HULFT Square
導入事例 | 日清食品ホールディングス株式会社 様

生成AIを活用し“データドリブン”経営に寄与するデータ連携・分析基盤を整備
豊富なコネクターでデータ連携の拡張性を確保するHULFT Square

業種・業態
食料品製造業
導入製品
HULFT Square
キーワード
データ連携基盤 / データ活用 / DX / 生成AI

革新的な技術とアイデアで新たな食文化を創造している日清食品ホールディングス株式会社では、中長期成長戦略2030として掲げる目標達成に向け、デジタル技術を活用した事業変革を推進しており、サイバーセキュリティをはじめとした5つの施策に取り組んでいる。その1つに掲げる「“データドリブン”経営に寄与する基盤の整備」実現に向けてデータ連携/分析基盤を整備。部分最適化された各システムからのデータを集約してDWHに投入するためのデータ連携基盤として、クラウド型データ連携プラットフォーム(iPaaS)のHULFT Squareを活用している。

お客様の課題

部分最適化されたシステムのデータを集約し、データドリブン経営に寄与する基盤を整備したい

導入効果

データ活用を
活性化させるための
データ連携・
分析基盤整備

に貢献

データ取得作業が
約60%削減され、
データ活用
プロセスの効率化

に寄与

データによって
組織の壁を超えた
コラボレーション
活性
を醸成

背景
データドリブン経営に貢献する基盤整備に向けたプロジェクトを推進

日清食品ホールディングス株式会社
情報企画部 データサイエンス室 室長
板垣 義彦 氏

常に新たな食文化を創造し続ける「EARTH FOOD CREATOR」として「食」の可能性を追求し、「食」の楽しみや喜びを通じて社会課題の解決や地球に貢献することを目指している日清食品グループ。「チキンラーメン」や「カップヌードル」などのインスタントラーメンを発明した創業者・安藤百福の精神をグループ理念の基として、現在は即席麺事業にとどまらず、チルド麺、冷凍麺、飲料や菓子などの非即席麺事業などをグローバルに展開している総合食品グループである。

そんな同グループでは、2019年に全社スローガン「DIGITIZE YOUR ARMS(デジタルを武装せよ)」を掲げ、デジタル技術を駆使して脱・紙文化やテレワーク推進をはじめとした各種施策に取り組んできた経緯がある。

そして2022年には、2030年を見据えた5つの重点デジタル施策として「サイバーセキュリティ」「グローバルITガバナンス」「業務部門のデジタル活用支援」「先進ネットワーク/モバイルデバイスの活用」「“データドリブン”経営に寄与する基盤の整備」を掲げ、新たな組織づくりを進めてきた。その1つとなるデータドリブン経営に寄与する基盤整備を進めているのが、日清食品ホールディングス株式会社 情報企画部 データサイエンス室だ。「2025年より前にデータドリブン企業としてのスタートラインに立つべく、データ連携/分析基盤の整備などを進めています。具体的には、さまざまなデータソースを1箇所に集約する、そして業務部門に展開して業務に使ってもらう、そして従業員のITリテラシーを高めていくことで分かる人を増やすという3つの活動を推進しています」と同室 室長 板垣 義彦氏は説明する。

このデータドリブン経営に欠かせないデータ連携/分析基盤の整備に向けては、ビジネスプロセスごとに散在していたデータを収集するための仕組みづくりが欠かせない。「データを意思決定に生かすためには、さまざまなデータを突合して全体最適化することが必要です」と同室 プロフェッショナル 山縣 一慶氏は語る。同社では、販売や生産に関する「計画」とともに、商品の「出荷」、卸や小売への「納品」、そして店舗でのPOSデータを中心とした「販売」が大きなビジネスプロセスとなっており、これらが個別最適化されたシステムで運用されている。そこで、データ活用を全社的に広げていくべく、これらのデータを収集して1つのDWHに集約するための環境整備に着手することになったという。

導入
データ連携の技術を効果的にラッピング、データ連携に実績のある
HULFT Squareを評価

日清食品ホールディングス株式会社
情報企画部 データサイエンス室 プロフェッショナル
山縣 一慶 氏

クラウドファーストを掲げている同社が注目したデータ連携の手法の1つが、複数システム内のデータをクラウド上で一元的に連携することが可能なiPaaSだった。「1つの技術、製品、サービスで統合できることが1つのキーワードとなっていました。そして、我々のような事業会社であっても開発が実装できるよう、外部連携のためのコネクターが充実しているものが求められたのです」と山縣氏は言及する。

