導入事例 | 株式会社ユーラスエナジーホールディングス 様
日次1時間の作業が数分に短縮
今後の拡大も見据えたSaaS間データ連携の環境を構築

- 業種・業態
- 電力事業
- 導入製品
- HULFT Square
- キーワード
- データ連携基盤 / 業務自動化・効率化 / DX
1987 年に米国で風力発電事業をスタートさせ、現在は16 の国と地域で再生可能エネルギーの発電事業を展開する株式会社ユーラスエナジーホールディングスでは、業務システムのクラウドシフトを進めているが、各種クラウドサービスの要件でデータ連携できない課題が顕在化。
Salesforce やBox を含めたクラウドサービス間の連携を円滑に行うことで業務効率化や現場の利便性向上に貢献する環境づくりを目指し、クラウド型データ連携プラットフォーム(iPaaS)のHULFT Square を活用している。
お客様の課題
SaaS の制約で手作業を余儀なくされていた業務を効率化し、幅広い用途に活用できるデータ連携基盤を整えたい
導入効果
人事SaaS から
バッチでの
データ自動取得
で業務負荷を軽減
社内セキュリティ基準
に抵触せず Salesforce
だけで電子取引
を実現
SaaS の制約を回避する
リカバリー処理
を実現
データ連携によって部分最適を解消、
SaaSの制約で直接連携できない課題への対処が必要に
同社では、デジタル技術を駆使して新たな付加価値の創出を進めながら、社内の業務効率化に向けたデジタル活用を加速させるなど、DXを推進している。
ただし、実際には業務ごとに部分最適した環境で、データ連携の環境が十分に整っていない状況だったという。

国内事業企画部 開発支援グループ長 兼
経営企画部 DX推進グループ 担当マネージャー
瓦井 雄貴 氏
(2025年4月1日現在 株式会社ユーラスグリーンエナジー 取締役
電力小売事業部長 兼 事業運営グループ長)
「仕組みを導入するものの、他システムと連携させる部分に手作業が多く発生していました」と当時は情報システム室 兼 経営企画部 DX推進グループで、2025年4月1日現在は情報システム部 齊藤 斉氏は説明する。
一方で現場の業務効率化に取り組んできたのが、当時は国内事業企画部 開発支援グループ長 兼経営企画部 DX 推進グループ 担当マネージャー、2025年4月1日現在は株式会社ユーラスグリーンエナジー 取締役 電力小売事業部長 兼 事業運営グループ長 瓦井 雄貴氏だ。「発電所関連のプロジェクトにおいては、Salesforce を中心に業務基盤を整備していますが、改正電子帳簿保存法への対応で注文書などの電子帳簿ファイルの管理が求められ、Box 含めた複数のクラウドサービス間を連携させる必要が出てきたのです」と説明する。本来であれば、Salesforce やBox といったSaaS 間の直接連携を進めたいところだが、社内のセキュリティポリシーやサービス側の制約があったことで、直接の連携が難しい状況が生まれていたという。
日本発ならではの開発支援、
スモールスタートしやすいライセンスも魅力のHULFT Square
システム部門として目指す全体の最適化と現場部門の業務効率化を前に進めたいというそれぞれの思惑をうまく満たせる環境として検討したのが、業務システム間を柔軟に連携できるデータ連携プラットフォームとなるiPaaS だった。
なかでも、開発支援やサポート体制、メニューを含めた使いやすさを考慮して注目したのが日本発のiPaaS であるHULFT Square だった。内製化によって対応スピードやコスト面でもメリットが大きいノーコード開発が可能で、IT スキルが高い事業部門側で発生しがちな属人化を解消できる点も有効だと考えたという。また、発電計画ならびに需要計画の策定時に必要な演算処理も含めた前後処理も、柔軟性の高いHULFT Square であれば対応できると判断。
ライセンス面でも、「リソースの範囲内であればAPI 処理を増やしても料金が変わらず、スモールスタートを前提としていた弊社に適したライセンス体系だった点も評価できました」と瓦井氏。
PoC 段階でのサポートも含めた数ヶ月間にわたる評価検証支援サービスによる手厚い支援があることで、導入に向けた不安感を払拭できる点も評価し、新たなデータ連携基盤としてHULFT Squareが採用されることになったのだ。

1時間の作業を数分で完結、
柔軟なSaaS間連携で業務の効率化を支援するHULFT Square
現在は、毎月発生する入退社手続きに関連した人事情報更新の通知やSalesforce とBox を連携させて注文書を含めた電子取引が円滑に実施できる仕組みづくりに役立てている。

情報システム室 兼 経営企画部 DX推進グループ
齊藤 斉 氏
(2025年4月1日現在 情報システム部)
例えば、人事SaaS サービスから情報を取得して管理者に通知を実施しており、以前は、人事SaaSの限られたアカウントを使って夜間に手作業で情報を取得し配信していた。しかし、今ではHULFT Square が日次で人事SaaS から情報を取得してCSV 形式で配信することが可能となっており、作業負担の軽減に貢献している。
また、200名ほどが利用しているSalesforce上で申請承認された注文書などの各種電子帳簿を、電帳法要件に適したクラウドサービスに保存し、Box に展開して顧客に送付する処理が行われている。ここで、電子帳簿が格納されたBox のリンクURL をSalesforce に戻す処理に、HULFT Square を利用している。「HULFT Square であれば、リンクURL をSalesforce に戻す処理が可能で、社内のセキュリティ基準に抵触せずにSalesforceだけで電子取引を完結させることができました」と瓦井氏は評価する。
さらに、特定容量を超えたファイル転送が難しいSalesforce の制約を考慮し、Salesforce からのエラー通知を検知し、送信不可のファイルを電帳法対応のクラウドサービスに格納するといったリカバリー処理にもHULFT Square が役立っている。毎日1 時間ほどかかっていた手作業でのリカバリー処理が数分で終わるなど、業務の効率化に大きく貢献しているという。運用保守や開発を手掛けるシステム部門としても、属人的な開発からの脱却で運用保守の手間も削減できていると好評だ。「運用を始めてから管理画面を見る機会がないなど、問題なく動いています。普段は意識していない裏の仕組みが安定稼働できていることはとても大きい」と瓦井氏。
電力計画や需要計画の策定を含めて
適用範囲の広いHULFT Squareに対する期待は高い
現在は人事SaaS やSalesforce 領域でのデータ連携を中心にHULFT Square を活用しているが、「会計周辺のワークフローはもちろん、発電所に関する保守履歴と稼働履歴、勤怠管理情報などを突き合わせて状況を可視化するなど、HULFT Square が適用できる範囲は多いはずです」と齊藤氏は期待を寄せている。「電力の小売事業では、発電と需要予測をもとにさまざまなシステムから情報を集め、発電計画ならびに需要計画を策定しますが、現状はRPA やExcel マクロを駆使せざるを得ません。HULFT Square にてデータを集約して統合データベースのようなものを構築し、業務の効率化につなげていきたい」と今後について瓦井氏に語っていただいた。
株式会社ユーラスエナジーホールディングス
- 本店所在地 :東京都千代田区大手町一丁目5番1号 大手町ファーストスクエアウエストタワー
- 設立 :2001年11月1日
- 資本金 :181億9,920万円
- 従業員数:816名※(2025年4月現在)※ユーラスエナジーグループ
- 事業内容 :風力および太陽光発電事業など