データ活用やDXがどんどん解る用語集 
マネージドサービス

「マネージドサービス」

データ活用やDX成功に必要な考え方を、各種キーワードの解説で理解できる用語解説集です。
今回は、クラウドを利用するメリットであり、様々なクラウドサービスを使い分ける際にも考慮する必要があるポイント「マネージドサービス」について解説し、それを通じてクラウド時代のIT活用の本質について考えます。

マネージドサービスとは

マネージドサービス(managed service)とは、利用するサービスの運用や構築に必要な手間を、サービス提供側にお任せにできるサービスのことを言います。
通常何かの機能を利用する時には、それを利用可能にするシステムを構築する手間やコスト、その後も維持や運用の手間やコストがかかります。これらの手間を利用側で引き受けることなくサービスを利用できれば、利用と活用のハードルを大きく下げることができます。

「運用の手間」とはどういうものか

たとえばデータベースを利用したいと思ったとします。その昔は、まずはハードウェア(サーバ)を買ってきて物理的にセットアップするところから取り掛かる必要がありました。従来はITを利用するだけでも多くの手間がかかりました。クラウド時代になり自前でハードウェアを保有する必要はなくなってきましたが、クラウドを利用してもITを利用するために様々な手間がかかることがあります

従来ならハードウェアの用意から必要になるところ、クラウド上で仮想マシンを起動するだけで済むようになっても(例えばAWSのAmazon EC2を利用して)、データベースのソフトウェアをインストールして初期設定をする手間は同じくかかります。インストールして利用可能になってもまだ手間がかかります。例えば、データベースが障害を起こさず動作を続けるよう監視する手間がかかりますし、何かが起こったら復旧作業などを行う必要もあります。新しいバージョンが出たらアップデート作業を行い、バックアップ作業を行い、と様々な作業が必要になります。また、このような作業のために、データベースに詳しい専門の技術者を確保して作業を担当してもらう必要があります。

クラウドにするだけで色々なことが劇的に改善すると思っている人も見かけますが、実際にはなかなかそういうものでもなかったりします。本当にクラウドを導入して成果を上げるためには、運用に関するコストや人員まで考慮に入れる必要があることがわかります。

既存のITをそのままクラウドにしても、運用の手間の大半はそのまま残ってしまう
(クラウド活用では運用の手間やコストを意識する必要がある)

マネージドサービスのメリット

このような運用の手間や面倒を何とかする方法はないものでしょうか?あります。運用のコストや手間をクラウド側で引き受けてくれるサービスも提供されているのです。そのようなサービスは「マネージドサービス」と呼ばれます。

マネージドサービスだと、クラウド利用はどのように違うでしょうか。例えばデータベース、AWSならAmazon RDSなどのサービスを利用すれば、自分たちでのインストール作業などの初期設定が不要で「出来上がった環境をいきなり利用する」ことができます。利用開始後に障害が起こっていないかなどの運用作業についてもクラウド側に多くの運用作業を任せられるようになります。

マネージドサービスを利用することで「運用のコストや手間」を減らすことができます。また、利用開始時にかかる手間による「時間のロス」も減らせるため、必要になった時にITを「素早く利用できる」ようになりますし、自前で確保したエンジニアで行う必要がある作業が減るため「専門の人員がいなくても多種多様なITを利用しやすく」なります。

マネージドサービスを活用すると、クラウド導入の効果は高まる

エンジニアが十分にいる組織であっても、マネージドサービスのメリットは多々あります。まず、従来よりも素早くサービスを利用できるようになります。また、これまでは無理だった多種多様なITの利活用が可能になります。

例えばデータベース、よく使われるRDB以外にも様々な種類のデータベースがあります。例えば、NoSQLデータベースやグラフデータベース、列指向データベース、インメモリデータベース、時系列データベース、あるいはHadoopでのビッグデータ活用などです。これらを利用するメリットは解っていても、これら全て自社運用できるエンジニアを揃えておくのことは困難で、利用検討自体があまりされていなかったように思います。マネージドサービスを利用すれば、利用は十分に現実的になってきます。

フルマネージドサービス

ただし、マネージドサービスを利用すれば、それだけで何もかもをクラウド側にお任せにできるわけではありません。例えば、Amazon RDSなら様々な支援機能はあっても、データのバックアップそのものは自分たちで仕組みを設定して作って運用する必要があるなど、多くのサービスではなにかしら運用の手間は残ります。

一方で、運用をほとんどクラウド側に任せてしまえるマネージドサービスも提供されており、区別して「フルマネージドサービス」と呼ばれています。例えばDWHのマネージドサービスでは、GoogleのBigQueryなどが、ペタバイト単位のような本当に巨大なデータのデータ分析基盤であってもほとんど運用作業が不要なサービスであるフルマネージドサービスとして提供されています。

クラウド活用においては、提供されているサービスがマネージドサービスかどうか、さらには、そのサービスにおいてクラウド側で担ってくれることは何で、担ってくれないことは何かも意識する必要があります。

マネージドサービスではない方がいいこともある

ではクラウドをうまく活用するためには、とにかくマネージドサービスを利用すればいいのでしょうか。そうとも限らない場合があります。

例えば、バックアップまで面倒を見てくれるデータベースのサービスを見つけたとします。しかし、自分たちにはバックアップが簡易すぎるプランと、厳重すぎて料金が高すぎるプランしかないなら、マネージドサービスの利用はかえってコストアップになってしまうことがあります。コスト競争力で勝負しているのなら、致命的なことです。

