連携事例あり|クラウド会計で実現する経理業務の自動化徹底解説!
クラウド会計を活用することで、経理担当者が日々行っている仕訳や伝票処理、請求書管理などを大幅に自動化できる時代になりました。これまで人手に頼りがちだった作業がシステムに代替されることで、業務効率化だけでなく、ヒューマンエラーの削減やリアルタイムの経営判断など多面的なメリットを得られます。
本記事では、クラウド会計を中心に経理業務の自動化が進む背景やメリット、さらに導入時に押さえておくべき選定ポイントなどを網羅的に解説します。
具体的な活用事例や運用のコツにも触れながら、導入に失敗しないためのチェックポイントや今後の展望についても詳しく見ていきましょう。
yoko tsushima
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そもそも経理業務の自動化とは?クラウド会計導入が注目される背景
経理における自動化とは、従来手作業で行われていた会計処理や仕訳登録、証憑整理などをシステム化し、省力化する取り組みを指します。クラウド会計が注目を浴びているのは、インターネット環境さえあればいつでも最新データにアクセスできる利便性や、法改正対応の早さなどの要因が大きいです。
経理担当者は日々の仕訳入力や伝票の整理、月次や年次決算に向けた集計作業など、多くの時間を要する業務を担っています。クラウド会計ではAI機能を搭載しているものも多く、これらの業務をクラウド会計へ移行することで、AIが仕訳科目を推定し、金融機関の取引明細を自動取得できるため、作業負荷が大きく軽減されます。加えて、最新の法規制への迅速なアップデートが可能な点もクラウド会計を導入するメリットの一つで、電子帳簿保存法への対応もスムーズに行えます。
さらに経営者や管理部門にとっては、リアルタイムで会計データをチェックできることが非常に重要です。クラウド会計ならインターネットを介していつでもアクセスでき、月次締めなどの時期を待たずに最新の数字を確認できます。こうしたデータドリブン経営の実践により、タイミングを逃さずに設備投資や新規事業の検討が行えるようになるのも大きな強みといえます。
クラウド会計システムで自動化できる主な業務
クラウド会計の導入により、経理業務の多くが自動化の対象となり、担当者の負担を軽減できます。以下では代表的な事例をピックアップして紹介していきます。
1. 日々の仕訳入力・伝票処理
日常的に最も手間のかかる作業が仕訳入力と伝票の管理です。クラウド会計の場合、取引データを自動で取り込むため、手入力は最小限で済むうえ、勘定科目の仕訳提案機能もAIが担ってくれます。また、紙のレシートや領収書をAI-OCRで読み取って自動仕訳に取り込む仕組みを用意しているサービスもあり、書類をもとにした入力作業を大幅に簡素化できます。
2. 銀行口座・クレジットカードの自動連携
多くのクラウド会計サービスは、金融機関やクレジットカードとの連携機能を提供しています。インターネットバンキングやカード明細をシステムが自動取得し、取引内容に応じた勘定科目を候補として提示してくれるため、経理担当者は承認のステップを踏むだけです。こうした仕組みにより、入力漏れや二重入力といった人的ミスを防ぐことができます。
3. API連携やRPAによる定型業務の大幅効率化
さらに高度な自動化をめざす企業では、API連携やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)技術を利用するケースも増えています。クラウド会計システムと他の業務アプリケーションをAPIレベルで連携することで、受注データや勤怠データを自動で取り込むといった作業をシームレスに実行できます。これにより、毎日あるいは毎月繰り返される定型作業のほとんどを自動化し、担当者は分析や経営提案などの付加価値業務に専念できるようになります。
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▼APIについてもっと詳しく知りたい
⇒ API|用語集
クラウド会計ソフト導入のメリットとデメリット
クラウド会計を導入することによる恩恵は多岐にわたりますが、その一方で注意すべき点も存在します。ここではメリット・デメリット両面を把握することで、導入をより効果的に検討できるようにしましょう。
クラウド化にともなうコスト面の課題やインターネットを常時利用することへのセキュリティ上のリスクは無視できません。しかし、それを上回る業務効率化やリアルタイム経営管理のメリットは非常に大きく、多くの企業が導入を進めています。
1. 業務効率化とヒューマンエラー削減
クラウド会計の自動仕訳機能や明細データの自動取得によって、手入力の頻度が大幅に減ります。これにより、タイピングミスや仕訳科目の選択ミスなど、ヒューマンエラーの発生が抑えられます。実際、AIが仕訳を学習して精度を上げていくケースもあり、時間の節約だけでなく、精度向上により効率が何倍にも高まることがあります。
2. リアルタイムでの経営判断とデータドリブン経営の実現
経営者がリアルタイムに財務状況を把握できるというのは大きなメリットです。売上やコストの増減を素早く分析できるため、適切なタイミングで投資や事業方向の見直しなどを判断できます。クラウド上にデータが常に蓄積されていくことで、データドリブンな経営スタイルへの移行もスムーズに実施できます。
3. セキュリティ・コスト面での注意点
一方で、クラウド会計はインターネット経由でデータを扱うため、情報漏えいリスクや不正アクセスへの対策が欠かせません。多くのサービスが金融機関レベルの暗号化技術を採用していますが、利用企業もパスワード管理やアクセス権限の設定など、基本的なセキュリティ対策を徹底する必要があります。また、月額利用料やオプション機能の追加費用などソフトのランニングコストにも目を向け、事前に総合的な予算計画を立てておくことが大切です。
