株式会社セゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)
社内に散在する膨大なコンテンツをBoxへ集約
社内外の柔軟な情報共有と、運用維持工数の大幅削減を実現
- 業種・業態
- 情報・通信
- 導入製品
- DataSpider Servista
- キーワード
- クラウド連携 / モダナイゼーション / 運用負荷軽減 / 開発工数削減 / 業務自動化・効率化 / Box連携
多様化する働き方に対応しDXを推進するために、ファイルサーバをクラウド化する企業が増えている。2019年度にオンプレミスのファイルサーバを廃止し、クラウドコンテンツ管理プラットフォーム「Box」への移行を果たしたセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)もそのひとつだ。データ連携基盤「DataSpider」を用いて多様化する営業ニーズに応える情報基盤を整備し、社内外とのデータ共有やコラボレーションを進めることを目指し、新たにBoxアダプタを開発。16TBに及ぶデータを、短期間でBoxに一元化した当社の事例を紹介する。
お客様の課題
- 既存のファイルサーバは検索性が低く業務効率が低下。社外とのコラボレーションにも使えない
- オンプレミスの運用維持に工数が割かれ、DX 推進や働き方改革など新たなチャレンジに取り組むリソースが確保できない
- ファイルサーバの運用維持に、1人月の工数と別途データセンターコストが発生。障害対応やEOL 対策も重荷に
導入効果
Boxに文書管理機能を
集約することで
検索性が飛躍的に向上
、
社外とのコンテンツ
コラボレーションも可能に
ファイルサーバの
運用維持工数を
削減
し、
新たなチャレンジが
可能に
ストレージ
容量逼迫の
懸念が解消
し、
障害対応やEOL対策の
工数も大幅に軽減
ファイルサーバの運用維持に常時 1人が張り付き、情シス部門にとって大きな負担に
自社のDX化経験・知見を基に(Eat Our Cooking)お客様のDX化・データ利活用を支援・牽引する“データエンジニアリングカンパニー構想”の下、早くから社内システムのクラウド全面移行を進めてきたセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)。2014年以降、セキュリティ対策など影響が少なく業務効率化の効果が大きい情報系システムから移行を進め、2022年度中の100%クラウド化を目指し取り組んでいる。その背景に、オンプレシステム運用維持の非効率性があったことは言うまでもない。「オンプレミス中心の当時はインフラを含めシステムの運用維持に追われ、新しい取り組みにチャレンジするリソース確保が難しい状況でした」と語るのは、当社コーポレートデベロップメントセンター ITサポート部 システム企画・開発チーム チーム長 田中 健雄だ。以前は情シス部門のリソースのほとんどが既存システム運用維持に割かれていたが、クラウド化を推進することで既存システムの運用維持を3割程度に削減し、確保したリソースを新たなチャレンジに積極投入していくことに。
オフィスのフリーアドレス化やテレワーク導入など、働き方改革を進めつつ段階的にクラウド化を進め、2019年度には、新しい情報基盤の要としてクラウドコンテンツ管理プラットフォームを導入している。当時の情シス部門は10人に満たないメンバーで対応していたが、約10台のファイルサーバの運用維持に常時1名が張り付き、別途0.5人月分のデータセンターコストがかかるなど、大きな負担となっていた。「一番大変だったのは、データ量の急増にともないファイルサーバの容量が逼迫し、アラートが出る度に各事業部に依頼しファイルを削除してもらわなければならなかったことです」と、同部システム企画・開発チームの片平 啓太は語る。一方で、お客さまやパートナー企業など社外とのデータのやりとりやコラボレーションが急拡大するなか、社内の情報共有を念頭に構築されたファイルサーバでは対応できず、ケース・バイ・ケースで様々なファイル共有サービスを利用するなど現場オペレーションが複雑化していた。このほか、いつ発生するか分からない障害対応や、5年に一度やってくるEOLへの対応なども情シス部門にとって重荷となっており、これら課題を抜本的に解決する必要に迫られていた。
社外とのセキュアなデータ共有の基盤にBoxを導入
