HULFT Transferサービスの設定

 

HULFT Transferサービスのシステム構成

HULFT Transferサービスのファイル転送では、ファイルを送信することを「配信」、ファイルを受信することを「集信」と呼びます。したがって、HULFT Transferサービスを利用したファイル転送では、配信と集信を行うシステムを、それぞれ以下のように呼びます。

ファイルを送信する側のシステム

 

配信側ホスト

ファイルを受信する側のシステム

 

集信側ホスト

 

また、ファイル転送を行う場合には通信相手となるシステムが存在するため、以下のように、どちらのシステムかを区別します。

HULFT Square(HULFT Transferサービス)

 

自ホスト

ファイル転送の相手となるシステム

 

相手ホスト

 

たとえば、自ホストが配信側ホストである場合は、相手ホストは集信側ホストとなり、自ホストが集信側ホストである場合は、相手ホストが配信側ホストとなります。

配信

配信用の転送設定情報に従って、配信側ホストのファイルを集信側ホストに転送する機能です。このとき、配信側ホストから転送されるファイルを「配信ファイル」といいます。

集信

配信側ホストから送られたデータを集信用の転送設定情報に従って、集信側ホストで受け取り、ファイルを作成する機能です。このとき、集信側ホストで作成されるファイルを「集信ファイル」といいます。

HULFT管理情報

HULFT Transferサービスが動作するときに必要となる転送設定の情報を総称して「HULFT管理情報」といいます。

HULFT管理情報は、ナビゲーションメニューの以下のメニューで設定します。

  • > HULFT TRANSFER > 集信管理情報

  • > HULFT TRANSFER > 配信管理情報

  • > HULFT TRANSFER > 詳細ホスト情報

 

HULFT管理情報の詳細は、「HULFT Transferサービスで管理する情報」を参照してください。

 

ファイル転送の前提条件

HULFT Transferサービスでファイル転送をするために、以下の前提条件について確認してください。

ホスト名

HULFT Transferサービスのファイル転送では、相手ホストを「ホスト名」で認識します。

ファイルIDの一致

HULFT Transferサービスのファイル転送では、ファイル転送の1つの単位(転送するファイル単位)で、配信側ホストと集信側ホストを紐づけるための識別名(ファイルID)を設定して管理します。

「ファイルID」は、配信側ホストと集信側ホストで同一の値を設定してください。

HULFT Transferサービスでは、配信側ホストと集信側ホストで一致したファイルIDの設定に従って、ファイル転送が実行されます。

 

HULFT Transferサービスで管理する情報

HULFT Transferサービスが動作するときに必要となる転送設定の情報を総称し、「HULFT管理情報」といいます。HULFT Transferサービスのファイル転送では、配信側ホストとして動作するのか、集信側ホストとして動作するのかによって、使用されるHULFT管理情報が異なります。

 

HULFT管理情報

概要

集信側ホスト

配信側ホスト

HULFT Transfer集信管理情報

集信ファイルの属性や転送条件などの情報を設定します。

HULFT Transfer配信管理情報

配信ファイルの属性や転送条件などの情報を設定します。

HULFT Transfer詳細ホスト情報

相手ホストの情報を設定します。

HULFT Transfer サービスの設定

HULFT Transferサービスの動作環境や、配信処理および集信処理を実行するために必要な項目について設定します。

使用する

使用しない

 

転送履歴

HULFT Transferサービスでは、HULFT Transferが行った配信や集信の履歴も管理しています。

転送履歴は、ナビゲーションメニューのメニューから確認できます。

 

配信処理の流れ

HULFT Transferサービスの配信処理の流れについて説明します。

  1. 配信側ホストのHULFT Transferサービス(HULFT Sender)に対して、ファイルIDを指定して配信を要求します。この要求を「配信要求」といいます。

    配信要求は、ETLスクリプトから発行します。HULFT Senderとは、配信機能の実行エンジンです。

  2. HULFT Senderは、HULFT Transfer配信管理情報を読み込みます。

  3. HULFT Senderは、集信側ホストに接続します。

  4. HULFT Senderは、配信するファイルを直接読み込みながら、集信側ホストにデータを転送します。

  5. 転送の完了後、HULFT Senderは集信側ホストとの接続を切断し、配信結果を配信履歴に書き込みます。

    配信履歴とは、配信側ホストで確認するファイル転送の履歴です。

 

集信処理の流れ

HULFT Transferサービスの集信処理の流れについて説明します。

  1. 集信側ホストのHULFT Transferサービス(HULFT Receiver )は、配信側ホストからの接続を受け付けます。

    HULFT Receiverとは、集信機能の実行エンジンです。

  2. HULFT Receiverは、配信側ホストから受け取ったファイルIDをもとに、HULFT Transfer集信管理情報を読み込みます。

  3. HULFT Receiverは、配信側ホストから転送されてきたデータを集信ファイルに書き込みます。

  4. データの転送完了後、HULFT Receiverは集信結果を集信履歴に書き込みます。

    集信履歴とは、集信側ホストで確認するファイル転送の履歴です。

 

運用管理、運用支援、セキュリティ

HULFT Transferサービスを利用したファイル転送では、以下のような機能も利用することができます。

運用管理機能

ファイル転送に必要な転送情報および動作情報を、HULFT管理情報およびHULFT Transferサービスの設定で設定できます。

また、HULFT Squareのモニタリングやガバナンス機能を利用し、転送状況や転送履歴を参照し、出力できます。

運用支援機能

HULFT Squareのデータ連携機能を利用してスクリプトを作成し、配信処理および集信処理と業務アプリケーションのジョブを連携できます。ファイル転送前後の業務処理と転送処理を結び付けて、人の手を介さずに一連の処理を実行できます。

セキュリティ機能

データを暗号化してファイルを転送できます。暗号化方式としてAES暗号化方式をご利用いただけます。また、オンプレミスのHULFTがAES暗号化方式を使用できない場合、HULFT暗号化方式が適用されます。

= 備考 =

配信管理情報、集信管理情報に暗号キーを設定することで、ファイル転送を暗号化できます。

暗号キーの設定については、「集信管理情報」および「配信管理情報」を参照してください。

ファイルのアクセス記録やコマンドの実行記録も確認できます。不審な履歴や管理情報の不適切な値が見つかった場合に、いつ誰の操作によって更新されたかを特定できます。