株式会社セゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)
在宅勤務でコールセンター業務を実現できるのか?
場所・状況問わず、お客様に最大限のサポートを提供する仕組みを構築
- 業種・業態
- 情報・通信
- 導入製品
- DataSpider Servista
- キーワード
- クラウド連携 / AWS連携 / CRM連携 / Salesforce連携
在宅勤務、テレワーク、リモートワークが注目されて久しい。ハードウェア環境、社内ルール、制度、コンプライアンスなど数々の阻害要因を乗り越えて、現在では在宅勤務、リモートワークを実現している組織が増えている。しかし、一部、実現しづらい業務も存在。例えば経理や法務のほか、今回紹介する「テクニカルサポート」は業務の性質上、在宅勤務を実現しづらい。「緊急事態であっても、お客様に負担を強いるような体制ではダメだと考えました」と語るのは、セゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)のテクニカルサポートエンジニア、林隆一郎。今回は、リモートワークでカスタマーサポートをいかに実現できるのか、林とともにテクニカルサポートセンターを担当している今田光哉、在宅勤務システム構築に協力したシステム開発二部 滑川太祐が語った。
背景
- 日本への観光客増加に伴う通勤改善という働き方改革、さらに2020のオリンピック対応
- 製品の海外展開に伴うサポート業務のグローバル対応
- BCP対策
解決
- 固定電話回線のIP化により時間、場所、ハードウェアを問わない電話サポートを実現
- 不足している機能は周辺システムとの連携で対応
導入効果
サポートエンジニアがどこにいても
電話サポートを
提供できる
ネットワークを統合し
グローバル対応の
下地を構築できた
在宅勤務でいかに電話サポートを実現するのか?
「災害や緊急時でも事業を継続できるよう、数年前(2015年)からBCPへの取り組みを続けていました。情報基盤を整備して、サポートエンジニア(オペレーター)間の連携をとりやすくする。
また、過去の問い合わせ情報を引き出しやすくするなど、お客様、サポートエンジニアともに『使いやすい』と感じてもらえる体制作りに力を入れてきました」(林)
林、今田は、セゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)のカスタマーサービス部に所属。両名とも“シニア”テクニカルサポートエンジニアとして、サポートエンジニアを後ろから支えている。
都内2箇所にあるサポートセンターでは、センター間の連携はもちろん、夜間・昼間それぞれ のサポートエンジニアの間の情報連携に力を入れることで「担当が変わっても素早く適切なサ ポートができる体制にしたいと考えていた」と林は続ける。
「拠点間、メンバー間の情報連携体制は整ってきたため、2019年からはグローバル対応を視野に入れて在宅でサポート業務ができないかなど、サポート環境の向上を模索していました。今回の新型コロナウイルスが改めてその重要性 を認識するきっかけになりました」(林)
同社のサポートエンジニアは約35名。常時20名程が待機している。緊急事態宣言が出るよりも少し前に、在宅勤務に切り換えを行った。そこで、在宅で電話対応が可能な新システムの重要性を改めて感じ、リリースを遅延なく完遂させなければならない、という思いが強まった。
「HULFTを含む弊社製品は、お客様のクリティカルな部分を支えていることも多いため、不具合が出るとお客様の業務全体を止めてしまう可能性があります。電話サポートも『“いま”止まっているからどうにかして欲しい』と困り果てたお客様から求められることが多い。だから、一刻も早く再開したいと考えていました」(林)
緊急事態宣言発令時、プロジェクトはまさに走っている最中であり、すぐに開始できる状態ではなかった。電話サポートが一時止まってしまったため、暫定的にZoomを使用した画面共有によるサポートサービスの導入も試みた。
Amazon Connect × DataSpider Servistaで物理拠点以上の生産性を実現
「電話のシステムはAmazon Connectですぐに刷新。クラウド化し、パソコン上で電話を受けられるようにしました。在宅でも対応できるようにサポートエンジニアにはヘッドセットを配付。ここまではそう苦労はしませんでした」(今田)
ただし、使ってみてからいろいろ課題が出てきた。
パソコンで着信するため、電話の着信音とパソコンの音が混同してしまう。ヘッドセットを装着していないと電話に気づきづらい、つまりサポートエンジニアが一日中ヘッドセットを装着している必要がある。これではサポートエンジニアに多大な負荷がかかる。
そこで、システム開発に協力した滑川は着信音とパソコンの音声を切り換えられるソフトウェアを利用し改善を図った。「電話を着信してからヘッドセットを装着しても、対応に十分間に合うように改善を行いました」(滑川)
「Slackの活用による効果もありました。サポートエンジニアが電話を取ったら、私や林などシニアテクニカルサポートエンジニアにSlackで通知が飛ぶため、オンライン上で見守ることができるようになりました。電話もひとつの網内で完結できるようになり、『担当に確認してから折り返します』という手間が減りました。物理拠点で対応していた時より、利便性が上がったといえるかもしれません」(今田)
利便性とともに、セキュリティ上の安全も担保されている。
「Amazon Connectは音声を暗号化しているので、通話のセキュリティは担保されています。お客様の電話番号や録音データは情報基盤として使っているSalesforceにアップしますが、社内のネットワークを通してのみアクセスできる、ストリーミングでのみ閲覧できる、などの工夫を施しています」(林)
そのほか、昼夜間で対応窓口を切り換えるなど、細かい課題も使用しながら解決していったと林は語る。
「Amazon ConnectやSalesforceは機能が豊富で、標準機能だけでほとんどの対応ができました。ただし、業務に合わせてカスタマイズが必要な部分、例えば日本の祝祭日に対応していないカレンダーなどは弊社製品のDataSpider Servistaを利用して連携しました。改めて開発が必要な部分もありましたが、短時間で実現できました」(林)
DataSpider Servistaを用いたコールセンターのシステム連携
コールセンターを“拡充”し、グローバル対応も強化
最後に、今回の刷新で“グローバル対応”も強化できたと林は語った。今後、HULFTなど、多くの製品を海外にも積極的に売り出していきたい。購入してくれたお客様にも日本のお客様と同じだけのサポートを提供したい。しかし、時差や言語、UIなど多くの問題があった。
こうした課題もAmazon Connectが標準で多言語、海外のタイムゾーンにも対応していたため、「ひとつのネットワーク、ワンシステムで対応できるようになった」と林は続ける。
「新型コロナウイルスの影響で多くの企業が急いで在宅勤務体制を整えたと思います。我々も在宅勤務への移行後、お客様にサービスの質が落ちたと感じさせることなく、今まで通りのサポートを受けていただけるよう、リモート環境の強化に努めてきました。結果として便利で使いやすい体制が構築できましたし、使用しながら改善も実施できています」(今田)
「豊富な機能を備えるAmazon Connectはまだまだ活用の余地が大きい」と林、今田は意気込みを見せる。「今後はSalesforceとの連携をさらに強め、テクニカルサポートの環境、支援機能を強化していきたい」と締めくくった。
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