データ活用コラム

Salesforceと外部システムを連携するには?
連携方法とその特徴を解説

Salesforce(セールスフォース)は、クラウドベースの顧客関係管理(CRM)プラットフォームであり、企業が顧客情報を一元管理し、営業活動を効率化するための強力なツールです。
Salesforceと外部システムを連携することで、ビジネス全体の効率化と競争力の向上を実現できます。
本記事では、Salesforceと外部システムを効率的に連携する方法を解説します。

システム連携

M.Takahashi - 読み終わるまで 5分

Salesforceと外部システム連携のメリット

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Salesforceと外部システムを連携させることで、多くのメリットを享受できます。本セクションでは、各部門の事例を交えて、代表的なメリットをご紹介します。

業務効率化による工数削減

システム連携により、手動が必要な作業が自動化され、業務プロセス全体の効率が向上し、人的ミスの発生リスクを抑えることができます。例えば、マーケティング部門において、マーケティングオートメーションツール(例:HubSpot)とSalesforceを連携させることで、手作業によるリード情報入力や、リードの追跡業務から解放され、戦略的な業務に集中できるようになります。

顧客満足度向上

顧客満足度を高めるには、顧客のニーズを迅速に把握して、適切に対応することが不可欠です。例えば、カスタマーサクセス部門において、ヘルプデスクシステム(例:Zendesk)とSalesforceを連携することで、顧客サポートの履歴を一元管理することができます。これにより、サポート担当者は過去の問い合わせやサポート履歴を参照し、迅速かつ適切な対応ができるようになり、顧客満足度を向上させます。

データに基づく戦略の立案

システム連携によりデータを一元管理し、そのデータを活用することで、精度の高い戦略を立案することができます。例えば、販売管理システム(例:Oracle E-Business Suite)とSalesforceを連携させることで、販売データと顧客データの統合が実現します。営業部門はリアルタイムで売上状況や顧客の購買履歴を参照し、データに基づいた営業戦略を立案できるようになります。

Salesforceと外部システムの連携方法

Salesforceと外部システムとの連携は、Salesforceが提供するツールやAPIを活用するほか、サードパーティー製のデータ連携ツールを導入することで実現できます。本セクションでは、代表的な連携方法とそれぞれの特徴を解説します。

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Data Loaderを用いたデータ操作

Data Loaderは、Salesforceで大量のデータを効率的に管理するために設計された無料のツールです。GUIを提供しており、直感的に操作が可能です。CSVファイル形式またはデータベース接続を通じてデータを操作し、レコードの一括挿入、更新、削除などを容易に実行できます。特に、大量の顧客データを一括で更新するタスクや、別システムからのデータ移行作業において効果的です。

一方で、GUIを使用する場合では手動での運用となるため、日常的なデータ取り込みや出力が求められるシナリオでは、手間がかかることがあります。Data Loaderは、都度、任意のタイミングや特定のデータをオブジェクトから取り出したい時に使用するのが良いでしょう。

また、基本的なデータマッピングや変換は可能ですが、複雑なデータ変換やエンリッチメントが必要な場合には、データ連携ツールの併用をお勧めします。

APIを利用した連携

APIは、Salesforceと外部システムを効率的に統合するために欠かせない技術です。Salesforceが提供する主要なAPIにはREST APIとSOAP APIがあり、それぞれに特有の用途と利点があります。

REST APIの特徴

REST APIはシステム連携において非常に柔軟性と拡張性が高いツールとして活用されています。この技術はHTTPプロトコルを基盤にしており、リソース指向という特性から、異なるシステム間でのデータ交換を効率的に実現することが可能です。SalesforceにおけるREST APIの具体的な活用法としては、外部システムから顧客データを取得し、それを即時に更新するプロセスが挙げられます。この機能により、リアルタイムでの情報共有や顧客対応の迅速化が可能になります。さらに、既存システムの特徴を活かしながら、システム連携の基盤を円滑に構築できる点でも大きな利点があります。

