HULFT Square
導入事例 | 住信SBIネット銀行 株式会社 様

ノーコード ツールや生成AI連携で年間952時間の業務を削減
内製により、わずか3カ月で取引審査の高度化を可能にしたHULFT Square

業種・業態
金融・証券
導入製品
HULFT Square
キーワード
クラウド連携 / 業務自動化・効率化 / DX / 開発工数削減 / kintone連携 / 生成AI

インターネット専業銀行として事業を拡大している住信SBIネット銀行株式会社では、同社が提供する外貨送金・外貨受取サービスにおいて、審査の高度化を推進している。複数のノーコード ツールや生成AIを組み合わせた高度な審査フローを短期間のうちに実現するためのデータ連携基盤として、クラウドサービスとして利用できるiPaaS「HULFT Square」を活用している。

お客様の課題

マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策(以下、マネロン等対策)強化が求められている外貨送金・外貨受取サービスにおいて、短期間のうちに高度な審査フローを整備したい。

導入効果

年間952時間の
業務を削減

わずか3カ月で
高度な審査フロー
を整備

内製化により、
継続的な改善活動
が可能に

マネロン等対策強化のため、審査高度化が必要に

インターネット専業銀行として2007年に開業、最先端のテクノロジーを駆使したデジタルバンクとして、業界を強力にけん引している住信SBIネット銀行株式会社。2025年8月には預金総残高が11兆円を突破するなど事業を着実に拡大させており、パートナー企業と提携して預金・融資・決済を含むフル バンキング機能を提供するBaaS(Banking as a Service)事業を始め、さまざまな金融サービスを創出。「テクノロジーと公正の精神で、豊かさが循環する社会を創っていく。」をコーポレート スローガンに掲げ、銀行を超えたテック カンパニーを目指している。

そんな同社において、オペレーション センターやカスタマー センターなどの顧客接点を担うのが業務部だ。業務部配下にある業務管理グループは、業務部における課題解決・委託先管理の役割を担っており、現在はコスト削減をテーマに、業務の内製化や紙を中心に行っている業務のデジタル化を強力に推進している。

住信SBIネット銀行株式会社
業務部 業務管理グループ
松村 剛哉 氏

「紙があることでお客さまとのやり取りにリード タイムが生じ、証跡として紙の保管も必要となります。災害時、紙の業務では他拠点からの業務支援をスムーズに開始できないなど、さまざまな課題が出てきます。そこで、内製開発に着目し、業務プロセス全体のデジタル化を進めています」と業務部 業務管理グループ 松村 剛哉氏は説明する。

業務部配下には、同社が手掛ける外貨送金・外貨受取サービスの審査を担う外為送金事務グループがある。個人・法人問わずサービスを展開しており、以前からマネロン等対策のため、その体制強化が求められてきた。「国内外の金融機関がマネロン等対策を進めており、取引時の証跡確認を含め、審査フローの高度化が求められていたのです」と松村氏。

短期間での各種サービス連携を可能にするHULFT Squareが最適解

審査フローを高度化するためには体制を拡充する必要があるが、委託先を含め少数精鋭での体制を構築していたこともあり、業務負荷が高まることが想定された。「疑わしい取引について、従来はお客さまから取引情報などの資料をメールやFAXで送ってもらい、その都度手作業で確認していました。ビジネスが拡大する中で、現在の環境のまま高度化した場合、リソースが不足することは目に見えています。そこで、複数のサービスをうまく組み合わせることで、少人数でも高度な審査が可能な環境の整備を検討したのです」と松村氏。

また、金融業界の規制は頻繁にアップデートされるため、大掛かりな仕組みはすぐに陳腐化してしまう恐れがあった。「短期間でリリースした後で、ユーザー部門からのフィードバックを受けながら最適な形に持っていくことがベストだと判断し、複数のノーコード ツールを組み合わせて最適な仕組みを整備することが適切だと考えたのです」と松村氏。

審査に必要な機能としては、顧客から資料を提出してもらうためのフォーム、その資料を翻訳して必要な情報を抽出するためのAI技術や内部で審査を行うためのワークフロー、そしてそれら各種サービスを柔軟に接続するための連携基盤だった。「他部署でAzure OpenAI Serviceを使っており、そのリソースを活用しようと考えました。他にも複数のノーコード ツールを利用する中で、それらを連携するソリューションとして注目したのが、iPaaSとしてフル マネージドで利用できるHULFT Squareだったのです」と松村氏は語る。

サーバの構築・保守が不要で利用できるHULFT Squareだけに、業務効率化に注力できる点はもちろん、海外のiPaaS製品はマニュアルが分かりにくく、松村氏が構築できたとしても他のメンバーに引継げないという懸念も。「実際に複数のソリューションを試したところ、GUIでスクリプトを設計・開発できるデザイナーの操作性が最も高かったのがHULFT Squareでした」と使い勝手の面でも高く評価したという。

