配信管理情報
配信するファイルのファイル情報を登録します。登録するには以下の2通りの方法があります。
-
管理画面による登録
-
パラメータファイル指定によるコマンド登録
(1) 項目一覧
下記表は管理画面による登録の場合の値です。コマンド登録の場合、「省略」が画面の設定と異なる場合があります。コマンド登録の場合の「省略」の詳細は「各管理情報の登録、変更」を参照してください。
項目名 |
初期値 |
設定値 |
省略 |
備考 |
|
---|---|---|---|---|---|
画面 |
ファイル |
||||
ファイルID |
SNDFILE |
|
英数字 |
× |
先頭英字の50バイト以内 |
配信ファイル名 |
FILENAME |
|
英数字 |
× |
3バイト以上33バイト以内 |
転送間隔 |
INTERVAL |
0 |
0~32767 |
○ |
単位:ミリ秒 |
転送ブロック長 |
BLOCKLEN |
0 |
0,128~65520 |
○ |
|
転送ブロック数 |
BLOCKCNT |
0 |
0~99 |
○ |
|
圧縮方式 |
COMP |
N |
N,1,2,3 |
× |
|
DEFLATEレベル |
DEFLATELVL |
D |
S,D,C |
○ |
|
転送優先度 |
TRANSPRTY |
50 |
1~256 |
× |
|
EBCDICセット |
CHARTYPE |
0 |
0,A~I,V~X |
× |
|
転送タイプ |
TRANSTYPE |
|
F,B,T,M |
× |
|
シフトコードの扱い |
SHIFTTRANSACT |
(*1) |
Y,N,C,S |
× |
(*1) |
後続文字カット |
SPCUT |
N |
S,N |
× |
|
コード変換 |
KJCHNGE |
S |
S,R,N |
× |
|
配信ファイルの扱い |
CLEAR |
K |
K,C,D,L |
× |
|
配信前ジョブID |
PREJOBID |
|
英数字 |
○ |
先頭英字の50バイト以内 |
正常時ジョブID |
JOBID |
|
英数字 |
○ |
先頭英字の50バイト以内 |
異常時ジョブID |
ERRJOBID |
|
英数字 |
○ |
先頭英字の50バイト以内 |
M/フォーマットID |
FMTID |
|
英数字 |
○ |
先頭英字の50バイト以内 |
連携DBID |
DBID |
|
英数字 |
○ |
「CSV」の文字列のみ(*2) |
転送グループID |
GRPID |
|
英数字 |
× |
先頭英字の50バイト以内 |
暗号キー(高強度暗号強制モードが無効)(*3) |
PASSWORD
|
|
英数字 |
○ |
8バイト以上20バイト以内 |
暗号キー(高強度暗号強制モードが有効)(*4) |
16進文字列 |
× |
64桁 |
||
コメント |
COMMENT |
|
文字 |
○ |
60バイト以内 |
○ |
: |
省略可 |
× |
: |
省略不可 |
*1 |
: |
システム動作環境設定の転送コードセット(CS4TRNSFR)の設定によって、初期値、および設定値が異なります。 |
*2 |
: |
転送タイプに“F(FORMAT)”または“M(MULTI-FMT)”を選択した場合に設定できます。 |
*3 |
: |
システム動作環境設定の高強度暗号強制モード(STRONGKEYMODE)で“0(無効)”を設定した場合に設定できます。 |
*4 |
: |
システム動作環境設定の高強度暗号強制モード(STRONGKEYMODE)で“1(有効)”を設定した場合に設定する必要があります。 |
(2) 各項目の説明
配信管理情報に設定する項目について説明します。()内はパラメータファイル使用時に指定する項目名です。
- ファイルID(SNDFILE)
-
配信するファイルを認識するためのID
「_INSTANT_TRANSFER_」は簡易転送用のIDであるため、ファイルIDに指定できません。
- 配信ファイル名(FILENAME)
-
IBM i上に格納されているファイル
物理データファイルの場合は「ライブラリ名/ファイル名(メンバ名)」の形式で指定します。
保管ファイルの場合は「ライブラリ名/ファイル名」の形式で指定します。
配信ファイル名に「*FIRST」や「*FILE」などの予約語を用いた指定はできません。指定した場合は予期せぬ動作をすることがあります。
- 転送間隔(INTERVAL)
-
送信単位(転送ブロック長×転送ブロック数)ごとの間隔
省略すると“0”が設定されます。
- 転送ブロック長(BLOCKLEN)
-
1ブロックを転送するときの長さ
転送ブロック長(BLOCKLEN)と転送ブロック数(BLOCKCNT)の積が“65520”を超える値は指定できません。
- 転送ブロック数(BLOCKCNT)
-
一度に転送するブロック数
転送ブロック長(BLOCKLEN)と転送ブロック数(BLOCKCNT)の積が“65520”を超える値は指定できません。
- 圧縮方式(COMP)
-
ファイルを転送するときの圧縮の種類
- N
-
: 圧縮なし
- 1
-
: 横圧縮(レコード内圧縮)
- 2
-
: 縦横圧縮(レコード間圧縮)
- 3
-
: DEFLATE圧縮
- DEFLATEレベル(DEFLATELEVEL)
