ジョブフローのライフサイクル
ジョブフローは、作成しただけでは起動の契機となる事象(データの蓄積、時間の到来など)が発生しても起動されません。ジョブフローを実行待ち状態にするためには、あらかじめ管理ステータスを「アクティブ」にする必要があります。また、一度アクティブ化されたジョブフローは、適用期間内に繰り返し実行されます。
ここでは、ジョブフローのライフサイクルについて説明します。
ジョブフローの管理ステータスには「作成中」「非アクティブ」「アクティブ」の3つがあります。作成したジョブフローを保存するとき、ユーザは状況に応じたステータスで保存します。
それぞれのステータスについて次に説明します。
- 作成中
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整合性チェックを実施しないで保存した状態です。完成前のジョブフローを一時保存するときなどに、このステータスで保存します。
このステータスでは、起動の契機となる事象が発生してもジョブフローは起動しません。
- 非アクティブ
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整合性チェックを実施して保存した状態です。まだ実行待ちにする必要のないジョブフローを保存するときなどに、このステータスで保存します。
このステータスでは、起動の契機となる事象が発生してもジョブフローは起動しません。
- アクティブ
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整合性チェックを実施して保存した状態です。実行待ち状態にするジョブフローを保存するときなどに、このステータスで保存します。
このステータスでは、起動の契機となる事象が発生するとジョブフローが起動します。
注意ファイル待ち起動のジョブフローでは、アクティブにできるジョブフロー数に制限があります。最大99個までアクティブにできます。
「アクティブ」「非アクティブ」のステータスで保存する場合は、保存時に整合性チェックが行われます。整合性チェックについては「ジョブフローの作成例と整合性チェック」の「(2) 整合性チェック」を参照してください。
また、ジョブフローの管理ステータスは、一度保存した後にも変更できます。ジョブフローの管理ステータスの遷移について次に示します。

図2.53 ジョブフローの管理ステータスの遷移
(2) ジョブフローの流れ
ジョブフローには適用期間があります。一度アクティブ化したジョブフローは、起動の契機となる事象が発生すると、適用期間内であればその都度ジョブフローが起動し、処理が実行されます。適用期間が終了すると、起動の契機となる事象が発生してもジョブフローは起動しません。
ジョブフローが繰り返し起動する流れを次の図に示します。

図2.54 ジョブフローの流れ
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作成したジョブフローをアクティブ化します。
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ジョブフローの起動の契機となる事象が発生します※。
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ジョブフローが起動して、処理が実行されます。
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適用期間内であれば、ジョブフローは再度実行待ち状態になります。起動の契機となる事象が発生すると、繰り返し起動して処理が実行されます。
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適用期間が終了すると、ジョブフローは「アクティブ」のままですが、このとき起動の契機となる事象が発生しても、ジョブフローは起動しません。
- ※
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: ジョブフローの実行中に起動の契機となる事象が発生した場合の処理については、「(3) ジョブフローのキューイングの仕組み」を参照してください。
ジョブフローは、アクティブ化すると起動の実行待ち(キューイング)状態となり、キューイング・レコードを作成します。キューイング・レコードは、ジョブフローの実行中に起動の契機となる事象が発生したときに、ジョブフローを適切な順番で実行するために作成されます。
ジョブフローのキューイングの仕組みは、ジョブフローの種類によって異なります。各ジョブフローのキューイングの仕組みについて次に示します。
なお、ジョブフローの多重度については「ジョブフローの並走と多重度」を参照してください。
ジョブフロー種別:スケジューラ起動

ジョブフロー種別:蓄積待ち起動


ジョブフロー種別:ユーティリティ待ち起動

ジョブフロー種別:ファイル待ち起動

ジョブフロー種別が「ファイル待ち」の場合は、他のジョブフローと異なり、実行中のジョブフローが完了したタイミングでキューイング・レコードを作成します。また、ジョブフロー作成時の多重度は「1」で固定となります。