大容量ファイル転送ソフト、
操作性を重視することで得られる3つのメリット
大容量、セキュリティ、高速性などファイル転送ソフトに求められる機能はさまざまありますが、つい見落とされがちなのが操作性です。いくら多彩な機能があっても、誰もが簡単に扱えなければ、業務効率の低下や操作ミスによる情報漏えいなどのデメリットが生じる可能性があります。今回はファイル転送ソフトの選択時に、操作性を重視することで得られるメリットについてご紹介します。
1. 人的ミスを誘いがちなファイル転送ソフトの問題点
新聞やテレビニュースなどで頻繁に報じられる情報漏えい問題。その原因のひとつとして宛名間違いや誤送信といった人的ミスがあります。日本ネットワークセキュリティ協会が発表した「2015年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書(※注)」によると、個人情報漏えいの原因ベスト3は以下のようになっています。/p>
- (1)
紛失・置き忘れ 243件 (30.4%)
- (2)
誤操作 206件 (25.8%)
- (3)
管理ミス 144件 (18.0%)
個人情報の漏えいというと、外部からの不正アクセスや内部の人間による持ち出し、不正行為といったニュース性のあるものを思い浮かべられるかもしれません。しかし実際にはそうした原因よりも、単純なミスによる漏えいがTOP3を占めています。
この調査結果はファイル転送との関係性については述べられていません。しかしファイル転送システムやソフトにおいても、セキュリティや機能面を重視して導入している場合、操作が難しくなる傾向があり、誤操作や管理ミスといった人的ミスが増えることは十分に考えられます。
特に、高機能なファイル転送システムやソフトは、FTPなど専門的知識が必要となる場合があります。会社の中でも特定の従業員しか利用することができず、待機や確認に時間が取られて業務効率が著しく低下するデメリットも生じます。
社内外などでやり取りをするファイルの容量は年々大きくなっています。ファイル転送ソフトの需要は今後さらに増えていくことが予想されます。ファイル転送時の業務効率を落とすことなく、かつ人的ミスを防ぐには、どうしたらよいのでしょうか?
2. ファイル転送ソフトの問題点解消のためにできること
ファイル転送ソフトを扱ううえで、個人情報漏えいの原因となる誤操作などを防ぐためには以下のような方法が考えられます。
- (1)
ファイル転送時の確認作業を増やす
人的ミスは、慣れによる確認の不徹底も大きな原因のひとつです。そのため宛先、送信するファイルの内容などの確認作業を、送信時にしっかり行うことを徹底します。場合によっては2人体制でチェックするようにします。
- (2)
従業員へのファイル転送ソフト研修の徹底
専門知識を持った一部の従業員のみが扱うようにすれば、人的ミスは起こりにくくはなります。しかしそれではその緊急の場合や必要なタイミングでファイル転送ができず、業務効率が著しく下がってしまいます。誰もが正確に扱えるよう、研修を定期的、徹底的に行う必要があります。
教育や確認作業を徹底すれば、人的ミスによる誤送信は大幅に減らすことができるでしょう。しかし100%防げるわけではありません。そのうえ、教育コストは増大し、確認作業が増えることで業務効率が下がる可能性もあります。
3. 簡単操作のファイル転送ソフトがもたらす3つのメリット
教育や確認はもちろん重要ですが、セキュアで誰もが扱える操作性の良いファイル転送ソフトの導入を検討することで解決する方法もあります。簡単操作のファイル転送ソフトが企業にもたらすメリットは大きく3つあります。
- (1)
業務効率アップ
複雑な操作のファイル転送システムやソフトでは、専任者への依頼や多くの確認作業が必要です。誰もが扱える簡単操作のファイル転送ソフトであれば、依頼のためのやり取りや確認作業が減り、業務効率がアップします。
- (2)
教育コストの削減
専門知識を必要としない誰もが簡単に扱えるファイル転送ソフトであれば、研修コストを大幅に削減できます。
- (3)
情報漏えいリスク軽減
ファイル転送ソフトの扱いの難しさや属人性は、無用な人的ミスを引き起こす可能性があります。シンプルな操作性を持つファイル転送ソフトであれば、少なくとも操作ミスや管理ミスによる情報漏えいリスクは大幅に軽減できます。
まとめ
セキュリティや機能性を重視した、高機能なファイル転送システムやソフトを導入することは、一見安心できるように思えます。しかし扱いが難しいファイル転送方式を採用することによる業務効率の低下や教育コストの増大などのデメリットもあり、必ずしもベストな選択であるとはいえません。
ファイル転送は、今や誰もが日常的に行う作業です。送受信するファイル容量の増大により、今後は今まで以上にファイル転送ソフトの利用頻度が高くなるでしょう。安全性、機能性のみならず、誰もが簡単に扱える操作性を重視した選択をすることは、企業にとって大きなメリットにつながります。
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