技術コラム一覧 〈HULFT-HUB 技術コラム〉 Vol.4
HULFT-HUB
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.1 〈HULFT-HUB誕生の背景〉
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.2 〈HULFT-HUBでHULFTを管理する〉
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.2 〈HULFT-HUBでHULFTを管理する〉 その2
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.3 〈HULFT-HUBでHULFTの中継サーバを実現する〉~HULFT Proxyサーバ~
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.3 〈HULFT-HUBでHULFTの中継サーバを実現する〉~HULFT Proxyサーバ~ その2
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.4 〈HULFT-HUBでファイルの蓄積を実現する〉 ~HULFT 蓄積サーバ~
Vol.4 〈HULFT-HUBでファイルの蓄積を実現する〉 ~HULFT 蓄積サーバ~
解説
前回のコラムではHULFT-HUBの機能の内「ファイル転送の中継」を紹介させていただきました。今回はその中の3番目、「蓄積機能」について紹介します。
HULFTでファイルを転送するとき、転送する時間やタイミングはどのように決めているでしょうか。ある時刻になったらまとめて配信するケースもあれば、何らかのアプリケーションがファイルを生成したタイミングで配信するケースもあるでしょう。また、ファイルが作成された順番に配信するケースもあると思います。ただし、何れの転送でも集信側のHULFTが起動していることが条件となります。
では、集信側のHULFTが起動していない場合にファイルを転送するにはどうすればいいでしょうか。これは中継の時と同様に、中間にHULFTを用意しておく必要があります。しかし、これも中継の時と同じで、中間にHULFTがあると何かと不都合が生じてきます。一方、HULFT-HUBであれば不都合を生じることなくファイルを転送することができます。HULFT-HUBが転送ファイルを一時的に貯めておき、集信側の準備ができてからファイルを転送ることができるようになります。その貯めおく機能のことを「蓄積」と呼びます。
転送異常時の蓄積
では、蓄積機能の使用方法について紹介していきます。まずは転送異常時の蓄積です。HULFTを運用している方であれば、誰もが一度はファイル転送の異常を経験していると思います。その場合、配信側のHULFTからファイルを転送することになると思います。このとき、元のファイルが残っていれば問題ありませんが、次に送る予定のファイルで上書きされていたりすると再送することもままなりません。
しかし、HULFT-HUBの蓄積機能を使用すれば、このような場合でも確実にファイルを転送することができます。ファイルの転送が失敗した場合はHULFT-HUBにファイルが蓄積されます。蓄積は転送毎にファイルを貯めておくので、次のファイルが転送されても上書きされることなく順番に貯めていきます。あとは異常の原因を取り除いてHULFT-HUBからファイルを転送すれば全てのファイルが転送できます。
ファイル転送の順序制御
2番目の利用方法がファイル転送の順序制御です。ファイル転送の順序制御とは、「送った順に届く」ように制御することです。
例えば1番目の伝票を処理してから2番目の伝票を処理しなければならない場合、1番目、2番目と順番にファイルを転送しても、ファイルサイズの大きさが異なると2番目、1番目の順に届くことになります。このように、HULFTでは同時にファイルを転送してしまうと、届く順番は保証されません。
しかし、HULFT-HUBの蓄積機能を使用すると順番を制御することができます。HULFT-HUBで順番を制御する機能のことを「追越禁止機能」と言います。「追越禁止機能」は一時的にHULFT-HUBに転送ファイルを蓄積し、後から送ったファイルが追い越すことを防ぐ機能です。転送が開始した順番でHULFT-HUBから転送するので、ファイルサイズが異なる場合でも転送の順序を保証することができるようなります。
HULFTのメンテナンス中の転送
最後の利用方法はHULFTのメンテナンス中の転送になります。
HULFTが稼働しているサーバをメンテナンスするため、どうしてもHULFTを停止しなければならないとき、HULFTの場合は転送時間を変更するなどの調整が必要になります。しかし、HULFT-HUBを使用すると配信側に影響が及ぶことなく運用を続けることができます。このような運用を実現するための機能に「クライアント稼働監視」と「クライアント保留」があります。「クライアント監視機能」はHULFT-HUBがHULFTの稼働状態を定期的に監視し、稼働を検知したタイミングで停止している時に蓄積したファイルを転送する機能です。一方、「クライアント保留機能」はHULFTを稼働しているときにメンテナンスするための機能です。クライアント保留中はファイルを蓄積し、保留が解除されると自動的に転送します。
最後に
今回のコラムではHULFT-HUBの蓄積について紹介しました。HULFT-HUBには今回紹介した内容以外にも効果的にHULFTを管理するための機能を備えています。詳細な機能については今後のコラムで紹介していきますのでどうぞご期待ください
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.1 〈HULFT-HUB誕生の背景〉
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.2 〈HULFT-HUBでHULFTを管理する〉
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.2 〈HULFT-HUBでHULFTを管理する〉 その2
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.3 〈HULFT-HUBでHULFTの中継サーバを実現する〉~HULFT Proxyサーバ~
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.3 〈HULFT-HUBでHULFTの中継サーバを実現する〉~HULFT Proxyサーバ~ その2
- HULFT-HUB 技術コラム Vol.4 〈HULFT-HUBでファイルの蓄積を実現する〉 ~HULFT 蓄積サーバ~