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「HULFT Square」が描く未来

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 自由で安全なデータ活用のための革新的プラットフォームサービスとして、新たにローンチされた日本発iPaaS(クラウド型データ連携プラットフォーム)「HULFT Square」。グローバルに実績を持つファイル連携ソフトウェアであるHULFTやデータ連携ソフトウェアとして数多くの導入を誇るDataSpider Servistaという強力なツールを持つセゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)が手掛ける、アジャイル開発やDX推進に欠かせないクラウドネイティブなプラットフォームとなるHULFT Squareとは、一体どんなソリューションなのだろうか。3年を費やしてHULFT Squareというプラットフォームを作り上げた開発責任者である執行役員 DevOps統括 有馬 三郎氏に、HULFT Square開発の経緯やその特徴、プラットフォームとして見据えている未来像について伺った。

▼プロフィール
株式会社セゾン情報システムズ(現セゾンテクノロジー)
執行役員 HULFT Square 製品開発責任者
有馬 三郎
※役職や所属は取材時のものです。

SaaSという新たな選択肢を提供する「HULFT Square」

■今回新たにHULFT Squareがローンチされました。
このHULFT Square開発に至る経緯について教えてください。

 日本でも2000年代後半からクラウド活用が注目され、2018年ごろにはクラウド上で全ての業務基盤を整備するという企業も出始めました。その段階では、オンプレミスとともに、クラウドが企業の基盤づくりにおいて必ず選択肢に入るような状況となり、HULFTやDataSpider Servistaについても、SaaSで利用できる環境が望まれていました。一方で、アジャイル開発やDXというキーワードは2020年には多くの企業で当たり前に語られるようになり、そのためにはオンプレミスではなくSaaSという選択肢が不可欠な状況にあったことも大きな背景にあります。

■やはり多くの企業でDX推進が叫ばれるなか、SaaSの環境が必要不可欠な状況にあったわけですね。

 DXを進めるためには、できる限り迅速にスタートでき、そして早急に失敗をして経験を積んでいくことが必要で、実際に望まれていたことです。数年を費やして稟議をあげて予算を確保し、現場に実装していくといったアプローチは、今の時代には通用しません。我々もDataSpider Cloudのようなクラウド型のソリューションは提供していましたが、HULFT及びDataSpider Servistaを我々自身のマネージドサービスとし提供すべきだと判断したのです。そして、グローバルにも実績を持つHULFTだけに、SaaSとして国内に限らずグローバルを当初から視野に入れたサービスとして設計しています。

■HULFT Squareはどんなコンセプトを持っているソリューションなのでしょうか。

 HULFT Squareは、自由で安全なデータ活用のためのデータ連携プラットフォームサービスです。HULFTは、回線やデータサイズに関わらず、指定された相手に対して安全かつ必ずデータを送り届けることができるからこそ、30年間お客さまに継続してご利用いただけています。このHULFTとともに、ETLとして自由にさまざまなプログラムを作成してデータの連携に貢献できるDataSpider Servistaの特長を併せ持ったものをプラットフォームに昇華させたのが、まさにHULFT Squareというわけです。
 ただし、製品の良いところだけを受け継いだというよりも、ワークスペースや権限管理、そしてGDPR(General Data Protection Regulation)対応など、グローバル市場に求められる部分も含めて取り込んだプラットフォームというのがポイントです。IT部門だけのものではなく、ビジネス部門にも自由かつ安全にご利用いただけるという点もコンセプトに含まれています。

■HULFT Squareは、さまざまなものをクラウド上で連携させていくソリューションという意味では、APIゲートウェイやiPaaSといったソリューションの領域に入ってくる印象があります。

 我々自身も、HULFT SquareはiPaaSであると言っていますが、なかでも重視しているのがスモールスタートできるという点です。iPaaSは、大規模なシステムに対応できるソリューションと、簡単にフローを作成して連携できるようなソリューションの2つに大別できます。前者のソリューションは、確かに多くのことができますが、従来のように要件を固めて予算取りをしたうえで、コンサルティングの協力も仰ぎながら実装していく。そのため、どうしてもコストも時間も多く必要です。簡単にトライアンドエラーを繰り返していけるような手軽さはありません。アジャイルやDXという、今求められているところにお役立ていただくためにも、スモールスタートできる環境は重要だと考えています。

■簡単に活用できるソリューションとの違いはどのあたりにあると考えていますか。

 手軽に利用できるiPaaSでは、Power AutomateやWorkatoなどがよく話題になりますが、一番の違いはオンプレミスとの高い接続性を誇るHULFTを我々は持っているというところです。SaaS間連携においても、実際にはオンプレミスにある社員マスターを取得するなど、大なり小なりオンプレミスとのデータ連携は必ず発生するもの。HULFT Squareでは、Webブラウザ操作で簡単にオンプレミスと接続できるインターフェースを用意しており、安全かつ容易にデータ連携できる部分は大きな優位性の1つだと考えています。

■HULFT Squareというサービス名はどんな想いを込めて名付けられたのでしょうか。

 クラウド環境でお客さまのデータ連携を安全安心に実現していけるという想いとともに、多くのお客さまにご利用いただいているHULFTを使ってお客さま同士が自発的につながっていけるような関係を作り出したい。その意味で、多くの方が集まる広場としてSquareと名付けました。他のお客さまがどんな形でデータ連携を行っているのかも含め、ノウハウやベストプラクティスがシェアできる場としてご利用いただき、自社の課題を早急に解決できるような場づくりを行っていきたいと考えています。