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HULFT Script 技術コラム Vol.0

より業務に近い部分を担うツール「HULFT Script」

HULFTエンジニアインタビュー 株式会社日立システムズ 日立・企業情報サービス事業部 プラットフォームソリューション本部 パッケージソリューション部 第1グループ技師 中野 多賀士氏

対談

USER PROFILE

日立システムズ
日立・企業情報サービス事業部
プラットフォームソリューション本部
パッケージソリューション部
第1グループ
技師

中野 多賀士 氏

セゾン情報システムズ
HULFT事業部
カスタマーサービス部
プロダクトエンジニアリング課

庄司 吉徳

転送ツールのグローバルスタンダード「HULFT」

HULFTは国内のデータ転送ツールとしてトップシェア(*1)、世界シェアでも4位(*2)を獲得しています。これだけ多くのユーザーから選ばれている秘訣はどこにあったのでしょうか。

  • ※1
    株式会社富士キメラ総研「2004-2010パッケージビジネスソリューションマーケティング便覧」「ソフトウェアビジネス新市場 2-11-2014年年度版」〈パッケージ・金額ベース〉
  • ※2
    IDC,Oct 2014,"Worldwide Managed Fire Transfer Software 2013 Vendor Shares"(#252028)

庄司(セゾン情報システムズ)
HULFTが発売された1990年代は、オープン系のシステムが台頭してきた時期と重なります。多くの企業は、既存のメインフレームからオープン系にデータを移行するため、転送ツールを手組みで作成しデータ移行を実施していました。

しかし、この方法では開発やメンテナンス工数が膨大で、データ転送は大きな課題となっていました。そのような中、HULFTを市場に投入しました。

HULFTがデータ転送の課題を解決する便利なツールだ、ということが口コミで広がり、多くの企業に導入いただきました。それ以降、多くのお客様がHULFTをご支持いただいているのだと思います。

中野(日立システムズ)
データ転送のニーズは変化し続けています。オープン系への移行後は、EDI(Electronic Data Interchange)などの商取引の情報をやり取りする際や、企業や自治体の統廃合に伴うデータ統合などにもHULFTが使われています。

最近では、企業内に乱立している業務システムやファイルサーバー間のデータ連携を行うためにHULFTを使いたいという企業が増えています。HULFTユーザーのすそ野は年々広がっているのです。

庄司(セゾン情報システムズ)
業務システムは管理している部署が異なることが多く、障害が起きた際の責任分界点が不明確という問題があります。FTPなどのファイル転送では、障害などでデータがきちんと転送できない場合も少なくありませんから。

この点、HULFTでは転送上の問題が発生した場合に、自動的に再配信処理を実行し、確実にファイルを配信することができます。また、配信終了時には完了コードを発行するので、責任分界点も明確となります。こういった細かいニーズに応えた機能を搭載していることが、お客様から選ばれているポイントなのかもしれません。

ジョブ連携を推し進める 新ツール「HULFT Script」

今回、ノンプログラミングでバッチのジョブを作成できる「HULFT Script」が提供されました。まずは、このツールについての印象をお聞かせください。

中野(日立システムズ)
すごく面白いツールが登場した、というのが第一印象です。そして「業務連携」の細かいニーズに応えることができるツールだとも感じました。「業務連携」というと一言で済んでしまいますが、ファイルを転送する前後で「やらなければいけないこと」はたくさんあります。

このような「やらなければいけないこと」を実施するため、業務ごとに独自のジョブを作成しているケースが多いです。お客様はメンテナンスや品質の保持に相当ご苦労されているようです。そのような課題についても、HULFT Scriptは有効に活用できるツールだと考えています。

また、HULFT Scriptはテンプレートも公開していますが、今後、このテンプレートが大きなポイントになると思います。確かに、HULFT Scriptを使えば、ジョブの品質保持やメンテナンスの課題は解決できるのですが、業務フローやアルゴリズムなどは、依然としてお客様自身が考えなければいけません。この部分の負担は相当なものでしょう。この部分を業務にあったテンプレートを使うことで、負担を大幅に軽減できると思います。

