データ活用やDXがどんどん解る用語集  
ファイル連携

「ファイル連携」

データ活用やDX成功に必要な考え方を、各種するキーワードの解説で理解できる用語解説集です。
今回は、さまざまなシステムや人を連携する手段としての「ファイル連携」について考えてみましょう。

ファイル連携とは

ファイル連携とは、ファイルをデータの転送手段として用いた連携方式のことです。ファイルを通じて、システムとシステムを連携させること、あるいはシステムと人を連携させることを言います。
ITの利活用をうまく進めるためには、システムやデータを連携する手段は無くてはならないものですが、ファイル連携はそのような連携方式として、昔から様々な状況で使われてきた実績のある連携手段です。MFT製品を利用することで、ファイル連携による業務水準の連携基盤も効率的に構築することができます。

ITシステムの活用に必要な「連携」

昨今必要性がますます高まっているIT活用を進め、成功させるために、その重要なポイントになるのが「連携手段を整備すること」です。ITシステムの開発や導入、あるいはクラウドサービスの利用に取り組むだけでなく、それらシステムやサービス、多種多様なデータを連携できる基盤を用意することが大事になってきます。

どうして大事なのかは、こちらの記事(「EAI」や「iPaaS」など)をご覧ください。これから話題にするのはIT活用の成功と失敗を分ける「連携」を「どういう手段や方式で実現するのか」になります。広く使われる方式としてはAPIによる連携、共有データベースによる連携、今回話題にするファイル連携などの実現方式があります。これら方式を状況やニーズに応じての使い分けることが大事です。

どうして「ファイル」なのか

もしかしたらファイル連携と聞くと、最新の技術ではないとか、簡易な連携方式であるという印象を持たれる方もおられるかもしれません。例えば、企業のITシステムではデータベースが利用されていることが良くありますし、クラウドサービスではAPIによる連携手段が提供されAPIに関係した話題が多い傾向はあります。

確かにファイル連携は昔からある技術で、最近流行の技術というわけではありません。しかし、これから説明する通り、他の方式にはない優れた特徴も備えている連携方式であり、手段としてぜひ覚えておきたいものが「ファイル連携」です。普段何気なく使っている「ファイル(ファイルシステム)」が良くできたものであることも再認識いただけるかと思います。

データとファイルについて今一度イメージしなおす

「ファイル」はどういうデータに向いている?

データとは含まれている内容のことであって、それがどういう形態で存在しているかのことではありません。例えば社員一覧のデータがあったとして、それがファイルとして保存されている場合もあれば、データベースに格納されている場合もあります。他にも、紙に印刷されている場合、通信ネットワークを流れているデータなど、様々な形態で存在しえます。

他と比べて「ファイルにしておくこと」はどういう特徴を持っているでしょうか。ひとまとまりのデータの塊でそれぞれ名前を付けて管理され、頻繁に書き変わるデータよりは静的なデータの保存に適していて、流れているデータではなくためられているデータ、そういうデータに向いていると言えます。

「データベース」と比べて考えてみよう

次に「何によって処理されて何ができるか」を考えてみましょう。データベースの場合、「データベースエンジン」がまずあって、(正確な表現ではありませんが)いわゆる表形式のデータで、データ型が決まっているような整ったデータを保存し、データの整合性を保ったままの書き換え処理が得意であり、SQLなどを使って高度な分析・集計処理をすることもできます。

ファイルの場合はどうでしょうか。存在が当たり前すぎて普段意識しないことが多いのですが、Windowsなどが備えている「ファイルシステム」がファイルを処理するエンジンになります。

データの塊にそれぞれ名前を付けて管理することができます。フォルダないしはディレクトリなどでファイルをグループ化できる仕組みがあります。画像データやテキストデータなどの異なる種類やサイズのデータを区別せずに扱うこともできるし(データベースよりもデータの多様性には寛容だと言えます)、違いを区別して扱うこともできます。

