ITとビジネスの今どきコラム

「奇跡みたいな逆転劇」は本当に起こることが(結構)ある~カターレ富山の奇跡のJ2残留劇について

マーケティング部の渡辺です。

データやITなどに関する様々なことをゆるく書いているコラムです。

「嘘みたいな奇跡的な逆転劇」は実際割と起こっている、の話題

今回は、年が明けてしまってからの話題で恐縮なのですが(執筆現在は2026年の正月明けすぐ)、2025年12月に起こった、Jリーグの「カターレ富山」が信じられないレベルの「奇跡のJ2残留」をした話(など)について紹介したいと思います。私たちにとっても、未来の希望になるような話。

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「まだあきらめるんじゃない」みたいなことは安易に言われがちです

世の中ではどうにも、「まだ可能性はある、あきらめるんじゃない」みたいなことが安易に言われがちです。私も(そういう意味では)あんまり好きじゃありません。可能性を信じていないからではありません、そういう言葉が「無責任な精神論」として発せられがちなところが好きではありません。そういう精神論は、無策のまま犠牲を強いて人を苦しめる原因にもなりがちだからです。

一方で昨今ではその反対に、現実は○○なんだから諦めろよ、無理だろ、と悟ったようなことをいう冷笑主義のようなものも見られます。反対側の考え方にも思えますが、それも単なる現実に対する敗北主義に思えたりすることがあります。

こうやって二つを並べると、お前はどっちの側の人間なのですか?みたいなことを問われているような気すらしてきますが、私にはどちらも息苦しくてしんどい考え方に思えます。そして幸いにして、「現実はどちらでもないんじゃないか?」と思っているという「希望の話」を書きたいと思います。

J2残留がほぼ絶望的になっていたカターレ富山の奇跡の残留

現実として「嘘みたいな奇跡的な逆転劇」が割と起こっているんじゃないか?という話をこれからします。以下は、現実に起こった話です。

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34節終了後:理論上の残留可能性が消滅する手前

2025年、残り4試合も残っているというのに、J2所属のカターレ富山はもはやJ2残留が絶望的な状態にありました。次節にも「理論上の残留可能性」が消滅してJ3降格が確定しようとしていました。

「理論上」とは、自チームが残り全てを勝利し、競合するチームが全て敗北してもなお無理です、という状況。現実にはそんなことはほぼ起こらないし、弱いからこうなったわけです。実質的には「諦めろよ、どう考えても無理だろ」でした。

開幕スタートダッシュには成功したものの、その後は低迷。この状況となるまでの経緯についても、三連敗を喫して降格圏に嵌まり込んだ挙句、J2残留を争っていたレノファ山口との直接対決にも敗れていました。直接対決でも敗北しての四連敗。まさに絶望的。

35節:愛媛との最下位決戦

次節は最下位20位の愛媛との対戦でした。この試合で勝ち点3を稼がなければいつ稼ぐんだという試合でした。残留するつもりなら、この試合は絶対に落としてはいけないものでした。

しかし先制点を取ったのは愛媛。そして愛媛一点リードのまま、試合は90分を迎えます。負ければカターレ富山は終わりです。しかし90分を過ぎてのアディショナルタイム(ロスタイム)、最後まであきらめなかった富山は、なんと劇的な同点ゴールを挙げて土壇場で勝ち点1を手にします。

勝つことはできませんでしたが、他のチームも結果が良くなかったので、貴重な勝ち点1により降格決定を免れることができました。

36節:サガン鳥栖戦

降格決定を免れた富山でしたが、これにより「残り3試合をすべて勝つ」ことが残留の絶対条件となりました。そして2025年シーズン、カターレ富山は一度も3連勝をしたことがありませんでした。これまで一度もできなかったことを、この土壇場でやらないといけなくなりました。

しかも次の対戦相手は、J1から降格してきたサガン鳥栖、鳥栖にとってもJ1昇格の可能性をかけた戦いであり、負けるわけにはいかない試合でした。富山にとってはかなりの難敵。

