データ活用コラム

kintone活用をより加速するデータ連携とは

kintoneは業務アプリを作成し、さまざまなシステムとデータ連携が可能なプラットフォームです。
データの一元管理が可能な点がkintoneの大きな利点ですが、業務効率化にはデータ連携が重要です。適切な連携手法を理解し、自社のニーズに応じた最適な仕組みを構築することで、よりスムーズな運用が可能になります。本記事では、kintoneのデータ連携という側面から、kintoneの標準機能によるアプリ間連携から、外部ツールを活用した高度な統合まで生産性向上のアプローチを解説します。これから導入を検討している企業だけでなく、既存システムを活用中の方にも役立つ内容です。

データ連携

T.K - 読み終わるまで 6分

kintoneのデータ連携とは?

まずはkintoneの基本的な機能や役割を整理し、データ連携がどのように必要とされるのか、その代表的な利用シーンを確認します。

kintoneはアプリ作成が容易で情報を一元管理できるため、企業の様々な部署やプロジェクトで活用されています。使う人の目線に立った設計がしやすく、業務レベルに合わせて柔軟にカスタマイズできる点も特徴です。

デジタル化やリモートワークの普及に伴い、社内外で扱う情報量は増え続けています。情報を統合し、重複入力や整合性の問題を解消するためにもデータ連携は重要です。特に別システムとのデータが分断されていると、迅速なデータ分析ができず、意思決定が遅れる原因にもなり得ます。

kintoneではアプリ同士、あるいは他の外部システムと連動することによって業務全体を円滑に進められます。現場の担当者からマネージャーまで、一貫したデータを使って状況を把握できるため、業務フローや社内コミュニケーションがスムーズになります。

kintoneの基本機能と役割

kintoneでは、ドラッグ&ドロップの操作でアプリを作成し、一覧表示やグラフ表示など直感的に扱いやすいインターフェースが用意されています。Excelや紙で管理していた情報をデジタル化しやすく、リアルタイムに共有することで情報の閲覧や更新の時間差によるトラブルを減らすことができます。

また、アクセス権限の設定やコメント機能など、業務を安全かつ円滑に行うための仕組みも充実しています。カスタマイズ性が高いため、新しいプロジェクトや部署で発生する固有の要件にも柔軟に対応できます。

用途分野は多岐にわたり、顧客管理、人事・総務系業務、プロジェクト管理、営業支援など、多くのシーンで利用される汎用性の高さがkintoneの大きな魅力です。

データ連携が必要な理由

現代の企業では多数のシステムやサービスが同時に稼働しており、それぞれに同じ情報を登録すると、二重入力の手間やデータが合わなくなるリスクが高まります。入力する担当者の負担が増えるだけでなく、誤入力によるミスも業務全体に深刻な影響を与えます。

そこでkintoneとその他のシステムを連携させておけば、マスターデータや営業活動情報などを集約し、一元的に扱えます。データを二度三度入力することがなくなれば、担当者の負担が軽減されるだけでなく、誤りの少ない正確な情報の取り扱いが実現します。

また、連携によるデータの一元化が進むことで、データの可視化・活用が容易になります。可視化により、部門やチーム間の情報共有がスムーズになり、企業全体の効率向上にもつながります。

業務ごとのデータ活用シーン

顧客管理・営業支援の場面では、kintoneで顧客情報を一元管理しながら、活動履歴を別アプリに連携してレポートを作成するケースが多いです。興味関心の高い項目を常に最新の状態に保てるため、提案タイミングや顧客フォローが的確になります。

また、プロジェクト管理やタスク管理アプリと連動させることで、進捗状況や担当者、必要なリソースをリアルタイムに共有できます。これにより、チーム全体の意思決定をスピーディに行えるようになり、統一した情報を基にした計画修正も容易です。

