株式会社デンソー 様
各国への影響を最小化し開発生産性向上とガバナンスを強化
グローバルでのデータ利活用を促進するデータ連携基盤を構築
- 業種・業態
- 製造
- 導入製品
- DataSpider Servista
- キーワード
- データ変換 / データ連携基盤
グローバルな自動車部品メーカーである株式会社デンソーでは、世界各国に展開する拠点間の円滑な業務連携を可能にするために、基幹業務システムをグローバルで再構築するプロジェクトがスタート。その一環として検討されたのが、データ連携基盤となるデータ蓄積・交換サービスだ。DataSpider Servistaを活用することで、連携先を意識せずとも柔軟な連携が可能な基盤を整備することに成功している。
お客様の課題
各地域で個別に構築されている生産管理の仕組みを生かしつつ、ビジネスのグローバル化に対応できるシステム構築を実現するデータ連携基盤の整備が課題
解決
新旧含めた各システムとの連携が負担なく実現できるうえで、エージェントレスな環境づくりにこだわった結果DataSpider Servistaを採用した
導入効果
データ蓄積・
交換サービスを
グローバルで活用
データ連携開発の
生産性向上・
ガバナンスの強化
レガシーな仕組みとも
連携できる
豊富なアダプタ
グローバルシステム構築において課題となったデータ連携基盤
自動車メーカーに直接自動車部品を供給するTier1として、グローバルに事業を展開している株式会社デンソー。自動車に不可欠な多くのシステムを手掛けており、電動化や先進安全/自動運転、コネクティッドの各分野に注力しながら、FAや農業の工業化をはじめとした非車載事業にも力を注いでいる。
世界35の国と地域に展開する211の連結子会社を持つ同社は、経営をはじめ、人材や研究開発、モノづくりの分野でのグローバル化を積極的に推進している。
2000年代後半から、さまざまな分野の基幹業務システムをグローバルで再構築するプロジェクトが始まり、ビジネスのグローバル化に対応できるシステムを構築するため、組織横断的なチームを設置してさまざまな課題に向けて取り組みを進めてきた。そのプロジェクトにおいて顕在化してきた課題の1つが、それぞれ地域で個別にやり取りされていた情報をシームレスに連携するためのデータ連携基盤の整備だった。「例えば、生産管理の仕組みは地域ごとに設置されており、部分最適化された形で運用してきたためクラウドのような環境で全てを統合するのは難しく、現地で運用していくのが現実的です。従来の生産管理の仕組みを生かしつつ、各地域間でのデータ連携が課題となってきたのです」と情報システム部 デジタル化推進室 担当係長 中山 毅氏は当時を振り返る。
目指した疎結合、エージェントレスで負担なく導入できるDataSpider
同社が求めたのは、送受信の双方システムに影響を与えることなく柔軟に連携できる“疎結合”な仕組みだった。また将来的な拡張性も考慮したうえで、各地域の環境にエージェントを導入せずともデータ連携が可能な仕組みを希望した。既存環境はもちろん、今後新たな仕組みが登場しても柔軟に連携できる環境づくりにこだわったのだ。
そこで注目したのがセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)が提供するDataSpider Servista( 以下、DataSpider)だった。「当初はバスを介してアプリケーション連携するESB 系の仕組みも検討しましたが、疎結合という観点で考えるとハブ&スポークで連携先への影響を最小限におさえることが可能なEAI系のソリューションが最適だと考えたのです。なかでも、豊富なアダプタを持ち、コストパフォーマンスに優れていたのがDataSpiderだったのです」と中山氏。データ連携のしやすさも選択のポイントに挙げている。「コーディングレスでアイコンを並べていくだけでさまざまな処理が実装できます。開発生産性の向上も視野に入れると、DataSpiderが最適だと判断したのです」と語るのは情報システム部デジタル化推進室 担当係長 福井 秀徳氏だ。
EAI の場合、各地域同士を直接連携させるフルメッシュ構成ではなく、EAIをハブとして1対Nの環境で連携していくことになるが、連携先が増えるたびにスクリプトを組む必要がある。企画開発の段階から運用面をしっかりと意識したうえで、シンプルに実装できる点を高く評価したのだ。
セゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)が提供するファイル転送ツールであるHULFTの日本国内利用は20年以上にわたり、現在でも継続している。安定した運用が可能な、質の高い製品を手掛けているというセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)の製品づくりに対する評価も加わり、結果としてDataSpiderが各地域を柔軟に連携する「データ蓄積・交換サービス」の基盤に採用されることになる。
DataSpider とHULFTを活用したデータ蓄積・交換サービス構成図
ガバナンスを強化しながら他地域との柔軟なデータ連携を実現
現状は、データ蓄積・交換サービスをグローバルに展開しており、日本および北米、豪亜の各地域で利用するデータ蓄積・交換サーバーをIaaS上に設置し、グループ内WANを経由してデータ連携が実施されている。各地域内のデータ連携にはDataSpiderが活用されており、HULFTも組み合わせて利用している。データ連携のタイミングは用途によって異なり、1日1回で十分なものから、会計などの処理では30分に1 度データのやり取りが行われることも。なお、現在は中国にデータ蓄積・交換サーバーを展開中で、今後は欧州展開も検討されている。
DataSpiderを活用した結果、連携先のシステムを意識することなくデータ連携が可能になり、開発ガイドラインや連携のテンプレートを提供することで個別実装を極小化することに成功、他地域との柔軟なデータ連携が可能になっている。
「データ連携の開発に関する生産性向上を図りながら、ガバナンスの強化にもつながっています」と株式会社デンソーITソリューションズシステム開発統括部グループリーダー 𠮷村 英展氏は語る。実は、当初の企画段階から各地域の運用担当者を巻き込みながら、業務が変わる部分も含めて納得させていくプロセスを経たことで、各地域でもうまく活用が進んでいる。
Notesのようなレガシーな仕組みに対するアダプタも豊富に備わっているなど、内部の仕組みが置き去りにならない点や、各分野のシステムに数多くあるフォーマット変換ニーズに対してDataSpiderが持つ強力なマッピング機能が生きてくることを評価している。
なお、システムの企画段階から運用支援までを行ったのがNTTテクノクロス株式会社だ。「我々と一緒の目線でDataSpider選定をし、海外への展開時にもしっかり支援いただきました。難しい要求にも応えていただくなど、展開がスムーズに実現できたことに感謝しています」と福井氏は語る。
今後については、𠮷村氏から「製造業として、今後はIoTなどへの対応が求められることも十分考えられます。そのあたりも含めて意識した環境づくりにも取り組んでいきたい」、中山氏からは「今回構築したDataSpiderによるデータ蓄積・交換サービスをさらに広げていき、グローバルでのデータ利活用を促進することでグループでのシナジーが発揮できるような仕組みにしていきたい」と語っていただいた。
会社紹介:株式会社デンソー
自動車メーカーに直接自動車部品を供給するグローバル企業として、世界35の国と地域に展開する211の連結子会社を持つ。熱マネジメントに関連したサーマルシステムをはじめ、パワトレインシステム、エレクトリフィケーションシステム、モビリティシステムなど、自動車に不可欠な多くのシステムを手掛けている。電動化や先進安全/自動運転、コネクティッドの各分野に注力しながら、FAや農業の工業化をはじめとした非車載事業にも力を注いでいる。
販売パートナー:NTTテクノクロス株式会社
その他の導入事例
EAIソフトウェア「DataSpider Servista」
こちらから30日間無料でお試しいただけます。導入検討の際にぜひご活用ください。
製品や導入についてご不明な点はお気軽にお問い合わせください