しかしながら、どういうわけか富山は問題なく3-1で圧勝してしまいます。

37節:ヴァンフォーレ甲府戦

残留の希望を残した富山ですが、残り試合全て勝利しなければいけない状況は変わりません。

絶対勝たなければいけない富山、しかし90分を過ぎても試合は0-0のスコアレスドロー。このままでは降格が決定してしまいます。審判によるアディショナルタイムの目安は6分、そしてその6分がまさに終わろうとしていましたが、なおもスコアレスドロー。

しかし最後まであきらめなかった富山、「試合終了20秒前の奇跡」とも言われるギリギリのタイミングでなんと先制点を獲得。0-1での勝利とし、最後の最後になって勝ち点3を獲得します。

三試合にわたる奇跡により、土壇場で18位に順位を上げた富山。しかしJ2に残留できるのは17位からです。まだ一つ足りません。

最終節38節:ブラウブリッツ秋田戦

最終節、富山が残留を争う相手はその時点で17位だった「ロアッソ熊本」でした。

ロアッソ熊本が勝利した場合には無条件で熊本の残留、富山勝利で熊本敗北の場合には富山残留でした。しかし問題となったのが「熊本が引き分けた場合」でした。

「熊本が引き分け」て「富山が勝利した」場合には勝ち点では並びました。しかし富山が残留するためには「勝ち点差で上回る必要」があり、そのためには富山は「三点差以上をつけて勝利する必要」がありました。しかし富山、2025年シーズンは得点力不足に苦しんでおり3点を取った試合自体が数えるほどでした。しかも対戦相手は侮れない強さの「ブラウブリッツ秋田」、秋田から3点を取れというのは酷すぎる条件でした。

言い換えれば、ロアッソ熊本からすると、とにかくディフェンスしまくることでスコアレスドローの引き分けとすれば残留できる可能性が高い、ということでした。富山にとっては、なかなかに厳しい状況です。

最終節、試合は同日開催同時刻キックオフ。しかし前半終了して、両試合ともに0-0でスコアレスドローでした。富山は、後半だけで3点取らなければいけなくなりました。

後半、富山はPKを獲得して先制点を得ると、なんと2点目も獲得します。あと1点まで迫った富山。しかしそこで秋田に痛恨の失点をしてしまいます。試合は2-1となってしまいます。

残り20分、富山には「あと2点」が必要になってしまいました。しかも富山、2025年シーズンで4点を取った試合は一度もありませんでした。この一年で一度もできなかったことを、これからやらなければいけなくなりました。

残り10分、両試合ともに動きはありません。おそらく状況を共有されていたロアッソ熊本はとにかく守備を固めて一足先に0-0で引き分けてしまいます。

秋田のカウンター攻撃を防ぎながら決死の攻撃を続ける富山、89分にようやく3点目を返します。しかし試合はもう89分、富山はとても頑張ったが、あと一歩及ばずに終わるかと思われました。

ここから富山を救ったのは、去年に高校を卒業したばかり、公式戦には8試合途中出場しただけの高卒ルーキーの亀田選手でした。90+3分、ドリブルで秋田のディフェンスを一気に突破してゴール前まで迫りますが、ゴール前には当然ディフェンダーが待ち構えています。さて、そこからどうする?どっちにパスを出すんだ?と多くの人が思った次の瞬間、亀田選手はそのままディフェンダーもかわして、なんと自分自身でシュートし、ゴラッソ(スーパーゴール)を決めてしまいます。文字通りに狂喜するスタジアム、試合はなんと最後の最後で4-1になります。

そのあと、富山が秋田の反撃を防いだ(最後のプレーも亀田選手の体を張ったディフェンスでした)ままアディショナルタイム10分が過ぎて試合は終了、4試合に渡る奇跡的結末の末にカターレ富山はJ2残留を果たします。

▼その最終戦が9分にまとめられた公式動画
【残留争いは衝撃の結末に | カターレ富山×ブラウブリッツ秋田|ハイライト】2025明治安田J2リーグ第38節|2025シーズン|Jリーグ – YouTubeico-external-link.svg

