自分とどう関係があるの?そもそもいったいナニ?といった基本から説明しましょう。
これだけは押さえておきたい!ファイル転送サービス 5つの選定ポイント
「宅ふぁいる便」「データ便」「firestorage」・・・
メールでは添付できないような大容量のファイルを送受信するときや、メール添付では送りたくない機密情報が含まれるファイルを送受信するとき、あなたは、どのファイル転送サービスを使っていますか?
「名前を知っているサービスをなんとなく使っているけど、ちょっと使いにくい」
「クライアントから、聞いたことのないファイル転送サービスを使うように指示された」という経験をお持ちの方も多いのでは?
たくさんあるファイル転送サービスのうち、一体どれを使うのがいちばんいいのでしょうか。
本記事では、業務でファイル転送サービスを利用する方のための5つの選定ポイントをご紹介します。
1:ファイル転送サービスの選定ポイント(1)容量
ファイル転送サービスを利用する目的の1つが、「メールに添付できないほど、容量が大きいファイル」を送受信することです。
業務でやりとりするファイルサイズが、最大でどのくらいになるのかを確認した上で、そのサイズの送受信が可能なファイル転送サービスを選びましょう。
- 無料のファイル転送サービスの場合:サービスにより、100MB~300GBくらいまでのファイルが送受信可能です
- 有料(法人向け)のファイル転送サービスの場合:サービスにより、100GB~10TB(テラバイト 1TB=1,024GB)くらいまでのファイルが送受信可能です
2:ファイル転送サービスの選定ポイント(2)セキュリティ
ファイル転送サービスを利用する目的のもう1つが、誤送信・情報漏えいなどの、メール添付に伴う危険性を回避することです。
無料のファイル転送サービスのセキュリティレベルは、以下のように様々です。
- ダウンロードURLを長く複雑にしただけのもの
- ダウンロード回数を制限できるもの
- パスワードによってファイルを保護することができるもの
- ファイル送受信の通信暗号化ができるもの
- ファイルの受け渡し時に、一度受取人に確認してからファイルを転送する機能を持っているもの など
また、無料のファイル転送サービスでも、会員登録したり、有料のオプションを利用したりすることによって、以下のようにセキュリティレベルが上がるものもあります。
- ファイルを自分で削除できる
- パスワードを変更できる
- ダウンロードしたら通知を受け取ることができる など
さらに、有料(法人向け)のファイル転送サービスの場合、以下のような強固なセキュリティレベルが期待できます。
- 接続元のIPアドレスを限定することができる
- キャビネット単位でアクセス権の設定ができる
- 利用者個々のファイル操作履歴を追跡できる
- ファイル送受信時の暗号化方式を複数の中から選択できる
- 送信したデータと受信したデータとの整合性を検証することで、データの欠落や改ざんを検知することができる など
業務で利用する場合、どの程度のセキュリティレベルが求められているのかを確認した上で、ファイル転送サービスを選びましょう。
3:ファイル転送サービスの選定ポイント(3)スピード
大容量のファイルが送受信できたとしても、そのために時間がかかってしまっては、業務効率が下がってしまいます。
頻繁に大容量のファイルをやりとりする場合には、送受信のスピードもチェックする必要があります。
複数の無料サービスのスピードを比較したサイトによると、1GBのZIPファイルのアップロードにかかる時間は、
- 最も速いファイル転送サービスで、1分30秒
- 最も速いファイル転送サービスで、27分30秒
でした。
こちらも、会員登録したり、有料のオプションを利用したりすることによって、スピードが上がる場合があります。
送受信する環境によっても異なりますので、通常業務と同じ環境でテストしてみることをお勧めします。
有料(法人向け)のファイル転送サービスも、「評価版」や「無料トライアル期間」を用意しているものがほとんどですので、候補の製品は必ず一度テストしてみましょう。
4:ファイル転送サービスの選定ポイント(4)保存期間
ファイルを送受信する目的によって、ファイル転送サービスに求められるファイルの保存期間も異なります。
セキュリティ面から考えると保存期間はできるだけ短い方がよいのですが、
- 送信先がすぐにメールを確認できない
- 送信先がすぐにファイルをダウンロードできない
- 送信先が複数人いる
