オムロン株式会社 様

国をまたいだグローバルな環境でも現場の違いを柔軟に吸収
工場のトレーサビリティシステムを下支えする
データ連携プラットフォーム

業種・業態
製造
導入製品
DataSpider Servista
キーワード
見える化 / データ活用 / グローバル

オートメーションのリーディングカンパニーとして、工場の自動化を中心とした制御機器や電子部品、ヘルスケアなど多岐にわたる事業を展開しているオムロン株式会社では、製造現場で発生した障害などに起因した影響範囲の特定や現場作業の業務改善に向けた取り組みの一環として、工場の稼働状況を可視化するためのトレーサビリティシステムを構築している。Excelや既存の分散システムなど現場ごとに異なる環境から取得された情報を適切なフォーマットに変換し、上位のトレーサビリティシステムと円滑にデータ連携する仕組みとして、DataSpider Servistaが採用されている。

お客様の課題

工場の品質向上に関連した情報を可視化するためのトレーサビリティシステムを構築したい

導入効果

協力会社含めた工場の
グローバルな
トレーサビリティ
システム
を構築

現場ごとに異なる環境でも
DataSpider Servistaが
柔軟に連携

現場の可視化により、
現場の改善活動や開発への
フィードバックにも活用

背景
障害発生時の迅速な状況把握に向け、トレーサビリティシステム整備が急務に

オムロン株式会社
デバイス&モジュールソリューションズカンパニー
品質統括部 品質企画部 主査
西本 俊崇 氏

「われわれの働きで、われわれの生活を向上し、よりよい社会をつくりましょう」を社憲に掲げ、よりよい社会を実現するソーシャルニーズを創造してきたオムロン株式会社。そんな同社において創業事業である電子部品事業を手掛けているのが、デバイス&モジュールソリューションズカンパニー(DMS) だ。電動モビリティやeSports、エネルギー業界、半導体検査装置、などさまざまなインダストリー向けの電子部品を手掛けており、自社の生産拠点はもちろん、オムロングループ以外の協力会社含めて世界中に拠点を展開している。

同社が手掛ける電子部品は、1時間に数千個単位をフルオートで量産する自動組立機による生産が中心で、何かあれば多くの顧客に影響を与えてしまう。「被害を最小限にとどめるためにも、不具合があればすぐに対処できるよう、現場の情報を吸い上げてフィードバックするトレーサビリティの環境整備が必要だったのです」と同カンパニー 品質統括部 品質企画部 主査 西本 俊崇氏は説明する。もちろん現場の情報を記録する運用は行っていたものの、紙やExcelでの記録が中心だった。「経験豊富なメンバーが仮説を立て、そのデータを探して分析するだけでも大変です。ましてや海外の工場であればデータ集めだけでも多くの時間が必要でした」と説明するのは同部 主査 渡辺 浩一氏だ。

導入
現場ごとに個別最適化された環境でも
柔軟なデータ連携が可能なDataSpider Servista

トレーサビリティシステムは、調達部材や開発プロセス、人、設備など不良の原因になりうるものの変化点をしっかりと押さえることが重要で、パッケージ化されたトレーサビリティシステムを軸にシステム要件を詰めていったという。だだし、データの起点となる現場ではExcelやAccessなどそれぞれ得意とするツールが異なっており、海外拠点や協力会社も含めて50を超える拠点ごとに環境が大きく異なっていた。

「当初はラインにiPadを設置して標準化を進める案が検討されましたが、現場固有の管理方法はそれぞれの拠点ごとにあり、必ずしも最新端末で標準化されたツールが求められているわけではなかったのです」と西本氏。

オムロン株式会社
デバイス&モジュールソリューションズカンパニー
品質統括部 品質企画部 主査
渡辺 浩一 氏

現場から円滑に情報収集する手段として注目したのが、データ連携プラットフォームDataSpider Servistaだった。「紙で運用している現場でも、せめてExcelには入力してもらえるはず。Excelアダプタが備わっているETLソリューションなら、メールに添付してもらえば自動でデータ収集が可能だと考えたのです」と渡辺氏。

DataSpider Servistaはデータ連携フローの作成にGUIを採用しており、データの入出力はもちろん、変換や加工に必要な処理もアイコンのドラッグ&ドロップで実現可能なため、内製化に向けた環境としても最適だと判断。「データ連携フローのベースを作成し、各拠点に横展開する際には一部変更するだけで使えるような形で展開すれば、内製化した形でも十分活用できると考えました」と渡辺氏。

効果
工場の品質管理に役立つトレーサビリティシステムを
DataSpider Servistaが強力に支援

現在は、日本においては熊本や鳥取、岡山の3拠点、海外拠点では中国の上海および深圳に展開済みで、マレーシアやインドネシアに関しては当初Excelでの運用から分散システムへの移行を計画している。工場の環境や規模によってiPadでの入力やExcel、個別構築された既存の分散システムなどさまざまな方法で情報を収集しており、最終的には50を超える拠点からデータ収集が行われる予定だ。

トレーサビリティにとどまらず、収集したデータの活用はさまざまだ。「当初は何か発生したときのトレース情報としての情報収集でしたが、ここ数年で現場の作業品質が大きく向上し、それほど大きなトラブルも発生しなくなっています。今では現場の改善活動や開発へのフィードバックなどに目的が変わってきています」と西本氏。

主に現場から取得しているのは、生産管理システムから製造オーダー情報の品番をはじめ、品質に関連した各種変化点となる情報、そして設備の計測値や点検記録情報だ。「Excel のメール添付だけではなく、分散システムから抽出されたCSVファイルをファイルトリガーにて自動収集・連携するケースも。協力会社であればメール添付のExcelから収集するためタイムラグもありますが、うまくつなぎ合わせるのにDataSpider Servistaが役立っています」と渡辺氏は評価する。

データ連携イメージ

データ連携イメージ

実際の運用では、DBから吐き出されるエラーをメールに添付して管理者に飛ばすといったDataSpider Servistaの自動処理など、その都度発生する運用課題を解決するためにさまざまな工夫を凝らしている。「おそらくJavaやVBで組んでいたら、ここまで柔軟に対応することは難しかった。つなぎの処理をDataSpider Servistaが担ってくれたおかげで、データ連携に関しては安定した環境が維持できるようになりました」と渡辺氏は高く評価する。

展望
協力先や取得する対象機器の広がりなど、さらなる拡張を進めていきたい

現在は、日本や中国、アジアでの展開が進められているが、イタリアをはじめとした欧州でもトレーサビリティシステムの拡張を検討している状況にあるという。

「協力会社を増やしていきながら、取得する対象設備を広げていくことで現場のニーズに応えるなど、さらなる拡張を積極的に行っていきたい」と渡辺氏は意欲的だ。

オムロン株式会社

  • 所在地

京都市下京区塩小路通堀川東入

  • 概要

オートメーションのリーディングカンパニーとして、工場の自動化を中心とした制御機器、電子部品、駅の自動改札機や太陽光発電用パワーコンディショナーなどの社会システム、ヘルスケアなど多岐にわたる事業を展開し、世界130ヶ国以上で商品・サービスを提供している。

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