-
DEFLATE圧縮時に使用する圧縮レベル
圧縮方式(COMP)で“3(DEFLATE圧縮)”を指定した場合のみ、設定できます。
- S
-
: 圧縮速度優先
- D
-
: 標準
- C
-
: 圧縮率優先
省略すると“D”が設定されます。
- 転送優先度(TRANSPRTY)
-
ファイル転送を起動するときの待ち行列での優先度
優先度は、小さい数字ほど高くなります。
- EBCDICセット(CHARTYPE)
-
1バイトコードを変換するときに使用するEBCDIC系コードセット
自ホストの転送コードセットがEBCDIC系コードセットの場合、配信側(自ホスト)のEBCDICセットを指定します。
自ホストの転送コードセットがUTF-8の場合、集信側(相手ホスト)のEBCDICセットを指定します。
- 0
-
: 自動
- A
-
: EBCDICカナ文字
- B
-
: EBCDIC英小文字
- C
-
: EBCDIC ASCII
- D
-
: EBCDIC ASPEN
- E
-
: IBM英小文字
- F
-
: IBM英小文字拡張
- G
-
: NECカナ文字
- H
-
: IBMカナ文字拡張
- I
-
: 中国語簡体字拡張
- V
-
: ユーザテーブル1
- W
-
: ユーザテーブル2
- X
-
: ユーザテーブル3
省略すると“0(自動)”が設定されます。
- 転送タイプ(TRANSTYPE)
-
配信するファイルのデータタイプ
- F(FORMAT)
-
: フォーマットデータ
- B(BINARY)
-
: バイナリデータ
- T(TEXT)
-
: テキストデータ
- M(MULTI-FMT)
-
: マルチフォーマットデータ
- シフトコードの扱い(SHIFTTRANSACT)
-
コード変換を行うときのシフトコードの扱い
- C(カット)
-
: シフトコードを削除しデータを詰めた形に変換
- S(スペース変換)
-
: シフトコードをスペースに変換
- Y(付加する)
-
: シフトコードを付加する
- N(付加しない)
-
: シフトコードを付加しない
システム動作環境設定の転送コードセット(CS4TRNSFR)の設定によって、初期値、および設定値が異なります。
表2.2 「シフトコードの扱い」の設定値
転送コードセット(CS4TRNSFR)の設定
初期値
設定値
I(IBM漢字)
C(カット)
-
S(スペース変換)
-
C(カット)
8(UTF-8)
Y(付加する)
-
N(付加しない)
-
Y(付加する)
C(IBM簡体字)
C(カット)
-
S(スペース変換)
-
C(カット)
- 後続文字カット(SPCUT)
-
後続文字の扱い
- S
-
: 後続スペースをカットする
- N
-
: 後続スペースをカットしない
- コード変換(KJCHNGE)
-
配信するファイルのコード変換先
- S
-
: 配信側
- R
-
: 集信側
- N
-
: 無変換
- 配信ファイルの扱い(CLEAR)
-
配信ファイルの配信中の排他制御と、正常終了した時の処置
- K(保存)
-
: 配信中はロックを行わず、正常終了後ファイルを保存
- C(クリア)
-
: 配信中はロックを行い、正常終了後0バイトファイルになる
- D(削除)
-
: 配信中はロックを行い、正常終了後ファイルを削除
- L(ロック)
-
: 配信中はロックを行い、正常終了後ファイルを保存
- 配信前ジョブID(PREJOBID)
-
配信を行う前に起動するジョブが登録されているジョブ起動情報のID
ジョブ起動情報の詳細は「ジョブ起動情報」を参照してください。
省略するとジョブ起動はされません。
- 正常時ジョブID(JOBID)
-
ファイルの配信が正常終了したときに起動するジョブが登録されているジョブ起動情報のID
ジョブ起動情報の詳細は「ジョブ起動情報」を参照してください。
省略するとジョブは起動されません。
- 異常時ジョブID(ERRJOBID)
-
ファイルの配信が異常終了したときに起動するジョブが登録されているジョブ起動情報のID
ジョブ起動情報の詳細は「ジョブ起動情報」を参照してください。
省略するとジョブは起動されません。
- M/フォーマットID(FMTID)
-
配信するファイルのフォーマット情報またはマルチフォーマット情報のID
フォーマット情報の詳細は「フォーマット情報」を参照してください。
マルチフォーマット情報の詳細は「マルチフォーマット情報」を参照してください。
転送タイプが“F(FORMAT)”の場合はフォーマットID、転送タイプが“M(MULTI-FMT)”の場合はマルチフォーマットIDが必須です。
- 連携DBID(DBID)
-
配信データの集信側での連携
- CSV
-
: 集信側で集信ファイルをCSV形式変換する
集信側ホスト(UNIX、Linux、NonStop、およびWindows)で集信ファイルをCSV形式受信する場合、“CSV”を指定します。省略するとCSV形式受信は行われません。連携する場合は、転送タイプに“F(FORMAT)”または“M(MULTI-FMT)”を指定してください。
- 転送グループID(GRPID)
-
配信するファイルの配信先が登録されている転送グループ情報のID
転送グループ情報の詳細は「転送グループ情報」を参照してください。
