HULFTイベントレポート:第17回
「HULFT Technology Days 2023」
今年も開催しました!(Business Day:その1)

2023年の11月に、3日間にわたって開催しました「HULFT Technology Days 2023」から、二日目の内容を引き続いてレポートいたします。

特別講演
頑張ろう日本 デジタル化で競争力のある日本再び

平井 卓也 様
初代デジタル大臣 衆議院議員

二日目は最初に、日本政府が日本のIT化やDXの推進に取り組む省庁として設置したデジタル庁、そのデジタル庁の初代大臣を担当した衆議院議員の平井卓也氏に登壇を頂きました。これからの日本のデジタル政策や世界における日本の立ち位置について、語っていただきました。

リープフロッギング

トルコやアルバニア、ともすると日本よりも遅れていると考えられる国を訪問したところ、デジタル化では日本をはるかに超えていたそうです。例えばトルコの大病院では完全ペーパレス化ができており行列もない。スマホで予約して診療でき、そのまま会計できるので会計を待つ必要もなかった。アルバニアでもスマホで2000以上の行政手続きができてしまうそうです。

なぜそんなことができたのでしょうか、平井議員はリープフロッギングという言葉で説明されていました。日本よりも社会インフラが遅れていたので、むしろ一気にデジタル化できたという説明です。アフリカやアジアで実際に起こったことから出来た言葉で、例えば固定電話も無いような社会が中間段階を一足飛びに飛び越してスマートフォンが普及した社会になるような現象があり、カエルが大ジャンプするようなイメージでリープフロッギングと呼ばれることがあります。日本は後進国だと思いこんでいる国にそうやって一気に追い越されつつあるかもしれないのです。

日本のデジタル化が遅れている原因

では、デジタル化で日本が遅れているのはなぜでしょうか。昔からある社会インフラがよく整備されているからではないか、とのこと。紙の保険証で病院を利用し、現金で決済するようなデジタル以前のやり方で特に不便を感じないから、デジタル化に期待を抱かなかったのではないかとのことでした。

困っていないからと今のままで何も問題がないわけではなく、日本では紙の保険証は毎年20億回使われていて、そのうち500万回程度は事務的なミスがあって医療機関に差し戻しがあります。紙ベースで人が事務作業しているからミスが起こりますし、保険証の利用に際しても本人確認はしっかりできていません。

日本の競争力と現状維持のリスク

日本は30年前にはIMDの「世界競争力年鑑」のランキングで世界一位だったことがありますが、今では35位になっています。今の日本の閉そく感は日本の競争力が低下していることが原因ではないか、との意見でした。デジタル競争力ランキングも30位程度に落ちており、その原因は日本以外の国が頑張っているのに日本が以前のままだからだと考えているそうです。

日本はデジタル化で世の中が変わることにきちんと取り組んでこなかったところがあるのではないか、政府もそうだし企業もそうではないかとのこと。日本に長寿企業が多いのは良いことだけれども、競争力を上げるために企業の中身を変えるトランスフォームができていなかったのではないか。高齢化でも成長するには人への投資やデジタルへの投資が必要のはずで、現状維持のリスクを国民に説明する必要があり、マインドセットを変えてもらう必要があるとのこと。

しかもデジタルに関する取り組みを何もやっていなかったわけではありません。例えば光ファイバ網は世界有数に整備されていたけれど、優れたインフラの活用ができていませんでした。コロナ禍のリモートワークでデジタルのつながる力を皆さん体感したはずだけれども、ずっと前からそれができるだけのITインフラが日本の津々浦々まで整備されていたのに十分に活用されてきませんでした。

これからはデータの時代、日本企業にはなんとか頑張ってほしい

2016年に官民データ活用基本法を作りました。これからはデータが新しい価値を生む時代ですが、データをどうやって作ってゆくか、データ利活用やデータの価値とは何かということが官民で共有できていませんでした。デジタル庁では、国全体のDXを進めています。無駄の多かったIT調達を一元化して最適化し、国や自治体でもこれからのITは「クラウドを前提」として変えてゆきます。しかも日本では「既にあるもの」を変える必要があり、無いところから作るよりも大変なところがあります。

