配信管理情報の項目一覧

配信するファイルのファイル情報を登録します。登録方法は、「配信管理情報を操作する」を参照してください。

項目一覧

表4.23 配信管理情報項目一覧

項目名

省略時の値

設定値

省略

備考

ファイルID

 

英数字および“_”

×

50バイト以内

コメント

 

英数字、半角カナ

60バイト以内

基本設定

 

汎用機DSN

 

英数字

×

44バイト以内(*1)

転送タイプ

TEXT

(*2)

×

M/フォーマットID

 

英数字および“_”

50バイト以内

圧縮方式

圧縮なし

(*2)

×

(*3)

コード変換

配信側

(*2)

×

EBCDICセット

自動

(*2)

 

配信ファイルの扱い

保存

(*2)

 

ボリューム通番

 

英数字

6バイト以内

転送方法

ワークファイル

(*2)

 

ワークボリューム通番

 

英数字

6バイト以内

容量

CYL

(*2)

 

一次要求量

5

1~9999

 

増分量

3

0~9999

 

装置台数

1

1~59

 

転送グループID

 

英数字および“_”

×

50バイト以内

配信前ジョブID

 

英数字および“_”

50バイト以内

正常時ジョブID

 

英数字および“_”

50バイト以内

異常時ジョブID

 

英数字および“_”

50バイト以内

拡張設定

 

連携DBID

 

(*2)

「CSV」の文字列のみ(*4)

転送間隔

0

0~32768

単位:10ミリ秒

転送優先度

50

1~256

 

転送ブロック長

0

0、128~65520

単位:バイト数

転送ブロック数

0

0~99

 

シフトコードの扱い

カット

(*2)

 

後続文字カット

カットしない

(*2)

 

UNIT

 

英数字

8バイト以内(*5)

順序番号

 

1~9999、
スペース

 

RDW付配信

しない

(*2)

 

暗号キー(高強度暗号強制モードが無効)(*6)

 

 

英数字

8~20バイト

暗号キー(高強度暗号強制モードが有効)(*7)

16進文字列

×

64桁

:

省略可

×

:

省略不可

*1

:

HULFT for XSPに接続する場合、26バイト以内で指定します。

*2

:

HULFT Manager管理画面の場合、プルダウンリストから設定値をクリックします。

*3

:

HULFT10のEnterpriseグレードを導入している場合のみ“3(DEFLATE圧縮)”を設定できます。

*4

:

転送タイプに“FORMAT”または“MULTIFORMAT”を設定した場合に指定できます。

*5

:

HULFT for XSPに接続する場合、4バイト以内で指定します。

*6

:

以下の場合に設定できます。

  • 接続先のHULFTがVer.8.4.0未満

  • 接続先のHULFTがVer.8.4.0以降で、かつシステム動作環境設定の高強度暗号強制モード(STRONGKEYMODE)に“0(無効)”が設定されている

*7

:

