ETL・ELT・EAIの違いとは?データ連携基盤を最適化するポイントを徹底解説
企業内外で発生する多種多様なデータを活用するうえで欠かせないのが、データ連携基盤です。どの部門でも日々膨大な量のデータが生成され、これを効果的につなげないと業務効率や意思決定に支障が生じかねません。
ETL・ELT・EAIは、それぞれ異なるアプローチでデータ連携・統合を実現する手法です。用途や環境により適切な選択が必要になります。
本記事では、ETL・ELT・EAIの概要や周辺技術としてのiPaaS、さらに導入の際にチェックすべきポイントまで詳しく解説します。
 Yumi Ogawa
-読み終わるまで 11分
Yumi Ogawa
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ETLとは?〜三つのステップで理解する基本プロセス〜
データウェアハウスやBIツールなどで古くから利用されてきたETLの仕組みと手順を見ていきましょう。
ETLはExtract、Transform、Loadの頭文字を取ったもので、企業がさまざまなデータソースから情報を収集し、必要な形に加工してからデータウェアハウスなどの格納先にロードするバッチ処理のプロセスを指します。主にオンプレミス環境で歴史的に利用されてきた手法で、大量のデータを扱いやすくするために最適化されています。
ETLを導入することで、大量のデータを一定の周期で処理し、標準化された形式として保管することが可能になります。データの正確性と品質を担保する作業があらかじめ行われるため、分析基盤に適した状態が整いやすくなるのが特徴です。また、確立されたツールやフレームワークが多く存在するため、運用も安定しやすい利点があります。
一方で、リアルタイムに近いデータ処理が求められる場合、ETLだけではタイムリーな連携が難しいケースもあります。ビジネス要件として新しいデータを素早く取り込みたいシーンが増えつつあるため、より柔軟な仕組みとの組み合わせが意識されることも増えてきました。
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Extract(抽出):データ収集の要点
最初のステップであるExtractは、社内システムやクラウドサービスなど、複数のソースから必要なデータを抜き出す工程です。例えば、販売管理システムやマーケティングオートメーション、SNSのAPIなど、多様な場所に存在するデータを集約するためには、適切なコネクターやAPI制御が欠かせません。
抽出段階では、ソースシステムへの負荷を考慮しつつ、定期的にバッチ処理を走らせる方法が一般的です。トランザクションが発生し続けるデータベースの場合は、変更分を効率良く取得する仕組み(増分抽出)を使うと、処理時間とリソースを最適化できます。
また、抽出範囲の正確な指定も重要です。どのテーブル・フィールドを対象にするかを明確にすることで、不要なデータを取りこまないようにし、最終的な変換効率を高めることができます。
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Transform(加工):データ品質を高める秘訣
Extractで集めたデータを統一した形式や規格に変換するのがTransformの工程です。システムごとに異なる文字コードや日付フォーマットを合わせたり、エラー値の修正・重複排除やクリーニングを行うことで、品質の高いデータを生成します。
変換ロジックにあたっては、ビジネスルールと整合するようにマスタテーブルを参照するなど、社内のルールを意識した加工を行うこともポイントです。データの内部整合性を維持することで、後続の分析段階で不要なエラー検知や二度手間を回避できます。
高品質に仕上がったデータは、意思決定者がより正確な分析を行う基盤になります。部分的な欠損やデータの異常がないかを定期的にチェックする体制を築くことで、品質が落ちることを防ぎましょう。
Load(書き込み):データ活用基盤に組み込む流れ
Transformで処理を終えたデータを、データウェアハウスなどの最終的な格納先にロードするのがLoadの工程です。承認フローなどを経てデータが正確に更新される仕組みを整え、書き込み時の障害に備えてリトライ機能やログの取得を怠らないようにします。
ロード先としては、オンプレミスのデータウェアハウスやクラウドベースのデータレイクに書き込むケースが代表的です。最近では大容量データを扱うためにクラウド上にレプリカを作成し、分析ワークロードを分散させる企業も増えてきました。
