ファイル転送・超入門

【サイト管理者必見】telnetがファイル転送で意外な活躍!
Webサイトの管理者にとって、ファイル転送のトラブルは更新作業に影響する一大事です。Webサイトの公開はサーバを介するため、トラブルの対処には専門的な知識が求められます。とはいえ、そのためだけに専門知識を持つエンジニアを常駐させるのは、コスト上難しいケースもあるでしょう。そこで今回は、ファイル転送時のトラブル対処に覚えておきたい、telnetの活用法についてご紹介します。
1. ファイル転送で活躍するtelnet
自社のWebサイトを更新する際、エラーでファイルをサーバにアップできなくなった経験はありませんか? しかもFTPソフトによっては「名前が見つかりません」、「通信できません」といった曖昧なメッセージしか表示されず、どう対処すればよいかわからない状況になったことがある方もいらっしゃるでしょう。
原因不明のエラーで、ファイルをサーバにアップできない場合、その原因を知る方法はいくつかあります。中でも比較的容易にできるのが、サーバにtelnetで接続する方法です。telnetとは、TCP/IPネットワークを通じ、別のコンピュータにアクセスし、FTPサーバやメールサーバなど、主にサーバを遠隔操作するためのプロトコルのひとつです。
telnetでは、サーバに接続し遠隔操作をする側(PC)を「telnetクライアント」、遠隔操作をされる側(PC、サーバ、ルータなど)を「telnetサーバ」と呼びます。telnetを利用するには、クライアント側、サーバ側、どちらも事前にtelnetをインストールしておく必要があります。
2. telnetでファイル転送の状態を把握する
トラブルを解決するには、まず対象となるデバイスの現在の状態を知る必要があります。telnetはデバイスの現在の状態を知る手段のひとつです。
telnetでエラーの原因を探るには、クライアントからID、パスワードを入力しサーバに接続します。そして手動でコマンドを送信。その後、サーバから帰ってくるメッセージを見る。このやりとりを繰り返すことで、エラーが起きている原因を探り出します。
TCP/IPプロトコルの初期から存在するtelnet。telnetが行うのは、単純なテキストベースでのやり取りのみです。しかし単純だからこそ、基本的なコマンドやデータ、ステータスなどのやり取りを調べるのに最適なプロトコルであり、結果として、ファイル転送などトラブルが起きた際の原因追及にも利用できるのです。
telnetは通信を暗号化できないため、最近では暗号化が可能なSSH(セキュアシェル)で代用するケースもあります。しかしそれでもまだtelnetが使われているのは、それ以上に多くのメリットがあるからです。
3. リモート操作でファイル転送トラブルに対応可能なtelnet
telnetのメリットの中でも大きいのが汎用性の高さです。Windows、UNIX、Linux、MACなどOSの垣根を越えて利用できることはもちろん、ルーターやプリンターなどさまざまなネットワーク機器などまったく別の環境のものであっても、リモート操作が可能な点です(Windows 10およびWindows Server 2016以降ではサーバ機能は廃止されていて、クライアント機能のみ利用可能です)。
また、遠隔操作が可能なtelnetは、ファイル転送をはじめとするトラブルに、そのPCやネットワーク機器の近くにいなくてもリモートで対応することができます。サーバエンジニアなどが常駐している会社であれば、トラブルが起きた際でもすぐに対応できるでしょう。しかし、専任のエンジニアを常駐している会社はそう多くはありません。いつ起こるかわからないトラブルのためだけに、エンジニアを雇用している会社も少ないでしょう。
telnetは遠隔操作ができますので、何かあった際の対応の幅が広がるので、覚えておくとよいでしょう。
まとめ
いざというときに大いに役立つtelnet。そのメリットは大きく3つあります。
- (1)
ファイル転送時のトラブルの原因が分かり、迅速な対処につながる
- (2)
Windows、UNIX、Linux、MACなど各種OSに対応し、環境を選ばず活用できる
- (3)
遠距離操作ができる
とはいえ、ファイル転送時のトラブルなどを抜本的に解決するためには、やはりサーバの専門知識が必要です。そこでWebサイト管理者は、telnetの存在を知っておくことと同時に、いざというときにはすぐに協力を要請できる外部のエンジニアなどとの連携体制を作っておくことが、トラブルの影響を最小限に抑えるためのポイントです。
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