以下の場合に設定が必要です。

  • 接続先のHULFTがVer.8.4.0以降で、かつシステム動作環境設定の高強度暗号強制モード(STRONGKEYMODE)に“1(有効)”が設定されている

各項目の説明

配信管理情報に設定する各項目について説明します。

ファイルID

配信するファイルを認識するためのID

50バイト以内の英数字および“_”で指定します。

コメント

配信ファイルに対するコメント

基本設定

汎用機DSN

Mainframe上に格納されている配信するファイルのデータ・セット名

Mainframeのデータ・セット名の命名規約に従って指定します。

転送タイプ

配信するファイルの転送データ形式

FORMAT

: フォーマットデータ

BINARY

: バイナリーデータ

TEXT

: テキストデータ

MULTIFORMAT

: マルチフォーマットデータ

M/フォーマットID

配信するファイルのフォーマット、またはマルチフォーマットが登録されているID

フォーマットIDの詳細は、「フォーマット情報の項目一覧」を参照してください。

マルチフォーマットIDの詳細は、「マルチフォーマット情報の項目一覧」を参照してください。

転送タイプが“FORMAT”の場合はフォーマットIDを指定してください。

転送タイプが“MULTIFORMAT”の場合はマルチフォーマットIDを指定してください。

圧縮方式

ファイルを転送するときの圧縮の種類

圧縮なし

: 圧縮なし

横圧縮

: レコード内圧縮

縦横圧縮

: レコード間圧縮

DEFLATE圧縮

: DEFLATE圧縮

コード変換

配信するファイルのコード変換の指定

配信側

: 配信側ホストで変換

集信側

: 集信側ホストで変換

無変換

: 変換せずに配信

EBCDICセット

1バイトコードを変換するときに使用する、配信側ホストのEBCDIC系コードセット

  • 自動

  • カナ文字

  • 英小文字

  • ASCII

  • ASPEN

  • IBM英小文字

  • IBM英小文字拡張

  • NECカナ文字

  • IBMカナ文字拡張

  • ユーザーテーブル1

  • ユーザーテーブル2

  • ユーザーテーブル3

省略すると“自動”が設定されます。

この設定は、集信側ホストがEBCDIC系コードセットで配信側変換の場合に有効です。

配信ファイルの扱い

配信ファイルの配信中の排他制御と、正常終了したときの処置

保存

: 配信中または配信ワークファイル作成中はロックを行わず、正常終了後ファイルを保存

クリア

: 配信中または配信ワークファイル作成中はロックを行い、正常終了後0バイトファイルになる

削除

: 配信中または配信ワークファイル作成中はロックを行い、正常終了後ファイルを削除

ロック

: 配信中または配信ワークファイル作成中はロックを行い、正常終了後ファイルを保存

省略すると、“保存”が設定されます。

ボリューム通番

配信ファイルが格納されているボリューム通番

Mainframeのボリューム通番の命名規約に従って指定します。

転送方法

配信ファイルを配信するときの転送方法

直接

: ワークファイルを作成しないで配信ファイルを直接転送

ワークファイル

: 配信ファイルからワークファイルを作成し転送

省略すると、“ワークファイル”が設定されます。

ワークボリューム通番

配信ワークファイルのボリューム通番

Mainframeのボリューム通番の命名規約に従って指定します。

容量

配信ワークファイルのスペース単位

CYL

: シリンダ

TRK

: トラック

省略

: 省略(自動計算)

省略すると、“CYL”が設定されます。

一次要求量

配信ワークファイルの一次要求量

省略すると、“5”が設定されます。

増分量

配信ワークファイルの増分量

省略すると、“3”が設定されます。

装置台数

配信ワークファイルのマルチボリューム装置台数

省略すると、“1”が設定されます。

転送グループID

配信するファイルの配信先が登録されているID

転送グループIDの詳細は、「転送グループ情報の項目一覧」を参照してください。

配信前ジョブID

配信を行う前に起動するジョブID

ジョブIDの詳細は、「ジョブ起動情報の項目一覧」を参照してください。

省略すると、ジョブ起動はされません。

正常時ジョブID

ファイルの配信が正常終了したときに起動するジョブID

ジョブIDの詳細は、「ジョブ起動情報の項目一覧」を参照してください。

省略すると、ジョブ起動はされません。

異常時ジョブID

ファイルの配信が異常終了したときに起動するジョブID

ジョブIDの詳細は、「ジョブ起動情報の項目一覧」を参照してください。

省略すると、ジョブ起動はされません。

拡張設定

連携DBID

配信されたデータの集信側での連携

CSV

: 集信側で集信ファイルをCSV変換する

集信側(UNIX、Linux、NonStop、およびWindows)で集信ファイルをCSV形式受信する場合、“CSV”を指定します。

省略すると、CSV形式受信は行われません。

連携する場合は、転送タイプに“FORMAT”または“MULTIFORMAT”を指定してください。

転送間隔

1ブロックの転送後から次の1ブロックの転送を開始するまでの間隔

省略すると、“0”が設定されます。

転送優先度

ファイルを転送するときの待ち行列での優先度

優先度は、小さい数字ほど高くなります。省略すると、“50”が設定されます。

転送ブロック長

1ブロックを転送するときの長さ

転送ブロック長転送ブロック数の積が65520を超える値は指定できません。省略すると、“0”が設定されます。

転送ブロック数

一度に転送するブロック数

転送ブロック長転送ブロック数の積が65520を超える値は指定できません。省略すると、“0”が設定されます。

シフトコードの扱い

配信するときのシフトコードの扱い

C(カット)

: シフトコードを削除しデータを詰めた形に変換

S(スペース変換)

: シフトコードをスペースに変換

省略すると、“カット”が設定されます。

後続文字カット

配信ファイルから読み込んだデータの、後続のスペースまたはNULL(X'00')の扱い

ヌルカット

: 後続のNULLをカットする

スペースカット

: 後続のスペースをカットする

両方カット

: 後続のスペースとNULLをカットする

カットしない

: 後続のスペースとNULLをカットしない

転送タイプが“TEXT”以外の場合は、“カットしない”のみ指定できます。

省略すると、“カットしない”が設定されます。

UNIT

配信ファイルが格納されているUNIT名

順序番号

配信ファイルが格納されているテープ装置ボリューム上の順序番号

RDW付配信

転送データにレコード長領域(RDW)を付加するかどうかの設定

する

: RDW付き配信

しない

: RDWなし配信

RDW付配信を行う場合は、転送タイプに“BINARY”を指定します。省略すると、“しない”が設定されます。

詳細は、接続先ホストの「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

暗号キー(高強度暗号強制モードが無効)

