導入事例 | タカラスタンダード株式会社 様
クラウドとオンプレミスの自動連携で施工業者との情報共有基盤を整備
DataSpider Cloudにて実現した安定したデータ連携プラットフォーム

- 業種・業態
- 製造
- 導入製品
- DataSpider Cloud
- キーワード
- クラウド連携 / データ連携基盤 / 業務自動化・効率化
キッチンやユニットバスなどを取り扱う総合住宅設備機器メーカーであるタカラスタンダード株式会社では、現場で施工を行うエンジニアなどの施工業者や営業担当者、そして社内で案件調整を行う工務担当者との間で行われていた電話やFAXによるアナログな情報のやり取りを刷新し、クラウド上で情報共有基盤となる施工情報管理システムを整備した。そこで、オンプレミス環境にある基幹システムとクラウドサービスを柔軟に連携する仕組みとしてDataSpider Cloudが採用されている。
お客様の課題
施工業者と営業担当者、工務担当者の三者間で行われていた電話やFAXによるコミュニケーションをデジタル化する情報共有基盤の構築。
解決
- 社外とのやり取りにSalesforceを活用。
- オンプレミス上のデータ連携にDataSpiderCloudを採用。
導入効果
社内外の3000人が活用
20万レコード・
6000ファイル/日
業務の大幅効率化
書類管理工数
約50%削減
施工品質への貢献
情報共有の
正確化・円滑化
電話やFAXなどアナログな手法のからの脱却を目指す
1912年に創業し、キッチンやユニットバス、洗面化粧台、トイレ、給湯器、ホーロー壁装材といったさまざまな住宅設備機器の製造、販売しているタカラスタンダード株式会社。ホーローのパイオニアとして、新築の戸建住宅や分譲マンションはもちろん、リフォーム市場にも幅広く商品を提供しており、現在は全国170を超えるショールームを設置。ホーローと水回り機器事業を通じて住む人の生活レベル向上に貢献できる環境づくりに取り組んでいる。

執行役員 情報システム部長 樋爪 康久 氏
そんな同社では、さらなる事業拡大を目指すべく現場の業務改善施策に取り組んでおり、業務の棚卸を実施しながら、さらなる合理化につながるプロジェクトを推進してきた。その活動の1つに挙げられるのが、これまで施工業者と営業担当者、工務担当者の間で行われてきた電話やFAXによる情報のやり取りを刷新、デジタル化によって新たな情報共有基盤を構築するプロジェクトだ。「アナログな手法で事業拡大を進めていくには限界があります。施工に関する情報共有においても、関係者が多いなか伝達手段も統一されていないなど、効率的とは言い難い状態で管理をしており、業務改善が必要でした」と語るのは執行役員 情報システム部長 樋爪 康久氏だ。
日本製の安心感と連携基盤としての安定性を評価
新たな情報共有基盤づくりに向けて、当初はスクラッチでの開発を視野に検討を進めたものの、大掛かりな投資と膨大な時間が発生することが明らかに。そこで、社外とのやり取りに最適なクラウドサービスとしてSalesforceの活用を前提に、新たな情報共有基盤を整備することになったという。「共有するべき情報は、実は社内に設置されたオンプレミス環境の基幹システム内にあります。そこで、情報共有基盤となるクラウド上のSalesforceとオンプレミスとの柔軟な連携が要件となったのです」と樋爪氏。

