データ連携ミドルウェアを選ぶときのポイント
データ連携のミドルウェアを選ぶとき、どんなポイントで選んだらいいのでしょうか。企業によって、必要な機能や、許容できるコストは千差万別です。データ連携ツールを選定するときに気をつけたい点についてご紹介します。
1. データ連携ミドルウェアを選定する前に、情報収集をしっかりと
データ連携ミドルウェアをお探しの場合、その背景に既存システム上の課題や問題点があることがほとんどではないでしょうか。「オンプレミス環境のシステムのパフォーマンス低下がネックとなり、業務スピードが低下している」「既存システムは専門職にしか扱えないため、機能を追加して簡易化したい」「クラウドの導入を考えているが、既存システムとどのように連携すればいいか悩んでいる」など、企業によって問題点や課題はさまざまです。また、これらの課題が複数絡み合っているケースもあるでしょう。
まずは現行システムの問題点を洗い出し、課題解決の優先順位をつけることが重要です。現状とあるべき将来像を照らし合わせることで、どんなデータ連携方法をとるべきかが見えてくるでしょう。コストや工数の削減、クラウド連携などのうち、どの課題解決を最優先事項にするかによって、選ぶべきデータ連携ミドルウェアが異なってきます。
2. データ連携ミドルウェアを選ぶときに気をつけたい点
コストと機能のバランス
各社が提供するデータ連携ミドルウェアには、それぞれ強みや得意分野があり、多機能のもの、ある機能に特化したものなどさまざま。製品によって価格帯にも幅があり、一式がパッケージされたものやユーザー数によって価格が異なるものなどがあります。
必要となる機能を網羅しているかどうかをチェックすると同時に、ユーザー数など利用規模に合わせて許容できるコストかどうかを確認しましょう。また、導入に際して、膨大な工数がかかってしまってはコストパフォーマンスが下がってしまいます。実際のデータ連携では想定外のデータが送受信されることも考えられるため、これを避けるために追加の開発費が発生しないかも確認しておくべきです。
クラウド連携がスムーズに行えるかどうか
データ連携ミドルウェアの多くは、クラウド連携を可能にするアダプタを持っていますが、不安定なデータ送信が発生することもあるクラウド特有の動きに対応できるレベルかどうか、しっかり見極めるべきでしょう。
利用している、あるいは、導入を検討しているクラウドプラットフォームがあれば、その個性やクセに対応できるかを確認しておくことも大切です。たとえば、Salesforce APIにおいては、発行されるSOQLクエリの合計数などで制限がかかり、リミット以上の利用ではエラーが発生します(ガバナ制限)が、こうした制限をツールが吸収し、クリアしているかどうかなど、実践さながらの環境で確認するといいでしょう。
システム部門ではなく業務担当者レベルでも使えるかどうか
ノンプログラミング、ノンコーディングを謳うデータ連携ミドルウェアは多々ありますが、専門のシステム担当者ではなく業務担当者でも実際に使いこなせるかどうかは、事前にチェックしておきたいポイントの一つ。試用版がある場合には、システム担当者と業務担当者の双方に使ってもらい、評価するのがおすすめです。
ツールによっては「逆引きリファレンス」など、実現したいことから方法が探せるヘルプが用意されていることもあります。実務レベルでの運用ではこのようなヘルプ機能が充実しているかどうかも、ツール選定の一つのポイントです。
導入実績の多さや得意分野
データ連携ミドルウェアに限らず、製品の導入実績の豊富さや、どのような分野の企業に受け入れられているかは、ツール選定において重要な指標になります。実績の多さはツールの信頼性を測る物差しであると同時に、多くの企業で実際に使われたフィードバックが製品に活用されている印であるとも考えられるからです。また、メーカー側によるアップデートなどの情報提供が適宜最適な形で行っているかどうかにも注目しておきたいものです。
まとめ
多彩なデータ連携ミドルウェアが揃ってきた現在、どのツールを選択するかは多くの企業にとって重要なテーマ。ミドルウェアの特性を見極め、自社にフィットするツールかどうか、将来にわたり長く使えるかどうかなどの観点から、適切なツール選びを行いましょう。
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