異なるシステムのデータやアプリケーションをノンプログラミングで連携できる「DataSpider Servista」。多くの導入実績があり、EAIツールで5年連続「顧客満足度No.1」に輝いています(※2018年7月 日経BPコンサルティング調べ EAIソフトウェア)。2016年2月にリリースしたV4.0は「IoT連携プラットフォーム」として、接続先を大幅に増やし、大容量データの高速集計を実現。いよいよ2017年7月31日にリリースされるV4.1について、バージョンアップの詳細を開発者に聞きました。
「DataSpider Servista 4.1」開発者インタビュー 一覧
1週間単位のアジャイル開発でマーケットが求めるものを
作っていった
社内レビューでのフィードバックをすぐに反映
開発はどのように進めていったのでしょうか?
東
今回は9人のチームで、アジャイル開発の一種である「スクラム」という手法で進めました。
土岐
スクラムに限らずアジャイル開発では、1~4週間で設定した開発期間(スプリント)ごとにマーケットが評価できるものを開発し、マーケットからのフィードバックをもとに、機能をブラッシュアップしたり、方向転換を考えたりします。今回は、マーケットとして、開発部門よりも実際の市場に近い営業やサポート部署などを巻き込みました。
東
スプリントは1週間で設定し、細かい単位で開発した機能を、社内に向けて週1回リリースして、レビューを行いました。この社内レビューには、部署に関わらず誰でも参加できるようにして、営業、プリセールス、サポートなどさまざまな立場から意見を出してもらったのです。レビューで得たフィードバックをすぐに反映させるという開発のループを繰り返して、より良い機能にしていきました。
土岐
今までは開発がすべて終わってから社内レビューを行っていたので、その段階になって想定外の指摘を受けることもありました。今回、できるだけ早い段階で意見を取り入れたのは効果的だったと思います。
金
開発フェーズで社内レビューを重ねているので、品質マネジメント部が行うテストフェーズも楽になり、コストも削減できました。従来に比べてテストフェーズでの不具合が少なかったのです。今までは開発からテストフェーズまでに時間が空くので、開発者が機能の中身を忘れ、修正に時間がかかることがありましたが、すぐ直すほうが効率的だと感じました。
トップクラスのチームならではの生産性を上げる工夫
スプリントが1週間というのは短いですが、かなり大変だったのではないですか?
土岐
スプリントが1週間だと、開発・テストに使えるのは4日しかありません。1日単位の作業計画を厳密に作る必要がありました。自動化ツールを作るなど、生産性を上げるための試みはとにかくいろいろ取り入れましたね。残り1日は振り返りとプランニングにあてて、次のスプリントで生産性を高めるためのアクションを決めたり、ベロシティという作業量の指標になるポイントの目標を設定したりしていました。近年では、トップクラスの成果を上げる開発チームの多くが1週間サイクルを採用しているとも言われています。フィードバックのループが速いほうが効果的だからです。
東
1週間ごとの社内レビューに向けて、開発が終わるボリュームでスケジュールを組み立てるのに工夫が必要でしたね。うまく1週間に入るように、タスクをパズルみたいにしていました。
土岐
短いサイクルでスプリントを回していると、席が遠いことがボトルネックになります。チームの人が近くに集まって、何かあったらすぐ会話できる環境を作りました。
金
オフィスにある昇降式の机も生産性アップに役立ちました。立って作業ができるので、ちょっと集まってミーティングするのにも便利ですしね。
東
開発フェーズの終盤は、みんな小走りだったのを思い出します。当時は、作業を1時間ごとのタスクに落とし込み、付箋に書いて壁に貼りだしていました。作業が終わったら付箋を移動させるのですが、壁まで行く時間を節約するために、開発チームは走って往復していました。
土岐
大変でしたが、付箋を動かすことで達成感もあるので、モチベーションが上がるメリットもありました。毎日1回、終わったタスクを集計して、Googleスプレッドシートでグラフ化して共有し、毎朝のミーティングで確認していました。管理用のシートも皆で議論して、いろいろな視点からデータを取って、プロジェクトの状況が見えるように進化させていきました。遊び心で野球のスコアボード的に表現してみるなど、いろいろ試行錯誤しましたね。
東
短期的なタスクは視認性の良いアナログで、プロジェクト全体の長期的なタスクはプロジェクト管理ツールで管理していました。
ユーザのフィードバックがさらなる挑戦の原動力
4年連続顧客満足度No.1の秘訣は、挑戦を続ける開発体制にもあるのかもしれないですね。最後に、今後に向けてひとこといただけますか?
金
品質管理部では、今後は大規模案件に向けたテストをより充実させて、ますますユーザに役立つプロダクトにしていきたいと考えています。
土岐
今回は今まで以上にユーザに向けていろいろ考えてきたので、ユーザにとってメリットのある機能を作れたはずだという自信があります。だから、まずは使ってもらいたいというのが一番大きいです。
東
使っていただいて、フィードバックをたくさんいただきたいなと思います。使いやすくなったとか、ご要望とか、ご指摘とか、なんでも結構ですのでご意見をいただけたら嬉しいです。それが、また我々がパワーアップして開発していく原動力になります。
ありがとうございました。以上で「DataSpider Servista 4.1」開発者インタビューは終了です。