また、もともとカスタマー センターなど複数の業務基盤としてDataSpider Servistaを活用しており、セゾンテクノロジーに対する信頼感が社内に醸成されていたため理解を得やすかったという。各種ソリューションとの豊富なコネクターが提供されていることはもちろん、例えば同社がワークフローに利用しようと考えていたkintoneとAPIで単につながるだけでなく、レコード取得やテーブルへの行追加・行更新など深い処理も行える親和性の高さを評価したのだ。

年間952時間の業務時間削減と高度な審査フローをわずか3カ月で内製

現在は、大きく分けて外貨送金・外貨受取サービスの取引時確認、外貨送金サービスにおける継続的顧客管理、そして取引モニタリングに伴うヒアリングの計4つの業務で同様のフローが活用されている。これらの審査フローは、データ連携のハブとしてHULFT Squareを活用し、顧客情報や取引情報などを管理する外貨送金関連システムを始め、ノーコード ツールのkintoneやSPIRAL ver.2、翻訳のためのAzure AI 翻訳、PDF文書などのOCR処理を行うAzure AI Document Intelligence、審査対象の抽出などに利用しているAzure OpenAI Serviceなどを組み合わせて実現している。APIを持たないソリューションに対しては、RPAによりデータを抽出するアプローチを取っている。例えば、外貨受取サービスの部分だけでも、12名ほどが日常的に利用しているという。

例えば、外貨送金・外貨受取サービスにおいて調査すべきケースが発見された場合、外貨送金関連システムからRPAにより情報を抽出し、kintoneに情報を展開。SPIRAL ver.2上で構築されたフォームにおいて、顧客から資料を提出してもらう。このとき、さまざまな言語の資料が提出されるため、AIによる翻訳、OCR処理や情報抽出などを行うことで補助的な審査を実施する。そして最終的な結果をkintoneに戻し、担当者が確認したうえで、問題がなければ外貨送金・外貨受取が実行される。この仕組みにおいて、データ連携基盤としてHULFT Squareが活用されているわけだ。「例えば、SPIRAL ver.2ではPHPでコードを記述すればスケジュール実行できますが、やはりプログラミングが必要ですし、短期間で作成したコードには信頼性の観点で懸念が残ります。だからこそ、安定した連携が可能なHULFT Squareが役立っています」と松村氏。

この高度化された審査フローを整備しながら各種ソリューションを駆使して業務効率化を推進したことで、月平均で79時間、年間952時間の業務削減効果が得られているという。「これまではFAXで資料が送られてきても、どの取引のものかを職人技でひもづけており、時間がかかっていました。現在はきちんと受付番号とひもづいた資料が取得できるため、業務効率化に大きく貢献しています」と松村氏は評価する。また、口座数増加にも関わらず、審査フロー高度化による業務負荷増大を抑えられていることも大きな効果の1つだ。「委託先からも多くの要望が寄せられており、内製化により改善スピードは大きく向上しました。以前は改修費用負担が大きく実現できなかった要望も、今ではコストをかけずに自分たちで解決できるようになったのは何よりのことです」と松村氏。

導入に際しては、プロジェクト開始から新たな審査フローへの移行まで3カ月ほどで実現しており、HULFT Squareにおいては3週間ほどでスクリプトを構築し、現在も継続的にアップデートし業務改善を行っている。「短期間での立上げに向け、UIやAzure OpenAI Serviceについては、社内で多くの人にサポートしてもらいました。HULFT Squareについても、セゾンテクノロジーの方に手厚くご支援いただき、逐一問合せに対し適切にご回答いただけたことで、何とか勉強しながら構築できました」と松村氏は振り返る。

開発メンバーを増やしていきながら、
AI活用の加速を含めてHULFT Squareに期待

今後も各種ノーコード ツールを活用しながら、それだけでは完結しない業務は周辺サービスと連携させていくことが求められる。そのため、引き続きHULFT Squareには期待を寄せている。「まだ具体的には進んでいませんが、AI活用はさらに加速していくことになるため、HULFT Squareを生かせる場面が多くなるはず。要件によって選択できるサービスは異なりますが、HULFT Squareを活用することで柔軟に連携させていきたい」と松村氏。また、自社でコントロールする必要があるミッション クリティカルな領域については、オンプレミスで利用できるDataSpider Servistaを引き続き活用することになるという。

また、活用範囲を広げながらスクリプトが作成できるメンバーを増やしていくなど、開発者を育成していくことで、さまざまな業務課題に対して改善を進めていけるような体制づくりにも取り組んでいきたいと松村氏に語っていただいた。

・Microsoft Azure、Azure AI 翻訳、Azure AI Document Intelligence、およびAzure OpenAI Serviceは、米国およびその他の国におけるMicrosoft Corporation およびその関連会社の登録商標または商標です。

・kintoneは、サイボウズ株式会社の登録商標です。

・SPIRALは、スパイラル株式会社の登録商標です。

住信SBIネット銀行株式会社

本社所在地 :東京都港区六本木3丁目2番1号

立 :1986年6月(銀行業の営業免許取得:2007年9月)

資本金 :310億円

事業内容 :デジタル バンク事業 · モーゲージ ローン事業 · BaaS事業

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