そして、データ集約の箱としてのDWHとデータ連携に向けたパイプラインとしてのiPaaSを総合的に検討するなか、同社が目を付けたのが、セゾンテクノロジーが提供するデータ連携プラットフォームのHULFT Squareだった。「ファイル転送としてHULFTを社内利用していた実績があり、データ連携という観点で一定品質が担保されているサービスだと認識していました。

豊富なコネクターも備えているなど、信頼感を持っていたのです」と板垣氏。また、DWHとして導入を考えていたSnowflakeと連携する技術的なポイントが備わっていたことも大きかったという。

データ連携に必要な機能がサービスとしてうまくラッピングしている点も魅力の1つだった。「データサイエンスやデータ分析の領域は、ITインフラの知識から業務部門との会話スキルまでと求められる部分が多く、総合格闘技的な側面が強いです。分析に長けたメンバーがITインフラ領域をキャッチアップするのは正直大変ですが、HULFT Square側で技術をうまくラップしてくれています。GUIによって処理が可視化しやすいだけでなく、ノーコードで開発できます。使用するハードルが低かった点は大きいです」と山縣氏は評価する。

特に、業務部門との対話から開発及びその後の改善活動までの幅広いフェーズの機会を与えて新人を育成していく考えを持つデータサイエンス室にとって、新人が全ての技術を習得するのは難しい。そのため、ケアするべき領域を狭めていち早く戦力として活躍してもらう環境づくりとして、HULFT Squareが役立つことが期待できたという。

組織が目指す方向性として、技術的なポイントを把握したうえでデータ基盤の設計から構想まで内製化できる環境づくりが期待されており、自走しやすい点も評価に挙げている。「我々の思想を理解して伴走いただける企業と一緒にプロジェクトを進めていきたいという思いもありました。その点セゾンテクノロジーは、データ連携はもちろん、現在我々が取り組んでいる生成AI活用に関する自社内でのノウハウを共有いただけるなど、パートナーとしても高く評価したのです」と山縣氏は力説する。

効果
生成AIのノウハウ提供も含め、
HULFT Squareがデータドリブン経営の基盤整備に貢献

現在は、業務システムのデータが蓄積されているSQL ServerやクラウドDWHであるAmazon Redshiftなどからデータを集め、データ蓄積のDWHであるSnowflakeとのパイプラインとしてHULFT Squareが活用されている。主に基幹システム含めた10ほどのシステムからSnowflakeにデータを集約するためのインターフェースをHULFT Squareにて構築しており、多いものだと1日あたり20GBほどのデータを日次でやり取りしているほどだ。「社内の人事システムについては、以前からHULFTを使って各種システムと社内連携していたため、HULFTを経由してHULFT Squareにつなぎ込みを行っています」と山縣氏は説明する。

Snowflakeに蓄積されたデータは、MicrosoftのPower BIを中心に現場にて閲覧されており、データ活用の裾野が広がっている。「Power BIに関して言えば、半年ほどの間で社内の開発ユーザー数が10倍強にまで増加し、作成されたレポートも3倍強に膨らんでいます。このような増加は、さまざまな場面でのデータ活用が進んでいることを示しています」と板垣氏は分析する。なお、Power BI自体はSnowflake以外のシステムとも連携しているが、HULFT SquareがPower BIによるデータ活用を活性化させる一助として貢献している状況にある。

2022年ごろからHULFT Squareを導入し、当初は材料資材の原価状況を可視化、資材調達の最適化に向けた需要の可視化を行うダッシュボードからスタート。その後セールスやマーケティング領域、サプライチェーンチームなどと協業を重ねながら、着実にデータ連携領域を広げている。今では、売上の確認や取引先ごとの利益を含めた社内実績といった数字はもちろん、財務帳票をPower BIで可視化して会議内のディスカッションに欠かせない情報ソースとしても活用されている。

またSnowflakeに蓄積されたデータを活用し、バックグラウンドで生成AIを活用して新たなインサイトをアウトプットするなど、データ処理のなかに生成AIを組み込んで業務活用する場面でもデータ連携/分析基盤が活用されつつある。「商品に関するアンケート調査の結果といった非構造化データをSnowflakeに投入し、生成AIにて解析したうえで定量的な分析結果としてマーケティング部門に提供するといった検証も進めています。近い将来、プロダクトとして本格的に現場に提供する計画です」と山縣氏は説明する。生成AIに関しては、システムに詳しくないメンバーでも自然言語でデータ探索でき、分析後のアクション考察といったクリエイティブな業務に広げていくことが検討されており、生成AI活用に必要なデータ収集の一部でHULFT Squareが活用されることになる。