庄司(セゾン情報システムズ)
現在公開しているテンプレートは12種類あります。登場したばかりと言うこともあり、基本的なテンプレートのみを公開しています。具体的には、バックアップなど標準的な業務で利用するテンプレートのほか、HULFTの起動制御などスクリプトを作成する際の部品として使えるものをそろえました。

庄司(セゾン情報システムズ)
今後、お客様のニーズを吸い上げ、お客様にとって有益なテンプレートについては、どんどん公開していきたいと考えています。

中野(日立システムズ)
テンプレートはお客様に「気づき」を与えるきっかけになります。そのため、業種・業態ごとに異なる用語で伝え、便利であることに気づいて頂く事も必要かと考えます。

例えば、同じ「バックアップ」用途でも、金融系のお客様と製造業のお客様とでは使っている用語が異なっていると思います。内容的に一緒でも、用語が異なるテンプレートを用意する事により、適用シーンの想定が容易になるかと思います。

非常に細かいことなのですが、業務に近いところを担うHULFT Scriptだからこそ、こういった部分にも注力していく必要があるでしょう。

HULFT Scriptの狙いや期待することなどがあれば、お聞かせください。

庄司(セゾン情報システムズ)
当社は、HULFTを使って、社会をよくしていくお手伝いができればと考えています。そのため、HULFTで培ったノウハウなどを社会に対して還元しています。HULFT Scriptはそのような活動の一環です。

HULFT Scriptを使えば、ジョブの標準化や可視化が容易となります。また、ジョブの品質を均一に保つためにも有用なツールです。カタログスペックからだけでは、費用対効果を実感しにくいと思いますので、まずはご評価していただければと考えています。

中野(日立システムズ)
HULFT Scriptは、より業務に近い部分を担うツールだと思います。もしかしたらHULFT Scriptを提案する際は、これまでHULFTを提案していた部署とは異なるお客様にアプローチする必要があるのかも知れません。

また、お客様だけではなく、お客様の業務に密接なシステムを構築しているSIerの方々にも受け入れられるツールではないかと感じています。どちらにしてもHULFT Scriptによって市場が広がるのは間違いないでしょう。

システム運用の内製化にもHULFT Scriptが有効

庄司(セゾン情報システムズ)
ユニークな使い方という点で、HULFT Scriptをシステム運用の内製化に使えないか、というお客様もいらっしゃいます。

現在、お客様のシステムの運用についてはアウトソーシングしている、というケースがほとんどです。特にエンタープライズ系のお客様については、その傾向が顕著です。
しかし、システムの運用を全面的にアウトソースしていると、ちょっとした変更でも時間とコスト、手間がかかります。

時間とコスト、手間を省くため「自分たちができる運用については、積極的に内製化していこう」という動きが活発化しつつあるのです。こういったお客様にとって、HULFT Scriptは魅力的なツールとして見えているようです。

中野(日立システムズ)
HULFT Scriptで作成したスクリプトは、業務ノウハウの結晶といっても過言ではありません。システムの運用で使うテンプレートなどが拡充されてくれば、「システム運用の内製化を推進しよう」と考えるお客様も増えていくでしょう。

そのような環境を構築していくためには、ユーザーが作成したスクリプトを公開できるような場があってもいいかもしれません。HULFT Scriptユーザーを育てていくと同時に、ユーザー自身もHULFT Scriptを育てていくことで、HULFT Scriptが業務に欠かせないインフラとして育っていくのだと思います。
そういった意味でも、今後のHULFT Scriptの成長がとても楽しみです。

本日は、ありがとうございました。

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こう使える!HULFT Script活用事例集をダウンロード
事例1
HULFTで受け取った宛名情報の名寄せクレンジングなど一連の処理を自動化し個人情報の扱いを標準化(印刷業 A社)
事例2
テンプレートの利用だけで、簡単にデータ連携の仕組みを実現(印刷業 B社)
事例3
データ連携基盤構築にHULFT Scriptを活用。ノンプログラミングで開発工数を削減(情報通信業 C社)
事例4
ETLツールの代替にHULFT/HULFT Scriptを採用。開発の効率化・コスト削減に(メーカー D社)

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