データを暗号化するキー

配信するファイルにセキュリティーをかけることができます。相手ホストの集信管理情報に設定されている暗号キーと同じ暗号キーを設定してください。

暗号キーを省略すると、ファイルは暗号化されません。

暗号キー(高強度暗号強制モードが有効)

データを暗号化するキー

配信するファイルにセキュリティーをかけることができます。相手ホストの集信管理情報に設定されている暗号キーと同じ暗号キーを設定してください。

設定時の注意点

ファイルID

ファイルIDに“_INSTANT_TRANSFER_”というファイルIDは登録できません。

汎用機DSN

ファイル名は「'」(シングルクォーテーション)で囲まないでください。

配信できるファイルの詳細は、接続先ホストの「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

世代別データ・セットの相対世代番号および区分データ・セット(PDS)のメンバー名はかっこ付きで指定してください。

ボリューム通番

ボリューム通番を省略すると、ファイルがカタログされているとみなされます。

汎用機DSNに以下のファイルを指定する場合は、ボリューム通番を指定しないでください。

  • VSAMファイル

  • 世代別データ・セット(相対世代番号で指定)

以下の条件をすべて満たすと、配信ファイルは削除されますが、カタログの情報は削除されません。

  • 「ボリューム通番」を指定

  • 配信ファイルの扱いに“削除”を指定

  • 配信ファイルがSMSで管理されていないボリュームにある場合

UNIT

UNITを省略した場合、システム動作環境設定で設定した配信ファイルおよび集信ファイルのUNIT名(INIT-UNIT)の値が使用されます。

ボリューム通番を省略した場合は、UNITの値はカタログから取得されます。以下の値が設定されていても使用されません。

  • UNIT

  • 配信ファイルおよび集信ファイルのUNIT名(INIT-UNIT)

配信ファイルの扱い

  • “クリア”または“削除”を指定した場合、以下のことに注意してください。

    • 配信ファイルにVSAMファイルまたは区分データ・セット(PDS)は設定できません。

    • ワークファイル転送を行う場合、システム動作環境設定の配信後クリアの扱い(CLEARMODE)の設定値によって、配信ファイルのクリアまたは削除のタイミングが異なります。

      • 配信後クリアの扱いに“B”を設定した場合

        配信ワークファイル作成後に配信ファイルがクリアまたは削除されます。配信処理の正常終了または異常終了を問いません。

      • 配信後クリアの扱いに“A”を設定した場合

        配信処理が正常終了した後に、配信ファイルがクリアまたは削除されます。

    • 同報配信は行えません。

      ただし、以下の条件をすべて満たす場合は、同報配信が行えます。

      • 転送方法に“ワークファイル”を指定

      • システム動作環境設定の配信後クリアの扱いに“B”を指定

    • ワークファイル転送で配信側変換を行う場合、EBCDICコードからEBCDICコードへの転送で1バイトコードの変換はできません。

  • “ロック”を指定した場合、同報配信は行えません。

ワークボリューム通番

ワークボリューム通番を省略すると、システム動作環境設定のワークボリュームモード(WORKVOLMODE)により、以下のように配信ワークファイルが作成されるボリュームが異なります。

ワークボリュームモード(WORKVOLMODE)

配信ワークファイルが作成されるボリューム

0(システムのワークボリューム)

ストレージ属性のボリュームとして定義されたボリューム

1(配信ファイルの同じボリューム)

配信ファイルと同じボリューム

容量

容量に“省略”を指定した場合、配信ワークファイルの以下の値は配信ファイルの容量から自動計算されます。

  • 容量

  • 一次要求量

  • 増分量

容量の自動計算は、配信ファイルの容量を元に行われます。

  • マルチボリュームファイルの場合

    使用しているボリューム数を配信ファイルから取得しません。

    そのため、配信ファイルが使用しているボリューム数を装置台数に指定する必要があります。

  • 区分データ・セット(PDS)の場合

    区分データ・セット(PDS)の全体の容量を元に配信ワークファイルの容量を計算します。そのため、配信ファイルの容量より大きな配信ワークファイルが作成される場合があります。

