DataSpider Servista
導入事例 | 高知県公立大学法人 高知工科大学 様

部分最適化されたシステムを連携することで全体最適化を実現
教育DX推進に向けた環境整備を可能にするDataSpider Servista

業種・業態
教育
導入製品
DataSpider Servista
キーワード
データ連携基盤 / データ活用 / DX

分野横断的な学群制を採用するなど先進的な教育システムをいち早く取り入れている高知県公立大学法人 高知工科大学では、入試や成績、就職などの教育関連データや経営データが部門ごとに分散しており、適切な管理の下で情報管理の高度化が求められていた。そこで、統合的なDBを整備してデータ集約を図るためのデータ連携基盤として、データ連携ツール「DataSpider Servista」を活用している。

お客様の課題

学内に分散した教学データや経営データなどを柔軟に活用できるよう、部分最適化された業務システムを円滑につなげるデータ連携基盤を整備したい

導入効果

データ連携の
内製化が可能になり、
データの活用範囲
が拡大

データ連携によって
業務の効率化と
データの抜け漏れや
入力ミスを防止

教学IR
(Institutional Research)*1
を活性化
するための
基盤を整備

背景
業務ごとに最適なシステムを相互に連携させることで全体最適を図る

1997年に公設民営の大学として開学、現在は公立大学として「人が育つ大学」をモットーに先進的な教育システムを積極的に取り入れている高知工科大学。2024年にはデータ活用力をはじめ工学的視点と社会に対する俯瞰的な視野の両方を兼ね備えた文理統合型の人材育成を目指すデータ&イノベーション学群を新設、システム工学群、理工学群、情報学群、および経済・マネジメント学群という理系文系にわたる5学群を展開している。特に教育分野でのDX推進を注力するなど、データに基づいた教育変革を進めている。

高知工科大学
情報学群 データ&イノベーション学群 教授/情報センター長
吉田 真一 氏

そんな同大学がデータ連携を推進する契機となったのが、大学の組織改編に伴って情報集積本部が設置され、情報のあり方についての議論がスタートしたことだ。「以前から入試や就職といった学生に関するデータが部門ごとに管理されており、データ活用が一部のメンバーに限られていたことが課題の1つでした」と情報学群 データ&イノベーション学群 教授 情報センター長 吉田 真一氏は当時を振り返る。実は教育データが集約された業務システムが存在していたものの、財務会計や人事給与まで含めた経営データの連携が十分ではなかった。そこで、業務ごとに最適なシステムを相互に連携させることで、全体最適を目指すことが現実的なアプローチだと判断したという。

導入
各種データソースへの柔軟なアクセスと内製化できる基盤であることを高く評価

データ連携に向けた新たな環境づくりでは、内製化できることが要件の1つに掲げられていた。「システムを担当する一般の事務職員でもある程度内製化でき、学内でコントロールできる使い勝手のいい基盤が求められていたのです」と語るのは総務部 情報システム課長 森 晃彦氏だ。

高知工科大学
総務部 情報システム課長
森 晃彦 氏

また、以前から既存の業務システムで利用していたBIツールのDr.Sumを活用してデータ活用を加速させようと考えたが、アクセスは容易ながら使用できる人材が限られていた。そこで、手始めに分散する学内データをうまく連携させ、適切な管理とデータ活用しやすい基盤構築を検討したという。

データ連携基盤選定に際しては、OracleやPostgreSQLといった学内のさまざまなDBへの柔軟なアクセスが可能なこと、各業務システムから柔軟にデータ変換できること、そして執筆された論文のページ数や執筆人数など各種パラメータを掛け合わせて計算する教員評価システムを含め、複雑な演算処理が可能な基盤が求められた。これらを要件として定めて入札を実施したなかで、その要件を満たしていたのがDataSpider Servistaだった。「他社と比べてローカル環境で処理でき、演算機能が優れていたことも高く評価したのです」と同課 課長代理 福冨 英次氏は語る。

Javaでのプログラミング経験を持つ職員がいたことから、Java Exceptionにてエラー表示が行われることに親近感を持ち、仕組みの信頼性を高く評価したこともポイントの1つだった。「Javaを知らなくともGUIを通じて開発できる点も踏まえ、内部の職員でも対応できる体制が整備できると考えたのです」と内製化の視点でも評価した福冨氏。

アクセス権限も厳格かつ柔軟に設定できることからセキュリティ・ガバナンス要件も十分満たせると判断、入札の結果として最適なコストパフォーマンスを発揮したDataSpider Servistaが、データ連携基盤として選択されることになったのだ。

