日機装株式会社様 導入事例
工場のデジタル化を目指し、製造系システムを一斉導入
データ連携を一元化し、データ活用の基盤を実現
- 業種・業態
- 製造
- 導入製品
- DataSpider Servista
- キーワード
- SAP連携 / データ連携基盤 / 基幹システム連携 / ERP連携
1953年に創業した日機装株式会社(以下、日機装)は、工業・医療・航空の3分野を主軸に産業用特殊ポンプやCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製航空機部品、血液透析用医療部門機器などの製造を手がける。高い技術力を強みに、世界初・日本初の製品も多く生み出しており、最近では殺菌・空気浄化などの効果がある深紫外線LEDを利用した空間除菌消臭装置「エアロピュア」の販売を開始し、大きな注目を集めている。また、航空事業ではエアバス社との共同開発がスタートするなど、新たな挑戦を続けている。
ベトナムに工場を設立するなどグローバル展開を進め、さらなる事業拡大を目指す同社航空宇宙事業本部では、工場のデジタル化・業務効率化を推進すべく、複数工場にERP/PLM(製品ライフサイクル管理)/ MES(製造実行システム)を新規導入。システム間および既存の基幹システムとの連携にDataSpider Servista(以下、DataSpider)を活用し、短期間での開発とともに、効率的に運用できる環境を実現した。システム化・データ活用により、さらなる技術力・品質の向上を目指す同社にお話を伺った。
お客様の課題
複数拠点・複数システムを連携するため接続個所が多く、一元的な運用まで見据えてデータ連携を実装したい
導入効果
DataSpiderにより、
データ連携の実装を
標準化・共通化
操作方法が容易で
分かりやすく、
短期間での開発
が可能に
システム稼働後も
一元的に運用できる
データ連携基盤を
実現
事業規模拡大に対応すべく、複数工場のシステムを刷新
工業・医療・航空という専門性が求められる業界において、技術力を強みに高い評価を得てきた日機装。「万が一」が許されない製品を手がけるなかで、品質・技術へのこだわりを徹底し、顧客からの期待に応え続けている。
同社航空宇宙事業本部ではベトナム・宮崎などに工場を展開しているが、各工場のデジタル化・業務効率化を進めるため、新規システム導入を決断した。グローバル情報統括部 安斎氏は「これまでは小さなパッケージ製品の個別導入や、Excelなどで対応していたため、それぞれのデータ連携まではできていませんでした。事業規模の拡大に対応するためにも、今回各工場にERP/PLM/MESを新規導入し、環境を刷新することとなりました」と話す。各システム間ではデータ連携が必須だが、工場ごとに3システムを導入し、それぞれを連携、さらにそれらを全社で利用するSAPの会計システムに連携しなければならない。「開発だけを考えれば、システムごとにインターフェースを1度開発すれば、接続先のみの設定で各拠点に展開できます。ですが、その後の運用は拠点ごと・システムごとに問題がないか、接続状況を管理する必要があります。これらを個別に管理するのは現実的ではないと、データ連携基盤として利用できるツールの導入を前提に検討していました(安斎氏)」
カスタマイズ・開発は最小限に抑える方針。データ連携もDataSpiderで共通化・標準化
そのなかで候補に挙がったのが、DataSpiderである。以前より、SAPと周辺システムとのデータ連携にDataSpiderの機能を利用しており、使いやすさを高く評価していた。「機能がシンプルで、データやファイルのやり取りと項目のマッピングに特化しているため、どのファイルやDBをつなぐか、どの項目をつなぎ、どう変換するかを設定するだけで利用できます。また接続用のアダプタが充実している点も魅力的でした(安斎氏)」別途JavaなどのコンポーネントやFTPサーバを用意する必要もなく、DataSpiderのサーバのみ構築すれば利用可能という点も大きなメリットだった。「開発も運用も負担を最小限にできるという印象で、今回のシステム連携もDataSpiderを使えば大丈夫だろうという確信があり、スムーズに導入が決まりました(安斎氏)」と語る。
もともと同社ではシステム導入に関して、パッケージの標準機能をできる限りそのまま利用し、カスタマイズは最小限とすることを方針としている。今回のプロジェクトでもデータ連携をひとつずつ開発することは避け、ツールを活用し、共通化したいと考えていた。「データ連携をイチから開発すると、担当者によって実装方法が異なり、メンテナンスの負荷があがってしまいます。DataSpiderならば基本的な処理をテンプレート化することで、実装方法が統一され、処理の標準化・共通化につながります(安斎氏)」
プロジェクトの第1段階として、MESと既存システム間のデータ連携について、8つのインターフェースをDataSpiderで実装。1名の担当者が実質3ヶ月ほどで完成させた。「既存システムでDataSpiderの利用経験があるメンバーだったこともあり、特に問題なく基本設計どおりのものがスムーズに完成しました。使い慣れたツールだったため『これくらいの期間で開発できるだろう』と具体的にイメージできた点も安心材料となりました(安斎氏)」
運用まで一元化することで、データ活用推進の基盤を実現
運用の効率化においてもDataSpiderへの期待は大きい。「DataSpiderはログが見やすく、開発時と同じ画面で、どこでトラブルが起きているかが表示されます。エラーの内容も直感的に分かるものになっており、運用が楽になると感じていました。今回のように複数拠点の複数システムを個別につながなければならず、連携個所が多くなるケースでは運用を一元化できるメリットは大きいと思います(安斎氏)」
当初は、2020年春にベトナム工場への導入を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により延期に。現在は宮崎工場への導入を目指している。
今後はデータの活用も進めていきたいと話す。「これまで業務によっては紙でやり取りしているケースもありましたが、今回のプロジェクトで全面的にシステム化することができました。ですが、システム導入は目的ではなく、これからデジタル・トランスフォーメーションを進めるための第一歩にすぎません。各製品についてさらに高い品質を突き詰めていくために、システムでどう貢献できるか、そのためにどうデータを取得・保存し、活用できるのか、これから検討していきます(安斎氏)」
会社紹介:日機装株式会社
産業用特殊ポンプ・システム、医療機器、航空機部品などの製造・開発を手掛け、圧倒的な技術力・品質により各産業分野で高いシェアを誇る。なかでも世界シェア90%以上を占める「カスケード」は、航空機の逆噴射装置に不可欠なものとして、その価値を評価され2020年6月には「経済産業省認定 新グローバルニッチトップ企業100選」に選定された。
販売パートナー:株式会社日立システムズ
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