導入事例 | NECフィールディング株式会社 様
Salesforce移行で必要な100以上のデータ連携をクリア。
24時間365日対応を支える安定した稼働を実現。

- 業種・業態
- 情報システム
- 導入製品
- DataSpider Servista
- キーワード
- データ連携基盤
NECのグループ企業として、コンピュータ・通信機器などのハードウェア保守事業を手掛けるNECフィールディング。全国に展開する拠点網・物流網を強みに、NEC製品に限らず、幅広いメーカーの機器やIT以外の機器の保守も担い、SI事業やセキュリティまで含めたトータルな支援をおこなう。ICTの重要度がますます高まるなか、全体を通してより一層の安定稼働が求められ、CX(カスタマーエクスペリエンス)向上のためにも柔軟な対応は不可欠だ。こういった変化をシステム面で支えるべく、長く利用していたシステムをSalesforceに移行することとなったが、課題となったのが他システムとのデータ連携である。そこで、DataSpiderを導入、24時間365日対応のクリティカルなシステムを支える安定的なデータ基盤を実現した。
お客様の課題
Salesforce・既存システム間の100以上に及ぶデータ連携を効率的に実現したい
導入効果
Salesforceに
対応し、効率的に
データ連携を実装
分かりやすいUIで
実装や障害
切り分けが容易
冗長構成により、
メンテナンスによる
停止を最小限に
より柔軟な対応を目指しSalesforceに移行。100以上のデータ連携が課題に
全国に拠点を展開し、ハードウェア保守を中核に事業を展開するNECフィールディング。クラウド移行によるハードウェア保守需要の減少など、業界全体が変化を迫られる中、単に故障に対して保守をおこなうだけではなく、実際にICTを利用されるお客様の近くでの対応を強みに、ICTのライフサイクル全体をカバーしたサポートを提供する。
24時間365日対応する保守現場で利用するシステムは、オンプレミスのクライアントサーバー型システムで、自社の業務にあわせてスクラッチ開発したものだ。

上地 純 氏
「稼働からすでに30年近く経っており、各機能も複雑化し、改修・メンテナンスが追い付かない状況でした。データガバナンスの観点からも一部問題があり、Salesforceに移行することになりました(上地氏)」
数あるシステムのうち、まずは保守業務の中核となる保守受付(コンタクトセンター)システムと保守作業システムを移行することに。これらは部品在庫の要求など他システムとデータを連携しており、クラウド移行後もデータ連携は欠かせない。「部品の情報を取得する、在庫情報を更新する、作業情報を連携するなど、細かなものまで数えると100以上のインターフェースが必要になります。移行を機に統廃合はおこないますが、かなりの量にのぼるため、どうデータを連携するかが課題でした(樋口氏)」
24時間365日対応の現場を支えられるのはDataSpider
これまで既存システム間で利用していたデータ連携基盤を用いる方法もあったが、Salesforceに対応するために作り込まなければならない。「ガバナ制限(※)などSalesforce特有の制約もあり、ひとつずつ調査して対応するのはあまりに負担が大きいと感じました。短期間での移行を目指していたこともあり、ゼロから自分たちで作り込むのは現実的ではないと考え、Salesforceとの連携実績があるツールを検討することにしました(石川氏)」

石川 純道 氏
複数ツールが候補に挙がったが、「国内でのSalesforce対応実績がない」「自社環境の規模感にフィットせず、予算オーバーしてしまう」などなかなか要件に合うものがないなかで、すべてをクリアしたのがDataSpiderだった。NECが取り扱っていたことも後押しとなり、スムーズに導入が決まった。「DataSpider Cloudも検討したのですが、NECフィールディングでは24時間365日サポートを謳っているため、システムも止めることができません。計画的な停止も難しいなかで、クラウドはメンテナンスのタイミングをコントロールできないことがネックとなり、オンプレミス版で導入することを決めました(石川氏)」
- ※
リソース利用の偏りを防ぐための制限。SQLクエリやAPIリクエストの数などの制限を超えると一定期間利用できなくなる
データの動きが「見れば分かる」、効率的に実装でき、無事リリースへ
「DataSpiderはビジュアル化されているので、とにかく分かりやすいという印象です。設計通り実装されているかをレビューする際も、どうデータが動いてSalesforceに連携されているかが把握しやすいですし、障害時の切り分けも容易になりました(樋口氏)」基本的にGUIで設定するため、コーディングミスが発生する余地がなく、メンバーごとのクセも入りづらい。

樋口 翔太 氏
実装上の障害が入るリスクを最小限に抑えられる点はメリットだという。「経験者がいなかったため、設定ひとつとっても、どう設定すればよいのか手探りで進めていましたが、問い合わせのレスポンスも早く助かりました(樋口氏)」
予定通り実装が進み、2021年にはStep 1としてヘルプデスク領域をリリース。その後、2023年にStep 2となる顧客向けコールセンターの保守受付システムとディスパッチ機能(保守員の派遣領域)を、2024年12月にフィールドで活動するエンジニアが利用するアプリケーション(作業領域)までリリースし、移行が完了する。
メンテナンス時間をもっと短く……DataSpiderを二重化
リリースを進めるなかで、ひとつ問題となったのがメンテナンス時のシステム停止だ。稼働当初はDataSpiderをアクティブスタンバイ構成で導入していたが、どうしてもリリースのたびにシステム停止が必要になる。Salesforceは年3回のバージョンアップで新機能などがリリースされるが、これらを活用するにはDataSpiderも含めてバージョンアップすることになる。DataSpiderのバージョンアップはアンインストール・再インストールが必要となるため、システム停止を避けられないのだ。「社内向けにメンテナンスによるシステム停止を伝えると、現場から『あまり頻繁に止めないで欲しい』という声も寄せられます。メンテナンスのタイミングはコントロールできるとはいえ、24時間365日サポートに対応するためにもシステム停止は極力避けたいのが本音です(石川氏)」
そこで、既存構成にさらにシングルアクティブを追加、完全無停止でのメンテナンスまではできないものの、システム停止を最小限に抑えてリリースできる環境が整った。「停止時間が短くなれば現場への影響も減るので、リリースのハードルが下がり、機能改善の頻度を上げられると考えています(石川氏)」

ミッションクリティカルな用途でも安心できる、安定性の高さ
DataSpiderのトラブルなどは一切なく、安定して稼働しているという。「どちらかというと柔軟性の高さを謳ったツールだというイメージが強かったのですが、ミッションクリティカルな用途でも安心して利用できるのだと実感しました(上地氏)」
Salesforceへと移行したことでオンプレミスからの脱却が進み、今後はビジネス拡大につながる機能追加なども格段にやりやすくなる。生成AIを活用したコールセンターの問い合わせ内容要約なども計画中だ。「今回の移行により、Salesforceに集まったデータを活用できるようになりました。とはいえ、簡単なデータ分析にとどまっているため、細かな分析や古いデータの保管などのために、別途データ分析用基盤を構築する予定です。ここでもDataSpiderを活用できるのではと期待しています(上地氏)」
NECフィールディング株式会社
NECグループの一員として、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど様々な機器・システムの保守サポートおこなう。NEC製品のほか、NEC以外のメーカーやICT機器以外の製品にも対応。また、機器の導入・構築から運用、セキュリティなどにも対応し、ICTのライフサイクルをトータルにサポートする。