HULFT Square
導入事例 | 佐賀銀行 様

行内の複数システムをHULFT Squareでシームレスにデータ連携
銀行アプリにおける顧客へのメール送信の完全自動化を実現

業種・業態
金融・証券
導入製品
HULFT Square
キーワード
クラウド連携 / 業務自動化・効率化 / DX

株式会社佐賀銀行は、顧客の利便性向上と業務の効率化を目的として、2023年に新たな銀行アプリの提供を開始した。アプリにて顧客の住所などの変更機能を提供しているが、完了通知のメール送信を手作業で実施しており、通知の遅れや担当者の業務負荷が問題になっていた。

そこで同行は、クラウド型データ連携プラットフォーム(iPaaS)のHULFT Squareを導入し、勘定系システムと自行システム、顧客へのメール送信システムをシームレスにデータ連携させる仕組みを構築。メール送信の自動化を実現したことで、HULFT Squareによるデータ連携を利用したさらなる業務改善の可能性が見えてきた。

お客様の課題

銀行アプリの機能追加にあたり、顧客へのメール送信のフローを自動化し、業務効率化を図りたい。

導入効果

HULFT Squareの
高い操作性と
手厚いサポート
により
短期間で構築

複数システムの
シームレスな連携で、
メール送信の
自動化
を実現

外部との安全な
データ共有
など、
銀行業務の
さらなる改善が進行

背景
銀行アプリの機能追加にともなうメール送信の自動化が急務に

地域密着型銀行として、佐賀県を中心に福岡県・長崎県・東京都とあわせて103店舗を展開する佐賀銀行。1882年に創業し、1955年に現社名となった同行は、設立70周年を迎えた2025年、3か年の第18次中期経営計画を策定した。その中で同行は、「このまちで、あなたと・・・~地域を繋ぎ、人を繋ぎ、地域の豊かな未来をつくる銀行グループ~」を目指す姿と定め、地域社会・経済の持続的な発展を実現するための方策として、“デジタル”と“アナログ”の融合による顧客の利便性向上と良質なサービス提供を挙げている。この方針は、前回の第17次中期経営計画で掲げられたDX戦略から継続して打ち出されたものだ。

実際、同行はそれまでにも、IT統括部を中心として対顧客DXや行内DXを積極的に推進してきた。中でも大きな取り組みの1つが、2023年12月、従来から提供していた銀行アプリをリニューアルし、新たに「さぎんアプリ」の提供を始めたことだ。この銀行アプリは、新規口座開設や残高照会、入出金明細確認などをスマートフォンから簡単かつ安心・安全に行えるもので、顧客の利便性向上に大きく貢献している。

株式会社佐賀銀行 IT統括部 副部長
林田 浩明 氏

同行は、将来的にあらゆる銀行取引をアプリ上で完結できる状態を目指し、さぎんアプリに機能を随時追加している。住所などの情報を変更できる機能もその1つだが、顧客への完了通知のメール送信を手作業で行っていたため、通知の遅れや担当者の業務負荷が問題となっていた。IT統括部 副部長の林田浩明氏はこう振り返る。

「本人確認書類をチェックした上で、メールアドレスに誤りがないかなどを確認し、定型のメールを書いて送信するだけで1件につき15~30分はかかります。その作業を1日30~50件こなすため、人員を1~2名配置しなければならない状況でした」(林田氏)

導入
HULFT Squareの高い操作性と手厚いサポートでシステムを短期間で構築

メール送信システムを勘定系システムなどとデータ連携させることで、メールによる顧客への通知を自動化したい。それを実現する手段として、同行は当初、スクラッチ開発を検討したものの、開発の期間の長さや属人化を懸念し、最終的にHULFT Squareを選定した。評価したポイントについて、林田氏は次のように話す。

「まず、メール送信のサービスを新たに契約することなく、さぎんアプリで利用しているSaaSのメール送信システムを有効活用して、勘定系システムとセキュアに連携できることが一番のポイントでした。また、当行ではもともとDataSpider ServistaとHULFTを利用していたので、同じセゾンテクノロジーのHULFT Squareなら、同様の操作性かつノーコードで開発してコストを抑えられる点や、Amazon Web Servicesとの接続環境さえ構築すれば従来の方法で容易に連携できる点も評価しました。加えて、Microsoft AzureやMicrosoft 365など、多種多様なシステムと連携できるパーツが用意されており、将来の業務拡張において活用できる点も魅力的でした」(林田氏)

実際の構築作業にあたり、ビジネスロジックの作成などを担当したIT統括部の嬉野泰彦氏は、HULFT Squareを触るのは初めてだったが問題なく使えた、と話す。

株式会社佐賀銀行 IT統括部
嬉野 泰彦 氏

「以前にDataSpiderの研修を少し受けただけで、HULFT Squareに関しては特に勉強しなくても、直感的な操作性なので簡単に使えました。また、PoC(Proof of Concept:概念実証)の段階からセゾンテクノロジーの伴走型のサポートが充実していて、隔週の定例ミーティングにおけるQ&Aで疑問を解消したり、担当の方と一緒に操作しながら構築を進めたりしたことが、開発の大きな助けになりました」(嬉野氏)

結果、スクラッチ開発なら3~4か月はかかると見積もっていた構築作業は、わずか1か月足らずで完了。その後テストを経て、2024年8月に新たなメール送信システムの稼働までこぎつけることができた。

