データ活用やDXがどんどん解る用語集
The Flipped Interaction Pattern

(解らないことがあったら聞いてください)

The Flipped Interaction Pattern(解らないことがあったら聞いてください)

データ活用やDX成功に必要な考え方を、各種キーワードの解説で理解できる用語解説集です。
今回は、ChatGPTなどの大規模言語モデルを用いた対話型AIの活用テクニックである「The Flipped Interaction Pattern」を紹介します。

The Flipped Interaction Pattern(解らないことがあったら聞いてください)とは

The Flipped Interaction Pattern (解らないことがあったら聞いてください)とは、ChatGPTなどの対話型のAIを活用する際に用いられる、プロンプトの作成テクニックのことです。
ChatGPTなどを活用する場合には、利用者が入力を工夫して良い出力(応答)が得られるように工夫することが多いと思いますが、このテクニックはChatGPT側からユーザに入力して欲しい情報を要求してもらうことで、望んだ出力が得られるようにする工夫です。

このテクニックを使わない場合

まずは、このテクニックを使わずにChatGPTに回答をさせてみましょう。執筆時点で活用で良い結果が出やすい使い方として、アイディアを出してもらう使い方や、タスクの洗い出しをお願いする活用方法があります。

例えば、上司から突然「サッカーの試合に出店して、リンゴのPRをしてほしい」と言われたけれど、社内に詳しい人が全く居ないので何から何までわからずに困っているとします。その状況でとりあえずChatGPTにアドバイスを求めてみましょう。

サッカーの試合に出店して、リンゴのPRをすることになりました。
どのようなことをする必要があるでしょうか。


 

サッカーの試合に出店してリンゴのPRをするためには、以下のステップを踏むことが必要です。

  • 1.許可を取得する: サッカーの試合会場やイベント主催者から出店許可を取得しましょう。
  • 2.出店場所を決定する: 試合会場内での最適な出店場所を見つけ、集客が期待できるようにしましょう。
  • 3.リンゴの展示: 新鮮で美味しそうなリンゴをたくさん展示し、目立つようにディスプレイしましょう。
  • 4.試食を提供する: 試合観客にリンゴの試食を提供し、その美味しさをアピールしましょう。
  • 5.リンゴに関する情報を提供する: リンゴの栄養価や健康効果、おすすめの食べ方など、リンゴに関する情報を提供しましょう。
  • 6.販売促進: 割引や特典を提供し、リンゴの購入を促進しましょう。
  • 7.ブランディング: リンゴのブランドや産地を強調し、観客に印象づけましょう。
  • 8.SNSやウェブサイトでのPR: イベント当日の様子をSNSやウェブサイトで発信し、リンゴのPRを広げましょう。

これらのステップを踏むことで、サッカーの試合会場でリンゴのPRを効果的に行うことができます。

とりあえず案を作ってくれています。しかし、こうやって出てきた案が、使いたい用途からみて適切なものになっているとは限りません。

とりあえず解らないなりに聞いてみるような状況を考えると、これくらいの質問文がプロンプトとして与えられることが多いのではないでしょうか。結果としては、それなりにやらないといけないことを洗い出してくれた感じにはなっていて、例えば「SNSのことまで考えていなかったな」とか、考慮が漏れていたことに気がつくようなこともあるでしょう。

しかし、「一切何もわからない」人がこれを参考にして、自分でイベントの開催準備ができるようになるかというと、残念ながらそうではありません。一般的に言われることですが、ChatGPTは入力に文字として書かれていることしか解りませんから、どういう出力(回答)をしてほしいのか、もっとしっかりと書かないといけません。 しかしながら「全然解らない」ので聞いているわけで、それなのにきっちり質問してください、そうしないと必要な回答は得られませんというのはちょっと大変です。

ChatGPTに必要な情報を質問してもらう

そういう状況で活用できるのが、「ChatGPTの方から聞いてもらう」テクニックです。何をしないといけないのか、何もわからないので質問をしてほしいことなどを追記してみましょう。

サッカーの試合に出店して、リンゴのPRをすることになりました。
私が責任者なのですが、私はイベント出店自体かかわったことがなく、何もかも全く分かりません。
上司に準備として最初の一週間で何をすべきか、期日までに報告しなければいけません。何を確認して、何を報告すべきでしょうか。
イベント出店を成功させるためにとても具体的なタスクの一覧が欲しいと思っています。
回答する前に、不足している情報や、解らないことをすべて私に聞いてから答えてください。


 

イベント出店の準備に関して、最初の一週間で確認すべき項目と報告すべき内容について、以下の質問があります。

  • 1.イベントの日程はいつですか?
  • 2.出店に関する予算はどの程度ですか?
  • 3.すでにイベント主催者との連絡は取れていますか?
  • 4.どのようなリンゴをPRしたいですか?特定のブランドや産地がありますか?
  • 5.出店に必要なスタッフは何名ほどですか?また、社内で手配しますか、それとも外部から手配しますか?

