集信管理情報

集信するファイルのファイル情報を登録します。以下の登録方法があります。

(1) 項目一覧

以下の表の「省略」は、HULFT管理画面による登録の場合の値です。コマンド登録の場合、省略可否がHULFT管理画面とは異なる場合があります。

コマンド登録の場合の省略可否については、「管理情報バッチ登録コマンド」を参照してください。

表2.3 集信管理情報項目一覧

項目名

初期値

設定値

省略

備考

画面

ファイル

ファイルID

RCVFILE

 

大文字英数字

×

50バイト以内

コメント

COMMENT

 

文字

60バイト以内

基本設定

 

ファイル名

FILENAME

 

文字

×

200バイト以内

登録モード

TRANSMODE

新規作成(N)

N、R、M

×

(*1)

異常時の処置

ABNORMAL

削除(D)

D、K、R

×

(*1)

集信形態

RCVTYPE

単一集信(S)

S、M

×

(*1)

世代管理

GENCTL

しない(N)

Y、N

×

(*1)

世代管理数

GENMNGNO

 

0、2~9999

 

EBCDICセット

CODESET

自動(0)

0、A~I、V~X

(*2)

正常時ジョブID

JOBID

 

英数字

50バイト以内

異常時ジョブID

EJOBID

 

英数字

50バイト以内

拡張設定

 

集信完了通知

JOBWAIT

受信完了(T)

J、T

(*2)

転送グループID

GRPID

 

英数字

50バイト以内

データ検証

DATAVERIFY

しない(0)

0、1

(*2)

メール連携ID

MAILID

 

英大文字数字

50バイト以内

暗号キー
(高強度暗号強制モードが無効)(*3)

PASSWORD

 

英数字

8~20バイト

暗号キー
(高強度暗号強制モードが有効)(*4)

16進文字列

×

64桁

:

省略可

×

:

省略不可

*1

:

HULFT管理画面の場合、プルダウンリストから設定値をクリックします。

*2

:

HULFT管理画面の場合、プルダウンリストから設定値をクリックします。省略した場合は、初期値が設定されます。

*3

:

システム動作環境設定の高強度暗号強制モード(strongkeymode)で“無効(0)”を設定した場合に設定できます。

*4

:

システム動作環境設定の高強度暗号強制モード(strongkeymode)で“有効(1)”を設定した場合に設定する必要があります。

(2) 各項目の説明

集信管理情報に設定する各項目について説明します。( )内はパラメータファイル使用時に指定する項目名です。

ファイルID(RCVFILE)

集信するファイルを認識するためのID

コメント(COMMENT)

集信するファイルに対するコメント

基本設定

ファイル名(FILENAME)

集信するファイル

絶対パスで指定します。

HULFT8のServerグレードを導入した環境では、ネットワーク資源を利用したファイルを指定できます。

ネットワークファイルの説明は、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

登録モード(TRANSMODE)

集信するファイルの登録方法

新規作成(N)

: 集信ファイルを新規に作成。

同名のファイルがすでに存在している場合はエラー。

置き換え(R)

: 既存のファイル内容を受信データに置き換え。

ファイルが存在しない場合は新規に作成。

追加(M)

: 既存ファイルの最後に受信データを追加。

ファイルが存在しない場合は新規に作成。

集信形態が“単一集信(S)”で登録モードに“追加(M)”を指定した場合、集信中に何らかの異常が発生すると、異常が発生する前までの集信データは追加書きされてしまいます。

異常時の処置(ABNORMAL)

集信に失敗したときの集信ファイルの処置

削除(D)

: 集信ファイルを削除

保存(K)

: 集信が失敗した時点の集信ファイルを保持

復元(R)

: 集信開始前に集信ファイルをバックアップし、集信が失敗したらバックアップを復元

集信開始前に集信ファイルが存在しなかった場合は“削除(D)”と同じ動作

集信形態(RCVTYPE)

集信するファイルの集信形態

単一集信(S)

: 単一ホストからファイルを集信

複数集信(M)

: 複数ホストからファイルを集信し、1つのファイルを作成

“複数集信(M)”を指定するときは、登録モードに“追加(M)”を、異常時の処置に“保存(K)”を指定してください。

世代管理(GENCTL)

集信ファイルの世代管理の有無

しない(N)

: 世代管理なし

する(Y)

: 世代管理あり

“する(Y)”を指定するときは、以下のように指定してください。

  • 登録モードに“新規作成(N)”または“置き換え(R)”を指定

  • 異常時の処置に“削除(D)”を指定

世代管理数(GENMNGNO)

