HULFTイベントレポート:第10回
「HULFT DAYS 2019」 今年も開催しました!(その1)

マーケティング部の渡辺です。

2019年11月7日に、赤坂インターシティ―AIRで開催しました「HULFT DAYS 2019」の東京会場の様子をレポートいたします。弊社、セゾン情報システムズの主催によるイベント、今年も開催いたしました。

HULFT DAYS 2019

「HULFT DAYS」はセゾン情報システムズが毎年開催している弊社主催の大型イベントです。今年の「HULFT DAYS 2019」は、「情報は知へと進化する」をテーマに、ビジネスにおけるデータ活用の必要性がこれまでになく認識される今、企業はいかにデータを活用し、ビジネスでの成果実現につなげることができるのかについて、各分野で活躍されるゲストスピーカー様、お客様、パートナー様にご登壇を頂きました。

本レポートでは、東京会場でのセッションについて三回に分けて紹介をさせていただく予定です。まず今回は、最初のセッションから「弊社セゾン情報システムズの今とこれから」について紹介をさせていただきます。

当日の会場の様子(設営中)

東京会場では、最大で三つのホールでの並行セッションも含む全部で14セッション、パネル展示でも10の協賛企業様にご協力をいただく本格的なイベントとなりました。

写真は、当日朝の設営中の様子です。

セゾン情報システムズ
セゾン情報システムズの今とこれから

かなりの人数が入る会場での開催でしたが、ありがたいことに沢山の方にご来場いただくことができ、ほぼ満席となりました。開演直前の様子です。本当にありがとうございます。

最初に、弊社社長の内田から開会の挨拶をさせていただきました。ご来場の皆さま方への来場の御礼と、弊社の好調な業績について報告とお礼をさせていただきました。

引き続いて、HULFT事業部の新事業部長の山本が登壇、新任ということでまずは自己紹介をさせていただきました。 山本は弊社の親会社であるクレディセゾン出身で、26年前にリリースした初代HULFTのファーストユーザでもあります。これまでユーザとしてHULFTに関わってきた経験も踏まえて、事業の推進に取り組んでいます。

引き続いて山本から、「今後の事業と製品の取り組みについて」および、「直近でのリリースが予定されている製品」について発表をさせていただきました。

こちらは、弊社の今とこれからの取り組みについてであり、これからデータ活用にどのように取り組むかを考えていただくヒントにもなることではないかと思います。せっかくの機会であると思いましたので、以下少ししっかりと紹介と解説をさせていただきました。

「Data Management Solution コンセプト」(今後の取り組みについて)

HULFTは製品リリースから26年、さらには事業統合によりDataSpiderとの二枚看板となり、クラウドサービスの提供開始やIoTへの対応にも取り組むなど、時代にあわせて提供する製品やサービスを大きく進化させてきました。

例えばHULFTには今でもメインフレームでファイル転送をするミドルウェアのイメージがあるかもしれません。しかし現在、HULFTもクラウド上でご利用いたいているケースがむしろ多くなっているなど、従来からの用途だけでなく、様々な領域での多様な用途のデータ活用を支えるデータ基盤としてご利用いただくようになっています。

HULFTだけではなくDataSpiderなど「つなぐ」ために作られた他の製品はもちろんのこと、弊社の「データをつなぐ」技術は、大きく変化し多様化する現在のデータ利活用を支える様々な用途で活用頂くようになりました。

言い換えれば、お客様がデータ活用を通じビジネスで実現を求められていることも、これまでになく複雑になっていると考えています。

そのような状況を踏まえ、これからの時代にデータ活用にはどのようなことが求められるかを改めて考え、お客様がデータを活用し意思決定やアクションにつなげるために、弊社の「データをつなぐ」基盤が何をすべきかをまとめたものが「Data Management Solution コンセプト」です。

  • Data Entry
    データ活用のためには、まずデータソースからでデータを取得できる必要があります。
  • Data Identification
    十分なデータ活用を実現するためには、社内のどこに、どのようなデータがあるか把握できていることが望まれます。
  • Data Integration
    データ活用のためには、システム間やデータ間でデータを連携させ、データのあるところから必要なところへ「つなぐ」ことができる必要があります。
  • Data Quality / Data Prep
    よりスムーズなデータ活用を実現するためには、例えば電話番号の表記の仕方が揃っていないなど、データの内容や表記のばらつきなどを揃え、データを利用しやすい形に整え準備しておくことが望まれます。

これらがしっかり実現されることにより、分析作業(Analytics)などスムーズなデータの利活用が実現され、ビジネスでの成果もしっかりと実現される仕組みができます。

