株式会社NTTデータ様 導入事例
地銀の競争力強化に貢献するデータ活用基盤を低コストで実現
- 業種・業態
- 金融・証券
- 導入製品
- DataSpider Servista
- キーワード
- 基幹システム連携 / 統合データベースシステム / ETLリプレイス
金融機関に対し高付加価値なITサービスを提供する株式会社NTTデータ(以下NTTデータ)では、地銀14 行(2020 年10 月末時点)が利用する「地銀 共同センター」を構築し運営している。同サービスでは、基幹系システムに加え情報系の統合データベースシステムを提供しており、統合データベースとさまざまなサ ブシステムとの連携に使用される標準ETL※ツールをセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)の「DataSpider Servista」にリプレイス。歴代ETLが抱えていた、コストパフォーマ ンスや機能、サポート面の課題を解消することに成功した。
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Extract(外部の情報源からデータ抽出)/ Transform(抽出したデータの変換・加工)/ Load(変換・加工済みのデータをロード)の略
課題
既存ETLツールのバージョンアップで改修コストが発生、海外OSSなのでサポート面も不安
導入効果
当初の商用ETLに比べ
ライセンスが
リーズナブル
国産ETL製品なので
サポート
面が安心
事前のPoC
実施により
スムーズに移行
商用ETL の高コストとOSS の脆弱なサポートというハードルに直面
最新鋭機能を有するバンキング・アプリケーション「BeSTA※」を使用した、国内最大規模の地方銀行・第二地方銀行向け基幹系共同センターとして、2004 年1 月にサービスを開始した「NTTデータ地銀共同センター(以下、地銀共同センター)」。メインとなる基幹系システム(勘定系システム、外為系システムなど)に加え、2011 年には各行が経営管理やマーケティングなどで運用するサブシステムとの連携を実現する統合データベースなど、情報系についても一体提供を開始。毎年バージョンアップを重ねながらサービスレベルを向上している。
基幹系システム⇔統合データベース⇔情報系サブシステムの連携を担うETLについては、地銀共同センターとして過去に2つのソフトウェア製品を採用してきた。当初、海外ベンダーの商用ETL 製品を導入したものの、ライセンスが高額で機能的にも過剰であったため、オープンソースの海外ETLツールへのリプレイスを試みる。だが、海外発のOSSということでローカライズされておらず、サポート面で不安を抱える状態に。さらに、公表されていた先々の大きなバージョンアップに対応するには、各行ごとに作り込んだ連携の仕組みを、かなりのコストと時間をかけて改修しなければならない状況であった。
2018年夏以降、コストパフォーマンスにすぐれサポートが充実したETL製品へのリプレイスを検討するなか、同社が目を付けたのがセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)のDataSpider Servistaであった。「弊社のさまざまなプロジェクトですでにHULFTなどほかの製品を利用しており、色々とご相談させていただくなかDataSpider Servistaをご案内いただきました。なにより国産ETLであることと、セゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)さんなら大丈夫という安心感。そして、当初利用していた高機能商用ETLと同等の使いやすいUIを圧倒的に低コストで実現していた点を評価しました」と語るのは、地銀共同開発担当 課長の小峰 亮平氏だ。
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Banking application engine for STandard Architectureの略。ベンダーを特定しないNTTデータの標準バンキング・アプリケーション
検討段階でPoC 実施し、スムーズな移行開発につなげる
最終的にDataSpider Servista選定の決め手となったのは、実際の開発環境で実施したPoC※であった。「限られた期間でリプレイス可否を判断するための検証実施を提案したところ、快く引き受けていただき、DataSpider Servistaを候補として移行プロジェクトが動き始めました(橋本氏)」
2019年3月、OSSのETLが稼働している開発環境にDataSpider Servistaをインストールし、OSSで実現しているインターフェースの開発処理が同様にできるか(仕様が充足しているか)、実際に動かして正しいアウトプットが出せるか、さらにその際のリソース使用状況はどうかといった点を比較してチェックし、良好な結果を得ることができた。「処理数の多いシンプルなパターンと処理数は少ないが少し癖のあるパターンでそれぞれチェックしましたが、機能面はもちろんアウトプットのレコード件数なども問題なく、行けそうだという感触を得ることができました。メモリの使用状況だけは既存のOSSとかなり違いましたが、DataSpider Servista側のチューニングで対処できるとのことでした。机上ではなかなか分からない部分をPoCで見極めることができたのは、DataSpider Servista へのリプレイスを決めるうえで大きかったと思います(橋本氏)」
こうして2019年6月、DataSpider Servistaの導入を決定。7月以降ETL移行にともなう開発プロジェクトがスタートした。
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概念実証、コンセプト実証、実証実験などと呼ばれ、新しい構想(コンセプト)の実現性を事前に検証すること。Proof of Conceptの略。
DataSpider Servista活用イメージ
お客様のデータ活用を支援する安定的なサービス基盤を確立
今回のETLリプレイスは「統合データベースシステム」のシステム更改の一環で、ハードウェアの更新やソフトウェアのバージョンアップなどとあわせ、2019年9月から約1年間をかけ翌年7月にプロジェクトが完了、本番の商用サービスとして稼働している。「開発期間の中できっちり現新比較を実施したこともあり、これまでと出力結果が違うなどの問題が発生することもなく、ノントラブルで稼働しています。実際にどういうETLが裏で動いているかについて、お客様(地銀)が意識することはないと思いますが、将来にわたり安定的に高品質のサービスを提供できる基盤を実現したことは、我々サービスを提供する側として最大の成果と言えます(打越氏)」
実はDataSpider Servistaによるシステム連携はオプション的に提供されるもので、「地銀共同センター」を利用する14行の中には、移行にともなうコストや工数などの面からこれを採用せず、個別に既存のETLツールや仕組みを利用し続けているケースも多いという。
NTTデータとしては、今後こうしたお客様に連携オプションの採用を働きかけ、情報系についても共同基盤化を推進するとことで、コスト最適化や連携機能の強化などお客様メリットを追求していく。
また、急速な人口減少もあり地銀の約半数が本業で赤字を抱えるなか、データ活用による営業力強化や新たな収益モデルの創出に対する期待は高まる一方で、今後も引き続き情報系サービスの拡充に注力していく計画だ。「最近お客様の間で営業推進系ツールがホットな話題になるなど、営業力強化や収益力向上など“攻め”に対する意識が高まっています。アダプターが充実していてクラウドサービスを含めさまざまなものとつながるDataSpider Servistaのような製品は今後ますます重要になってくると思います(小峰氏)」
会社紹介:株式会社NTTデータ
「情報技術で、新しい『しくみ』や『価値』を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する」を企業理念として掲げ、公共・社会基盤 / 金融 / 法人・ソリューションなど幅広い分野において、システムインテグレーション /ネットワークシステムサービス関連事業をグローバル展開。世界50ヶ国を超える地域で10万人を超える多種多様な社員が働くグローバル企業として、世界中でさまざまなアイデアと最新技術を結び付け、ビジネスイノベーションの実現を目指している。
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