ファイルシステムではどのような処理ができるでしょうか。ファイル名で検索することや多数あるファイルの中身を全文検索すること、ファイルへの追記や書き換えなど多くのことをある程度処理できます。しかし、SQLのように高度な処理ができるなど、何かの処理に秀でているわけではありません。ファイルシステムの強みはもっと別のところにあります。

ファイル(ファイルシステム)が優れていること

一方で圧倒的なこともあります。意識しないと存在自体に気がつかない(空気や水のように)ほどに広く普及していることです。

誰でも知っている

相手にデータを受け渡す状況を考えてみましょう、特定のデータベースのデータだと、相手もデータを読み取れるか良くわかりません。それ以前に、それがどういうものかの説明から必要になることも多いでしょう。一方でファイルだったなら、ちょっとファイルはうちでは解りませんので、ということにはほとんどなりません。

「ファイルシステム」はどこにでも行きわたっている

ファイルシステムは1960年代初頭のメインフレーム黎明期から存在しており、ほとんどのOSが「OS自身の機能」として提供しています。つまり「ファイル」が利用できる環境が世界中に満ちています。普段使うPCはもちろん、LinuxやUNIX、メインフレームなどのオンプレミスの環境、クラウド上の様々な環境、スマートフォンなど、ほとんどの環境で容易に活用ができます。

「ファイル」は過去にも未来にも無難に行ける

CSVなどの人でも意味が読み取りやすいテキストファイルでデータを保存してあったなら、30年前に作られたデータでも取り扱うことも、読み取ることも十分に可能です。30年前の独自方式のデータなら絶望的な解読作業が発生しかねないのとは対照的です。ファイルなら過去のデータを読み込みたいときも、未来にデータを残すときにも、無難で堅実な手段だと言えます。

対応していないプログラミング言語の方が珍しい

ほとんどのプログラミング言語にはファイル入出力の機能が基本機能として備わっています。データベースのデータへのアクセスや、API経由でデータを読み取ることと比べ、ファイルにはちょっと対応してないですね、とか、ライブラリが整備されておらず全部自分で作らないといけないので難しいですね、のようなことはほとんどありません。

エンジニアのほとんどが処理方法を知っている

エンジニアの一年生を呼んできても、ファイルの読み書きが全くできない人は少ないはずです。データベースは難しいのでわからないような人でも、とりあえずファイルを開くことはできるでしょう。

エンジニア以外でも使える(GUIだけで処理できる環境)

エンジニアではない人にデータベースを開いて中身を見てくれとかデータを書き換えてくれと言ってもたいてい無理でしょう。一方で、ファイルならとりあえず開いてもらうことができます。どうしてでしょうか、各OSで、GUIだけでファイルを操作できる環境(ファイルシステム)が当たり前にあり、普及し、みんなが使いこなしているからです。

人と自動処理のコラボ手段

この特徴によりファイルシステムは、人による利用と、アプリケーションによる利用をコラボする手段(ITと人が協同する手段)としても活用できます。アプリケーションからも、人からも、ファイルは便利に使えるからです。

人とシステムの間でデータの受け渡しをする手段としてはもちろん、自動処理が人をアシストするような協同体制、ファイルにしておけばシステムがトラブルで停止した間、人が処理を応急代行するようなこともできます。

ITシステムやクラウドを導入した後、あっちのシステムからこっちのシステムにCSVファイルをダウンロードしてアップしなおしをするみたいな作業が多く発生することがありますが、これはファイルのそのような性質を介して人がシステムを補助してあげているとみなせます。

データの処理能力も備わっている

複雑な処理は得意ではないとしても、データ自体の処理能力や検索能力も備わっています。データの検索処理や、データの追記なら十分に行えます。

関連ツールやノウハウが整備されている

ファイルシステムで利用するためのツールやノウハウはとても整備されています。例えばバックアップ処理関係のツールはとても整備されています。他の手段、例えばNoSQLデータベースにデータを保存していたとして、データの不整合(例えば注文前と注文後のデータが混ざってしまうなど)が起こらないようバックアップするだけでも大変なことがあります。

