ジョブフローの並走と多重度
ジョブフローの起動中に、同一ジョブフローが起動されることをジョブフローの並走と呼びます。一度に並走できるジョブフローの数は、多重度として設定できます。
ここでは、ジョブフローの並走と多重度について説明します。
ジョブフローの並走
ジョブフローの並走は、次のようなケースで発生します。
起動中のジョブフローが、次回起動予定のジョブフローの起動タイミングまで割り込んで起動している場合(積み残しによるジョブフローの並走)
図2.59 積み残しによるジョブフローの並走
ジョブフローの起動中にジョブフローで「今すぐ実行」を行った場合(割り込みによるジョブフローの並走)
図2.60 割り込みによるジョブフローの並走
ジョブフローの多重度
ジョブフローの多重度には、ジョブフロー全体多重度とジョブフロー多重度の2種類があります。
ジョブフロー全体多重度
ジョブフローシステム全体の多重度です。例えば、ジョブフロー全体多重度が「2」と指定されている場合、ジョブフローは全体で2件まで同時に実行できます。
指定した多重度をオーバーした場合、オーバーしたジョブフローは多重度の空きを待ってから実行されます。
ジョブフロー全体多重度をオーバーしたときのジョブフローのイメージを次に示します。
図2.61 ジョブフロー全体多重度をオーバーしたときのジョブフローのイメージ
ジョブフロー全体多重度は、システム動作環境設定のジョブフローの全体多重度に指定します。
ジョブフロー多重度
ジョブフローIDごとの多重度です。例えば、ジョブフロー多重度が「2」と指定されている場合、同一ジョブフローは2件まで同時に実行できます。
指定した多重度をオーバーした場合、多重度発生時の処置に“実行中ジョブフローの終了後に実施”が指定されているときは、オーバーしたジョブフローは多重度の空きを待ってから実行されます。“破棄”が指定されているときは、オーバーしたジョブフローは破棄されて、実行されません。
ジョブフローAに“実行中ジョブフローの終了後に実施”が指定されている場合で、ジョブフロー多重度をオーバーしたときのジョブフローのイメージを次に示します。
図2.62 ジョブフロー多重度をオーバーしたときのジョブフローのイメージ(実行後のジョブフローの終了後に実施)
次に、ジョブフローAに“破棄”が指定されている場合で、ジョブフロー多重度をオーバーしたときのジョブフローのイメージを次に示します。
図2.63 ジョブフロー多重度をオーバーしたときのジョブフローのイメージ(破棄)
ジョブフロー多重度は、ジョブフロー作成画面のジョブフロー多重度で指定します。
ジョブフロー全体多重度とジョブフロー多重度では、ジョブフロー全体多重度が優先されます。ジョブフロー多重度に空きがある場合でも、ジョブフロー全体多重度に空きがないときは、ジョブフローは空きを待ちます。
ジョブフロー全体多重度とジョブフロー多重度がどちらもオーバーしているときのジョブフローのイメージを次に示します(ジョブフローBには“実行後のジョブフローの終了後に実施”を指定)。
図2.64 ジョブフロー全体多重度とジョブフロー多重度がどちらもオーバーしているときのジョブフローのイメージ