HULFTイベントレポート:第16回
「HULFT Technology Days 2023」
今年も開催しました!(その1)

2023年の11月の3日間にわたり、今年も開催します「HULFT DAYS 2023」から開催一日目のオフライン会場の様子をレポートいたします。

HULFT Technology Days 2023

「HULFT Days」はセゾンテクノロジーが毎年開催している弊社主催の大型イベントです。オフライン会場で 11 月 7 日に、オンライン開催で 21 日と 22 日に開催予定です。本レポートでは一日目のオフライン会場での様子をレポートいたします。

また今年からイベント名が少し変更になっておりまして「HULFT Technology Days」とテクノロジーが追加されました。これは弊社が今後 IT 企業としてテクノロジーシフトを進める決意をイベント名にも込めたものになります。

昨年に続いてのオフライン開催

一日目はオフライン会場での開催に加えて、セッション終了後に懇親会を開催しました。会場は今回も豪華に日本橋三井ホールでの開催、司会もフリーアナウンサーの宇賀 なつみさんにお願いいたしました。

会場は空港をイメージしたデザインコンセプトで統一しております。皆さまのデータ活用が飛び立つような、あるいは皆さまのデータ活用のハブとなるような、そのような思いを込めております。

トークセッション
スポーツ×データ:アスリートが語る、スポーツにおけるデータ分析の可能性

鈴木 大地 氏
初代スポーツ庁長官

ソウル五輪水泳での金メダリストであり、初代スポーツ庁長官でもある鈴木 大地さんにまずご登壇いただき、スポーツにおけるデータ利用、およびスポーツ界での関連するデータ利活用の取り組みについてご紹介していただきました。

オリンピック選手と聞くと子供のころからスポーツ万能だったのではと思えますが、実はそうではなかったそうです。7 歳で週一回の水泳を始めるまでは体が弱かったくらいだそうです。高校一年の時に、頑張れば来年のロス五輪に出場できると言われて出場できたもののあまり活躍できませんでした。しかしそのことにより、オリンピック選手にかかるプレッシャーや、リレーで出場した決勝でオリンピック決勝の雰囲気を理解できたことが、次のソウル五輪での金メダル獲得に役立ったとのことでした。

当時は日本の水泳は 16年間メダルが取れておらず、自分たちは世界に通用しないという固定観念があり、メダルを取ろうと思うこと自体が変だったそうです。しかし、そのようなイメージにとらわれることなく、何を言われても突き抜けるくらいの発想で取り組むことで、日本の水泳に久しくなかった金メダルに、ソウル五輪全体で 4つしかない日本の金メダルにつながったとのこと。

その後は指導者の道を進むことになり、ハーバード大学で日本とは違うスポーツ指導を学んで優れた点を日本に取り入れる取り組みを行われていました。指導者として活動していたときに、初代スポーツ庁長官への就任要請があり引き受けるかどうか迷われたそうですが、これは運命であると考えて引き受けることにされたそうです。引き受けて最初の半年は本当に大変だったそうですが、その後は、初代長官なので自分たちで無いところから考えられることもあって、充実した取り組みができたそうです。

データとスポーツにおいては、日本においてもデータを取って分析するトレーニングはあったものの、アメリカでは日本のような経験と勘ではなく、データを用いたより分析的なトレーニングが行われており、どのようなトレーニングをするとどのような能力が身につくかを分析し、それによりトレーニングが取り組まれていたとのこと。

水泳においても、泳ぎのどこが遅く改良すべきかは直観的に指摘されがちだったところ、最初の 15m を「スタート」、その後を「普通に泳ぐ」、45m 以降を「ターン」のセクションに区分して数値で改善点を明らかにしたところ、世界に及ばないと思っていた日本の選手は「普通に泳ぐ」セクションでは海外に劣らないことがわかり、スタートとターンを改良すれば世界で戦えることが解ったりしたそうです。

かつては根性主義があったところ、このようにデータを活用すればどこを改善すればいいか、どこを鍛えればいいかきちんとわかるようになってきています。今ではデータを活用した選手が活躍する時代になっています。

今では選手の背中に GPS をつけて運動量などのデータをずっと蓄積するなど、スポーツではデータは必要不可欠になっており、今や世界のライバルと戦うことは、世界中でどんどん進むデータ活用で自分たちがさらに先んじるような競争でもあるとのこと。今ではスポーツ界には大量のデータがあり、コーチやアスリートだけではなく、エンジニア、データサイエンティスト、科学者などが協力して取り組む時代になっているとのことでした。