集信ファイルの世代管理数

世代管理に“する(Y)”を指定した場合のみ、設定値が有効になります。

EBCDICセット(CODESET)

1バイトコードを変換するときに使用するEBCDIC系コードセット

配信側ホスト(相手ホスト)のEBCDICセットを指定します。

  • 自動(0)

  • カナ文字(A)

  • 英小文字(B)

  • ASCII(C)

  • ASPEN(D)

  • IBM英小文字(E)

  • IBM英小文字拡張(F)

  • NECカナ文字(G)

  • IBMカナ文字拡張(H)

  • 中国語簡体字拡張(I)

  • ユーザテーブル1(V)

  • ユーザテーブル2(W)

  • ユーザテーブル3(X)

省略すると“自動(0)”が設定されます。

この設定は、配信側ホストがMF-IBMi系機種で、集信側変換の場合に有効です。

正常時ジョブID(JOBID)

ファイルの集信が正常終了したときに起動するジョブID

ジョブIDの詳細は、「ジョブ起動情報」を参照してください。

省略すると、ジョブは起動されません。

異常時ジョブID(EJOBID)

ファイルの集信が異常終了したときに起動するジョブID

ジョブIDの詳細は、「ジョブ起動情報」を参照してください。

省略すると、ジョブは起動されません。

拡張設定

集信完了通知(JOBWAIT)

配信側ホストへの集信完了通知

受信完了(T)

: 受信完了後に通知

正常時ジョブ完了(J)

: 集信後正常時ジョブ完了後に通知

省略すると“受信完了(T)”が設定されます。

転送グループID(GRPID)

集信ファイルの転送グループID

転送グループIDの詳細は、「転送グループ情報」を参照してください。

データ検証(DATAVERIFY)

集信するファイルに対するデータ検証の有無

しない(0)

: データ検証を行わない

する(1)

: データ検証を行う

省略すると“しない(0)”が設定されます。

メール連携ID(MAILID)

ファイル集信後にメールを発行する場合のメール連携ID

省略すると、メール連携は行われません。

暗号キー(高強度暗号強制モードが無効)(PASSWORD)

データを復号するキー

暗号化されたデータを復号する場合に指定します。

相手ホストの配信管理情報に設定されている暗号キーと同じ暗号キーを設定してください。異なる暗号キーを設定した場合、データは正しく復号されません。

また、集信側で暗号キーが指定されていても配信側の配信管理情報で暗号キーが指定されていない場合、集信側の暗号キーの設定は無視されます。

暗号キー(高強度暗号強制モードが有効)(PASSWORD)

データを復号するキー

暗号化されたデータを復号する場合に指定します。

相手ホストの配信管理情報に設定されている暗号キーと同じ暗号キーを設定してください。異なる暗号キーを設定した場合、データは正しく復号されません。

暗号キーの値を必ず指定してください。配信側が高強度暗号強制モードでない場合は転送エラーになります。

(3) 設定時の注意点

ファイルID

ファイルID(RCVFILE)に“_INSTANT_TRANSFER_”というファイルIDは登録できません。

登録モード、集信形態、世代管理の指定

集信管理情報での指定できる組み合わせは、以下のとおりです。

表2.4 集信管理情報の組み合わせ

登録モード

異常時処置

集信形態

単一集信

複数集信

世代管理

世代管理

世代管理

世代管理

あり

なし

あり

なし

新規作成

削除

 

 

保存

 

 

 

復元

 

 

 

置き換え

削除

 

 

保存

 

 

 

復元

 

 

 

追加

削除

 

 

 

保存

 

 

復元

 

 

 

:

組み合わせ可

空欄

:

組み合わせ不可

集信形態

  • “複数集信(M)”指定時の留意点

    集信中にデータは一時ファイルに格納され、集信完了後に集信ファイルにコピーされるので運用に十分な注意が必要です。

異常時の処置

  • “削除(D)”指定時の留意点

    登録モードで“新規作成(N)”を選択した場合、集信ファイルがすでに存在してエラーになると、存在していたファイルは削除しません。

  • “保存(K)”指定時の留意点

    集信形態で“複数集信(M)”を選択した場合、一時ファイルへの集信中に異常が発生すると、そこまでの集信データは集信ファイルに書かれません。また、一時ファイルを集信ファイルにコピー中に異常が発生すると、そこまでの集信データは追加書きされてしまいます。よって、アプリケーションプログラムでデータの重複をチェックする仕組みが必要となります。