クラウド会計システムの選び方と比較ポイント
クラウド会計サービスには多数の選択肢が存在しますが、自社の業務要件や運用の方針に合うシステムを見極めることが重要です。以下の項目を比較検討の基準とし、最適なサービスを選んでいきましょう。
1. 必要な機能性と拡張性を見極める
まず、自社で必須となる会計機能を満たしているかどうかをチェックしましょう。たとえば請求書発行機能や経費精算機能など、会計以外の付随サービスがまとめて利用できるソリューションも増えています。今後の業務拡大やシステム連携を考えた場合、APIの豊富さや外部サービスとの接続性といった拡張性も非常に大切です。
2. 電子帳簿保存法への対応状況
電子帳簿保存法への対応は、今や会計システムでは欠かせないポイントです。クラウド会計ソフトを選ぶ際には、領収書や請求書など電子データでの保存要件を満たす機能があるかを必ず確認しましょう。特に、書類のスキャンデータをクラウド上で一元管理し、監査時や税務調査時にも参照しやすい仕組みが提供されているかどうかキーとなります。
3. サポート体制とセキュリティ対策
導入後のトラブルや操作方法の疑問に対して、いつでも連絡できるサポート体制があるかを確認しましょう。電話やチャットサポート、FAQの充実度などは、運用開始直後のスムーズな立ち上げを左右します。セキュリティ面についても、暗号化やアクセス権限管理などがしっかり実装されているかを比較し、信頼性の高いサービスを選ぶことが重要です。
クラウド会計×HULFT Square活用でさらに加速する経理業務の自動化
多様なシステムとの連携機能を持つHULFT Squareとクラウド会計を組み合わせることで、経理の自動化範囲は格段に拡張します。データの受け渡しを自動化することで、ヒューマンエラーや作業時間のさらなる削減が期待できます。
HULFT Squareはシステム連携に特化したプラットフォームで、基幹システムや外部サービスなど多岐にわたるデータを効率よくやり取りできます。クラウド会計ソフトと連携すれば、営業データや受注情報を自動的に取り込み、仕訳処理や決算処理までのフローを一気通貫で行うことも可能となります。このような仕組みを導入することで、より高度な自動化を実現し、経理部門の戦略的な業務参画を促すことができます。
iPaaS型データ連携基盤 HULFT Square(ハルフトスクエア)
HULFT Squareは、「データ活用するためのデータ準備」や「業務システムをつなぐデータ連携」を支援する日本発のiPaaS(クラウド型データ連携プラットフォーム)です。各種クラウドサービス、オンプレミスなど、多種多様なシステム間のスムーズなデータ連携を実現します。
1. HULFT Squareの導入事例
事例:株式会社セブン銀行
株式会社セブン銀行は会計システムの刷新に合わせHULFT Squareを導入、会計ERPやSaaSなどとのデータ連携基盤として活用しています。
2. 会計SaaSとの連携アプリケーションの利用
HULFT Squareは、freeeやBill Oneなどクラウドサービスとのデータ連携フローを、テンプレートとして利用することができるアプリケーションを提供しています。アプリケーションを利用することで、データ連携フローの開発工数を大幅に削減することが可能です。
パーツを組み立てるように、サクサク開発
HULFT Square アプリケーション
アプリケーションを使えば、コードをイチから作成することなく、まるでパーツを組み立てるようにユニークな機能の作成に集中できます。
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▼SaaSについてもっと詳しく知りたい
⇒ SaaS(Software as a Service)|用語集
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▼データ連携についてもっと詳しく知りたい
⇒ データ連携 / データ連携基盤|用語集
DX推進におけるクラウド会計の役割と今後の展望
デジタルトランスフォーメーションを推し進めるうえで、経理の効率化と正確性向上は欠かせない要素です。クラウド会計は、このDXの一端を担う主要な決め手となっています。
今後、クラウド会計はAI技術のさらに高度な活用や、API連携によってますます進化すると見込まれています。会計データのリアルタイム分析による事業予測や、領収書・請求書の自動仕訳精度の向上など、これまで人が行っていた作業のかなりの部分をシステムが担う時代がやってくるでしょう。結果として、経理担当者は新たな価値を作る業務へとシフトし、企業全体の競争力を高める後押しが期待できます。
まとめ
クラウド会計の導入による経理業務の自動化は、単なる作業効率の向上にとどまりません。経営や戦略面にも影響を与え、企業の競争力を高める重要な一手となります。
クラウド会計の利用により、仕訳や決算、レポート作成などの定型業務をシステム化することでヒューマンエラーが大幅に減り、企業全体のスピードと正確性が向上します。さらに、HULFT Squareなどの連携ツールを使えば、他の業務データも含めて大規模な自動化を実現できるため、DX推進においても欠かせない要素です。今後ますます多様な機能が登場すると予想されるクラウド会計をうまく選定・運用し、経理部門を戦略的に活かすことで、企業の未来に大きな違いをもたらすでしょう。
執筆者プロフィール

對馬 陽子
- ・所 属:マーケティング部
- アプレッソ(現:セゾンテクノロジー)入社後、テクニカルセールスとして技術営業や研修、技術イベントなどを担当。Uターンのため退職したのち、2023年4月に遠隔地勤務制度で再入社。プロダクト企画部での経験を経て、現在はマーケティング部でデジタルコンテンツ作成を担当している。
- (所属は掲載時のものです)
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