- 暗号キー(高強度暗号強制モードが無効)(PASSWORD)
-
データを暗号化するキー
配信するデータにセキュリティをかけることができます。相手ホストの集信管理情報に設定されている暗号キーと同じ暗号キーを設定してください。
省略するとデータは暗号化されません。
- 暗号キー(高強度暗号強制モードが有効)(PASSWORD)
-
データを暗号化するキー
配信するデータにセキュリティをかけることができます。相手ホストの集信管理情報に設定されている暗号キーと同じ暗号キーを設定してください。
暗号キーの値を必ず指定してください。集信側が高強度暗号強制モードでない場合は転送エラーになります。
- コメント(COMMENT)
-
配信するファイルに対するコメント
(3) 設定時の注意点
圧縮方式
以下の場合、圧縮方式(COMP)に“3(DEFLATE圧縮)”を指定しても非圧縮で転送されます。
-
集信側ホストがVer.8未満の場合
-
詳細ホスト情報のHULFT7通信モードで“Y(有効)”を指定した場合
DEFLATEレベル
圧縮方式(COMP)に以下の設定値のいずれかを選択した場合、この項目は指定できません。
-
N(圧縮なし)
-
1(横圧縮)
-
2(縦横圧縮)
コード変換
集信側ホストがHULFT for Mainframeで、かつ、集信側ホストのシステム動作環境設定の転送コードセットに“8(UTF-8)”が設定されている場合、“集信側変換”を指定することはできません。
配信側ホストと集信側ホストがともにHULFT V8.4以降の場合、「コード変換(KJCHNGE)」に“配信側(S)”を設定しても集信側変換に切り替わる場合と、“集信側(R)”を設定しても配信側変換に切り替わる場合があります。
詳細は「コード変換 マニュアル」の配信側変換と集信側変換に関する説明を参照してください。
配信ファイルの扱い
同報配信する場合は配信ファイルの扱いを“K”に設定してください。
配信ファイルが物理データファイルの場合、配信ファイルの扱いに“C”または“D”を設定すると物理データファイルのメンバに対して「クリア」または「削除」が行われます。
転送ブロック長と転送ブロック数
転送ブロック長(BLOCKLEN)と転送ブロック数(BLOCKCNT)に“0”を設定すると、HULFTが転送単位(転送ブロック長×転送ブロック数)のサイズを自動的に最適化します。
ただし、転送ブロック長(BLOCKLEN)と転送ブロック数(BLOCKCNT)のどちらか一方のみに“0”を指定した場合は、エラーとなります。
詳細は、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。
メッセージの置換
メッセージの置換を行える項目は下記のとおりです。
以下の項目に“&MSG0”~“&MSG5”または“&MSGL0”~“&MSGL1”を指定することにより、配信要求時に指定したメッセージや集信側にて送信要求時に指定されたメッセージに置換します。
-
配信ファイル名
-
転送グループID
-
配信前ジョブID
-
正常時ジョブID
-
フォーマットID
-
マルチフォーマットID
相手ホストの言語設定によっては、メッセージの置換が正しく行われず、転送に失敗する場合があります。
メッセージ送信の注意点については「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。
中国語データを配信する場合
システム動作環境設定の転送コードセット(CS4TRNSFR)に“C(IBM簡体字)”または“8(UTF-8)”が設定されていることを確認してください。
EBCDICセット(CHARTYPE)に“I(中国語簡体字拡張)”または"0(自動)"を設定してください。
EBCDICセットを“自動”に設定した場合の動作
EBCDICセットに“0(自動)”を設定した場合、ファイル転送時の1バイトコード変換で実際に使用されるEBCDICセットの値は、以下のように決定されます。
自ホストの転送コードセット | 相手ホストの転送コードセット | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
UTF-8 | SHIFT-JIS | EUC-JP | GB18030 | IBM漢字 | JEF | KEIS | NEC漢字 | IBM簡体字 | |
IBM漢字 | F | F | F | × | F | F | F | F | × |
UTF-8 | ― | ― | ― | ― | F | A | D | G | I |
IBM簡体字 | I | × | × | I | × | × | × | × | I |
― : EBCDICセットの値は、ファイル転送時のコード変換で使用されない
× : ファイル転送時にコード変換できない組み合わせ
A : EBCDICカナ文字
D : EBCDIC ASPEN
F : IBM英小文字拡張
G : NECカナ文字
I : 中国語簡体字拡張
自ホストのコードセットを登録するシステム動作環境設定の転送コードセット(CS4TRNSFR)の詳細は、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。
相手ホストのコードセットを登録する転送コードセット(KCODETYPE)の詳細は、「詳細ホスト情報」を参照してください。