Vol.5 TCPとHULFT転送
HULFTセミナー担当の岡崎です。
秋も深まり、そろそろ紅葉の季節ですね。
皆さまはどのような秋をお過ごしでしょうか?
スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋と楽しみがたくさんあるこの時期。
私は秋の食べ物が大好きなので、食欲の秋を楽しんでいます!
皆さま思い思いの秋をお楽しみください!
さて、今回のHULFT小話は、「TCPとHULFT転送」がテーマです。
前回のHULFT小話ではファイル転送とファイル共有の使い分けをテーマにHULFTとは別のファイル連携方法をご紹介しましたが、今回は、HULFTの基礎に立ち戻って、HULFT転送についてご紹介したいと思います!
HULFTはTCP/IPを使用した通信手段を採用しています。
一般的にTCPは信頼性は高いけど遅いという風に言われていますよね。
今回はTCPを使用したHULFT転送の信頼性や速度にまつわる小話をお届けします。
確認しておきたいと思います。
TCPの役割は、インターネットで通信する際の「IPパケットとアプリケーションの仲介」です。
IPパケットは、通信相手のコンピュータを特定するコンピュータの世界の住所のようなものですが、宛先情報しか持っていないのでそのコンピュータのどのアプリケーションにデータを渡せばよいのかを判断することができません。
そこで登場するのがTCPです。
TCPはポート番号から適切なアプリケーションを判断してデータの受け渡しを行う仲介役を果たします。
さらに、TCPはただ適切なアプリケーションにデータを受け渡すだけでなく確実にそして効率的に届けてくれる仕組みを持っています。
TCPはまず相手先と1対1のコネクションを確立させ、その中でデータを送り正常に受け取ったら確認応答を返すという仕組みで確実にデータのやりとりを行いますよね。
また、TCPはウインドウ制御という仕組みをもっていて、確認応答を待たずしてデータを続けて送ることもできます。
他にも再送やふくそう制御の仕組みがあったりと、信頼性を確保しながらも最大限に効率的なデータ転送ができるのです。
実はHULFTも同じような考え方をしている機能があります。
データ転送方法(電文転送タイプ)の選択機能です。
HULFTにはデータの転送方法に「異常検知優先モード」と「転送速度優先モード」と2つの方法があります。
異常が起こった時にすぐに検知したいという場合は、「異常検知優先モード」を使います。
「異常検知優先モード」はデータを送って受け取り確認が返ってきたら次のデータを送ります。
そのため、確実性や異常検知では有効ですが、一回のデータ転送ごとに確認が入るので、速度は一定以上出にくくなってしまいます。
もう一つの「転送速度優先モード」は、データの受け取り確認の通知を待たずにデータを送ることができます。
配信側は次々にデータを送りだすことができるので、すべてのデータを送りきるまでの時間を短縮することができます。
ちなみに「転送速度優先モード」はデータの受け取り確認をしないわけではなく、非同期にデータの受け取りの通知を確認する仕組みになっていますので、異常の検知はできます。
ただ、通知が非同期になるので、検知までの時間にタイムラグが生じてしまう可能性があるのです。
さて、この二つのモード、TCPの仕組みと似ていませんか?
他にも送信側と受信側両方にバッファサイズを設定して転送速度を最適化したりとHULFTはTCPを活かして効率的な転送を実現しているのです。
運用するうえでは異常を早く検知すること、速く送ること、どちらも大切ですよね。
どちらを優先するかは業務によって変わってきますので、運用を考えるときに、今日ご紹介した機能も使ってもらえるとうれしいです。
また、HULFTを使いながらネットワークやファイルシステムの勉強をしてみても面白いですよ。
基本情報技術者試験などで出てくる知識もありますので、ちょっとした発見みたいで楽しいです。
小話の中でもご紹介していきますね。
次回もお楽しみに!
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