「HULFTプリセールスが語る」シリーズ6
基幹システム(ERP)の
リプレース問題

こんにちは、HULFTプリセールス担当です。

プリセールスとは、様々な商談でお客様に製品の活用シーンを紹介したり、お客様の要望を実現するために製品の活用方法や最適なシステム構成を案内するなど、技術面からお客様をサポートする仕事、と考えていただけると理解しやすいかと思います。

このように様々なお客様と接しているプリセールス担当から見て、「つなぐ技術」をうまく活用しているイケている取り組み事例について紹介します。

本日のテーマは「基幹システム(ERP)のリプレース問題」です。例えば、SAP社の既存ERPのサポートが2027年に終わりを迎えますが、世間では「SAP2027年問題」などと呼ばれており皆さん関心があるかと思います。SAPに限った話ではありませんが、ERPは企業全体のビジネスを支える重要なシステムなので、リプレースによる影響度は計り知れません。今回はERPのリプレースを検討する上で押さえておきたい3つの対応方法を、当社セゾンテクノロジーの事例を交えてご紹介できればと思います。

基幹システム(ERP)のリプレースの対応方法

対応方法の比較として一般的に言われているのは次の3つです。

  • 既存ERPのバージョンアップ
  • 既存ERPから他のERPへ移行
  • 既存ERPを維持(塩漬け)

それぞれを選択した場合のメリット・デメリットを、SAPに例えてご紹介します。

人材面、作業負担という観点で比較した場合、「S4/HANA」や「SAP以外」では、構築やデータ移行の作業が発生するので負担が高いです。一方「塩漬け案」は、いつかは移行が必要となるものの直近での作業が発生しないので、ERPリプレースの人材確保で悩んでいる方は重くなった頭を軽くすることができます。

DX実現の観点

ERPリプレースの対応方法を決めていくうえで、もう1つの重要な観点としてDX実現があります。2025年の崖と呼ばれており「既存システムのブラックボックス化を解消してデータを活用できない場合、デジタル競争の敗者となる」。最大年12兆円の経済損失が生じるとされており、経営面では無視できない問題です。基幹システムは企業活動の根幹を担うシステムなので、「既存ERPのバージョンアップ」「既存ERPから他のERPへ移行」「塩漬け」のどの対応方法を選択した場合も、技術面では「データを活用できる仕組み」を考える必要があります。

当社の選択

当社セゾンテクノロジーもSAPを利用させて頂いており、「S4/HANA」「SAP以外」「塩漬け」の3つの対応方法のうち、当社は「塩漬け案」を採用しました。今回の問題は2025年(後に2027年に延長)と期限が決められていますが、期限をなくすことが出来ればハードルが下がると考えたからです。また、当社の事情として、当時情シス部門は大改革を求められており、何年もかかるリプレースにリソースを割くことよりも、すぐ結果を出し会社の期待に応えるため、一旦SAPを塩漬けせざるを得なかったという事情がありました。余談ですが、おかげ様で当社の情シスは大改革を成し遂げ、今後「S4/HANA」を考えていくことができます。

ちなみに、塩漬け案のデメリット(課題)は以下のように対応しました。

DXの実現は、SAPの既存データを活用しやすくするため、データ連携基盤を構築して周辺システムと連携することでDXを実現しました。データ連携基盤を構築することで移行にも良い影響があります。例えば、今までSAPでアドオン開発して対応していた業務が、SAPと周辺システムが連携することで、周辺システム側でも実装が可能となります。SAPのアドオン開発を増やさないことで、移行の負担を軽減することができます。次に当社のDX実現事例をご紹介します。

当社DX実現事例(経営ダッシュボード)

SAPや他のシステムのデータを連携させてセルフBIのTableauでダッシュボード化した事例です。現場のレポート作成業務を削減とともに経営判断のスピードUPに寄与しました。こちらの事例、元々は財務経理部門の方が手作業でデータを集めてエクセルで帳票化した資料を経営会議で使っていましたが、手作業によるデータ収集に2週間かかっており情報の鮮度が古く、経営会議でデータの追加を依頼するとさらに2週間かかることから、意思決定のスピードが遅くなることが経営者の悩みでした。一方、財務経理部門も決して楽しめるとは言えない作業に時間を費やしており、本来取り組むべき業務改善に時間を割けないのが悩みでした。双方の悩みを解決する方法として、手作業のデータ収集をやめて、以下の図のようにデータ連携基盤を構築して作業を自動化しました。

データ連携基盤のソフトウェアは、収集元のデータの種類がSAPをはじめ、OracleやPostgreSQL、Excel、クラウドサービスのkintoneなどバラバラに存在するため、アダプタが豊富なDataSpiderを採用しました。DataSpiderを採用したことで、データ収集のプログラミング作成の工程が短縮し、実際の導入決定から稼働まではわずか1カ月という短期間で構築できました。

結果、これまで手作業で2週間かかっていたデータ収集が一瞬で可能となり、経営会議の場で使われるデータは常に最新ものが使われるようになりました。また、現場もデータ収集の作業負荷がなくなり、本来取り組むべき業務に注力するための時間が捻出することが可能となりました。

今回構築したデータ連携基盤は変化への適応力が高く、例えば、既存のSAPをS4/HANAにバージョンアップしてデータに変化が生じた場合、全てを作り直すのではなく、変更箇所を設定し直すだけで継続利用が可能です。常に変化するIT基盤に対応したエコシステム化を醸成します。

以上が当社のSAPのデータを活用したDX実現の一例となります。

こちらの事例の詳細

最後に

今回は基幹システム(ERP)のリプレースの3つの対応方法と、当社セゾンテクノロジーの事例として「塩漬け案」をご紹介しました。

塩漬け案以外の対応方法についてもまた別の機会でご紹介したいと思います。

DataSpider Servistaで 「つなぐ」をご体験ください

評価版ダウンロード

DataSpider Servistaのデータ連携を、まずはお確かめください。30日間無料でお試しいただけます。

無料体験セミナーに参加する

DataSpider Servistaの「つなぐ」を体験できる製品紹介・ハンズオンセミナーを開催しています。

Change Location

Are you visiting HULFT.com (Japanese language) outside Japan ?
When connecting "HULFT" to Japan from overseas, please select "HULFT8".

日本国外からHULFT.com(日本語)にアクセスされようとしています。
海外から日本の「HULFT」と接続する製品をお探しの場合、「HULFT8」をお選びください。