「嘘みたいな奇跡的な逆転劇」は現実に起こっていること

カターレ富山の残留劇、あまりにもあり得ない展開過ぎてサッカー漫画でも無さそうな展開ですが、こういう嘘みたいなことは、「現実に起こっている」ということなのです。

あまりにも長くなるので書かない(この記事が好評なら別途書くかもしれません)ですが、「2025年の終わりのあたり」だけでも他にも「どう考えてももう無理だろ、の状況からの奇跡的な逆転劇」が起こっています。どちらも本当にすごい事件です。

  • 夏くらいには「J1残留は絶望的」で何もかもどん底だった「横浜Fマリノス」が、残留成功どころか15位でシーズン終了した

カターレ富山の残留確率を機械学習で計算させたら可能性は1%しかないような状況からの残留だったようですし、そんな「ありえない」ことが、こうやって割と「現実に起こっている」ようなのです。

2025年の終わりの方だけで、私がすぐ思い出せるだけでもこれだけの奇跡があります。

「奇跡」をその場で目撃する体験をすると

奇跡みたいなことは、割と「現実に起こっていること」を紹介した上でお勧めしたいのは、自分自身でそういう状況を目撃することです。あるいは、これまでのことをよく考えながら振り返ってみて「あれが実はそうだったなあ」と気が付いてみることです。

例えば上記の話だと、カターレ富山の最終戦の奇跡を「現地で観戦」していた人、あるいはフクアリ(フクダ電子アリーナ)の「現地」でジェフ千葉を応援していた人にとっては、こんな劇的な結末が世の中にあるのか、と一生の記憶に残る日になったはずです。

失われた30年と呼ばれる期間があり、ひたすら身を削ることを強要されるような状況がありました。そういう前提で「まだ頑張れ」というのは、再現なく自己を削りつづけることを強制してくる呪いの言葉でもありました。そういう良くない構図に気が付いて、リアリストを名乗る冷笑主義みたいな風潮も生まれたのではないかと思います。今こそ希望が必要な時代であるというのに、健全に希望を持つことが難しくなっていると思います。

実際に自分自身で、「さすがにこれはもうどうにもならないだろう」と本当に一回思ったところからの「奇跡的な逆転劇」が起こるのを目撃体験すれば、世界の見え方そのものが変わりますし、健全な「不屈の精神」の種みたいなものが自分の中に宿ると思います。

個人的な2022年の一つ

例えば私なら2022年、残り10試合を残して、もはやJ1残留はかなり厳しいのではないか?と思えたガンバ大阪。しかもその後、落としてはいけない試合を連続して落としてしまって「どう考えてももう無理だ」になったあと、最後の数試合での奇跡的な展開でJ1残留を果たした絶望と希望の浮き沈みを現地で体験しました。

どう考えても負けていた試合をGK東口選手の鬼神のようなセービングで防ぎ続けて勝ち点1をもぎ取った試合、勝てなかった方がJ2降格決定という厳しすぎる試合になってしまったホーム最終戦のスタジアムの異常な緊張感と勝利後のものすごい空気感、もう残留は無理だろうと一度は思っていたことが覆ったので、試合後に「世の中にはこんなことがあるんだな」と心底思いました。

個人的な2024年の一つ

あるいは2024年、特に意味はなく観に行っただけ(マリノスサポータではなかった)の 横浜Fマリノスの雨のACL準決勝。最初はマリノスが問題なく快勝するかに思えた試合でしたが、前半40分にDOGSO(ドグソ:決定的な得点機会をファウルで阻止したことに対する反則)をやらかしてしまいレッドカードで10人に、かつPKにより同点にされてしまいます。試合は延長戦も含めてまだ残り80分以上もあり、雨が降り続ける荒天の試合、敵はフィジカルで上回る韓国の蔚山(ウルサン)、どう考えても悲惨な結末になると思えました。

実際その後、とんでもない数のシュートを浴び続ける悲惨な試合展開になります。雨が降り続ける中、必死なディフェンスで攻撃を防ぎ続けるマリノス、応援しているサポも悲鳴続きで心が持ちません。とんでもなく踏ん張っているマリノスでしたが、正直なところ力尽きるように失点して悲しい結末になるのではないかと思って観ていました。

