簡易転送配信要求
簡易転送を行うには、以下の方法で簡易転送配信要求を発行します。
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TSSコマンドとして簡易転送配信要求コマンドを実行
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JCLからバッチTMPとして簡易転送配信要求コマンドを実行
それぞれの方法について説明します。
簡易転送の機能の詳細および制限事項については、「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。
(1) TSSコマンドとして簡易転送配信要求コマンドを実行
簡易転送配信要求コマンドを以下のように入力し、簡易転送配信要求を発行します。
HULSNDGO FILE('filename') HOST(hostname) PORT(port) RCVLOC('rcvloc') RCVFILE('filename') MODE(T) P(n) SYNC
パラメータの説明
- FILE('filename')
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配信ファイル名を指定します(省略不可)。
44バイト以内の英数字で指定します。
配信ファイル名は「'」(シングルクォーテーション)で括ってください。
- HOST(hostname)
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集信側ホストのホスト名を指定します(省略不可)。
50バイト以内の英数字で指定します。
- PORT(port)
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集信側ホストのポート番号を指定します(省略可)。
省略すると、“30000”が設定されます。
- RCVLOC('rcvloc')
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集信ファイルの保存先を指定します(省略可)。
200バイト以内の英数字で指定します。
集信ファイルの保存先は「'」(シングルクォーテーション)で括ってください。
省略した場合の保存先は、「(3) パラメータの注意点」を参照してください。
- RCVFILE('filename')
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集信ファイルのファイル名を指定します(省略可)。
200バイト以内の英数字で指定します。
集信ファイルのファイル名は「'」(シングルクォーテーション)で括ってください。
省略すると、配信ファイルと同じファイル名で集信ファイルが作成されます。
- MODE(T)
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転送タイプを指定します(省略可)。
- T
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: テキストデータ
- B
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: バイナリデータ
省略すると、“T(テキストデータ)”が設定されます。
- P(n)
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転送優先度を指定します(省略可)。
省略すると、“50”が設定されます。
- SYNC
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同期転送する場合に指定します(省略可)。
注意SYNCを指定して同期転送を行う場合、何らかの理由でTSSコマンドを終了する際は、アテンションキー([Cntl]+[Shift]+[T]キー)を押してください。
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「HULSNDGO」の代わりに「HULS」でも簡易転送配信要求コマンドを実行できます。
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TSSのREADY画面で以下のコマンドを入力すると、簡易転送配信要求コマンドの説明が表示されます。
READY HELP HULS
READY HELP HULSNDGO
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簡易転送配信要求コマンドの実行後に表示されるエラーは、「エラーコード・メッセージ」を参照してください。
(2) JCLからバッチTMPとして簡易転送配信要求コマンドを実行
JCLからバッチTMPとして簡易転送配信要求を発行します。
XRSYSIN定義カード
HULFTシステムの動作環境を設定します。設定内容の詳細は、「アドミニストレーション マニュアル」のシステム動作環境の説明を参照してください。
定義カードの形式
START-TASK=配信プログラムのジョブ名(XRSNDのジョブ名) CMPBLK=圧縮用ワークファイルのブロック長 SCANMODE=同期転送時のキャンセルの扱い GAIJIFILE=外字テーブル使用 GAIJIERR=外字未登録時の処理 INIT-UNIT=配信ファイル・集信ファイルのUNIT名 JESC=JESコマンドの頭文字 SNDRETRY=配信ファイルのリトライ回数 SNDRTIME=配信ファイルのリトライ間隔 EUCSP=EUCコード変換時のスペースコードの扱い KEISSPMODE=KEIS全角スペースモード CNVLENCHK=コード変換後データ長チェック OPLSELECT=操作ログ出力選択 (*1) SND-SEQNO-THRESHOLD=配信処理番号しきい値 HULCHARSET=HULFTキャラクタセット INSTTRANSCODCNV=簡易転送コード変換 INSTTRANSEBCDIC=簡易転送EBCIDICセット INSTTRANSCMDQUE=簡易転送コマンド発行用配信制御ファイル
*1 |
: |