また、行政のワンストップサービスを提供するためにデータ連携の必要性を感じています。データは連携することで新しい価値を生みます。行政でも、災害対応や子育て支援でデータ連携基盤は重要だと考えています。また、経済安全保障を考えると日本のメーカーが基幹システムの中に残っている必要があります。ですから、ITや情報連携の分野でも日本企業に頑張ってほしいと考えています。今日はそう思って皆さんに話をさせていただきました。ぜひとも日本企業は世界で頑張ってほしい。

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"DX" to "SX" - ”繋がる”ことで実現する次世代経理を見据えた業務基盤とは –

平松 瑞基 氏
株式会社コンカー ソリューション統括本部 デジタルエコシステム部 パートナービジネスマネジャー

コンカー社の平松氏に登壇いただきまして、経理でのDXの取り組みについて紹介を頂きました。コンカー社は、ERPで世界的に有名なSAP社のグループ企業で、SAPグループの多数の製品群の中では出張・経費精算の業務領域を担っています。コンカーはすでに世界的に利用されている実績ある製品であり、日本国内でもクラウドサービスの継続利用率が97%であるなど高い支持を受けているそうです。「経費精算のない世界」をスローガンに掲げて、この領域での業務の効率化に取り組んでいます。

昨今、世の中はITが前提になり、従来とは違う世界になりつつあると言われます。第四次産業革命であるとかDXに取り組む必要性が訴えられたりもします。しかし、何かしら取り組まなければいけないことは解っていても、どこから何をどう取り組んだらよいのかはわかりにくく、困っているところも多いのではないでしょうか。

平松氏は、経費精算でDXに取り組むことを勧められていました。なぜなら多くの部門が関係することであり、短期間で成果を上げやすく、なおかつ改善の効果も体感しやすいからだそうです。DXでは小さくても時間をかけずに成果をまず出すことが活動を続けるために大事だとも言われますが、経費精算のデジタル化に取り組むことで最初の成果が上げやすくなる可能性があります。

コンカーでは「キャッシュレス」「入力レス」「ペーパレス」「承認レス」「不正レス」「運用レス」の六つの「レス」を打ち手として提供に取り組んでいるそうです。

経理業務というとどうしても紙での処理が残りがちですが、それではリモートワークに支障が出てしまいますし、これからはペーパレス化が必要でしょう。入力レスというのは交通費の支出データを自動取得して自動で経費申請すれば、手入力の手間が必要なくなるような効率化です。また、コンカー自身が金額や設定ルールに基づいて自動承認する機能を持つことで、承認処理の手間を減らしています。さらには自動承認しない場合でも申請での入力ミスの自動チェックと差戻しは行い、人による承認作業もクラウドやモバイル経由で効率的に実施可能にして効率化します。また、利用実績・予算実績を見える化することで不正を防止し、予算進捗も見える化し集計作業も不要にしています。

さらには経費処理だけではなく、その活動に伴うCO2排出量の自動計算など、今後企業に義務付けられる流れである温暖化ガスの排出に関する報告や削減の取り組みを支援する仕組みがあり、DXのみならずSX(S:サステナビリティー)の実現も支援することができます。

セッションでは弊社の佐竹も登壇させていただき、コンカーとデータを「つなぐ」製品を組み合わせて活用する取り組みも紹介させていただきました。

経理に関連するデータやシステムの機能は社内に多数あるシステムに散在しています。データ連携ツールがあれば、コンカー上のデータと紙やPDFの突合作業の自動化や、経費精算データをBIツールなどデータ分析基盤に連携して高度な分析をすることもできます。他にも、購買に関連するシステムからコンカーへの購買データの自動連携、コンカーでの経費精算を会計管理や決算管理システムに自動連携するようなユースケースでも両製品を組み合わせて活躍させることができます。

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脱炭素経営を加速化させる炭素会計プラットフォーム Persefoni のご紹介

坂本 晃一 氏
Persefoni Japan 合同会社 セールス アカウント・ディレクター

武藤 伸之 氏
Persefoni Japan 合同会社 プロダクト プロダクト・ディレクター

引き続いて、地球温暖化対策に関係するデータ活用の話です。環境問題と聞くとどうしても心がけの話に思えたりしますが、実はデータ活用が重要な要素になっています(HULFT Days 2023 一日目の記事もご覧ください。

開催一日目:その3のレポートはこちら

温暖化対策はすでに企業において実務上の対応が必須な状況になりつつあります。例えば東証プライムに上場している企業は、温暖化ガスの排出状況などを実質的に開示する義務を負うようになりました。このため従来的な、消費者や社会に対する企業イメージなどを意識したような取り組みだけではなく、財務に関する報告義務のような形でサステナビリティー関連情報の報告義務が生じつつあります。さらには企業への投資もそのような開示情報を参考にして判断がなされる状況が近づきつつあります。