効果
学内のデータ流通基盤の要として活用、データ活用範囲の拡大

現在は、学内におけるデータ連携基盤としてDataSpider Servistaが活用されており、教務システムや教員評価システム、就職情報システムはもちろん、学生マスターとの連携を行う入退室管理システムや図書館の自動貸し出しシステムなど20を超えるシステムやファイル出力先にデータを提供、データ活用のための統合DBへの情報集約を行っている。また、安否確認システムなどクラウドサービスとの連携も実現しているという。「各システムからのデータを取得連携するだけでなく、教務システムなどインプット元へのフィードバックもDataSpider Servistaにて行っています」と福冨氏。連携方法も、ODBCやFTPによるファイル転送、API連携など連携先のシステム仕様に合わせて選択している。

DataSpider Servistaの日常的な運用に関しては、処理結果の一覧表示などで日々の運用状況を確認するほか、仕様書の出力機能などで連携状況の可視化を実施。データ連携については、新システムの導入時や各部署からデータ連携に関する相談が寄せられた際に、連携手段の1つとしてDataSpider Servistaが選択されており、大きなトラブルもなく安定運用が継続できている状況だ。

DataSpider Servistaを導入したことで、データ連携における内製化が可能になり、データの活用範囲が以前にも増して広がったと評価する。「外部にデータ連携のための作業を依頼していては、予算や時間の関係で実現できなかった連携も多数あったはず。分析に必要なデータ取得にも時間を要していたでしょう。利用者目線でデータ連携できるようになったのは大きい」と森氏。また、データ連携によって各部署でそれぞれ入力していた学生情報などがそのまま活用できるようになり、業務の効率化はもちろん、データの抜け漏れや入力ミスのリスク軽減につながるなど、さまざまなメリットが得られているという。

DataSpider Servistaについては、多様なアダプタを活用することで拡張性の高い環境が整備でき、データのインプットやアウトプットの柔軟性が高いと評価する。プロジェクトやスクリプト数による課金がないため、出力方法を変えたりメールで通知したりなど気軽にアイデアを試すことができる点も大きなメリットの1つに挙げている。

展望
学内にとどまらず、法人全体でのデータ連携による地域貢献に期待

大学運営の重要な指針となるIRについては、もともと担当者が個別にデータを取得・分析可能な環境だったことから、現状ではまだニーズが広がっていない状況にあるが、すでにIR実現に向けた統合DB含めた基盤整備は実現できている。

高知工科大学
総務部 情報システム課 課長代理
福冨 英次 氏

「データに基づいた客観的な判断に移行していく必要性は感じており、今後も入試情報や成績、就職データを連携させ、学生一人ひとりの学びにつながるような分析や、入学前の高校生などへの情報提供など、効果的なデータ活用を今後も進めていきたい」と福冨氏。森氏も「少子化のなかで、大学と学生のアンマッチを減らすことで有力な人材確保・育成にもつなげていきたい。教育DXという大きな視点でDataSpider Servistaをさらに活用していく予定です」と期待を寄せている。

また、新設されたデータ&イノベーション学群を中心に、地域連携プロジェクトでのデータ連携を通じて地域貢献を推進していきたいという。「高知県公立大学法人全体でのデータ共通基盤としても活用していく可能性は十分考えられます」と福冨氏は力説する。

さらに、クラウド移行は教育機関全体としての大きな潮流となっていることからも、「HULFT Square」のようなiPaaS *2の活用も視野に入れながら、データ活用を推進するメタデータ管理ツール「HULFT DataCatalog」にも注目している。「IRへの足掛かりとして、今後もDataSpider Servistaをデータ連携の基盤として積極的に活用していくことでしょう」と今後について森氏に語っていただいた。

  • ※1
    教学IR(Institutional Research:インスティテューショナル・リサーチ)・・・大学の経営改善や学生支援、教育の質向上のため、学内における情報を収集・分析し、改善施策を立案・施策の実行・検証を行う活動
  • ※2
    iPaaS( Integration Platform as a Service )・・・システムやデータの統合や連携を実現する基盤を提供するクラウドサービス

高知県公立大学法人 高知工科大学

所在地 :香美キャンパス(高知県香美市土佐山田町宮ノ口185)
永国寺キャンパス(高知県高知市永国寺町2番22号)

学 :1997年4月1日

事業内容 :「大学のあるべき姿を常に追求し、世界一流の大学をめざす」という高い志を掲げ、先進的な大学運営を行う。

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