これらの情報に基づいて、最初の一週間で行うべき具体的なタスクの一覧を提案します。

「回答する前に聞いてください」を添えたところ、不足している情報をChatGPTの側から聞いてくれました。これなら、思ったような回答が得られないと思いながら、自分であれこれ考えてプロンプトを書き足したりして苦労する代わりに、何を入力として与えればよいのか自体を聞いてしまうことができるわけです。では、回答してみましょう。

  • 1.イベントは8月21日に行われます。今は2月14日です。
  • 2.予算は1000万円を目安にしていますが、増やすこともできます。
  • 3.出展できることは確認していますが、連絡はまだ取っていません
  • 4.青森産のリンゴをPRしたいと考えています。
  • 5.スタッフが何人必要なのかも私には解らないので教えて欲しいです。社内からは現場管理をすることになっている私と、部下二人が作業をします。それ以上のスタッフが必要な場合は外部に手配する必要があります。

 

イベント出店の準備に関して、最初の一週間で行うべき具体的なタスクの一覧を以下に示します。

  • 1.イベント主催者との連絡: 出店場所や設営・撤去のルール、出店料金、必要な書類や許可などの詳細を確認しましょう。
  • 2.リンゴの仕入れ先リサーチ: 青森産のリンゴを提供できる信頼できる仕入れ先をリサーチし、見積もりを取得しましょう。
  • 3.予算の見直し: 仕入れ先から取得した見積もりを基に、予算を見直しましょう。また、ディスプレイや広告費用、スタッフ費用なども考慮しましょう。
  • 4.ディスプレイ・広告物のデザイン: リンゴの展示方法や試食コーナーの設置、リンゴに関する情報を提供するパンフレットやポスターなどのデザイン案を作成しましょう。
  • 5.スタッフの人数と役割を検討: 社内スタッフ3名に加え、外部のスタッフを手配するかどうかを検討しましょう。外部スタッフが必要な場合、その人数と役割も考えましょう。
  • 6.販売促進策の検討: 割引や特典を提供することで、リンゴの購入を促進する方法を検討しましょう。
  • 7.スケジュールの作成: これらのタスクを含む、イベント出店までのスケジュールを作成しましょう。

報告すべき内容:

  • イベント主催者から得た情報(出店場所、設営・撤去のルール、出店料金、必要な書類や許可など)
  • 青森産リンゴの仕入れ先リサーチ結果と見積もり
  • 予算の見直し結果
  • ディスプレイ・広告物のデザイン案
  • スタッフの人数と役割の検討結果
  • 販売促進策の検討結果
  • イベント出店までのスケジュール

これらのタスクを最初の一週間で進め、上司に報告しましょう。その後も、スケジュールに沿って準備を進めていくことで、イベント出店を成功させることができます。どんな質問でも遠慮なくお聞きください。

まだあちこち要望とは違うところもあって、例えばスタッフは一般的に何人くらい必要なものなのか聞いたのに答えてくれていないなど、十分ではないところもありますが、最初の回答と比べると格段に役に立つものにはなっています。

さらに加えて、こちらから回答にリアクションを返したり追加の要望をしたりして出力を補正しつつ、ChatGPTに必要事項を繰り返し何回も聞いてもらうことで、よりよい回答を得てゆくこともできます。

自分の要望すら明示的に伝えられなくても利用できるIT

ITシステムを利用する方法は様々にありますが、多くの場合には「自分が解らないこと」をすることは容易ではありません。

例えば、社内のデータ基盤にデータが蓄積されていて、そこから必要な結果を引き出したければ、SQLなどで必要なクエリを書かねばなりません。検索できれば必要な結果は得られます。でも、何をどうやって検索すれば良いのかわからない状態ではうまく使えません。

ChatGPTは自然言語を使って情報処理ができるようになったものだと言われることがありますが、このテクニックはいわば、自分に知識が足りず検索条件そのものが作れないような状況でも、必要な情報を得る手段ができたとみなすことができます。

生成AIにより「プログラミングなどにより自分で作る」から「要望を伝えると望む結果が得られる」への変化が起こりました。そこからさらに、要望をまとめる作業すら自分でやらなくても(あるいは自分が何を解っていないのかすら解っていないような状態でも)、それすらChatGPTにお願いできることがあり、これまでになかったスタイルでのIT活用が実現できている例だと考えることもできるでしょう。

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