温暖化ガスの排出状況の把握には、企業の全活動とそれに伴う排出量だけでなく、消費するものや購買するものの把握とその生産に伴う排出量も考慮が必要で、グループ企業や取引先との間で必要な情報を交換する必要も生じてきます。さらには排出量計算に手間がかかるだけでなく、国際的に様々なルールがあるので、それらに沿って正しく算定することは容易ではないことです。そこで対応ソリューションが提供されるようになってきています。

Persefoni社では国際的なルールの専門家が社内におり、専門家の知見に基づいて国内外の基準に沿った正確な排出量の計算が提供可能になっています。利用者は専門知識がなくても、Persefoniのプロダクトを利用するだけで正確な結果を簡単に得ることができます。

さらに問題になってくるのが、計算に必要な多くのデータを社内のあちこちから集めてくる作業です。自社の全活動に関するデータが必要になり、取引先のデータまで必要になってくるので大変です。従来はExcelで大量のデータを集める大変な作業が行われていることがどうも多かったようです。

そこで活躍できるのが、弊社のHULFT SquareやDataSpiderなどの「つなぐ」製品になります。多種多様なシステムにデータ連携し、必要に応じてデータの前処理や形式変換をすることができます。両社の製品を組み合わせることで、HULFT Squareでデータ収集を大幅に効率化し、集めたデータは形式を加工してPersefoni社のシステムに連携して正確な算定を実施できます。さらには、得られた結果を外部に報告や連携する作業もHULFT Squareで自動化できます。

また本来、温暖化ガスの排出状況は報告して終わりではいけません。Excelで作業している場合にはデータを集めてきて計算するだけで力尽きてしまいますが、本当にすべきことはその先です。排出状況がどうなっているか分析を行い、どのように改善すべきか検討して改善計画を立てて実施することです。適切に自動化を行い、自社で本当に取り組むべきことに注力できるようにする必要があります。

お客様事例 地方自治体 データ基盤
遠くにいくため?スモールスタートから始めてみたデータ連携

永野 喜代彦 様
長野県 企画振興部DX推進課 課長

引き続いて、長野県でのデータ連携基盤やDXの取り組みを紹介いただきました。

昨今では様々な組織でDX的な取り組みが進められていることだと思いますが、うまく行っているケースは多くないはずです。取り組みがうまくスタートできない、とりあえず始めることは出来たが理解が得られずに続けられなかった、何とか取り組みを行っているが限定的な状況から広がって行かない、などがありがちな状況でしょうか。長野県での取り組みは、そのような悩みに対して具体的にどのような取り組みが可能か、参考になる例に思えました。

小さく始めて成果を出す

着手したものの、取り組みへの理解が得られず続けられなくなることは、残念ながらありがちなことのようです。そのような失敗を避けるために、まずは小さく始めて、小さい成果をすぐに出すことが大事だと言われることがあります。

長野県での取り組みでは、取り組みを開始する必要性がとても明瞭でした。県を襲った大洪水があり、今後同じようなことが起こらないようにする必要があり、洪水対策のためにITを使って新しい取り組みを始めるところから着手しています。

洪水発生は事前に解らなかったのでしょうか。これまでも洪水予報はあったものの、最長でも6時間前で、そこからでは対応できることが限られていました。そこで東京大学とJAXAが協同で取り組んでいる、最長で39時間前から洪水予測ができる新システムの研究に長野県も関与することにします。

長野県は水位データなどを提供して洪水予測の研究に参加することと、早期の洪水予報が可能になったとして長野県の各市町村でどんな対策がとれるかを検討して、洪水対策の成果につなげることで取り組みました。しかしながら、長野県は77もの市町村を抱えており、水位データなどの取得についても、洪水予報からの打ち手の実施についても、多数の組織と分散したデータでの取り組みが必要になりました。そこでDataSpiderを用いて長野県の水位の情報を集めたデータ基盤の構築と、洪水の早期予報機能(TE-J)とそれを用いた被害予測機能(cmap)を市町村の担当者にもわかりやすく使いやすいユーザインタフェースで提供することに取り組みます。

