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IT分野の市場調査大手であるガートナーが2016年に発表した「日本企業のモノのインターネット (IoT) への取り組みに関する調査結果」によると、「ITがよりビジネスに貢献できるようになる」など、IoTに期待する回答の割合が50%を超えています。 しかしその一方で、「いまだにどこから手を付けてよいか分からない」という回答が4割近くもあり、ビジネスへの落とし込み方に戸惑っている企業も多いようです。 そこで本記事では、IoTの活用事例を紹介するとともに、IoTを推進するための手順や、IoT活用のキモであるデータ連携の注意点についてお伝えします。
1. IoTの活用事例
1-1 IoTの定義
まず、IoT(Internet of Things モノのインターネット)とは何なのか?を、もう一度おさらいしておきましょう。IoTについての明確な定義は存在しないのですが、主に以下の2つの意味で使われています。
- (1)
狭義の定義
- 1.
モノに組み込まれたセンサーが、モノ自体やその周辺の状態や変化を読み取り、ネットワークに送り出す技術
- 2.
1の技術が組み込まれた機器
- 3.
2の技術を実現するための通信やデータ管理のサービス
- 1.
- (2)
広義の定義
上記(1)の技術・機器・サービスによって得られたデータを、ビジネスや社会に役立たせる仕組み
1-2 IoTの活用例
IoTの活用方法は、大きく2つにまとめられます。
ここではわかりやすい例をそれぞれ1つずつご紹介しましょう。
(1) 狭義の活用例
「モノをネットワークにつなぐことによって、モノが持つ可能性を広げる」という活用のしかたの例です。
大塚製薬と日本電気は、2016年9月、脳梗塞患者向けのIoT錠剤ケースを共同開発すると発表しました。
このIoT錠剤ケースは、以下のような機能を持っています。
- 服薬時間帯を自動通知
- 服薬した日時をスマートフォンやタブレット端末等に送信
これらの機能により飲み忘れがなくなり、家族も服薬状況を把握できるようになります。
(2) 広義の活用例
「ネットワークにつながっているモノから収集したデータを、ビジネスや社会に役立たせる」という活用のしかたの例です。
ディズニーワールドは、センサーを搭載したリストバンドMagicBandを開発しました。ゲストは、このリストバンドを着用することによって、ホテルへのチェックイン、ランチの購入、特定のアトラクションの予約などをスムースに行うことができます。
しかし、MagicBandの利用目的は、それだけではありません。MagicBandは、ゲストが、パーク内でどのように動いたかというデータを収集することができます。ディズニーワールドは、MagicBandから収集したデータを解析することによって、アトラクションスタッフの配置を改善したり、ショップやレストランの在庫管理を改善したりするのに役立てています。
2. IoTデータを活用するための4ステップ
2020年までにインターネットに接続できる機器は、500億台規模になると予測されています。それらの機器から収集した膨大なデータを、ビジネスや社会に役立てるためには、具体的にどのような手順が必要なのでしょうか。
2-1 データの可視化
まず、「IoTから収集したビッグデータから、どんなことがわかるのか」を把握しましょう。IoTから収集したビッグデータを、グラフや地図で可視化するツールも公開されていますので、必要に応じて導入するとよいでしょう。
2-2 仮説の立案
可視化したデータから、「これらのデータを活用すれば、このようにビジネスを改善できるのではないか?」という「仮説」を導き出しましょう。
そのためには、IoTから収集したビッグデータの解析が必要です。最近では、AI(人工知能)を使って解析する例も増えてきています。
2-3 データ連携
「IoTから収集したビッグデータを活用して、どのようにビジネスに価値を生みだすか」という方針が決定したら、実際にデータを収集し、他のアプリケーションに連携させていくという段階に進みます。
リアルタイムで動いているビジネスの現場にIoTデータが投入されていくことになりますから、様々な混乱が発生することが予想されます。詳しくは、次項でご説明します。
2-4 PDCA
テスト運用を繰り返しながら、より効果的な活用方法や、より広範囲に効果をもたらす活用方法を模索していきましょう。
3. IoTデータ連携で気をつけなければならない4つのこと
2-3で触れたとおり、IoTデータを収集し、他のアプリケーションと連携するにあたっては、いくつかの点を考慮しないと、現場の混乱を招く恐れがあります。特に気をつけたいのは、以下の4点です。
IoTデータ連携で気をつけなければならないこと(1) データの欠落
機器監視に関するデータや防犯に関するデータなど、収集時にデータが欠落してしまうと重大な事故につながってしまうような領域があります。
このようなIoTデータを活用したい場合には、確実にデータ収集することを保証してくれるデータ連携システムを導入する必要があります。
IoTデータ連携で気をつけなければならないこと(2) 管理コストの増大
ネットワークに接続されている機器の数が多いと、それだけネットワークエラーが頻繁に起こる可能性も高くなり、運用管理のコストが膨大になってしまう場合があります。
多数の機器をつなぐような仕組みを構築する場合には、ネットワークエラーを自動検知してくれる機能や、エラーが発生した際に自動的にリトライしてくれる機能など、運用管理作業を軽減してくれるデータ連携システムを導入する必要があります。
IoTデータ連携で気をつけなければならないこと(3) 通信費の増大
IoTを通じて画像や動画データを収集する場合、膨大な通信費がかかってしまう可能性があります。通信データ量が多くなることが予想される場合には、圧縮転送をするなどによって、通信料を軽減してくれるデータ連携システムを導入する必要があります。
IoTデータ連携で気をつけなければならないこと(4) システム構築の負荷
IoT実証をすぐに始めたいと思っても、データ収集プロトコルの構築や、他のアプリケーションとデータ連携させる仕組みの構築には、時間がかかります。システム構築の時間をショートカットして、よりPDCAに時間をかけることを望むなら、データ収集や加工・分析、他のアプリケーションとのデータ連携をノンプログラムで行えるようなデータ連携システムを導入するとよいでしょう。
まとめ
冒頭でご紹介したガートナーの調査によると、「IoTの専門部署やグループができた」と回答した企業は10.1%でした。今後、この割合は確実に増えていくでしょう。
IoTを推進していくためには、ネットワークに接続した機器から欠落なくデータを収集し、スムースに他のアプリケーションとデータ連携できる仕組みを、スピーディに構築することが重要です。
本記事でご紹介した「IoTデータ連携で気をつけなければならない4つのこと」を参考に、最適なシステムの選定を行ってください。
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