さらには、受発注管理や在庫管理などで基幹システムと連動して、売上データや在庫数を常に最新の状態でチェックできるようにすることも、多くあるシーンです。

kintoneアプリ間のデータ連携方法

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同じkintone上の複数アプリを連携させることで、データの重複入力を減らし、入力ミスや更新漏れを防ぐ方法を紹介します。

kintoneでは標準機能だけでもアプリ間のデータやり取りが可能です。ルックアップや関連レコード、アプリアクションなどをうまく組み合わせることで、手動の連携作業を最小限に抑えられます。

このような標準機能を活用することで、業務設計にあわせてワークフローを組み込むことができ、担当者ごとに管理画面を切り替える必要がなくなります。

データを常に正しく保つ仕組み作りを行うことが、組織全体の情報精度・スピードを高める大きな要因となるでしょう。

ルックアップ機能を活用する

ルックアップ機能とは、他のアプリに登録されているデータを参照して取得する機能です。これにより、入力の手間を大幅に削減でき、整合性の高いデータを扱えます。例えば、顧客マスタアプリから顧客情報を読み込むことで、間違いのない情報を案件アプリに引き継ぐことが可能です。

さらに修正が必要になった場合も、マスタとなるアプリ側で情報を更新するだけで、ルックアップ先にも正しいデータが反映されます。

業務設計次第で、社内ワークフローの多くを自動化し、人為的なミスを減らして信頼性の高い情報管理を実現できます。

関連レコード機能の利用

関連レコード一覧機能では、別アプリに紐づく情報を一覧にまとめて表示できます。例えば顧客管理アプリから、その顧客に関わる案件や対応履歴を一覧で把握できるようになります。

この機能は基本的に表示専用であるため、複数のアプリを横断的に情報収集したいときに役立ちます。リアルタイムで追加・変更されたデータがそのまま関連リストに反映されるので、情報の更新を漏れなく追いかけられます。

視認性が高まることで、管理者・担当者ともに現状を的確に把握でき、顧客対応の抜け漏れや重複作業を防止するのに大いに役立ちます。

アプリアクション機能の活用

アプリアクション機能は、あるアプリで発生したデータを別のアプリにコピーする仕組みです。例えば、問い合わせ対応アプリから別の部署用のアプリへ必要な情報を自動でコピーすれば、重複入力を避けつつ連携フローを確立できます。

ボタンをクリックするなどのアクションをトリガーとして設定できるため、運用ルールを決めやすいという利点があります。

こうした標準機能を組み合わせることで、柔軟かつ効率的なアプリ間連携をノーコードで実現できるのがkintoneの強みです。

kintone以外の外部システムやクラウドサービスとの連携方法

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社内に既存システムやサービスがある場合は、kintoneだけでは完結しない承認フローやデータの統合が必要となることがあります。その場合、既存の他システムやサービスともデータを連携することが必要になります。ここでは、API連携やETLなどのデータ連携ツールを活用した連携の方法を紹介します。

APIを活用した連携

kintoneのREST APIを使うことで、他システムからデータを取得したり、逆にkintoneに書き込んだりできる連携を実装できます。

例えば在庫システムと連携して、品目や在庫数、入出庫履歴をkintoneに取り込み、営業やサポート部門が即座に確認できるようにするなどの仕組みが考えられます。

API連携の際は、セキュリティトークンの用意や、エラー発生時のハンドリングなど、実装面での注意も必要となります。

また、自由度が高いため複雑な要件にも対応しやすい一方、アプリケーション開発の知識やスキルが求められます。

データ連携に特化したツールを活用したノーコードによる連携

GUIベースのデータ連携ツールであれば、多様なシステムをつなぎやすい仕組みが整っています。kintoneとの接続コネクタを提供しているデータ連携ツールを利用すれば、ドラッグ&ドロップの操作でkintoneと他システム間のデータ連携を構築できます。