この最終ステップまでが安定すると、定期的なバッチ処理によるデータ統合が継続的に行われ、最新またはほぼ最新のデータを分析可能な状態で維持できます。システム障害時の切り分けを容易にするため、Load工程のログとエラーレポートの管理にも注意が必要です。
ELTとは?〜ETLとの相違点を押さえよう〜
クラウド時代に注目されるELTの基本的な考え方とETLとの違いを整理します。
ELTはExtract、Load、Transformの順序でデータを処理するアプローチです。データをまず格納した後でデータベース側の処理能力を活用し、一斉に変換・加工を行うため、大容量データやクラウド環境との相性が良いとされています。ETLが変換後にロードするのに対し、ELTはロード後に変換を行う点が大きな違いです。
クラウドのデータウェアハウスが普及した背景には、コンピューティングリソースを柔軟に拡張できる特性があります。ELTはそうしたプラットフォームのスケーラビリティを活かし、バッチでも大規模な変換処理を効率的に実行可能です。
ただし、データベースに多量の未変換データを格納することで、既存のクエリに影響が出るケースもあり得ます。また、高度なSQLやデータベースのスキルセットが求められる場合もあるため、実運用では開発・運用メンバーの体制を踏まえた検討が不可欠です。
ELTのメリットと活用事例
ELT最大のメリットは、まず大量のデータを素早くロードし、その後まとめて変換できるため、取り込み速度と柔軟性に優れている点です。特にリアルタイム分析でない場合は、変換プロセスを後回しにすることで、最初のデータ登録を高速化できます。
データサイエンティストやアナリストがSQLを駆使し、すぐにデータにアクセスして試行錯誤できる点も強みです。ビッグデータを扱う環境や機械学習の前処理を行う場合など、負荷が高い変換をデータベース側に任せられるのは効率的といえます。
たとえばクラウドデータウェアハウス上にまず大量のログやセンサーデータを格納し、必要に応じて変換や集計を実行するといった形で、より柔軟なデータ活用が実現します。
ETLとELTを使い分けるポイント
ETLとELTはともにバッチ処理が基本であり、大規模なデータ統合に有効ですが、使い分けのポイントは主にインフラ環境と運用体制です。既に長く運用しているオンプレミスのデータウェアハウスでは、ETLの安定性が評価されているケースも多いでしょう。
一方、クラウドと親和性の高いシステムを構築するなら、ELTのほうが挙動がシンプルで大容量に対処しやすい場面があります。社内外のスキルセットや投入できるリソースも考慮し、最適な手法を選ぶのが望ましいです。
運用中にパフォーマンス要件やデータ量が変化することを見越し、あらかじめハイブリッドまたは段階的な移行戦略を立てるケースも増えています。自社に合った柔軟なアーキテクチャを検討してみる価値があります。
EAIとは?〜アプリケーション間連携を実現する仕組み〜
企業内の業務システムを連携させ、一貫した業務フローを実現するEAIの概要を見ていきましょう。
EAI(Enterprise Application Integration)は、異なるアプリケーション間のデータとプロセスをリアルタイムまたは近いタイミングで統合する技術やアーキテクチャを指します。ERPやCRM、基幹系システムなどそれぞれ異なる仕組みを接続し、シームレスな業務処理を可能にします。
ETLやELTがバッチ処理を有効に活用する一方で、EAIは必要な時に必要なデータを転送・共有するリアルタイム性に強みを持ちます。たとえば、在庫管理システムと受注管理システムを連携することで、最新の受注状況が素早く在庫計画に反映される等の支援が可能です。
近年はAPIベースでの連携が促進されており、EAI自体もクラウドシステムとの接続を意識した形に進化しています。ただし、レガシーシステムとの橋渡しを担うために専用のコネクターやアダプターが必要となるケースもあり、導入時には対象アプリケーションのバージョンやプロトコルの確認が重要です。
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EAI導入の背景と主な機能
企業革新やデジタルトランスフォーメーションが叫ばれる中、既存のシステム連携における課題を解消するためにEAIが注目されています。特にレガシーシステムと新規アプリケーションを結びつけることで、一貫したデータフローを実現できる点が導入の大きな理由です。