鈴木さんは現在、順天堂大学に在籍しつつ、このようなスポーツとデータのプラットフォームを産業として育て、様々な分野の人の参画を促して強みを持ちより、スポーツのみならず社会の課題を役立てる基盤とすることに取り組んでおられ、大学でもデータサイエンス学部を作ってデータの専門家を育てようとしているとのことでした。

また、データ活用では自分の思ったこととデータのすり合わせが大事であり、やるぞという気持ちやビジョンを示す取り組み以外に勝算があることも必要であり、世代や部署が違ってもデータは共通でありデータに基づけば話しやすいとのことでした。

アメリカではスポーツ産業は自動車産業の産業規模を超えているとのことでした。当日に来場いただいた多くの方々に対しても、このように多くの方が来場するくらいに盛り上がっているデータ活用の盛り上がりにスポーツ界もぜひ混ぜてほしい、スポーツ界には多くのデータが蓄積されており、知見を一般でも役に立ててほしい。ぜひこのような取り組みに様々な分野から参加してほしいとのことで、ぜひ興味のある方は順天堂大学の窓口に連絡してほしいと熱をこめて訴えられていました。

基調講演
DX のバラバラを、スルスルに。データ活用へはデータ連携から。

葉山 誠
株式会社セゾンテクノロジー 代表取締役 社長執行役員 CEO

弊社から私たちの取り組みについて紹介いたしました。

まず葉山から、イベント自体について紹介をさせていただきました。

このイベントが始まったのは 2011 年、当時は「HULFT DAY」(単数形)で一日だけの開催、来場者も 100 人程度でした。それが今では大ホールが満員になるほどでの複数日開催のイベントになりました。

今回イベント名を「HULFT Days」から「HULFT Technology Days」に変更しましたが、それは社として「テックシフト」への取り組みへの一環であり、IT 企業として技術的な強みに再度力を注ぐことによるものです。さらには、2024 年 4 月からは「セゾンテクノロジー」の社名も「セゾンテクノロジー」に変更することが発表され、新しい社のロゴも紹介されました。

セゾングループの伝統的な良さに、「テクノロジー」を合わせた新社名であり、ロゴも「セゾン」の伝統的なロゴを生かしつつ新しい想いをこめたロゴを追加したものです。OLO の部分が「笑顔」に見えるようにデザインしており、データを「つなぐ」ことでみんなの笑顔が広がっていくような未来ができることをイメージしています。

石田 誠司
株式会社セゾンテクノロジー 取締役 常務執行役員

弊社石田から、新しく作った「プロモーション動画」や弊社の「つなぐ」技術についての考え、および今後の取り組みについて紹介をさせていただきました。

「シカない」が口癖の鹿のキャラクターが出演して、データ連携や「つなぐ」技術の必要性を訴える、HULFT Square のプロモーション動画を紹介させていただきました。動画の再生が終わったあと、弊社の石田が撮影で用いたその「シカの被り物」をもって壇上に登場しました。

HULFT はとうとうリリースから 30 年を超えました。古い製品で過去のものというイメージをお持ちの方もおられるかもしれませんが、実は今でも売り上げは伸び続けています。決して過去の製品ではありません。
また昨今では、各社がクラウドサービスの利用で感じているかについての調査結果においても「システム間連携」を課題とするテーマが多いなど、「つなぐ」ことは今まさに時代が求めている解決策であると言えます。

また昨今、各社ではクラウド活用が進められており、様々なクラウドサービスが導入され活用されるようになりつつあります。結果、多くの用途で多くのサービスが導入され、それらの連携をどうするか、あるいはサービス間の分断などをどうするかという議論もあります。

そのような混乱を嫌って、SaaS 全社を統一にしようとか、現場が創意工夫で導入して活躍している SaaS を野良 SaaS として無くそうとするような動きもありますが、それではクラウド活用の成果が出にくくなります。そこで必要になるのは、現実的に多くの SaaS がある現状でそれら「バラバラ」になった IT をスルスルと「つなぐ」ことができる HULFT Squareなどの iPaaS です。

また昨今世間で話題になっているのは、内製化の取り組みです。製品導入理由のアンケートにおいても内製化に関連するノーコードやローコードの回答がとても多くなっています。

内製化はノーコード製品を導入してただ取り組めば成功するわけではありません。例えばデータ基盤なら何をどのように作ればよいのか、また社内で内製化の取り組みが無秩序化しないためにはどうしたらいいのかなど、難しいことがあります。