プログラミング不要でデータ変換や加工の工程を実装できるため、非エンジニアでも運用に携わりやすい点が魅力です。

システム全体のデータフローが複雑な場合にも、ETLやEAIiPaaSといわれるデータ連携に特化したツールを用いることで開発負荷を下げられ、安定した連携基盤を作りやすくなります。

kintoneとの接続コネクタを標準装備。ノーコード連携が可能なセゾンテクノロジーのデータ連携ツール

iPaaS型データ連携基盤 HULFT Square(ハルフトスクエア)

kintoneをはじめとする各種クラウドサービス、オンプレミスなど、多種多様なシステム間のスムーズなデータ連携を実現するクラウド型のデータ連携ツール。拡張性が高く、日本製なので和暦⇔西暦などにも対応可能です。

kintoneデータ連携事例と導入のメリット

実際にkintoneを活用して他システムとのデータ連携を行った事例を通じて、その効果やメリットを確認します。

どのような業務領域で役立ち、どんな成果が得られるのかを把握することは、導入検討をさらにスムーズにできます。

顧客管理・営業支援システムとの統合

顧客データをkintoneに集約し、営業活動の履歴や進捗をリアルタイムで共有するケースが代表的です。従来、別々のシステムやExcelで管理していた場合に比べて、情報を見失うリスクが大幅に低減します。

営業部門だけでなくカスタマーサポート部門やマーケティング部門も同じデータを参照できるようになり、顧客対応に一貫性を持たせることができます。

結果として、クレーム対応や追加提案のタイミングが遅延せず、顧客満足度の向上やリピート率アップにつながります。

請求書発行システムの連携事例

受注情報をkintoneに取り込み、請求書作成を自動化することで、従来の手作業による転記やチェック作業を大きく削減できます。

特に売掛金や入金情報など、経理部門にとって重要なデータをkintoneから簡単に参照できるようにすれば、決算期の作業負荷を軽減できます。

基幹システムの連携事例

基幹システムとの連携は社内全体の運用フローに直結するため、導入による効果も大きいです。データ分析に時間や手間が掛かっていた期間システムのデータ分析も容易になり、経営層の意思決定にも役立つ重要な指標を素早く提供可能です。

データ連携を進める際の注意点とポイント

システム連携の導入には、セキュリティや運用コストなど検討すべき重要なポイントがあります。

効果的な連携フローを構築するためには、セキュリティ対策やコスト面の検討に加え、担当者同士のすり合わせが欠かせません。特にデータフローの範囲が大きい場合は、要件定義をしっかり行ってから導入を進めることがトラブル予防につながります。

連携対象のシステムや運用ルールが曖昧だと、連携後に想定外の不整合や運用負担が発生しかねません。

連携開発を一度行い終われば完了、というわけではなく、運用状況に応じて適宜メンテナンスを行っていく姿勢も重要です。

前項で紹介したデータ連携ツールを活用した構築であれば、ノーコードによる実装のため、メンテナンスも容易になります。また、システム運用の担当者変更時などの業務引き継ぎもスムーズになります。

ノーコードデータ連携ツールの決定版!セゾンテクノロジーのデータ連携ツール

オンプレミス型データ連携ツール DataSpider Servista

データ連携フローの作成にGUIを採用。ノンプログラミング/ノーコードでつくらずに アイコンを並べて「つなぐ」ことで、開発や運用コストを大きく削減できます。

まとめ

kintoneは、企業や部門、担当者ごとの個別ニーズを吸収しながら業務を最適化できる柔軟性と拡張性が大きな強みであり、これからも多くの組織に採用されていくと考えられます。そのkintoneと他のシステムを、新しい業務課題やニーズに合わせて柔軟に連携していくことが、導入成功と競争力強化のための大きなカギとなるでしょう。その先には、今後さらなるデータ活用が進み、より高度なリアルタイム分析や業務改革が実現するでしょう。

執筆者プロフィール

T.K

  • ・所 属:マーケティング部
  • セゾンテクノロジー入社後、EDIサービスの開発・運用エンジニアを経て、新規サービスのビジネス開発を経験。現在はマーケティング担当として、当社プロダクトでお客様の課題をどう解決できるかを模索し情報を発信している。
  • (所属は掲載時のものです)

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