情報システム部 課長 本木 聡 氏
そこで注目したのが、データ連携が容易なプラットフォームとしてのEAIであり、なかでもセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)が提供するDataSpider Cloudだった。「オンプレミスで構築するよりも、クラウドのほうが高い柔軟性を発揮でき、手間もかからないと考えたのです」と情報システム部 課長 本木 聡氏は説明する。またすでにデータ連携基盤としてパッケージ化されていれば、システムとして安定的に連携できるという要件も満たすと判断したという。
DataSpider Cloudであればコーディングすることなく自分たちでジョブが作成できるだけでなく、トリガー機能などを活用することでオンプレミスとクラウド環境を柔軟に連携できる点を評価。「実績も豊富で実際に触ってみると安定して動く。
何よりも日本製のソリューションであり、何かあったときでもしっかりサポートしてもらえるという安心感があったことが大きい」と本木氏。また、インターネット接続を安全に行うことが可能な機能として、既存のネットワーク環境に手を加えずともシームレスかつセキュアな通信が確立できるThunderbusを備えていたこともポイントだった。
結果として、オンプレミス上の基幹システムとクラウド上に構築するSalesforceでの情報共有基盤を安全に連携する仕組みとして、DataSpider Cloudが選ばれることになる。
クラウド利用を支える重要なデータ連携プラットフォームを整備
現在は、営業担当者および施工管理を行う工務担当者、そして施工業者の3者の間で行われる施工情報管理システムをSalesforceにて構築し、施工に必要な各種情報や商品およびエンジニアなどのマスタ情報、そして施工現場の地図や図面などがまとめて管理されている基幹システムとの連携プラットフォームとしてDataSpider CloudおよびThunderbusを活用。社内外合わせて3000名弱が利用する情報共有基盤となっており、現場ではタブレットなどから情報閲覧できる形で運用されている。今では、下見で得られた情報や現場写真、作業報告書も含めて1日で20万レコード、6000ファイルほどがやり取りされている。
実際の運用では、営業担当者が案件ごとに商品明細が記載された見積書や図面、そして施工現場の地図などの現場情報を基幹システムに登録し、案件が確定した時点で施工スケジュールを顧客と折衝。スケジュールが固まると工務担当者が施工業者を選定し、依頼内容を確定させる。確定するとDataSpider Cloudを通じてSalesforceに情報が登録され、施工業者が案件の詳細情報をいつでも閲覧できるようになる。また施工事業者が行った下見の報告書や現場写真などの情報もSalesforce側に登録、施工を実施した後は施工完了報告書とともに完了通知を行うことになる。各種報告情報はDataSpider Cloudを経由して基幹システム側に登録することで、請求の処理に移行することになる。なお、データ連携はDataSpider Cloudのスケジュール機能を活用し、10分間隔で基幹システムとSalesforceの双方向連携を行っている。
施工情報管理システムを構築したことで、これまでやり取りされていた図面や報告書などの紙文書が不要となり、工務担当者の当該工数は全体で半分程度削減することに成功している。また、「施工業者や営業からの問い合わせを減らすことができ、FAXの処理を担当していた専任者を別の業務にシフトできるようになりました。さらに写真の共有によって施工品質の改善にも役立っています」と本木氏は評価する。その仕組みを支える重要なデータ連携プラットフォームとしてDataSpider Cloudは重宝しているという。
「データ連携はクラウド利用を支える非常に重要な機能であり、DataSpider Cloudのようなプラットフォームがあることで、オンプレミスであれクラウドであれ、今後も柔軟に連携することが可能です。全体の効率化がさらに進められるという意味では、我々にとってうれしい機能だと考えています」と樋爪氏。なお、以前から基幹系に利用しているサーバ間の連携でHULFTを利用しており、高い技術力に安心感を持って利用できるとセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)に対する評価も寄せている。
最後に「今後は他のクラウド基盤とのデータ連携基盤としてDataSpider Cloudを積極的に活用しながら、さらなる業務改善につなげていきたい」と樋爪氏に語っていただいた。
DataSpider Cloudを活用した施工情報管理システム構成図

会社紹介:タカラスタンダード株式会社
1912年に創業、キッチンやユニットバス、洗面化粧台、トイレ、給湯器、ホーロー壁装材といったさまざまな住宅設備機器を製造、販売。ホーローのパイオニアとして新築の戸建住宅や分譲マンションはもちろん、リフォーム市場にも幅広く商品を提供しており、現在は全国170を超えるショールームを展開。中国やベトナム、シンガポールなどアジアを中心に海外事業にも注力している。
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所属・役職・社名等は取材当時のものとなります。