効果
シームレスなデータ連携でメール送信自動化を実現

同行は、HULFT Squareを活用し、勘定系システムと自行システム、メール送信システムをシームレスにデータ連携させる仕組みを構築した。実現したフローは次の通りだ。まず、さぎんアプリの「諸届取引」という新機能で住所変更などのデータが登録されると、勘定系システムで抽出されたのち、自行システムを経由してHULFT Squareのストレージへ転送される。この部分のデータ連携は、HULFTによって自動化され、シームレスに行われる。

HULFT Squareへ転送されたデータは、定時のバッチ処理によって整合性などをチェックされ、問題なければ、SaaSのメール送信システムで顧客に完了通知が送信される。逆に不備があれば、自行システムへアラートとともに返される。人の手を介して行われる予定だった一連の工程が、HULFT Squareのデータ連携によって自動化、迅速化されたのだ。嬉野氏は、その成果をこう評価する。

「担当者がデータ変更の完了結果を見てメールを作成し、管理者の承認を得てお客様に送信するという工程を100%自動化できました。ユーザーの増加とともにメール送信の量が増えれば、人力ではいずれ業務が回らなくなるというのは、新機能の実装前から危惧されていたことなので、大きな成果です。また、以前はお客様への通知を郵便や電話で行っていましたが、デジタルで完結する仕組みができたことによって、郵便や電話での通知は不要になりました。誤って別のお客様に郵送してしまうなどのリスクがなくなり、行員の心理的なプレッシャーが軽減されたことも大きいと思います」(嬉野氏)

株式会社佐賀銀行 IT統括部
佐々木 祐心 氏

一方、構築作業に携わったIT統括部の佐々木祐心氏は、HULFT Squareによってもたらされた開発・運用面のメリットについて、改めてこう語る。

「ノーコードで開発できるHULFT Squareのおかげで、アプリのテストの工数をかなり抑えることができました。単体テストは20件程度実施しましたが、スクラッチ開発ならおそらくその3~4倍は必要だっただろうと思います。また、当行はセゾンテクノロジーのサポートサービスを利用していて、たとえばエラー発生時に問い合わせると、わずか数時間程度で的確な回答が返ってくるなど、運用開始後も非常に助けられています」(佐々木氏)

展望
HULFT Squareをさらに活用した新たな業務改善が進行中

「今後、マルチクラウド化が加速していく中で、いかにデータを簡単かつ安全に連携するか、という課題の解決策として、当行におけるHULFT Squareの価値はますます高まっていくと考えています」(嬉野氏)

嬉野氏がそう話すように、今回のHULFT Square導入で培われたノウハウは、同行のさまざまな業務で有効活用される見通しだ。さぎんアプリで実現したメール送信の自動化は、行内の他の業務における外部メール配信、たとえば顧客へのダイレクトメールなどにも利用できる。ある部門がプロモーションを実施したいというとき、必要なのはデータの準備のみで、あとは自動でメールを配信するだけという、手軽で迅速なマーケティング活動が可能になったわけだ。

一方で林田氏は、メール送信の自動化にとどまらず、さまざまなクラウド同士あるいはクラウドとオンプレの連携を拡大し、業務を改善していきたい、と今後の展望を語る。

「たとえばHULFT Squareのコネクターを利用して、Microsoft SharePointで提携先と業務データを共有したり、AWSやAzureなどとオンプレのデータを連携させたシステムを構築したりするなど、HULFT Squareにはさまざまな活用法が考えられます。実際すでに、お客様向けにファンドラップという商品を販売するにあたり、運用する証券会社とお客様の情報を安全にやり取りする仕組みをMicrosoft 365 SharePointとHULFT Squareで構築しました。そのように、データをつなぐ仕組みに欠かせないものとして、HULFT Squareをどんどん活用していきたいと思っています」(林田氏)

・Amazon Web Servicesは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

・Microsoft Azure、Microsoft 365、およびMicrosoft SharePointは、米国およびその他の国におけるMicrosoft Corporation およびその関連会社の登録商標または商標です。

株式会社佐賀銀行

本社所在地 :佐賀県佐賀市唐人2-7-20

立 :創業1882年3月9日、設立1955年7月11日

資本金 :160億6200万円

従業員数 :1,160名(2024年9月30日現在)

事業内容 :預金業務、貸出業務、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、社債受託および登録業務、金融先物取引等業務、信託業務、附随業務

導入事例一覧に戻る

おすすめコンテンツ

銀行DXを加速!顧客データとオープンデータで描く金融データ活用の未来

銀行DXを加速!顧客データとオープンデータで描く金融データ活用の未来

銀行が保有する内部データと、外部のオープンデータを効果的に組み合わせることで、どのようなデータ活用が可能になるのか。

コラムを見る

HULFT Square サービスサイト

iPaaS型データ連携基盤 HULFT Square

AI時代に注目が集まるデータ連携基盤のiPaaS。そんな時代のニーズに応える「HULFT Square(ハルフトスクエア)」の製品詳細をご確認ください。

製品詳細ページを見る

オンライン相談

データ活用についてオンライン相談してみる

当社のデータ活用プラットフォームについて、もう少し詳しい話が聞きたい方はオンライン相談も承っています。

オンライン相談をする

その他の導入事例

一覧を見る

Change Location

Are you visiting HULFT.com (Japanese language) outside Japan ?
When connecting "HULFT" to Japan from overseas, please select "HULFT8".

日本国外からHULFT.com(日本語)にアクセスされようとしています。
海外から日本の「HULFT」と接続する製品をお探しの場合、「HULFT8」をお選びください。