蓄積されたデータを連携し、有効活用するETLとは
ビッグデータの時代が到来し、企業が生み出すデータ量はとどまるところを知りません。しかし、業務アプリケーションや基幹系システム等から収集される様々なデータを全社レベルで活用できている企業はいったいどれほど存在するでしょうか。日々蓄積されていく膨大で多様なデータは、加工や変換ばかりに時間をとられてしまい、ビジネスに活かすことができなければ、宝の持ち腐れです。
企業内に散在するデータを効率的に利用するためには、データをビジネスに活かせる情報にすばやく変換できる環境が必要となります。そこで今回は、ETL(Extract/Transform/Load)ツールを利用した、横断的で効率的、かつ確実なデータ連携についてご紹介します。
1. 社内にある膨大なデータを活かしたい!データ連携の課題
企業内に散在するシステムはそれぞれが独立して動いているために、蓄積されたデータもそのままでは必要な情報が結びつかず、バラバラな状態です。そのため、システム間でデータ重複や不整合が発生していることが多く、補正や管理のために多くの時間がとられます。データの抽出、加工、変換に時間をとられると、本来の目的である分析を行う頃には、データの鮮度が落ちてしまうのです。
そこで、システムを横断して、データを効率的に連携することが必要となります。しかし、データ連携には、複雑かつ高度な技術を有するIT技術者、ならびに開発のためのコストと時間が必要となるため、大きなハードルとなっているのです。
2. ETLとはどんなもの?
ETLとは、データを抽出(Extract)し、利用しやすい形に変換/加工(Transform)し、別のシステムへ書き出す(Load)、という3単語の頭文字を取った言葉です。ETLツールはこの作業を行うツールのことを指します。
具体的には、企業内の基幹系情報システムや顧客管理システムなどから必要なデータを抽出し、分析しやすいように変換・加工をして、蓄積する場所であるデータウエアハウスへ書き出す一連の作業を行ってくれます。
3. データ連携にETLツールを使う3つのメリット
3-1. 正確で効率的なデータの抽出
ETLツールにはシステム間で簡単にデータを連携するための機能があらかじめ用意されています。例えば、データベースからデータを抽出したい場合、ETLツールにあらかじめ用意された機能を利用することで、既存のシステムからすばやく簡単にデータが抽出できるのです。また、データの加工や集計を自動化することで、人為的なミスが軽減されます。
3-2. プログラミング不要
ETLツールは、ノンプログラミングで視覚的にわかりやすくできているため、GUI(Graphical
User Interface)を使って直感的にデータ連携システムを構築することが可能です。ゼロからプログラミングして構築するシステムとは異なり、専門的な知識をもつ人材を確保しておく必要がありません。視覚的な操作で、必要に応じて処理を柔軟に変更することができるのです。
3-3. 柔軟なデータ加工と形式の変換
ETLツールを利用することで、文字コードの変換やデータのフォーマットの統一等、既存のシステム環境に変更を加えることなく、現行の業務に合うデータ形式に変換できます。また、ETLツールは、データを加工する過程で、データクレンジングと呼ばれる、誤りや不足データを補正・補完し、最適化する作業を自動で行います。これにより、データの品質を高め、よりビジネス精度の高いデータに変換することが可能です。
4. 「データ変換」に強いDataMagic
データ加工と変換処理をノンプログラミングかつ低価格で実現できるETLツールに「DataMagic」があります。「DataMagic」は、データの抽出や書き出しはもちろんのこと、データ変換に強いという特徴をもっています。
さらに、以下のような特徴があります。
- コード変換:システム間で異なる文字コードを統一することができる
- レイアウト変換:既存フォーマットを新フォーマットに一括変換できる
- クレンジング:不正データを排除して各種RDBに連携できる
まとめ
以上のように、ETLツールを利用することで、専門的な知識がなくても、異なるシステム間でのデータ連携を実現し、ビジネスで必要とされるデータ形式に変換することができるのです。ETLツールを利用して、企業内に蓄積されているデータをより効率的に活用してみてはいかがでしょうか。
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