。たとえば、契約書の作成や署名依頼、承認フローといった一連の操作を、社内の既存システムや他のクラウドサービスから直接行うことが可能になります。

背景として、企業や組織では多岐にわたるシステムが使われており、契約に関連するデータが分散しがちです。そこでAPI連携により、電子契約サービスと他システムのデータをシームレスに連携させることで、余計な手作業を省き、契約書類作成や契約情報の追跡、保管を一元管理できるようになります。業務フローにスムーズに組み込まれた電子契約は、コスト面の改善だけでなく、正確なデータ活用による意思決定の迅速化にも寄与します。

API連携の仕組みを理解しよう

APIとは、ソフトウェアとソフトウェアがデータや機能をやり取りするためのインターフェースのことです。電子契約サービス側は、APIを通じて契約書の作成・送信・署名などの機能を公開し、外部システムはこれらの機能を使って自動的に書類を発行したり、送付したりできます。これにより、担当者が個別に契約サービスにログインして手動で処理する必要が大幅に減り、業務の運用効率が高まります。

電子契約でAPI連携が活用される背景

契約業務は企業活動の要ですが、従来の紙ベースの契約管理では迅速性や管理面での課題がありました。近年はデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れが加速し、リモートワークやサテライトオフィスなど多様な働き方が定着しています。こうした環境下で契約をスピーディに締結するには電子契約が不可欠であり、さらに既存の社内システムやSaaS製品と連携できるAPIが必須となっています。API連携の活用により、法的要件を満たしながらも、場所にとらわれずスムーズに契約プロセスを進められるのが大きな利点です。

API連携がもたらす主なメリット

API連携によって期待できるメリットは多岐にわたります。ここでは代表的な利点を解説します。

電子契約のAPI連携を導入すると、契約処理の大部分を自動化できるため、人的なミスを減らしながらスピーディに業務を進めることが可能です。とりわけ、複数のシステム間で同じデータを重複して入力する必要がなくなるので、入力漏れや誤記載などのリスクが大幅に軽減されます。また、承認フローや署名プロセスを一括管理できるため、作業コストの削減にもつながります。

さらに、API連携ならではの拡張性も魅力です。ビジネスの成長や組織構造の変更に応じて、新しいシステムやサービスを追加しやすくなるほか、特定の要件に合わせたカスタマイズも柔軟に行えます。セキュリティ面でも、APIを活用すればアクセス権限やログ監査といった管理機能を強化できるので、安心して電子契約を運用できます。

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業務効率・生産性の向上

電子契約におけるAPI連携を導入すると、契約締結プロセスの多くが自動化され、担当者の確認や入力作業が最小限で済みます。これによりスピーディに契約手続きを進められるため、営業部門や管理部門が本来取り組むべき業務に注力しやすくなります。さらに、契約書類の作成から送付、進捗管理までを一元化することで、各ステップをチェックする手間や連絡の行き違いを大幅に削減できる点も効果的です。

柔軟なカスタマイズと拡張性

API連携を利用することで、社内システムや外部のクラウドサービスと自由度の高い連携が可能になります。たとえば、社内で使っている独自のワークフローアプリケーションと連動させることや、必要に応じて追加機能を開発することが容易です。状況の変化や新たなビジネス要件にも柔軟に対応できるので、自社にマッチした契約管理フローを効率よく作り上げられます。

セキュリティの維持と強化

電子契約においては法的な要求を満たすだけでなく、不正なアクセスや改ざんを防ぐセキュリティ強化が重要です。API連携を行う場合、APIキーやトークンを用いて認証を行ったり、操作ログを記録・監査したりする仕組みを整備することで、セキュリティリスクを最小化しながら電子契約のスピード感や利便性を維持できます。

電子契約とAPI連携の活用例

実際にどのようなシステムと連携することでメリットが得られるのか、具体的な事例を見てみましょう。

電子契約は多様な業務システムと組み合わせることで、単なる書類の電子化以上の効果を発揮できます。受発注業務の自動化、文書管理の効率アップ、経理処理の高速化など、連携先のシステムやサービスごとにさまざまなメリットが得られます。特に顧客管理や財務管理と組み合わせる場合、契約情報を基点にビジネスの重要指標を把握しやすくなるのも強みです。

以下に挙げる例以外にも、プロジェクト管理ツールや電子カタログ、ECプラットフォームなどとの連携も検討の余地があります。自社の業務フローを洗い出し、時間のかかっている部分や手作業が多い部分を中心に電子契約とAPI連携を進めていくと、最も効果的な効率化を実現できるでしょう。

CRM・SFAとの連携

API連携によって、営業担当者がCRMやSFAで案件情報を登録すると同時に契約書が自動生成され、電子署名の依頼を送付する仕組みを作れます。成約時には契約ステータスが自動更新されるため、顧客管理と契約一元管理がスムーズに行えるようになります。これにより、契約締結までのリードタイムを大幅に短縮でき、受注活動を加速させる効果が期待できます。

文書管理・ストレージシステムとの連携

契約書をクラウドストレージへ自動でアップロードし、フォルダ管理や検索機能を強化する連携も人気の高い活用例です。契約書のバージョン管理や更新履歴を一元的に把握できるほか、全社での共有やアクセス権限の制御も含めて全てオンライン上で完結します。紙の契約書を探す手間がなくなり、リアルタイムに文書を検索・参照できるようになる点がメリットです。