EAIツールはメッセージングやイベントドリブンの連携、アダプター経由のリアルタイム処理などをサポートし、システム間のコミュニケーションを統制する役割を担います。これにより各システムの制御が簡略化され、運用管理の負荷も抑えられます。
また、EAIプラットフォーム上でエラー処理や再試行制御が標準機能として提供されることで、改修コストを最小化しながら複雑なシステム連携を進めることができるのも大きな強みです。
EAIのメリット・デメリット
リアルタイム連携を可能にするEAIは、データが発生した瞬間から業務フロー全体に変化を自動的に伝搬できるため、業務効率化や障害対応の迅速化に寄与します。また、複数のアプリケーションを単一のインターフェースで統合管理できるため、保守性や拡張性が向上する点もメリットです。
一方で、導入コストや運用の複雑さが課題となるケースがあります。EAIを介して多数のシステムが連動するほど、停止リスクも拡大し、メンテナンス時に全体の動作確認が必要になることも少なくありません。
さらに、レガシーシステムとの接続要件が複雑な場合は、カスタマイズ開発が不可欠となり、スケジュールやコストが増大する恐れがあります。導入前には接続対象の詳細整理が重要です。
ETL・ELT・EAIの違いを表で比較
各手法の特徴を一覧で比較し、要件に最適な選択を行うための基礎知識を整理します。
ETL・ELTは主にデータウェアハウスを中心としたデータ活用基盤の構築に用いられる一方、EAIは業務アプリケーションの統合を狙った手法です。リアルタイム性が求められる業務シナリオやレガシーシステムとの連携が主眼ならEAI、分析向きの大量バッチ処理ならETL・ELTという区分が基本的な考え方になります。
こうした違いを理解していないと、データ活用の目的に合わない基盤を構築してしまうリスクがあります。例えば、ETL基盤の導入を考えていたが、多くのリアルタイム連携が必要なら、むしろEAIやiPaaSの検討が先に必要というケースもあるでしょう。
以下では、リアルタイム処理とバッチ処理の違い、および具体的な適用範囲について整理します。
| 項目 | ETL (Extract → Transform → Load) | ELT (Extract → Load → Transform) | EAI (Enterprise Application Integration) | 
| 定義/説明 | 様々なソースからデータを抽出し(Extract)、目的フォーマットに変換・整形(Transform)してからターゲットに読み込む(Load)方式。 | データを抽出(Extract)してまずターゲットに読み込む(Load)→その後、ターゲット内またはその環境で変換(Transform)を行う方式。 | 複数のアプリケーション/システム間でデータ・トランザクションを統合・連携させ、業務プロセスをまたがってリアルタイム/近リアルタイムに整合・同期を取る方式。 | 
| 主な目的/用途 | データウェアハウスやデータマートへの大量データの統合・集約および分析準備。 | クラウドデータウェアハウス等の処理能力を活かし、変換を後置して高速ロード・柔軟なスキーマ変更を可能にする。 | アプリケーション間のリアルタイム連携、業務プロセスの統合、トランザクションの処理・ルーティング。 | 
| 対象データ/環境 | 主に構造化データ(例:RDB)を対象に、事前定義されたスキーマ形式に整形してロード。 | 構造化・半構造化・非構造化データも対象になり得る。ロード後に変換するため柔軟性がある。 | 主にアプリケーション/サービスレベルのデータ交換・イベント・トランザクションで、データ量はETLほど大量とは限らない。 | 
| 実行タイミング/処理形態 | 多くの場合バッチ処理。定期的・まとめて抽出・変換・ロード。 | データを即座にロードでき、変換はターゲット環境で並列実行可能。比較的リアルタイム性向けの適用も。 | イベント駆動またはリアルタイム/準リアルタイム。アプリケーションの連携が主体。 | 
| 変換のタイミング/場所 | 抽出後、ロード前に変換処理を実施。変換エンジンまたは専用ミドルウェアで実行。 | ロード後のターゲット環境(例:データウェアハウス)内で変換を実施。変換エンジンはターゲットを活用。 | 主にアプリケーション間ルーティング/マッピング・変換をリアルタイムで実行。目的はアプリケーション連携維持。 | 
