システム連携を一元管理することで得られる3つのメリット
非効率なシステム運用、不透明なデータ連携にお悩みではありませんか?
基幹系情報システムや自社専用に開発したレガシーな業務システム、クラウドなど、企業には、実にさまざまなシステムがあります。複雑なIT環境でシステムを個別に連携していると、経路が複雑になって冗長化する上、さまざまな問題が発生します。ここでは、分散配置されたシステムを集中的に連携管理する一元管理の考え方と3つのメリットをご紹介します。
1. 一元管理されていないシステム連携で発生する問題
社内のシステム連携では、特定のデータを複数のシステムへ同時に転送したり、あるシステムから転送されたデータを整形して別のシステムへ転送したりする場合が多くあります。データ転送をそれぞれのシステム間で個別に設定して運用していると、一部のシステムで障害が発生したときに、転送を完了したものとそうでないものの特定に時間がかかったり、再送処理を手動で行わなければならなくなったりします。
また、データ転送の後に、整形や別システムへの再転送の処理がスケジュールされている場合は、ひとつのデータ転送が失敗したことで、後続の処理も、のきなみ失敗します。さらに障害を知らせる大量のアラートメールの発生により、サーバに思いもよらぬ負荷がかかり、メール遅延が発生するといった二次被害がおこる恐れもあります。
昨今は社内システムの一部にクラウドを利用する企業も増えています。既存のレガシーシステムと複数のクラウドシステムを個別に連携するには、クラウドシステムごとに接続のためのインターフェースの実装が必要です。そのため、既存システムの大掛かりな変更が発生したり、開発期間が長期化したりするケースもめずらしくありません。
2. システム連携の一元管理とは?
個別のシステム連携では、連携するシステムの規模や数が増えれば増えるほど、経路が複雑化し、維持・管理が難しくなります。安定したシステム連携のためには、分散配置されたシステムを個別につなぐのではなく、異なるシステム同士をひとつの場所でつなぐ、中継地を構築することが急務です。そして、その中継地に共通のデータ置き場を作り、各システムが任意のタイミングでデータ置き場に接続し、必要なデータのみを取得します。このように一元管理では、システム連携を集中させる仕組みを作り管理・運用します。
3. システム連携の一元管理で生まれる3つのメリット
3.1 信頼性の向上
システム連携を一元管理することで、信頼性が向上するのです。一元管理では中継地にある共通のデータ置き場に一時的にデータを保管しておくことができます。システム障害等によりデータの転送が失敗した場合も、保管データを使って障害が発生したシステムだけにデータを自動で再配送することが可能です。
また、連携するすべてのシステムが中継地に接続され、可視化されているため、障害が発生したポイントとその影響範囲をすばやく特定することができます。さらに、一部のシステムに障害が発生した場合は、自動で関連する後続の処理を中止することも可能なため、不要なアラートメール送信を抑制できるのです。
3.2 保守性の向上
システム連携を一元管理することで、システム連携の変更管理が容易になり、保守性が向上します。
連携対象となる新たなシステムが増えたとしても、中継地とそのシステムを接続するだけで良いため、設定変更箇所が固定されます。仮にそこで設定ミスが発生してしまっても、その影響範囲は限定的です。ひとつの場所でシステム連携の一連のプロセスが可視化できるため、専門の知識をもった人材でなくても、全体をわかりやすく把握することができます。
3.3 接続性の向上
一元管理では、連携するデータは中継地を介して行われます。そのため、実際にデータを蓄積している既存システムの仕様やアプリケーションの種類に左右されることなく、容易にかつ短期間にデータ連携を実現できます。また、いったん中継地で作成した接続機能は、接続された他のシステムからも利用することが可能となります。
まとめ
分散配置されたシステムを個別に連携し続けると、データ連携の経路が複雑化。障害発生時に問題箇所の特定や復旧に時間がかかったり、新たに導入されるシステムやテクノロジーにすばやく対応できなくなったりします。このような状態にならないよう、システムの運用・管理を一元管理することで、効率的で安定したシステム連携を実現しましょう。
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