コンテンツプラットフォームの構築では、2つのミッションを掲げSaaSサービスを導入することに。ひとつは、SaaS移行を契機に独自の業務プロセスを見直し、標準化・最適化を実現すること。もうひとつは、当社が提供するデータ連携基盤を活用して、他のSaaSサービスとつなぎ全社的にデータ利活用を推進することであった。「業務プロセスについては、オンプレミスで更改となるとどうしても当社のプロセスに合わせて作り込むことになり、これが後々システム改修の負担などに跳ね返ってくることから、SaaSサービスをノンカスタマイズで活用することでBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)を目指しました。データ連携については、当社が提供するデータ連携基盤「DataSpider Servista」を活用してBoxと様々なSaaSをつなぎ、そこで得た成果やノウハウをお客さまに提供していく、データエンジニアリングカンパニー構想に基づくものです(田中)」
従業員数に匹敵する社外アカウントとのコラボレーションを念頭に、セキュリティを重視して権限管理やログ取得がしっかりできる製品を検討した結果、国内外で圧倒的な導入実績を誇る「Box」を選定。「社内共有と社外共有をきっちり分けて管理できること、ログによる確認やきめ細かな権限設定が可能であることなどを重視して製品選定しましたが、Box以外の製品ではかなり煩雑になってしまい現実的ではありませんでした(片平)」情シス部門のデータを用いて3ヶ月ほど動作検証をしたのち、社内すべてのコンテンツをBoxに集約することを決めた。
DataSpiderの Boxアダプタを開発し、短期間での Box構築を実現
オンプレ・ファイルサーバで管理しているコンテンツをBoxに集約するにあたり、当時16TBまで膨れ上がっていたデータを短期間でいかに効率よく移行するか、さらにファイルサーバで実現していた、入社・退社・異動に伴うアカウントの自動登録・削除機能をどうするか(Boxでも実現できないか)などが課題であった。「Boxのベンダ各社から様々な支援ツールが提供されていますが、特にアカウント関連についてはこれといったものがなく、Box社に相談しても“まだベストプラクティスは確立されていない”という回答でした(田中)」そこで当社ではこれら2つの 課題を解決するため、データ連携基盤DataSpiderによってBox の構築と運用を自動化・効率化するアダプタの開発を決断。情シス部門での動作検証の段階で、「ユーザ/グループの作成・更新・削除」「ファイル/フォルダのアップロード」「メンバーシップやコラボレーションの追加・削除」など、20機能ほどをリストアップして開発チームに伝えたところ、2週間ほどでβ版が提供され、1ヶ月を待たず実用化。その後さらなる品質向上を経て製品化に至った。「当社のBox導入プロジェクトに携わる立場としては、ユーザ作成/削除や異動に伴う権限設定変更といったユーザプロビジョニングの機能が大変便利で役に立ちましたが、このほか、ファイルのアップロード/ダウンロードなど処理自動化に欠かせない操作を含め、従来であれば様々な支援ツールを使い分ける必要があったBox操作が、今回のアダプタ開発によってDataSpiderからワンストップで簡単にできるようになったのは大きいと思います(片平)」
今回当社におけるBox × DataSpiderの連携ソリューション導入では、大きく3つの効果が得られた。まず、Boxならではの高い検索性により、欲しいデータをすぐに見つけることができ、現場ユーザのストレス低減と業務効率向上につながった。さらに、情シス部門は各事業部門のフォルダ作成まで担当し、その先の運用は現場にまかせることで、情シス部門の負担を大幅に低減。日々の運用においても、毎月発生する社員の入社・退社・異動に伴うユーザプロビジョニング作業の自動化を実現した。これらはまさに簡便な操作性を実現するアダプタによる効果であり、結果的に現場主導の透明性のある権限管理につながっている。現在のデータ容量は約50TBと、オンプレ・ファイルサーバで管理していた容量の約3倍に達するが、Boxはデータ容量無制限のため以前のように容量逼迫を心配する必要もなく、障害発生によるダウンタイムの懸念からも解放されている。今後は、既存業務の大幅な効率化によって生じたリソースを新たな取り組みに振り向けることで、よりビジネスに貢献する情シスを目指す計画だ。
その他の導入事例
EAIソフトウェア「DataSpider Servista」
こちらから30日間無料でお試しいただけます。導入検討の際にぜひご活用ください。
製品や導入についてご不明な点はお気軽にお問い合わせください