従来は基幹システムなどからExcelにて必要なデータをダウンロードし、そのデータをPower BIに投入・分析するようなプロセスが必要だったが、今では各システムからSnowflakeに集められたデータをソースとしてPower BIを構築することで閲覧、分析できるようになっている。「Power BIに落とし込む時間は以前より約60%削減され、HULFT Squareがプロセス効率化に大きく役立っています」と山縣氏は評価する。

データ連携イメージ

また、データを軸に部署ごとのコラボレーションが進み、同じ情報ソースを利用できることで社内におけるリソース活用の無駄を削減できたことも副次的な効果として見ている。「散在していた情報を集約することでコミュニケーションが活性化されるなど、データによって組織の壁が取り払われてきている印象を持っています。データ連携/分析基盤は、我々が目指すデータドリブンな文化の醸成にも役立ってくれることでしょう」と板垣氏の評価も高い。まさにデータ武装を目指す環境整備の一部に、HULFT Squareが貢献しているわけだ。

HULFT Squareに関しては、GUIによってデータ連携プロセスが実装しやすく、豊富なコネクターによって初期の検証からDWHへのデータ引き込みまでのスピードが格段に進化しているという。「安定稼働という面でも、我々が気にしないレベルで動いており、品質の高いサービスとしての安定性を高く評価しています。データのパイプライン部分が安定しているおかげで、基幹システム側の仕様確認やデータ連携の設計部分にリソースが割けることもメリットの1つです」と山縣氏。立ち上げ当初はサポートに問い合わせる機会も多かったが、レスポンスが早く解像度の高い回答で課題解決につなげやすかったとサポート部門の対応に関しても評価する。

セゾンテクノロジーは、HULFT Squareによるデータ連携領域だけでなく、社内における生成AI活用に関する伴走支援も行っており、同社において生成AIを推進する大きなきっかけになったと語る。「セゾンテクノロジー社内における生成AI活用の取り組みについて教えて欲しいとお願いしたところ、快く引き受けていただき、定期的にミーティングを重ねながらご教示いただくことができました。これがなければ、我々の生成AI活用はここまで進んでいなかったと思います」と板垣氏は高く評価する。山縣氏も「データをどう可視化してユーザーに届けるのか、社内の事例を交えながら構築ポイントなどを詳しくご教示いただけました。特にデータを綺麗に整形したうえで生成AIにインプットすることの重要性をしっかりフィードバックいただき、とても参考になりました。上流からいかにデータを引き込むのかの検証にもHULFT Squareが役立ちました」と評価する。同社が目指す生成AI活用の基礎づくりにセゾンテクノロジーの伴走支援とHULFT Squareが寄与していたことになる。

展望
HULFT Squareのさらなる活用でデータソースの拡充を進めていきたい

今後については、現場から求められるデータ分析に必要なデータソースを拡充する際のデータ連携基盤として、HULFT Squareをさらに活用していく予定だ。「DWHへのデータ投入がシンプルに開発できるため、横展開も含めて期待しています」と山縣氏は語る。活用領域については、セールスやマーケティング、そして資材領域や商品開発などのR&D領域にもデータ利活用が広がりつつあるが、そのための中心的な基盤として今後も拡張を続けていきたいという。

特にデータ分析が欠かせないマーケティング領域での活用は、大きなポイントの1つになってくるという。「システム部門である我々とマーケティング部門はこれまでほとんど接点を持っていませんでしたが、データが必要な領域だけに今回のデータ連携/分析基盤はとても相性がいいですね。マーケティング部門が必要とするデータをどんどんHULFT Squareにて引き込んでいき、これまで以上にデータを活用してもらえる環境を作っていきたいです」と板垣氏は意欲的だ。

また最終的には、HULFT Squareにて収集してSnowflakeに蓄積されたデータを、エンドユーザーである事業部門が自由にアクセスして活用できる世界を作り上げたいという。「例えば、会議のなかで直接Power BIを見ながら議論できれば、若手による資料作成の手間もなくなります。しかも、会議を通じて上司含めたメンバー全員がPower BIに触れることで、デジタル人材の醸成にも寄与するはずです。そんな世界を作り上げていきたいです」と今後の目指す姿について板垣氏に語っていただいた。

日清食品ホールディングス株式会社

  • 本店所在地:大阪市淀川区西中島四丁目1番1号
  • 設立:1948年9月4日
  • 資本金:251億2200万円
  • 従業員数:16,509名 (連結)
  • 事業内容:日清食品グループ全体の経営戦略の策定・推進、グループ経営の監査、その他経営管理など

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