| 適用規模/データ量 | 大量データの移動・統合に適しており、データウェアハウス導入時の活動で多用。 | 大量データかつターゲット環境に高い処理能力がある場合に特に有効。 | 個別アプリケーション連携、業務プロセス整備、リアルタイム取引系などに適用。大量バッチ処理が目的ではない。 | 
| 主なメリット | 
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| 主な留意点・制約 | 
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リアルタイム処理かバッチ処理か
ETLやELTはジョブを定期的に実行するバッチ処理を基本とします。不要なトランザクション負荷をかけないよう、1日に数回または数時間ごとにまとまった形でデータを抽出・変換・書き込みするのが通例です。
対してEAIは日常業務で起こるイベントによってリアルタイムにデータを連携させることが得意です。受注が入ったら在庫管理へ即反映するといった形で、トランザクション単位での同期が求められるシーンに適しています。
ただし、高頻度の連携にはシステム負荷が伴うため、実装設計では各業務の優先度やネットワーク帯域を考慮したチューニングが必要です。
適用範囲・システム構成の違い
ETLおよびELTは分析基盤で使われるケースが中心で、ビッグデータ活用や機械学習プロジェクトでも多く採用されています。大型のデータウェアハウスに大量データを集約し、レポーティングや予測モデルの学習などに活用する流れです。
EAIは基幹系や業務系アプリケーションの垣根をなくし、統合された業務プロセスを実現するために使われることが多いです。データの一貫性確保やリアルタイム監視の仕組みを作りやすく、業務プロセス全体の効率化が期待できます。
開発体制やツールのライセンス形態なども異なるため、ETL・ELT・EAIのいずれを選ぶかは、システム連携の目的や利用する技術基盤によって変わってきます。
iPaaSとの比較〜クラウド時代の新たなデータ連携手法〜
クラウドを前提とした統合プラットフォームであるiPaaSが注目される背景と、ETL/ELT/EAIとの関係を見ていきます。
iPaaS(Integration Platform as a Service)は、クラウドベースでデータ連携やアプリケーション連携を一元的に行えるプラットフォームです。コードを書かずにGUI上でワークフローやデータフローを構築できるため、導入のハードルが低く、短期間での検証が可能とされています。
また、サービス同士のAPI連携が豊富に用意されている場合が多いので、膨大なコネクター群を活かして素早くシステムを統合できます。ETLやEAIと似た役割を担いつつクラウドネイティブである点が最大の特徴です。
企業規模が大きくなるほどハイブリッドクラウドや複数のSaaSサービスと連携する必要が出てきますが、そうした要件に対してiPaaSは柔軟に対応しやすく、将来的な拡張にも強いというメリットがあります。
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	▼iPaaSについてもっと詳しく知りたい
 ⇒ iPaaS|用語集

iPaaSでできること・導入メリット
iPaaSを導入することで、クラウドだけにとどまらず一部オンプレミスのシステムも含めた統合をGUI上で簡単に設定できます。例えば、SaaS型のCRMとオンプレミスのERPをノンコーディングで連携し、リアルタイムに取引情報を同期させるといった使い方が代表的です。
さらにスケーラビリティが高いため、データ量の増加や新しいサービスとの連携への対応も容易です。新機能の追加やアップデートもプラットフォーム側で行われるため、利用企業がバージョンアップ作業に追われるリスクを避けられます。
ベンダーやコミュニティが多彩なコネクターやテンプレートを整備していることもメリットの一つです。社内に専門エンジニアが少なくても、初期設定や運用を始めやすい点は導入促進の大きな要因となっています。
iPaaS型データ連携基盤 HULFT Square(ハルフトスクエア)
HULFT Squareは、「データ活用するためのデータ準備」や「業務システムをつなぐデータ連携」を支援する日本発のiPaaS(クラウド型データ連携プラットフォーム)です。各種クラウドサービス、オンプレミスなど、多種多様なシステム間のスムーズなデータ連携を実現します。
ツール選定のポイント〜要件整理から製品比較まで〜
具体的にETL・ELT・EAIなどのツールを導入する際にチェックすべき項目を確認します。
