株式会社バイナル様
パッケージ導入時のデータ連携要件にDataMagicを採用。
柔軟性のある仕組みを実現した成功体験を次へ活かす。
- 業種・業態
- 情報・通信
- 導入製品
- DataMagic
- キーワード
- データ変換
1979年に創業したバイナルは、他社に先駆けて国際物流パッケージソフトを開発・提供してきた。同社のTOSSシリーズは大手商社・メーカー・フォワーダー(貨物利用運送事業者)と貿易に関わる幅広い企業に評価され、累計8,000社が採用、導入実績No.1※を誇る。
今回、フォワーダー企業に、海上フォワーダー用基幹システム「TOSS-LOGIPORT」及び通関士用輸出入申告価格計算システム「TOSS-CUSTOM/D」の新規導入が決まった。その際、必須要件の1つとして挙がったのが、海外代理店から提供されるHBL(House B/L)の自動変換・取り込みだった。求められたのは、指定されたフォーマットに対応するだけでなく、異なるフォーマットに柔軟に対応できる仕組み。そこで、データ変換部分にDataMagicを採用し、要件をクリアするとともに、エンジニアの負担を最小限に抑えながら、短期間での開発を実現。今回の成功体験は、ほかの顧客に対しても同様の機能を提案する道筋となった。
- ※
2023年3月末時点 東京商工リサーチ社実施の調査による
お客様の課題
さまざまなフォーマットに柔軟に対応する仕組みで、エンジニアに負担をかけず短期間開発を実現したい
導入効果
HBLデータの
変換・取り込み、
A/Nの発行までを
自動化
通常3人月かかるところ、
わずか1人月で実装
まで完了
異なるフォーマットにも
柔軟に対応できる
拡張性も実現
タイトなスケジュールのプロジェクト。データ変換要件にどう対応するか
国際物流に特化し、輸出入貿易システム及び通関業務システム「TOSSシリーズ」を展開するバイナル。エンジニアから営業まで貿易業務に精通することを強みに、企業ごとの業務にマッチしたシステムを実現する。近年はクラウドサービス「TOSS-CLOUD+」を提供するほか、海外企業での利用やグローバルでのEDI連携などへの対応も増加。難易度が上がる国際物流プロジェクトにおいて、存在感を高めている。
「今回は当社としてもかなり大規模で、カバー範囲が広く、求められる要件も多いプロジェクトでした(伊藤氏)」その要件のひとつが、HBLの変換だ。貨物を輸入する際に必要となるHBLのデータをもとに、輸入者へとA/N(Arrival Notice/到着案内)を出すことはフォワーダーの業務だが、HBLの書類をもとに手作業でシステムへと入力するのではなく、データを連携し、A/N発行まで自動化したい、ということだった。「スケジュールがタイトだったうえ、ほかにも難易度が高い要件がありました。エンジニア・プログラマの負担を軽減するためにも、開発期間短縮につながるツールがあれば使いたいと考えました(伊藤氏)」
将来的に、異なるフォーマットにも対応可能な仕組みを実現するために
第一フェーズの要件としては、CSV及びUN/EDIFACT形式の2種類に対応することだった。「クライアントは1日100件ほど処理をするため、移行前のシステムでもこの2種類の自動取込には対応していました。2種類のフォーマットだけに対応するのであれば、スクラッチ開発で対応する選択肢もあったかもしれません。ですが、今後さまざまなフォーマットに対応できるような拡張性・柔軟性を持たせてほしいと要望もいただきました(山城氏)」HBLは国際物流に関する組織でフォーマットが定められており、日本国内では主にJIFFA(一般社団法人 国際フレイトフォワーダーズ協会)のフォーマットが利用される。しかし、国によって利用フォーマットは異なり、その都度相手の用いるデータに対応する必要がある。「複数のフォーマットを柔軟に取り込めることまで考慮した設計・実装となると難易度が高まります。ソフトウェアの設定などで吸収できるものはないかと模索していました(山城氏)」
以前から付き合いがあり、クラウドサービスの基盤提供などを受けている日立システムズに相談したところ、紹介されたのがDataMagicだった。データ加工にフォーカスしたツールで、費用も比較的リーズナブルで予算内に収まる。「なにより、日立システムズが勧めるものならば問題ないと導入を決めました(山城氏)」
DataMagicで必要な仕組みをスムーズに実現し、開発期間を大幅に短縮
DataMagicについては、環境構築から設定まですべて日立システムズに依頼。「こちらで作成した仕様をお渡しし、あとはTOSSから呼べばいい、というところまで作り込んでもらいました。トラブルもなく、スムーズに導入できたという印象です(山城氏)」また、データ変換処理を社内で開発するとなると3人月はかかるところ、1人月で実装まで完了した。もちろん今後、異なるフォーマットなどにも柔軟に対応できる仕組みを実現している。
「我々の手がける国際物流のシステムでは、当然、海外と連携する必要が出てきます。今回はグループ会社・第三者機関など海外の連携先が多く、仕様の問い合わせひとつとっても時間がかかり、意図が思ったように伝わらないなど苦労しました。DataMagicを採用したことで、実装面での懸念を大きく削減できました(伊藤氏)」
他案件でのデータ変換ニーズにも、今回の成功体験を活かした提案を
DataMagicは2023年12月に導入し、2024年2月にはカットオーバー。プロジェクト全体でも案件規模に対してリリースまでの期間が短かったが、既存案件のナレッジやテンプレートをベースとしたことに加え、DataMagicの活用により、オンスケジュールで進行できた。「他案件でもデータ変換のニーズがあれば、DataMagicで同様に対応できそうだと分かったことも大きな収穫でした(山城氏)」データ変換のニーズは多く、新規導入時だけでなく、既存顧客に対しても提案できるのではないかと期待している。
TOSSシリーズは基幹システムと連携したいというニーズも多く、TOSS-CLOUD+ではHULFTによるデータ転送もメニューとしてラインナップした。「すでに基幹システム側でHULFTを利用している企業も多く、HULFTの提案ができるだけで信頼感にもつながるほどです。DataMagicやHULFTといったツールも活かしながら、今後もお客様のニーズにしっかり対応していければと思います(伊藤氏)」
株式会社バイナル
商社・メーカー様及びフォワーダー・通関業者様向けの国際物流システム「TOSSシリーズ」を開発・提供。貿易業務に必要な情報・機能を網羅するパッケージを展開するほか、クラウドサービスの提供、企業ごとのカスタマイズにも柔軟に対応。豊富なノウハウ・実績をベースとした、国際物流に関するトータル提案を強みとする。