<HULFT Script 技術コラム4>用途によって使い分ける複数ファイルの転送方法
HULFT Scriptコラム一覧
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- HULFT Script 技術コラム4:用途によって使い分ける複数ファイルの転送方法
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- HULFT Script 技術コラム7:テンプレートで簡単に実現できる、柔軟なエラーハンドリング
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- HULFT Script 技術コラム10:万一のデータ消失に備えて!多彩なテンプレートでバックアップをサポート
HULFT Script 技術コラム Vol.4
用途によって使い分ける複数ファイルの転送方法
解説
業務では1つのファイルで処理をすることよりも複数のファイルを取り扱っていることのほうが多いです。HULFTでも同様に複数のファイルを送りたいという要望やお問い合わせを多数いただいております。
本TIPSでは複数ファイル転送の実現方法をいくつかご紹介します。
複数ファイル転送方法
複数ファイルの転送方法にはいくつか方法がありますが、大きな考えとしては以下の方法になります。
- 複数のファイルを1ファイルにまとめて転送する
- 1つずつファイルを転送する
なお、複数のファイルを1ファイルにする方法もZIPのような圧縮ツールを利用する方法とHULFTのコマンドで実現する方法があります。それぞれの方法には特徴と出来ることと、出来ないことがあります。まとめると以下の表になります。
複数ファイル転送方法 | 概要 | 特徴 |
---|---|---|
圧縮・解凍ツール利用 | ZIPやtarコマンドなどの圧縮・解凍ツールを使って、転送前に複数ファイルを1ファイルにして転送する。 | フォルダ構成もまとめて1ファイルにできるが、集信側は解凍する必要がある。なお、HULFTのコード変換機能は利用できない。 |
HULFTのコマンド利用 | HULFTのutljoinで複数ファイルを1ファイルに結合させてから転送する。 | 集信側はutlbreakで結合ファイルを分解する必要があるが、utlbreak時にコード変換される。なお、フォルダは結合ファイルに含まれない。 |
HULFTのコマンド利用 | ループ処理で指定のフォルダ内のファイルを1ファイルずつ送っていく。 | 1ファイルずつ送り、転送時にコード変換される。集信側も1ファイルずつ処理できる。 |
HULFT Scriptでの実現方法
上記の表の転送方法について、HULFT Scriptでの実現方法を解説します。
圧縮・解凍ツール利用
配信側と集信側で事前に何の圧縮・解凍ツールを使うのか、定めておく必要があります。圧縮時にパスワードを指定する場合も解凍側でパスワードが必要になるため、固定のパスワードやパスワードのルールを定めておく必要があります。圧縮・解凍にZIPを採用した場合、「HULFT Script」を使うことでプログラミングレスに処理を実装することができます。HULFT ScriptはHULFTのオプション製品です。これまでバッチやシェルスクリプトで作成していたファイル転送の前後処理をGUIで簡単に作成することができるソフトウェアです。HULFT Scriptの「ZIP圧縮」、「ZIP解凍」のアイコンを利用することで簡単に実装することができます。配信する前にZIP圧縮し、そのファイルを配信要求することで実現可能です。集信側もHULFTトリガで集信したら、集信ファイルをZIP解凍するスクリプトを実行することでZIP解凍処理を自動化することが出来ます。また、圧縮・解凍時のパスワード指定も「スクリプト変数」を使うことで、動的なパスワードを指定することも可能です。例えば、配信時の日時をパスワードにする場合、現在日時を設定しているスクリプト変数をパスワードに指定することが可能です。
ZIPのパスワードによる暗号化も魅力の一つですが、圧縮・解凍ツールを利用する最大のメリットはディレクトリ(フォルダ)も1ファイルにまとめて転送できる点です。また、解凍せずに保存しておくことで、ディスク容量の削減にもなります。バックアップサーバへデータ保存する時に有効な手段となります。なお、圧縮・解凍ツールを利用した場合、転送はバイナリ転送で配信する必要があり、配信ファイルはコード変換されません。コード変換が必要な場合はZIPの解凍後に別途、コード変換を実施する必要があります。必要に応じてHULFT-DataMagicと合わせてご利用ください。
HULFTのコマンド利用
HULFTには複数ファイルを結合するコマンド「utljoin」、結合ファイルを分解するコマンド「utlbreak」が標準機能として提供されています。配信前に「utljoin」で結合ファイルを作成し、結合ファイルをバイナリ転送で配信します。集信側では「utlbreak」で結合ファイルを分解する方法です。これは従来から複数ファイルを転送する方法として採用されてきた方法です。 HULFT Scriptでは「外部アプリケーション呼び出し」で「utljoin」、「utlbreak」を呼び出し実行します。集信側はHULFTトリガで集信時に「utlbreak」を実行するスクリプトを登録しておくことで自動化が可能です。
HULFTのコマンド利用の最大のメリットはコード変換できることです。「utlbreak」実行時に結合ファイル内にある転送元のコード情報から自機種のコードへコード変換を実行します。異機種間でのファイル転送の場合に有効な手段となります。
なお、HULFTのコマンドを利用した場合、ZIPの圧縮とは異なり、フォルダは結合ファイルに含まれません。
1つずつファイル転送
1つずつ着実にファイル転送していく方法です。HULFT Scriptではフォルダ内のファイルを配信要求するテンプレートを提供しております。このテンプレートを利用することで簡単にフォルダ内のファイルを配信要求する処理を実装することが可能です。
1つずつファイル転送することの最大のメリットはトランザクションがファイル単位で処理できることです。集信側も1ファイルずつ処理することが出来るため、1ファイルずつトランザクションを実施したい場合に有効な手段となります。
最後に
今回は複数ファイルの転送について紹介しました。ぜひ、この機会に無償で60日間ご利用いただけるHULFT Scriptの評価版をお試しください。
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HULFT-ScriptはHULFT8のオプション製品のため、(HULFT ScriptOptionを含む)を選択してください。
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