集信完了通知

集信完了通知(JOBWAIT)に“正常時ジョブ完了(J)”を指定すると、集信後ジョブが終了するまで集信側から配信側に完了通知がされないため、配信側でタイムアウトが発生する可能性があります。タイムアウト時間の設定に注意してください。

メッセージの置換

以下に、メッセージを置換できる項目を示します。

以下の項目に“$MSG0”~“$MSG5”または“$MSGL0”~“$MSGL1”を指定すると、送信要求時に指定したメッセージや配信側から送信されたメッセージに置換します。

  • 集信ファイル名

  • 転送グループID

  • 正常時ジョブID

  • メール連携ID

相手ホストの言語設定によっては、メッセージの置換が正しく行われず、転送に失敗する場合があります。

メッセージ送信の注意点については「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

集信ファイル名

  • 以下のいずれかを指定するときは、集信形態に“単一集信(S)”を指定してください。

    • “$SNDFILE”

    • “$MSG0”~“$MSG5”

    • “$MSGL0”~“$MSGL1”

  • “$SNDFILE”または“$SNDPATH”を指定することにより、集信ファイル名のサイズが管理情報で指定できるサイズを超えた場合、集信する前にエラーとなります。

  • “$SNDFILE”の後に文字は指定できません。

  • “$SNDFILE”を指定することにより、配信側の配信ファイル名を集信ファイル名とします。

  • 配信側がHULFT for Windowsの場合、“$SNDPATH”を指定することにより、配信側のパス名を集信ファイルのパス名とします。

  • 配信側がHULFT for Windows以外の場合、“$SNDPATH”は変換されません。

  • 集信ファイル名を置換する場合、相手ホストの言語設定によっては、配信側の配信ファイル名を集信ファイル名に正しく置換できず、転送に失敗することがあります。

    詳細は、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

  • “$SNDPATH”を使用する場合は、“$SNDFILE”も同時に指定してください。“$SNDPATH”のみでは指定できません。

  • 配信ファイル名を集信ファイル名とする場合の命名規則を以下に示します。

    表2.5 ファイル命名規則

    機種

    集信ファイル名(Windows)

    配信ファイル名

    $SNDPATH$SNDFILE

    $SNDFILE

    c:\usr\$SNDFILE

    Mainframe

     

    順編成ファイル

    HULFT.DAT.SND.F01

    HULFT.DAT.SND.F01

    HULFT.DAT.SND.F01

    c:\usr\HULFT.DAT.SND.F01

    区分編成ファイル

    HULFT.DAT.F02(SND)

    HULFT.DAT.SND.F02

    HULFT.DAT.SND.F02

    c:\usr\HULFT.DAT.SND.F02

    UNIXまたはLinux

     

    /hulft/dat/snd.f03

    snd.f03

    snd.f03

    c:\usr\snd.f03

    Windows

     

    c:\hulft\dat\snd.f04

    c:\hulft\dat\snd.f04

    snd.f04

    c:\usr\snd.f04

    IBMi

     

    hulft/f05(snd)

    snd.f05

    snd.f05

    c:\usr\snd.f05

MF-IBMi系機種から中国語データを集信する場合

EBCDICセット (CODESET)に“中国語簡体字拡張(I)”を設定してください。

システム動作環境設定の転送コードセット(cs4trnsfr)に“GB18030(G)”または“UTF-8(8)”が設定されていることを確認してください。

EBCDICセットを“自動”に設定した場合の動作

EBCDICセット(CODESET)に“自動(0)”を設定した場合、ファイル転送時の1バイトコード変換で実際に使用されるEBCDICセットの値は、以下のように決定されます。

表2.6 自動的に決定されるEBCDICセットの値

自ホストの
転送コードセット

相手ホストの転送コードセット

UTF-8

SHIFT-JIS

EUC-JP

GB18030

IBM漢字

JEF

KEIS

NEC漢字

IBM
簡体字

SHIFT-JIS

×

F

A

D

G

×

UTF-8

F

A

D

G

I

GB18030

×

×

×

×

×

×

I

:

EBCDICセットの値は、ファイル転送時のコード変換で使用されない

×

:

ファイル転送時にコード変換できない組み合わせ

A

:

EBCDICカナ文字

D

:

ASPEN

F

:

IBM英小文字拡張

G

:

NECカナ文字

I

:

中国語簡体字拡張

自ホストのコードセットを登録するシステム動作環境設定の転送コードセット(cs4trnsfr)の詳細は、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。

相手ホストのコードセットを登録する転送コードセット(KCODETYPE)の詳細は、「詳細ホスト情報」を参照してください。