しかし、そのまま90分が過ぎ、厳しすぎる状態のままの延長戦の30分すら、なんと無失点で防ぎ切ります。そしてPK戦、マリノスは全員がPKを決めたのに対して、とうとうPKストップに成功し、マリノスは劇的的に勝利。周囲のマリノスサポータは大喜びしつつ、あまりにも大変すぎた試合展開だったので感動して泣いており、私ももらい泣きしていました。

こういう「奇跡的なこと」は実際には結構ある

以上は「一部に過ぎなくて全部ではない」だったりしますし、「2025年の終わりの方」「私がすぐ思いついたもの」だけでも記事前半で紹介したようなことがありました。

しかも、カターレ富山の残留確率を機械学習で計算させたら「1%しかない」みたいな、普通に考えると本当に「もう無理だろ」状況から起こった逆転、「可能性は数パーセントしかありません」みたいな状況からの逆転劇が、「現実として」起こっているわけです。

ITシステムの開発での「もう無理だろ」

でもまあ、私もあなたも(たぶん)サッカー選手ではないので、もっと自分たちであり得る話で考えてみましょう。

たとえばITシステムの開発は「炎上することがよくある」ことで知られます。「もう無理だろ」の状況も良くあります。サッカーなら90分経てば負けて終わりですが、ITシステム開発の場合には悲惨な状況は延々と終わらなくなったりします。つらいです。

多くの場合には奇跡的というよりは多大な犠牲によってなんとか処理されました、みたいなことになりがちではないかと思います。でも「そんな方法がありましたか」みたいな解決ができることもあるはずですし、そういう切り抜け方こそが我々に望まれることです。

僭越ながら、弊社製品が「そういう状況で活躍できた」と感謝を頂くことが昔からあります。つまり、日本のどこかにいる「奇跡の逆転を起こしたヒーロー」に使ってもらっていることがあるようです。

例えば、システム開発で割と起こりがちな「あるある系」の状況ですが、なんとか死にそうになって納期までにシステムが開発できる見込みになったはずのその後、「現行システムからのデータ移行」がスケジュールの考慮から漏れていたことが発覚するようなことがあります。しかもデータ変換など手間のかかる作業が必要で、軽微な作業ではなかったりすることも割とあります。

残り期間は二週間、お客さんに泣きついてさらに一週間確保、しかしエンジニア本隊は開発作業に張り付いていて動かせません。手作業でのデータ移行をやろうとするも、手作業には複雑すぎるしデータ量も多すぎる。本来、データ移行用のプログラムを事前開発しているべきでした。もう無理だろ?みたいな状況で「ノーコードで自在に本格的なデータ連携ができる製品がある」と知って急遽採用、手の空いている人員で一気に対応して解決、みたいな活躍です。

他にも、「システムテストで大量に必要になるテストデータの用意を誰がするんだ?」みたいな似た状況や、「来週までにメインフレームに入っているデータをどうやってSalesforceに連携するんですか、誰もプログラミングできませんよ」みたいな状況を救うようなことで、ご利用いただいたことがあると聞いたこともあります。

「つなぐ」製品、あるいは「データ連携」ってどういう時に役に立つのかわかりにくいところもあります。しかし「データに関するピンチ」や「システム連携に関する緊急事態」に出動して一気に解決する手段としても、活用いただいていることがあるようです。

紹介したように、現実の世の中では「もう無理だろ」と思えるような状況からの逆転劇が結構起こっていたりするもののようです。例えば「DataSpider」を「何かがあった時に利用できるようにスタンバイさせておく」ことで、「あなたの現場で起こる奇跡の可能性」を、現実のものにする手段として活用いただければと思います。

執筆者プロフィール

渡辺 亮

  • ・マーケティング部 デジタルマーケティング課 所属
  • ・2017年 株式会社アプレッソより転籍
  • ・大学で情報工学(人工知能の研究室)を専攻したあと、スタートアップの開発部で苦労していました
  • ・中小企業診断士(2024年時点)
  • ・画像:弊社で昔使われていた「フクスケ」さんを私が乗っ取りました
  • (所属は掲載時のものです)

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