ファイルを経由して様々なシステムと連携できる

例えばあるデータベースから別のデータベースにデータを移動するとき、一度CSVファイルに書き出してから読み込ませたりします。クラウドサービスからCSVファイルをダウンロードし、別のクラウドサービスにアップロードして、みたいなこともよくあります。
これは、ファイルの世界を経由させることで、他システムとの利便性を自分自身で確保することを代行させていると考えられます。ファイルを経由することで、他の多くのものとつながることもできます。

ファイル連携の課題

ファイル以外の手段で、これほどまでに行きわたっていて、どこでも・いつでも・誰でも、さらには様々な手段で利活用できるものはほとんどないと思います。

一方で連携手段として「ファイル連携」を用いる場合には、課題や注意すべき点もあります。

ファイルをデータベースや各種システムに連携する手段が必要

ファイルだけ(ファイルのまま)で社員管理システムを作ることも、ファイルだけで売り上げ分析システムを作ることも出来ます。しかし、データベースを用いる場合と比べると、煩雑になったり、性能が出にくかったり、データが壊れて消えたりしやすくなったりするはずです。ファイルだけでシステムを完結するやり方は限度があります。

よってファイルを、各種システムや、他のデータソース(例えばデータベース)と必要に応じてうまく連携する手段が必要になります。

離れたシステム、違うファイルシステムへの、しっかりした連携手段が必要

ファイルシステムはそのローカルの環境上での利用についてはとても整備されていることが多いですが、別のマシンや別の種類のOSのファイルシステムとのファイル連携については十分に機能が整備されていないことがあります。

すでに書いた通り、環境に依らずに取り扱える可能性、例えばスマホでもWindowsでもクラウドでもメインフレームでも取り扱える手段としてはとても有望ですが、ファイルシステムとの間、あるいはファイルシステムの違いを超えての十分な連携を実現する機能は備わっていません。

多種多様な環境の間でファイルを連携し、環境間での違いをうまく吸収し、業務を支えられるだけのしっかりしたファイル連携基盤を用意する必要があります。

ファイル連携の課題、解決策は既にあります

ファイルは「すでに広く普及しており、大抵のことには既存の解決手段が整えられている」ことも長所ですが、上記の懸念についても、やはり十分な解決手段が既に存在します。

「つなぐ」技術(EAIやiPaaS)

ファイルを他の多種多様なシステムやデータソースに自在に連携できる、データ連携基盤が既に存在します。EAIやiPaaSなどの「つなぐ」技術です。

外部のシステムやデータとの連携、あるいはデータ処理の自動化をGUIだけで効率的に実現できます。ファイルからアプリケーションや、データベースなどに連携をし、必要に応じて処理結果を戻すこと、あるいはファイル転送において、送信する前と受け取った後で発生する処理の自動化、電子メールの添付ファイルで届くExcelファイルの処理の自動化などを効率的に実現できます。

関連用語 ⇒ EAIiPaaS

多種多様な環境とのファイル連携を実現する「MFT」

メインフレーム、Windows、LinuxやUNIX、クラウドサービスなど多種多様な環境の間で、環境間の違い(日本語の文字コード変換なども含む)を吸収し、なおかつ業務を支える基盤として利用できるくらいのしっかりしたファイル連携基盤を実現する手段(「MFT」)が、既に存在します。

関連用語 MFT(Manager File Transfer

ファイルシステムがなかなか素晴らしい特徴を持っていることはすでに紹介しました。加えてMFTを用意すれば、ファイルシステム同士が相互に連携しあった、素晴らしい連携基盤が出来上がります。

