
ISDN利用者必見、HTTP通信によるファイル転送で
2020年問題に対応
東京オリンピックが開催される2020年に向け、さまざまなビジネスが活気づいています。しかし企業においては明るい話題ばかりではありません。INSネットの中のデータ通信を行う「ディジタル通信モード」が廃止される2020年問題は、ファイル転送システムを含む社内外のネットワークにも影響を及ぼす可能性があります。具体的にどういった影響があるのでしょうか?
1. 2020年問題とは?
携帯電話の急速な普及。そして個人、法人問わず進んでいる固定電話からIP電話への移行。実際、すでに2013年にはIP電話の契約数が固定電話の契約数を追い抜いています。そして携帯電話はそれをさらに上回るスピードで増え続けています(※注)。今後、固定電話は減ることはあっても、増えることは到底考えられません。
こうした状況の中、2010年11月にNTT東日本およびNTT西日本が、既存の公衆電話網(PSTN)からインターネット網への移行を発表。これに伴い、2020年後半にはISDNサービス「INSネット」のディジタル通信モード終了を予定しています。
もちろんPSTNによる固定電話サービスは、日本の基幹通信インフラであり、IP網への移行に伴う影響は計り知れません。そのため一般家庭内に施設されたメタル回線や電話網はそのまま利用できるような対応が予定されています。しかしこれはあくまでも一般家庭での話であり、企業においてはさまざまな影響が考えられます。
例えば従来の電話網を利用したものでいえば、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録するPOSシステム、受発注・出荷・請求・支払などの各種取引情報を、企業双方向で通信、伝送し、コンピュータで自動的に処理をするEDIシステムなどがそれにあたります。これらに関してサービス終了までにIP対応が完了しない企業は、これまでのような利用ができなくなってしまいます。これが通信インフラにおける2020年問題です。
2. 2020年問題はファイル転送にも影響を及ぼす
従来の電話網を使った多くのシステムに影響を及ぼすことが予想される、2020年問題。ファイル転送システムも同様です。INS回線を利用して行っている企業は、電話網やISDNを利用したEDIからの代替サービスの検討が必要になるでしょう。
全国の支社や工場から送られてくる毎日の売上や仕入れ、在庫、業務報告、などなど…。多くの企業が日々、迅速な経営判断をするための資料として、大容量データの送受信を行っています。情報共有を効率良く正確に共有できるファイル転送システムは、競争力を高め、迅速な経営判断に寄与するなど、企業の命運を握っているといっても過言ではありません。そのファイル転送システムが今のままでは数年後には使えなくなるかもしれないのです。
3. HTTP経由でファイル転送できるかどうかが重要
2020年以降のファイル転送にはどう対応すれば良いのか? 応急処置的にはオンラインストレージやファイル転送サービスなど、HTTP経由でファイル転送、共有ができるサービスを利用する方法があります。
しかしオンラインストレージやファイル転送サービスを企業として使うにはセキュリティの問題や自社でのファイル管理に課題があり、INS回線経由のファイル転送サービスを代替するには難があります。HTTP経由でありつつ、安全かつ自社でしっかりとファイル管理ができるファイル転送システムへの移行が急務といえるでしょう。
4. 2020年問題に対応できるファイル転送とは?
2020年問題により、企業の通信環境は大きく変わります。一部のFAXはそのまま使える可能性もありますが、INS回線を利用しているファイル転送に関してはリプレースが必須。そこで代替策としてもっとも有効なのが、HTTP経由で利用できる企業向けのセキュアなファイル転送システムです。
HTTP経由で利用できる企業向けのセキュアなファイル転送システムは、オンラインストレージや一般的な無料ファイル転送サービスに比べれば、代替コストはかかります。しかし情報漏えいリスクの軽減やファイルを扱う自由度が高くなることを考えれば、代替コストも納得の範囲内に収まるのではないでしょうか?
2020年ギリギリになるまで後回しにしていると、多くの企業が駆け込みでリプレースをすることも予想されます。場合によっては、導入が間に合わないなどのリスクもあり得ます。
ファイル転送システムのリプレースを考えている、より安全性が高く大容量のファイル転送ができるシステムを探しているなら、間近に迫る2020年問題を機に、HTTP経由で利用できるセキュアなファイル転送システムの導入を検討されてみてはいかがでしょうか?
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