そこで提供しているのは、「つなぐ」プロダクトの提供だけではなく、データ連携基盤を内製化するにあたってどうすればよいかのコンセプトデザインサービスの提供、および内製化が出来るエンジニアを育てる技術者のトレーニングサービスです。内製化を支援するためにこれらを併せて提供しています。

また昨今、生成 AI が大きな話題になっており、こちらの導入支援も行っています。皆さんが使い慣れていてスムーズに活用できる Slack から生成 AI を利用できるようにします。

一般的な生成 AI の活用以外にも、例えば DWH(データ基盤)上にあるデータへアクセスして利用する際に、BI ツールを自分で使って分析する手間の代わりに、生成 AI に依頼することでデータを参照して分析する SQL を生成し、データを利用できる活用例があります。

また新製品 HULFT Square だけでなく、既存の HULFT 製品や DataSpider も引き続き製品の強化を続け、製品群を組み合わせた活用の提案を行っていきます。様々な状況を横断して利用できる「つなぐ」製品群、例えば業務・業種・国や国境をまたぐデータ連携を自在に実現できるプラットフォームとして活用できるように取り組んでまいります。

有馬 三郎
株式会社セゾンテクノロジー 執行役員 CTO

次に弊社 CTO の有馬から、生成 AI など最新の話題から今がどうなっているかについて発表がありました。生成 AI も破壊的変化ですが、DX とはデジタルが自分たちのビジネスを破壊的に変革することへの備えのことでもあります。生成 AI がブームになることで、流行語としての DX がかすんできて、そのことにより各社の DX が実際にどれだけ取り組まれているかが見えるようになってきたのではないかとのことでした。

クラウドや SaaS の活用はもはや当たり前になり、そのような状況になると、旧来のように要件定義をして開発に三年かかる、ような IT 活用スタイルではなく、もっと短いサイクルでリリースして改良を続ける取り組みが求められるようになります。アジャイル開発などの開発手法が求められるようになっています。

開発に三年どころではなく、先進的な IT 企業ではリリースサイクルが非常に短くなっており、毎日リリースする、あるいは日々何回もリリースするようなことにもなってきています。

そうなると IT の運用も変わらざるを得ません。クラウドネイティブなソフトウェアアーキテクチャ、自動化や DevOps などの新しい取り組みが必要になってきます。

生成 AI の活用を試してみるものの、どうも使ってみると生成 AI はウソをつくなど問題があります。そうなると、DWH に入っている自社にとっての事実のデータを生成 AI で参照できるようにする(ベクターストアに格納して)ニーズが出てきたりします。

このようにDWH にデータを溜めるまでよりもその先の下流側、DWH と業務との間にこそデータ活用の鍵があるのではないか。

データ活用やデータ基盤の整備が進むにつれ、基幹システムなどから DWH などのデータ基盤にデータが投入されるまでは整備されるようになってきたものの、その下流側ではデータの発生タイミングや内容などが多様であり、業務にあわせてシステムを短いサイクルで開発し直すことも求められます。

そうなると、うまくデータ活用をするためにはアジャイルな取り組みや内製開発が必要になってきます。

また、間もなくリリースされる予定の HULFT10 について、新バージョンでの考え方も紹介しました。クラウドが登場するよりもはるか前からある HULFT ですが、30 年の変化で発生している技術的な制限事項を今にあわせてよりいっそう取り除き、クラウド時代こそ HULFT が自在に活躍できるようにすべく機能開発が現在行われています。

コンテナでの利用などクラウドネイティブなアーキテクチャのシステムでもスムーズに利用できるようにすること、インターネット回線経由での転送をよりスムーズかつ自然な利用感で行えるようにすること、ファイル連携だけではなく転送の前後で API 連携と組み合わせられるようにして API 連携とシームレスに利用できるようにすること、スモールスタートで小さく利用開始できるように購入方法を新しくすることなどの改良を行っています。

iPaaS である HULFT Square の機能改良も継続して行い、年に四回のリリースを継続します。2023 年上半期ではグローバル対応や SaaS 対応の強化、セルフ IT 機能の強化を行いました。2023 年下半期でも引き続き、通知機能の改善、UX 改善、さらには新機能の「アプリケーション」機能のリリースも予定しています。

アプリケーション機能は、HULFT Square 上の開発環境において、開発済みの状態で用意された連携スクリプトを呼び出して利用できる機能で、これを利用することにより自分で最初から連携処理を開発することなく、連携処理を効率的に開発することが可能になります。

DataSpider の機能改良も引き続き行っています。Studio for Web の機能強化を行ったほか、業務自動化などで広く利用いただいている box アダプタに新機能を追加するなどの機能強化を行っています。

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