会計システム・請求書発行システムとの連携

契約情報を基にした請求書の自動発行や支払いデータの連携は、経理業務を大幅に効率化します。契約書に反映されている金額や支払いスケジュールを会計システムへ自動で連携すれば、重複入力によるミスが減り、タイムリーな売上や経費の把握も可能です。結果として、管理コストの削減と経営判断の迅速化に貢献します。

人事管理システムとの連携

雇用契約や従業員同意書など、多数の書類が発生する人事部門でも電子契約とAPI連携が大いに役立ちます。従業員の個人情報を人事管理システムから自動取得し、雇用契約書を作成・送付するといったフローを確立すると、内定から入社後の手続きまでを一括でスムーズに処理できます。結果として、組織内コミュニケーションの効率化と情報の整合性向上につながります。

iPaaS HULFT Squareでの電子契約連携

HULFT SquareではAPIを利用したデータ連携フローを、GUIベースで構築することが可能です。セキュアな連携で、エラーハンドリング処理の組み込みなどあらゆる処理を実装でき、電子契約にかかる処理のさらなる効率化をサポートします。

iPaaS型データ連携基盤 HULFT Square(ハルフトスクエア)

HULFT Squareは、「データ活用するためのデータ準備」や「業務システムをつなぐデータ連携」を支援する日本発のiPaaS(クラウド型データ連携プラットフォーム)です。各種クラウドサービス、オンプレミスなど、多種多様なシステム間のスムーズなデータ連携を実現します。

パーツを組み立てるように、サクサク開発
HULFT Square アプリケーション

主要な電子契約サービスとの接続工程はHULFT Squareで利用できるアプリケーションとして提供しているため、サンプルとして利用することでゼロからの開発を不要としスムーズに接続を検証できます。

API連携における注意点と導入前に確認すべきこと

API連携には利点が多い一方、導入にあたり注意すべき点も存在します。事前にしっかり押さえておきましょう。

API連携によって大幅な効率化を見込めますが、導入時にはセキュリティ管理を強化しなければなりません。認証方法やアクセス権限、ログの取り扱い方針などを明確に設計し、社内外からの不正アクセスや情報漏えいを未然に防ぐ仕組みを整える必要があります。さらに、導入コストや開発工数についても事前に検討し、長期的な運用メリットとのバランスを見極めることが大切です。

また、電子契約には法的効力や本人確認手段が求められるため、サービスが提供するAPIと自社の運用フローが法規制を満たすかを確認する必要があります。これらのポイントを踏まえながら導入計画や実装を進めることで、API連携を最大限に活用した安全で効率的な環境を築くことが可能になるでしょう。

権限設定とセキュリティ対策

API連携では、誤った権限設定による情報漏えいや不正操作が大きなリスクとなります。ロールベースで細かく権限を分けたり、IPアドレス制限や多要素認証を組み合わせるなど、複数の仕組みを導入してセキュリティを高めることが重要です。また、ログイン履歴や操作履歴を定期的にモニタリングすることで、異常なアクセスを早期に検知できる体制を整備しましょう。

利用コストと専門知識の必要性

API連携機能をフルに活用するには、システム開発の専門知識が求められるケースが多いです。自社にエンジニアリソースがない場合は、外部パートナーへの委託費用を考慮する必要があります。また、連携先システムが複数にわたる場合、メンテナンスコストや保守体制の整備も重要な検討要素です。これらのコストと得られる恩恵を天秤にかけ、導入規模や連携範囲を適切に判断しましょう。またHULFT Squareのような連携サービスで、開発やメンテナンスコストを削減しつつ処理構築を実現することも選択肢として挙げられます。

法的リスクとリテラシー

電子契約は紙の契約書と同等の法的効力を持ちますが、国や地域によって規定が異なる場合があります。契約当事者が海外拠点を含む場合は、国際的な規制や電子署名の要件を確認することが重要です。また、担当者や利用者が電子契約やAPI連携の基本知識を持たないと、運用ミスやトラブルの原因になるため、社内での教育やガイドラインの整備も欠かせません。

まとめ

API連携を活用した電子契約の導入は、業務のデジタル化を加速させる大きな一歩です。効率化やリスク対策を意識してサービスを選択し、自社のビジネスに合わせた最適なワークフローを築きましょう。

電子契約とAPI連携を組み合わせれば、契約にまつわる一連のフローをシステム間で自動化・一元化することができます。これは単なるペーパーレス化にとどまらず、部署間の情報共有や監査機能の強化など、様々な業務効率化につながる手段です。導入にあたっては、セキュリティや法的要件、コスト面を十分考慮しながら、自社のニーズに合わせて最適なサービスや実装方法を選択する必要があります。

今後もリモートワークやデジタル化の波はますます広がり、契約業務のオンライン化は避けて通れない潮流といえるでしょう。API連携を活用することで、組織の規模や業種を問わず、契約業務の効率化と正確性を同時に実現できます。自社の業務プロセスを再点検しながら、電子契約とAPIをフルに活かすワークフローを整え、柔軟かつ強固なビジネス基盤を構築してみてください。

執筆者プロフィール

對馬 陽子

  • ・所 属:マーケティング部
  • アプレッソ(現:セゾンテクノロジー)入社後、テクニカルセールスとして技術営業や研修、技術イベントなどを担当。Uターンのため退職したのち、2023年4月に遠隔地勤務制度で再入社。プロダクト企画部での経験を経て、現在はマーケティング部でデジタルコンテンツ作成を担当している。
  • (所属は掲載時のものです)

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