    配信ワークファイルの容量を考慮した上で、ワークボリューム通番に適切な値を指定してください。

  • 配信ファイルと配信ワークファイルの装置タイプが異なる場合

    容量の自動計算をする際、装置タイプは考慮されません。

    そのため、配信ワークファイルやワークボリュームの容量不足が発生する場合があります。

ただし、以下の場合は容量の自動計算は行われません。

  • 配信ファイルの容量の単位がトラックまたはシリンダ以外で作成されている場合

  • 配信ファイルがVSAMファイルの場合

順序番号

順序番号を省略してMTにあるファイルを配信する場合、順序番号が1のファイルを配信します。

装置台数

装置台数は、以下の場合により、指定する値が異なります。

  • 装置台数に“2”以上を指定する場合

    ワークボリューム通番は指定できません。

  • SMSで管理されているボリュームに配信ワークファイルを作成する場合

    装置台数の設定値に従ってマルチボリュームファイルが作成されます。
    ただし、装置台数が“1”のときは、SMSのデータ・クラスの「volume count」の設定値に従ってマルチボリュームファイルが作成されます。

DEFLATE圧縮

DEFLATE圧縮設定時は、転送方法(DIRECT)に“W(ワークファイル)”を指定できません。

コード変換

  • 集信側ホストがVer.8.4未満のHULFT for Maniframeで、かつ、集信側ホストのシステム動作環境設定の転送コードセットに“8(UTF-8)”が設定されている場合、“集信側”を指定することはできません。

  • 配信側ホストと集信側ホストがともにVer.8.4以降の場合、コード変換に“配信側”を指定しても集信側変換に切り替わる場合と、コード変換に“集信側”を指定しても配信側変換に切り替わる場合があります。詳細は「コード変換 マニュアル」の配信側変換と集信側変換に関する説明を参照してください。

転送ブロック長と転送ブロック数

転送ブロック長転送ブロック数に“0"を設定すると、HULFTシステムが転送単位(転送ブロック長×転送ブロック数)のサイズを自動的に設定します。

ただし、転送ブロック長転送ブロック数のどちらか一方のみに“0”を指定した場合は、エラーとなります。

メッセージの置換

メッセージの置換を行える項目は以下のとおりです。

以下の項目に「&MSG0」~「&MSG5」または「&MSGL0」~「&MSGL1」を指定することにより、項目の値は配信要求を実行したときに指定したメッセージや送信要求を実行したときに指定したメッセージに置換されます。

  • 汎用機DSN

  • ボリューム通番

  • ワークボリューム通番

  • UNIT

  • 転送グループID

  • 配信前ジョブID

  • 正常時ジョブID

  • フォーマットID

  • マルチフォーマットID

集信側ホストの言語設定によっては、メッセージの置換が正しく行われず、転送に失敗する場合があります。

メッセージ送信の注意点については、接続先ホストの「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

MT使用時の制限

MTから配信する際には制限事項があります。制限事項の詳細は、接続先ホストの「オペレーション マニュアル」を参照してください。

シフトコードの扱い

以下の設定で配信する場合、システム動作環境設定の配信ファイルのシフトコードの扱い(RECLEN)の値によって、コード変換後のレコード長が異なります。

  • コード変換に“配信側”を指定

  • シフトコードの扱いに“カット”を指定

  • 転送タイプに“TEXT”を指定

シフトコードの変換規則の詳細は、接続先ホストの「コード変換 マニュアル」を参照してください。

コード変換

接続先ホストがHULFT10 for zOSで、システム動作環境設定の転送コードセット(CS4TRNSFR)に“8(UTF-8)”が設定されている場合、HULFT for zOSではコード変換できないため、“R(集信側)”を指定して集信側ホストで変換してください。

EBCDICセット

以下のいずれかの値を指定する場合は、あらかじめEBCDICユーザーテーブルを登録しておく必要があります。

  • ユーザーテーブル1

  • ユーザーテーブル2

  • ユーザーテーブル3

EBCDICユーザーテーブルの登録に関する詳細は、接続先ホストの「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

なお、上記のいずれかを指定するには、条件があります。また、指定可能な条件であっても、配信するとエラーになる場合があります。詳細は、接続先ホストの「コード変換 マニュアル」を参照してください。

「EBCDICセット」を“自動”に設定した場合の動作

EBCDICセットに“0(自動)”を設定した場合、1バイトコード変換で実際に使用されるEBCDICセットの値は、転送のたびに、以下のように決定されます。

表4.24 自動的に決定されるEBCDICセットの値

自ホストの転送コードセット(*1)

EBCDICセット

I(IBM漢字)

F(IBM英小文字拡張)

J(JEF)

A(EBCDICカナ文字)

*1

:

自ホストの転送コードセットは、システム動作環境設定の転送コードセット(CS4TRNSFR)に指定した値です。

HULFT for MSPおよびHULFT for XSPの場合は、“J(JEF)”固定です。