DataMagic技術コラム Vol.24
〈お客様要望を解決!:不正データがあってもデータ加工できる共通コンポーネント編〉
はじめに
DataMagicの技術コラムにアクセス頂き有難うございます。
先日、DataMagicをご利用いただいているお客様より「不正なデータがあってもデータ加工処理を継続したい」というご要望を頂きました。
お客様要望
「項目タイプ」が“P”(内部10進数)のデータが不正な場合に、空データに置換えてデータ変換したい
ご要望いただいたお客様の入力データは、お客様が手を加えることが出来ない外部システムで作成されたもので、誤ったデータが混入している場合があるとのことでした。
DataMagicではエラーデータのスキップ機能がありますが、この機能では問題があるレコードは読み飛ばす仕様となっており、残念ながら要望を満たすことができません。
しかし、このような要望に対して、共通コンポーネントで解決することが可能となります!
Vol.22, Vol.23では共通コンポーネントについて紹介させて頂きましたが、今回のTIPSでは、この要望を実現する共通コンポーネントを紹介します。
この機能は、DataMagic Ver.3.1.9にも同梱されます。
本TIPSを利用の際はDataMagicのインストールが必要です。DataMagicの入手先やインストール方法については、別稿の「DataMagicをインストールする」を参照してください。
本TIPSで紹介するSAISON_PACK2NUMSTR共通コンポーネントはDataMagic Ver.3.0.0以上であれば、現在使用中のDataMagicをアップデートせずに追加出来ます。
共通コンポーネントを用いたデータ変換
お客様要望を解決する共通コンポーネントの実装例を以下に説明します。
入出力データのイメージ
内部10進数の符号部は以下の設定を使用。
入力データと期待する出力データのイメージは以下。
サンプルデータを用いた動作確認
サンプルデータを使って実際に動作させてみましょう。
手順1 - 変換対象データとスクリプトファイルを用意する
最初に入力データ(”in” ファイル)とデータ変換処理のスクリプトファイル(”sample24.igen” ファイル)を用意します。下記からsample24.zipをダウンロードし、DataMagicが導入されているPCの下記のフォルダに保存します。
C:\work\sample24\(“in”と”sample24.igen”を保存)
今回のTIPSでは内部10進数の入力データを使用します。
入力データは一部不正な値を含みます。
入力データ(内部10進数)
内部10進数の符号部は以下の設定を使用。
手順2 – データ加工処理を実行する
手順1で取得したスクリプトファイル(”sample24.igen” ファイル)をインポートし、追加されたデータ加工処理SAMPLE24を実行します。
共通コンポーネントのインポート手順及び実行手順については別稿の「DataMagic技術コラム Vol.22 Appendix〈共通コンポーネントのインポート手順および実行手順〉」を参照してください。
手順3 – 結果を確認する
実行が完了すると、出力設定において指定されたC:\work\sample24\に“out.txt”というファイルが出来ているのでテキストエディタで内容を確認して下さい。
入出力データ
SAISON_PACK2NUMSTRの使用方法
本TIPで紹介したSAISON_PACK2NUMSTRはDataMagic Ver.3.0.0以上であればデータ加工に使用出来ます。
SAISON_PACK2NUMSTRの利用方法については、共通コンポーネントのインポート後、共通コンポーネント情報一覧からSAISON_PACK2NUMSTRをダブルクリックすることで確認できます。
共通コンポーネントをご利用の際は以下の赤枠の説明をご確認ください。
共通コンポーネントは[データ加工情報設定]の[マッピング情報設定]で設定できます。
設定方法については「共通コンポーネントを用いたデータ変換」の説明をご確認ください。
利用時の注意点
SAISON_PACK2NUMSTR共通コンポーネントのコメントに記載しているとおり、入力項目(サイン付内部10進数のデータ)の項目タイプはイメージタイプ(無変換)を指定する必要がありますのでご注意下さい。
最後に
今回紹介したSAISON_PACK2NUMSTR共通コンポーネントのエクスポートファイルは下記のリンクよりダウンロードできます。「サンプルデータを用いた動作確認」のsample24.zipを使用せずに共通コンポーネントのみの追加をしたい場合は以下をご利用ください。
DataMagicをお持ちでない方
本製品に関心のある方は、ぜひ、DataMagic評価版をダウンロードしてお試しください。
- 評価版は無償で60日間ご利用いただけます。
- 評価版のお申し込み後、90日間の技術サポートを無償でご利用いただけます。
DataMagic コラム一覧
- DataMagic for Windows インストール編
- DataMagic Manager インストール編
- “早い、安い、簡単”が魅力「DataMagic」のススメ
- Vol.1 〈文字コード変換:EBCDIC⇔Shift_JIS編〉
- Vol.2 〈文字コード変換:外字コード編〉
- Vol.3 〈文字コード変換:Unicode(UTF-8)編〉
- Vol.4 〈データ変換:パック⇔ゾーン編〉
- Vol.5 〈固定長⇒CSV データ変換編〉
- Vol.6 (番外編)HUB+DataMagic連携事例
- Vol.7 〈流通BMS⇒CSV変換編〉
- Vol.8 〈マッチング処理編〉
- Vol.9 〈全角⇔半角変換編〉
- Vol.10 〈DBテーブルデータ抽出編〉
- Vol.11 〈データ補正編〉
- Vol.12 〈文字列置き換え編〉
- Vol.13 (番外編)DataMagic導入事例
- Vol.14 〈データソート・ファイル分割編〉
- Vol.15 〈データ集計編〉
- Vol.16 〈ファイルマージ編〉
- Vol.17 〈HULFT定義一括登録編〉
- Vol.18 (番外編)HULFT-WebFiletransfer+DataMagic連携事例
- Vol.19 (導入事例編)弊社利用事例
- Vol.20 〈データマスキング編〉
- Vol.21 〈DB移行編〉
- Vol.22 〈共通コンポーネント:EBCDIC系コードの置き換え編〉
- Vol.22 Appendix 〈共通コンポーネントのインポート手順および実行手順〉
- Vol.23 〈共通コンポーネント:日付変換機能拡張編〉
- Vol.24 〈お客様要望を解決!:不正データがあってもデータ加工できる共通コンポーネント編〉