ファイルシステムは、人にとって利用のハードルが低く、エンジニアにとってもファイルの読み書きの実装は高難易度ではありません。そのような「ファイルにアクセスできる能力」に「MFT」を足すことで、ファイルを処理できるスキルが「様々なクラウド・メインフレーム・海の向こうのシステムなど多種多様なシステムに連携できる能力」として実質的に強化されます。

「ファイル転送」によりファイル連携を実現する長所

ファイル連携には「ファイルを共有」するやり方と「ファイルを転送」するやり方があります。多くのMFTではファイル転送によりファイル連携を実現しています。これは、アーキテクチャを疎結合にできる、ファイルの処理に関連する責任を切り分けられるなどの利点があるためです。

共有リソースを用いた連携方式では、その部分が双方で利用管理する部分になり、何かが起こった時にどちらの原因で責任かわかりにくくなることがあります。また、システム改修で共有している部分が変更しづらいことが障害になることがあります。

ファイル転送を用いた場合、転送元システムと転送先システムは決まった形式のファイルをやり取りする決まりを守ればよく、双方のシステムの実装を切り離すことができます。また、ファイル転送処理の前後で責任関係も切り離され、連携処理で問題が発生した場合の「責任分界点」(どちらが責任を謳歌)もシンプルで明瞭になります。

ファイル転送がうまく行かなかったときにも、どこで何が起こり、どちら側の問題なのかもはっきりさせやすくなります。

関係するキーワード(さらに理解するために)

  • MFT
    • -技術的に難しいこともある「ファイル連携」を実現する手段が既に存在します。
       MFTを使えば、高度に完成されたファイル連携基盤が出来上がります。
  • EAI
    • -多種多様なシステムやデータを連携できることが、いかに重要で深い意義があるかについて説明しています。
  • API
  • iPaaS
    • -様々なクラウドを外部のシステムやデータと、GUI上での操作だけで「つなぐ」クラウドサービスのことをiPaaSと呼びます。
  • クラウド連携
    • -クラウドを外部のシステムや他のクラウドサービスと連携させて利用すること。クラウドサービスの導入や活用をうまく進めるために、クラウドそのものの導入や活用と並んで重要なことが多いのがクラウド連携の実現です。
  • Excel連携
    • -現実のIT活用でどうしても無視できない存在がExcel。Excelを外部のITとうまく連携させることで、Excelの良さを生かしたままスムーズにIT活用を進められることがあります。

ファイル連携に興味を持たれましたら

興味を持たれましたら、ぜひファイル連携の世界を実現する製品を実際に試してみてください。

MFTの決定版「HULFT」

国内で圧倒的な実績がある、国産MFT製品の最高峰にして「ファイル連携基盤のデファクトスタンダード」である「HULFT(ハルフト)」を是非お試しください。

ITシステムに対して最高度の対応が求められる金融機関でその基盤として長年使われているなど圧倒的な実績があります。あらゆる環境が、あっという間にファイルでつながった世界が出来上がります。

ファイル連携は古い技術で、速度など性能が出にくい印象があるかもしれません(昔はハードウェア性能が低かったですし)。HULFTは大容量ファイルの高速転送や、大量のファイルの転送処理など、性能が求められる状況でも活躍しています。

「つなぐ」ツールの決定版、データ連携ソフトウェア「DataSpider」

当社で開発販売しているデータ連携ツール「DataSpider」は、長年の実績があるEAIツールです。

通常のプログラミングのようにコードを書くこと無くGUIだけ(ノーコード)で開発でき、「高い開発生産性」「業務の基盤(プロフェッショナルユース)を担えるだけの本格的な性能」「業務の現場が自分で使える使いやすさ(プログラマではなくても十分に使える)」を備えています。ファイルの活用のみならず、IT利活用の成功を妨げている「バラバラになったシステムやデータをつなぐ」問題をスムーズに解決することができます。

無料体験版や、無償で実際使ってみることができるオンラインセミナーも開催しておりますので、ぜひ一度お試しいただけますと幸いです。

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