県全体で利用できるデータ基盤

DXで良くある悩みに、取り組みが広げられない問題があります。せっかく良い取り組みがスタートできたのにそこから協力が得られない、いろいろな手間がかかって取り組みが進められないなどの問題です。こちらについても、長野県では参考になる取り組みがなされています。

長野県においても、取り組みを県全体に広げることは容易ではないことでした。77もの市町村があり、県自体にも各市町村にも予算も人員も十分ではありません。取り組みがスムーズに広がることが自然に期待できる状況ではありません。さらには、水位情報や洪水予測の共有はDXの取り組みの取っ掛かりに過ぎず、県の未来のためにITですべきことはもっと先にあります。

洪水対策に取り組む必要という解りやすい理由により、水位や雨量のデータ基盤の実現と取り組みをスタートすることへの理解を得ています。そうやって稼働したデータ基盤を足掛かりにして広げていって、県の未来のために多くの分野で利用できる総合的なデータ連携基盤を実現しようと取り組みが進められています。

データ収集がスムーズに始められる配慮もなされています。対象となるデータはオープンデータ(水位も雨量もそうです)で取り組みをはじめています。もともと公開を意図したデータですから市町村において「このデータは公開していいだろうか?」の確認で無駄な時間がかかりません。またデータ保護などデータの取り扱いにも注意が必要ありません。早く進められます。

また、データ連携をするために所定の形式でデータをくださいとかAPIを作ってくださいとも言いません。システム改修の手間や予算の負担をかけることになって進まなくなります。すでにWeb上にてHTML等で公開されている情報をWebクローリングで取得することにしました。それならば「取得していいか?」とお願いをして許諾を得るだけで即実行できます。

今すぐ問題なく利用できるデータを、相手に何も負担をかけない方法で取り組む大変に現実的な配慮であり、小難しいDXの計画を会議室の「べき論」だけで立ててたちまち頓挫しているような話と比べると、はっとさせられるところがあります。

そしてもう一つの工夫が「ローコードツール」の利用で、弊社のDataSpiderを活用いただいていることです。このような取り組みでは最初に予算が取れても、その後どうなるのかわからないことが多々あります。しかも、前例のない取り組みともなれば、あとからやらなければいけないことが出てくることも当然起こりうることで、何かあるたびに追加開発の予算では取り組みがスムーズに進められなくなります。

そこでデータ基盤として「DataSpider」を導入して基本的なデータ基盤機能を構築、その後は県職員による内製での取り組みを進めることにしました。GUIだけで使えるローコードツールであることから問題なく使いこなすことができ、その後の細かい機能追加は県職員が自分で行えることが多くなりました。さらには、県職員がITスキルを向上させて内製化力を向上させることにもつながっており、経費削減だけでなく職員のデジタルスキルの向上にも貢献することとなりました。

お客様事例 製造業
DX牽引のためのデータ連携基盤「標準化」メソッド

加藤 弘通 様
ダイキン情報システム株式会社 開発1部 部長

村上 遼 様
ダイキン情報システム株式会社 基盤運用部

次は、DX推進、あるいは昨今のIT利活用にそもそも必要になるデータ連携基盤の導入について、どういう考え方で製品選定を行えばよいかの事例を紹介いただきました。

その前にまず、どうしてデータ連携基盤が必要になるのか再確認しておきましょう。

新しい取り組みが求められる時代、ビジネスがITと一体不可分になった時代においては、新しいビジネスの取り組みには新しいITシステムの導入が必要になります。しかも素早い取り組みが求められる時代、各部門が必要に応じて素早くクラウドサービスを導入して利用するようなことが求められつつあります。しかしその結果、社全体では様々なITが導入された状態になりがちです。

そのような状態を嫌って、全社でITを統一してそれ以外の利用を禁止するとか、外部から全社巨大パッケージソフトを導入して旧システムは一気に廃止みたいな勇ましい提案がされることもあります。しかし、営業部と技術部門が利用する理想的なクラウドサービスは同じとは思えないように、各部門が業務の特性などに応じてクラウドを利用することが望ましいはずです。

現実的には、部門ごとに必要なITが導入されている強みを生かした上で、各システムをしっかり連携させることで全体としての秩序や効率を維持する「データ連携基盤」が必要になってくるでしょう。また、連携基盤を活用すれば、昔から稼働している実績あるシステムも無理に更改せずに良さをうまく生かすことができます。さらには、システムを統一するような考え方では、(これからますます必要になる)他社システムと自社システムをうまく組み合わせるような試みは難しいはずです。