自分たちに必要な機能を備えたマネージドサービスが提供されておらず、自前の運用で担うしかない場合もあります。例えば、災害時に備えてDR(ディザスタリカバリ)を実現するために東京と大阪で地理分散のバックアップをしたいが、そういうサービスが提供されていないのなら、自分たちで何とかするしかありません。そういう状況なら他社も同じことが難しいですから、自前で特別なニーズを実現することが他社に対して差をつけるチャンスにもなります。

「マネージド」とは丸投げできることではない

マネージドサービスは、外部企業へのアウトソースに似ていると思った人もいるかもしれません。似ているところもありますが、大きく違うこともあります。

外部企業への依頼の場合、例えばバックアップ機能の実情が自社の要望と違ったとします、そういう場合にどうするでしょうか。それでは困るんだと、個別対応の要望をすることがあるのではないでしょうか。あるいは、そんな仕様ではビジネスが回らないことは解るだろうと、客である自分たちの必要に合わせることは当然だとすら思う人もいるかもしれません。日本的には、発注側の大企業とその仕事を受ける企業の関係はそういうことが多かったと思います。つまりサービス提供側が様々なことを吸収してくれることも期待できる状況です。

クラウドのマネージドサービスではそういうことは(基本的に)全くできません。マネージドサービスは、面倒を便利に丸投げでお任せできるサービスではないのです。利用できるのはメニューとして提供される機能そのものだけ。基本的に個別対応はなされません。無い機能は無いまま利用しなければいけません。困った時に様々なことで助けてくれたりはしません。

また、自分たちがバックアップ作業に失敗してデータが全部消えてしまっても、サービス側が担う契約範囲にないことなら利用者の自己責任で終わりです。ドライで明確な責任の線引きが行われた状態で利用することになります。マネージドとは丸投げできることではありません。

何か困った時や、何か足りない機能があったときに、それを何とかするのは基本的にサービス利用側のあなたの責任になります

クラウドに我々が合わせる時代

マネージドサービスの利用はクラウドの導入に大きな効果をもたらします。その一方で、クラウド側から提供されている機能を、提供された仕様と保障の範囲でうまく利用しなければなりません。そこを何とかちょっと無理をお願いしたいとか、こちらの事情を察してもらう、みたいなことは基本的に出来ません。

あるいはそういう仕組みだからこそ、クラウドは低コストかつ高い利便性で提供されており、それを使いこなせれば圧倒的な優位性を得ることもできます。そういう時代になったということです。利用側に技術的な判断力や見識が求められることになります。

このような状況では、ITに個別の要望を反映させるというよりも、「すでにある」多種多様なクラウドサービスをうまく組み合わせて使いこなし、必要に応じてうまく使い分ける能力が必要になります。提供されているサービスをうまく使って、あるいは適切にマネージドサービスを使わないことで、自分たちの事情にあったITをどうにかして実現し、他社との差別化もうまく作り上げる必要があります。

「つなぐ」技術で、自分たちが合わせる時代に立ち向かう

クラウド活用は大変に思えてきたかもしれません。しかし、やらないといけないことの要点は、要するに既にあるサービスに必要に応じて接続し利用すること、様々なサービスを「つなぐ」ことでうまく使って自分たちに必要なITをうまく作り上げることです。幸いにして、そのようなニーズをスムーズに満たすことができる手段が既に提供されています。

EAI」や「ETL」と呼ばれるソフトウェア製品、あるいは「iPaaS」と呼ばれるクラウドサービスを活用すれば、GUI上で接続先のアイコンを配置して各種設定をするだけで、クラウドからオンプレミスまで、多種多様なデータやシステムを連携させて活用できます。

クラウド活用を成功させる手段、「つなぐ」技術をぜひ試してみてください。

関係するキーワード(さらに理解するために)

  • EAI
    • -システム間をデータ連携して「つなぐ」考え方で、様々なデータやシステムを自在につなぐ手段です。IT利活用をうまく進める考え方として、クラウド時代になるずっと前から、活躍してきた考え方です。
  • ETL
    • -昨今盛んに取り組まれているデータ活用の取り組みでは、データの分析作業そのものではなく、オンプレミスからクラウドまで、あちこちに散在するデータを集めてくる作業や前処理が実作業の大半を占めます。そのような処理を効率的に実現する手段です。
  • iPaaS
    • -様々なクラウドを外部のシステムやデータと、GUI上での操作だけで「つなぐ」クラウドサービスのこと。
  • SaaS
    • -一般的に「クラウド」と言ったときにイメージされる、ソフトウェアの利用をサービスとして提供する取り組みのこと。

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「つなぐ」ツールの決定版、データ連携ソフトウェア「DataSpider」および、データ連携プラットフォーム「HULFT Square」

当社で開発販売しているデータ連携ツール「DataSpider」は長年の実績がある「つなぐ」ツールです。データ連携プラットフォーム「HULFT Square」はDataSpiderの技術を用いて開発された「つなぐ」クラウドサービスです。

通常のプログラミングのようにコードを書くこと無くGUIだけ(ノーコード)で開発できるので、自社のビジネスをよく理解している業務の現場が自ら活用に取り組めることも特徴です。

DataSpider / HULFT Squareの「つなぐ」技術を試してみてください:

簡易な連携ツールならば世の中に多くありますが、GUIだけで利用でき、プログラマではなくても十分に使える使いやすさをもちつつ、「高い開発生産性」「業務の基盤(プロフェッショナルユース)を担えるだけの本格的な性能」を備えています。

IT利活用の成功を妨げている「バラバラになったシステムやデータをつなぐ」問題をスムーズに解決することができます。無料体験版や、無償で実際使ってみることができるオンラインセミナーも開催しておりますので、ぜひ一度お試しいただけますと幸いです。

 

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