操作ログ出力機能を使用する場合は、操作ログ関連の設定が必要です。詳細は「操作ログの動作設定」を参照してください。 |
JCL例
//HULSNDGO JOB CLASS=A,MSGCLASS=B //JOBCAT DD DSN=USERCAT,DISP=SHR //**-----------------------------------------------------------------** //* FILE('SEND-FILE-NAME') - //* HOST(HOSTNAME) - //* PORT(VALUE) - * PORT NO. (DEFAULT:30000) //* RCVLOC('RECEIVING-LOCATION') - * MF:VOL,WIN/UX:PATH,IBMi:LIB //* RCVFILE('RECEIVING-FILE-NAME') - //* MODE(MODE) - * T:TEXT(DEFAULT),B:BINARY //* P(VALUE) - * TRANSFER PRIORITY //* SYNC * SYNCHRONOUS TRANSFER //**-----------------------------------------------------------------** //HULSNDGO EXEC PGM=KEQEFT01,REGION=1024K //STEPLIB DD DSN=HULFT.LOAD,DISP=SHR //XRHULINS DD DSN=HULFT.PARMLIB(HULPRM),DISP=SHR //SYSTSIN DD * HULSNDGO FILE('HULFT.DATA') - HOST(PC00001) - PORT(30000) - RCVLOC('C:\RECIEVE-FOLDER') - RCVFILE('RECEIVE-FILE.TXT') - MODE(T) - P(50) - SYNC //SYSTSPRT DD SYSOUT=* //SYSPRINT DD SYSOUT=* //
DD名 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
JOBCAT |
USERCAT |
カタログ簿データセット名 |
STEPLIB |
HULFT.LOAD |
HULFTロードモジュールライブラリ |
XRHULINS |
HULFT.PARMLIB(HULPRM) |
システム動作環境設定ファイル |
配信ファイルの指定
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配信ファイルに指定できるファイルは、カタログされているファイルのみです。
カタログされていないファイルは、配信ファイルに指定できません。
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MTに存在するファイルは、配信ファイルに指定できません。
集信側ホストの指定
集信側ホストにはVer.8.4以降のHULFTを指定してください。
集信ファイルの指定
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集信ファイルの保存先には存在する場所を指定してください。
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集信ファイルの保存先と集信ファイル名は、集信側ホストのOSの仕様にあわせて指定してください。
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集信ファイルの保存先を省略した場合、集信ファイルは集信側ホストの特定の保存先に集信されます。
保存先は機種によって異なります。
集信ファイルの保存先を省略した場合の集信ファイルの保存先については、各機種の「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。
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集信ファイルに指定したファイルが存在しない場合、集信ファイルは新規作成されます。
集信側ホストがHULFT8 for Mainframeの場合の集信ファイルの指定
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集信ファイルの保存先にMTを指定できません。
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集信ファイルに指定したファイルが存在しない場合、新規作成される集信ファイルは必ずカタログされます。
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新規でファイルを集信する場合、簡易転送の集信ファイルの設定や属性は、集信側ホストのシステム動作環境設定で設定します。設定する項目については、集信側ホストの「アドミニストレーション マニュアル」を参照してください。
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集信側ホストがHULFT8 for zOSで集信ファイルに既存のファイルを指定した場合、カタログ簿を探索するか、ボリュームを探索するかは、集信側ホストのシステム動作環境設定の集信ファイルの探索対象(RCV-FILE-SEARCH)の設定に従います。
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簡易転送集信ファイル名許可リストファイルに集信するファイルを指定した場合、その指定に該当するファイルのみが集信の対象となります。
簡易転送集信ファイル名許可リストファイルに集信するファイルを指定しなかった(省略した)場合、集信できません。
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簡易転送集信ボリューム許可リストファイルに集信先のボリュームを指定した場合、その指定に該当するボリュームのみが集信先のボリュームになります。
簡易転送集信ボリューム許可リストファイルに集信先のボリュームを指定しなかった(省略した)場合、集信できません。