SOAP APIの特徴

SOAP APIはSalesforceとの連携において信頼性が高い方法であり、高いセキュリティ基準と整然とした構造を特徴とするSOAPベースのプロトコルを使用します。この技術を採用することで、堅牢で安全性の高いデータ交換が可能です。例えば、ERPシステムや基幹業務システムと統合して、Salesforceで収集した顧客データを自動更新するようなシナリオで利用されています。

SOAP APIの利点のひとつは、既存のシステム環境や従来のプロセスとの親和性が高い点です。これにより、スムーズな統合が可能となり、日々の業務フローが効率化されます。また、SOAPの仕様により、エラーハンドリングやトランザクション管理が厳密に行われ、安全で確実な通信を提供します。

データ連携ツールの活用

Salesforceと外部システムの連携を円滑に進めるためには、データ連携専用ツールの利用が効果的です。これらのツールは、異なるシステム間のデータ共有やプロセスの自動化を容易に行うための機能を備えています。さらに、Salesforceと連携するための専用コネクターを有するデータ連携ツールを選択すれば、データの仕様に関する詳しい知識がなくても使用することができます。

EAI(Enterprise Application Integration)

EAI(Enterprise Application Integration)は、企業内に存在する多数の異なるアプリケーションをシームレスに統合し、データの連携を容易にすることを目的とした技術です。現代の多くの企業では、営業、在庫管理、会計、顧客管理などの業務を効率化するために多様なアプリケーションを導入しています。それらのアプリケーションを連携するための豊富なプリセットコネクターや直感的なインターフェースを備えており、技術的な専門知識がなくても簡単に設定ができます。

iPaaS(Integration Platform as a Service)

iPaaS(Integration Platform as a Service)は、異なるアプリケーションやシステムを効率的に統合するためのクラウドベースのプラットフォームです。複数の業務システムや多様なアプリケーション、クラウドサービスを連携するために、EAIと同様に豊富なプリセットコネクターや直感的なインターフェースを備えています。
iPaaSは、高度なデータ連携機能により、既存のオンプレミスシステムやクラウドベースのサービスとの統合が容易に行えるのが特徴です。また、多くのiPaaSはマネージドサービスとして提供され、インフラ管理やメンテナンスが不要なため、IT部門の負担が軽減されます。
このプラットフォームをデータ連携基盤として利用することで、業務プロセス全体を管理しやすくなるほか、運用コストの削減と組織全体の生産性向上が期待できます。

Salesforceと外部システムの連携方法比較  
  Data Loader API EAI iPaaS
提供形態
 
クライアント
アプリケーション
REST/
SOAP API
オンプレミス クラウドベースの
マネージドサービス
リアルタイム性
 
バッチ処理 リアルタイム対応 リアルタイム対応/
バッチ処理
リアルタイム対応/
バッチ対処理
操作性
 
GUI/
コマンドライン
プログラミングが
必要
ローコード、
直感的操作
ローコード、
直感的操作
導入期間
 
短期 開発期間がかかる 短期間 比較的長期間
データ変換の柔軟性
 
基本的な変換 高度な変換 高度な変換 高度な変換
代表的なシナリオ
 
一括データインポート/エクスポート カスタムアプリケーションとの連携 SaaSやクラウド中心のシステム統合 オンプレミス中心のシステム統合


まとめ

Salesforceと外部システムを連携することで、業務効率化や顧客満足度向上、データに基づく戦略の立案を実現できます。具体的な連携方法として、Salesforceが提供するData LoaderやAPIの活用、データ連携ツールなどが挙げられます。特にEAIやiPaaSなど、プリセットコネクターや直感的なインターフェースを備えたデータ連携ツールを使用することで、手動連携や個別開発に伴う手間やリスクを大幅に軽減し、将来他のシステムと連携したい場合にも、柔軟に対応が可能です。
Salesforceと外部システムの連携方法については、それぞれの特徴を理解し、適材適所で選択する、あるいは複数の方法を併用することをお勧めします。

執筆者プロフィール

M.Takahashi

  • ・所 属:マーケティング部
  • セゾンテクノロジーに入社後、HULFTをはじめとしたデータ連携製品事業に従事。パートナーセールス、カスタマーサポートなどを経て、現在はマーケティングを担当。データ連携の重要性や最新情報を発信しています。
  • (所属は掲載時のものです)

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