ツールやサービスが多岐にわたるため、導入プロジェクトの初期段階で要件をしっかりと整理し、製品比較に進むのが肝要です。実際に運用する現場のニーズを反映した上で、技術的要件とコスト要件を総合的に検討しましょう。
また、ベンダーのサポート範囲や導入の難易度、コミュニティの活発度など、運用後の継続的な支援体制も重要な比較要素です。単に初期費用の安さだけを優先すると、長期的には非効率に陥る可能性があります。
ここでは、代表的なチェックポイントをいくつか挙げますので、自社の環境や要望に照らし合わせながら検討を進めてください。
連携先・変換機能:対応範囲をチェック
特定のデータベースやファイル形式だけでなく、SaaSやAPIなど多様なソースとの連携が必要かどうかを明確にし、対応可否を確認します。ETLやELTでは対応フォーマットの広さが重要になり、EAIの場合は連携先アプリケーションごとのアダプターやメッセージング機能がポイントです。
また、データ変換機能がどの程度柔軟にカスタマイズできるかも要チェック事項です。変換ルールが複雑になるほど、GUIだけではなくスクリプトや外部モジュールとの連携が求められることも多いでしょう。
特に大規模なデータ分析を行う場合、分散処理や並列処理のサポートがあるかも大切です。用途に合った最大性能を発揮できるプラットフォームを選ぶことが成功への近道となります。
コストやライセンスモデルの確認
製品によって、サブスクリプション型や永久ライセンス型、従量課金型などさまざまな料金体系が存在します。クラウドのiPaaSの場合は使った分だけ支払うモデルが多めですが、ETL専用ツールなどはサーバー数やコア数に応じてライセンスを取得するケースが一般的です。
導入時だけでなく、運用やバージョンアップ時に追加費用がかかる場合もあるので、長期的なTCO(総保有コスト)を考慮することが必要です。スモールスタートで始められるかどうかも、初期リスク低減にとっては大切な要素になります。
また、サポート契約が別途必要かどうか、どのレベルの障害対応を受けられるのかなど細部の確認を怠らないようにしましょう。
サポート体制・導入難易度を見極める
使いやすいUIやドキュメントが整備されているかどうか、そしてベンダーサポートやユーザーコミュニティの活発さも、運用フェーズの安定に直結します。特に新しいツールの場合は、情報が少ないとトラブルシューティングに時間を要することがあります。
自社内で扱うデータの機密性が高い場合、セキュリティ面や監査対応の実績も重視すべきです。ISO認証やプライバシーマークの取得状況、クラウドならばデータセンターのセキュリティなどを確認しましょう。
導入難易度は、ツールの学習コストだけでなく組織の変革度合いにも左右されます。運用担当者が新たな体制にスムーズに移行できるよう、トレーニングプログラムやコンサルティングの有無を調べておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?データ活用の手段として、ETLは安定したバッチ処理で分析基盤を支え、ELTはクラウドのスケーラビリティを活かしながら大容量データを効率よく扱う選択肢です。一方、EAIはリアルタイム連携で企業の業務フローをスムーズにする役割を担っています。
近年はクラウド前提のiPaaSが台頭し、API駆動のサービス同士を迅速に連携できるアプローチも普及しました。既存のツールとの併用を含め、各企業の環境やニーズに応じて適切な組み合わせを選ぶことが成功の鍵といえます。
導入を検討する際は、将来の拡張性や運用体制、コスト面などを総合的に判断し、長期的に価値を生み出し続けられる基盤を設計することが重要です。自社のデータ戦略を明確に描いた上で、最適な手法とツールを選び、データドリブンな組織を実現していきましょう。
執筆者プロフィール
 
 小川 優美
- ・所 属:マーケティング部
- 広告代理店での2年間のコピーライター経験を経て、その後はIT業界一筋。B2CからB2B、日系ベンチャーから大手外資系まで、さまざまな企業での経験が強み。広報、ブランディング、プロダクトマーケティング、キャンペーンマネージャーなど、一貫してマーケティングにまつわるさまざまな業務に従事し、2024年5月より現職。プライベートでは、自然と触れ合うこと、温泉&銭湯が大好き。
- (所属は掲載時のものです)
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