などの場合には、相手が確実にダウンロードできるであろう期間内は、保存しておく必要があります。
無料のファイル転送サービスの場合には、保存期間が3日~7日程度の場合が多いようです。
こちらも、会員登録したり、有料のオプションを利用したりすることによって、保存期間が延長できたり、変更できたりする場合があります。
有料(法人向け)のファイル転送サービスの場合には、デフォルトで30日間など、無料サービスに比べると保存できる期間が長いものが多くなります。
5:ファイル転送サービスの選定ポイント(5)費用
容量・セキュリティ面など、様々な角度から考えると、「有料(法人向け)のファイル転送サービスを利用すべきである」という結論に達する場合も多いでしょう。
そこで、気になるのが費用ですが、こちらも実に様々です。
- クラウド型だと、1アカウントあたり月額 数十円のものから数万円のものまで
- ソフトウェア型だと、一式数十万円のものから、数百万円のものまで
「他システムとAPI連携したい」など、ファイル転送サービスをどのように活用したいのかを十分にイメージした上で、必要な機能から製品を選定することをお勧めします。
6:ファイル転送サービスの選定ポイント(その他)あると便利な機能
他にも、有料(法人向け)のファイル転送サービスなら、「こんな機能がついていればいいのに」が実現できる場合があります。
たとえば・・・
- インターフェースが、エクスプローラ風で使いやすい
- 複数の相手に一斉送信できる
- ファイル転送をトリガーにして、他のアプリケーションを自動的に実行したり、指定ユーザに自動的にメールを通知したりすることができる
- ファイルを上書き保存する前に、旧ファイルを自動的にバックアップ保存してくれる
- 相手がファイルをダウンロードするまで、定期的にリマインドメールを送り続けてくれる など
もし、現在利用している無料サービスに「ここまでできたら、もっと助かるんだけど・・・」という不満があるのなら、我慢しないで、有料(法人向け)のファイル転送サービスを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
大容量ファイルをやりとりする企業が増えてきたことによって、ファイル転送サービスに「より高機能」「より安全」「より効率的」であることが、求められるようになってきました。
市場の変化に伴い、サービスの提供社数もどんどん増えていますので、もしかしたらあなたがいま使っているファイル転送サービスよりも、もっと利用シーンにマッチしたものが、すでにリリースされているかもしれません。
今回ご紹介した5つ(+α)のチェックポイントに従って、無料・有料(法人向け)のファイル転送サービスを、もう一度リサーチしてみてはいかがでしょうか。
ファイル転送・超入門 コラム一覧
- ファイル転送・超入門
- データ転送サービスを使う前に認識すべき「シャドーIT」の危険性
- ファイル転送サービス:押さえておきたい!5つの選定ポイント
- 無料ファイル転送サービスの落とし穴!情報漏えい対策
- ファイル転送に使われるプロトコルの役割と種類を理解する
- 大容量ファイルを送受信するならファイル転送サービスがベスト?
- 止まらないデータの大容量化。ファイル転送苦労していませんか?
- 大容量ファイル転送ソフト、操作性を重視することで得られる3つのメリット
- IoTデータ連携で気をつけなければならない4つのこと
- クラウドデータ連携の方法とは?
- HTTP通信でファイル転送? ISDNが終了する2020年問題
- FTPでは解決できないファイル転送を実現するMFT
- USBメモリはもう不要?LANでデータ転送を行う3つの方法
- データ連携基盤で業務の効率化!3つのメリット
- 便利! ブルートゥースでのファイル転送活用術
- 知っているようで知らなかったファイル転送サービスの使い方
- データ連携ミドルウェアを選ぶときのポイント
- 業務効率化を推進するおすすめファイル転送サービス
- データ連携の頼れる味方!ETLによる効率的な変換と有効活用
- Salesforceとのデータ連携方法
- データ転送ミドルウェアで、もっと業務を効率的に
- これがおすすめ!セキュリティを意識したデータ転送サービス
- EAIによる効率的なデータ連携とサイロ化したシステムの統合
- 海外拠点とのシステム連携なら英語対応のツールで業務効率化!
- システム連携を一元管理することで得られる3つのメリット
- 社内に散在するデータ連携を実現するDIプラットフォーム