弊社の製品やサービスで既に実現できていることもありますし、まだ十分ではないこともあります。既存製品の改良はもちろん、新製品や新サービスの開発も含め、コンセプト実現に向けた様々な取り組みを現在進めています。

直近の製品リリースの紹介

リリースを控えた三製品の紹介をさせていただきました。

HULFT クラウドストレージオプション

まずは「HULFTクラウドストレージオプション」、2019年12月頭の提供開始を予定しています。ポイントは「HULFTの既存インフラも技術者のスキルも、HULFTの利用感そのまま」で、主要クラウドのオブジェクトストレージにファイルを送信できる利便性を実現できるところです。

クラウド活用を進める必要性はもはや言うまでもない時代になりましたが、その一方で、現実問題としてレガシーなシステムは存在しますし、全部クラウドにするような勇ましい決断は実際にはなかなか現実的ではありません。

データ活用に取り組もうとすると、十分な成果を上げるためには、社内の様々なデータを組み合わせて活用する必要が出てきます。そうなると、業務を支えているレガシーなシステムと、新たに構築したクラウド上のシステムとの連携が必要になってきます。

しかし、レガシーとクラウドの両方の技術が解るエンジニアの確保は困難です。必要な連携処理を誰がどうやって実現するかが問題となります。

「クラウドストレージオプション」なら、この問題をうまく解決できます。既存のHULFTによるインフラも技術者のスキルセットも従来のまま、従来通りのHULFTでのファイル転送の利用感そのままで転送先がクラウドになったかのように、クラウドとの連携処理が実現可能になります。

これにより様々なクラウド活用の可能性が開かれますが、その一例として、セゾン情報システムズでは、基幹システムのバックアップ先をクラウドのオブジェクトストレージに置き換えることで、災害復旧(DR)用バックアップストレージをクラウドに移行(地理分散のバックアップ体制を容易に実現できる)することで、42%のコスト削減を実現できています。

DataSpider「DataRobot アダプタ」

昨今、AI(機械学習)の活用の必要性が認識されるようになりましたが、何とか試してみたものの取り組みをビジネス成果につなげられていない、あるいはそもそも取り組むことすらできていないことは珍しくありません。

なぜでしょうか。専門のスキルを持ったエンジニアの確保は困難であり、さらには取り組みをビジネス成果につなげることが難しいためです。

DataRobotは、専門のスキルを持っていない人でも、データを投入すれば高度な自動化機能やアシスト機能により、いわば学習済みAIを作成・活用できてしまうクラウドサービスです。つまり「エンジニア確保の問題」を緩和することができます。

そして弊社がリリースする「DataRobot アダプタ」は、取り組みを「ビジネスでの成果につなげる」ことを容易にします。

AIを活用するためには「データの投入」が必要になりますが、そのデータはどこかから持ってくる必要があります。

学習済みAIが出来たとして「AIによる判断結果」をビジネスで生かすためには、判断結果をビジネスにフィードバックする仕組みも必要です。

つまり「前後の処理」の作りこみが必要です。そして、むしろ前後の作りこみの方に手がかかることは珍しくなく、ここをうまく作れるかどうかがビジネス的に成果を出せるかを左右することも珍しくありません。

DataSpiderなら、GUI上の操作だけで様々なデータやシステムと「つなぐ」ことが出来ます。今回リリースする「DataRobot アダプタ」により、DataRobotへのデータ投入も、DataRobotが学習済みAIにより下した判断結果を外部システムに連携するところも、「GUI上での作業」だけで、作りこみを実現できるようになります。ビジネスをよく理解している現場の担当者が、自らAI活用に取り組むようなことも可能になってきます。

DataSpider「Box アダプタ」

Boxは. ご存じのとおりのビジネスユースで広く使われるファイル共有サービスです。単にファイルを共有するのみならず、ビジネス活動のコラボレーションの場として様々な利活用がスムーズする機能が整備されており、企業での利用に必要な様々な機能(ガバナンス確保のためのログ機能など)も整備されています。

セゾン情報システムズでも、働き方改革の取り組みの一環としてBoxの導入を進めています。

導入と活用に際しては「Boxと社内システムや他サービスとの連携」がどうしても必要になりますが、これをスムーズかつ効率的に実現する手段として開発しているのが、今回提供する「Box アダプタ」です。

「Box アダプタ」は単に接続機能を開発したものではありません、弊社自身で活用に取り組んだ結果をフィードバックして使いやすい接続アダプタとして開発し、今後も改良と機能追加を行います。また、弊社自身がBoxの導入で得た実体験と知見も踏まえ、Boxの導入の進め方そのものも含めてお客様に併せてご案内できる形で、提供をさせていただく予定となっております。

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