では、そのようなDX推進やIT利活用にとって大事なデータ連携基盤、どのようにして選定すればよいのでしょうか。検討にあたり様々な議論があったそうですが、それを踏まえて三つのポイントに整理いただき、それを発表頂きました。

機能面(ツールのポテンシャル)

機能面(ツールのポテンシャル) 最初に挙げられていたのは機能面での検討です。「他ツールとの組み合わせ・主要ソフトとの連携」「今後の拡張性、現在の課題への対応」が挙げられていました。

昨今ではデータを連携できると言っているソフトウェアやクラウドサービスは多くあります。しかし今風のUIで簡単なことが簡単にできるがそれ以上のことはできないとか、流行のクラウドサービスにはつながるが、企業システムで伝統的に使われているパッケージ製品やメインフレームのような連携先には全くもって対応していないようなことは、残念ながらよくあります。また、海外にも拠点がある企業なら、海外でのサポート体制があるかどうかも気になるところです。

例えばHULFT、今でも日本中で広く利用いただいていますが、HULFTとの連携が必要であれば開発元が同じである弊社製品は当然検討いただくことになると思います。また、連携に伴ってデータの前処理や加工などを本格的に作りこめる機能がなければ、変換処理を必要とする連携が実現できないだけでなく、何かあった時に作りこんで対応することができず詰んでしまうこともあります。さらには、登場したばかりの最新サービスなど接続アダプタがまだない接続先でも、高い作りこみ能力があれば作りこんで連携できることが見込めるようになってきます。

開発生産性・開発スキル

しかしながら機能が強力であることだけで検討すると、プログラミング言語で開発すれば良いということになってしまいます。自社エンジニアによる内製で縦横無尽に最新ITを使いこなすようなことは理想的でもありますが、人員確保の現実性においても、人員がいても開発工数がかかりすぎることが多い問題などで現実的ではないところがあります。

つまり、データ連携基盤を担う手段には、開発生産性や人員のスキルの問題への配慮も必要になります。簡単に使えるが簡易なことしかできないツール、高度なことができるが結局ソースコードを書くことが必要になるツールがあって、それだでは問題があることも考慮する必要があります。

十分な能力を持ちながらGUIだけで利用できるなど開発生産性が高いこと、作ったものを他の人が見て理解して開発しやすい理解容易性、トレーニングなどによる開発スキル獲得が広い人員で可能であるなど人員育成が容易であるかどうか、パートナー企業の人員の活動が十分できるかなど、大規模な開発やアウトソースが容易かも検討する必要があります。

運用面

開発した後、システムを稼働させて運用する状態でしっかり使えるかも考えておく必要があります。エラーの検知や通知など運用監視の仕組み、既存の運用基盤との連携がうまくできるか(既存の運用自動化の仕組みとの親和性など)、また対応の必要性があるのであればJ-SOXへの対応ができるかなども検討しておかないと重要システムと連携できなくなってしまう可能性もあります。

簡単に使えることを謳う連携ツールでは、民生品のアプリケーションの延長で作られている程度のこともあります。運用監視の仕組みだけでなく、例外処理にしっかり対応した作りこみができることや、どうしてもシステムは障害を起こってしまう現実への考慮、障害発生時に何が起こり処理はどこまで正常に進み何が失敗したのかなどがしっかりログが残って確認でき、復旧作業ができることなどが考慮されていないこともあります。

社内に以前からあったDataSpider

またDataSpiderは、社内の個別システムの一部としてもともと4本導入されていたものが、いわば連携基盤技術の選定過程で再発見され、全社データ連携基盤として成功している例であることも注目すべきことだと思います。

例えば、営業部のシステムのためにSalesforceとkintoneを連携する手段としてDataSpiderが導入されているようなことは、結構あることだと思います。このような個別システムの連携ニーズを実現しているDataSpiderを全社展開することで、全社でのDXを担うデータ連携基盤に引き上げられた例と言えます。実際に「全社DataSpider」と呼ばれるようになるなど、全社的にデータ基盤としてDataSpiderが認知されるようになりつつあるそうです。

もし御社が弊社の「つなぐ」製品を個別システム用に導入いただいているなら、それを全社展開することで全社的なDXの問題を解決した「成果」を上げることができるかもしれません。

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